人狼物語 三日月国


100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】

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【人】 逃亡者 ポルクス

>>0 チャンドラ (神隠し時空)

「まぁ、まずはここから帰る方法を探さないといけないけどね」

ふ、と小さく笑った。
少なくとも出る方法は探さなければならないだろう。

自分が生きるためというよりは、この少女を帰すために。

生きる理由はないが、死ぬ理由がまったくないわけではない。
兄は欲しがらなくとも、一つの魂となればより強くなることだけは確実だからだ。

だけどそれを今しようと思わないのは
あなたや、船を出してくれた探偵のお陰と言わざるを得ないだろう。
(4) 2021/10/24(Sun) 14:32:59

【人】 逃亡者 ポルクス

>>5 チャンドラ

「あぁ、まずはこの神隠し状態の場所から帰らないことには、俺と君の殆ど二人きりで一生を過ごすことにならないかい?」

神隠しにあってなお、見える人も居ることをこのときの自分は知らない。

あなたの考えとは少々違うことを言っていたが、返事を聞いていると合点がいったように頷く。
そういう意味合いとしても、帰ったほうが良いだろうことは当然ではあるが。

「君は帰らないと本来の力が出せないんじゃないの?
 力も出せず飢えと戦いながら館に居続けたいというのならそれも悪くはないかもしれない」

それなら、自分も館に居続けるのも悪くないと思う程度には、選択肢として無いとは思ってないようだ。

「……旅をして、あまりに暇で夜とつながりを持つ方法を探すのも悪くないかと思ったけど……君がいないなら探す意味はなさそうだね」
(7) 2021/10/24(Sun) 16:23:42
「おいゲイザー聞こえているか!リーパーはどうなっている!?
話せるなら返事しろ!話せなくても返事しろっ!俺を無視するのは許さないぞ!」


きいきいきい。ぎゃんぎゃんぎゃん。
神経質そうな男が喚き散らしている。大変に喧しい。

貴方は何の問題もなく無視できるだろう。暫くの間男は喚いているが、無視し続ければそれもきっと止む筈だ。

【人】 逃亡者 ポルクス

>>9 >>10 チャンドラ

「おや、そうなのかい?
 なら俺もここにいる間は食事は必要ないのかもしれないね。
 時が止まってるような感覚なのかな」

何もわからないから、好き勝手に推察している。
そうであるならば、彼女にとってはここは良い場所なのかもしれない。
魔法は使えないにしても、飢えも寒さもないのだから。
(17) 2021/10/24(Sun) 20:50:46

【人】 逃亡者 ポルクス

>>9 >>10 チャンドラ

「考え方の違いだね。
 見える人を探せばいいとするか、皆の元に帰ろうとするのか。
 どちらにせよ、二人きりは味気ないと思うのは俺も同意だよ」

どちらでも構わない。
自分に目的はないのだから、君のやりたいようにする事に付き合おう。


―――このあとしばらくして、自然と元の館に戻ってしまうなんて今は未だ知るよしも無いけど。
(18) 2021/10/24(Sun) 20:52:15
「わ、わぁわぁわぁわぁ!」

ゲイザーは思わず声を
あの、頭がわななくような不思議な感覚。
共鳴による力。──久々だった。ミズガネの声だ。

「……ミズガネさん……っ!
 ごめんなさい、あたし、あなたを──」

首を振る。まずは質問に答えよう。

「あ、あたしですっ。ゲイザーもリーパーも、ここにいますっ。
 あたしたち、ひとつになったんです!」

「ひとつに……?」

首を傾げる。原理などはよく分からないけれど、貴方が無事ならばそれでいい。

「そうか。……お前は大丈夫なんだな?喧嘩とかしてな……ああ、いや。喧嘩の一つや二つくらいはするか。ともかく問題がないのなら構わない」

続いて、貴方が口にしようとした言葉を拾い上げる。

「……それで、ゲイザー。謝ることはない。お前がやった訳じゃないんだろう。死ぬほど痛くて辛くて苦しくてたまらなく怖かったからリーパーに恨み言は言ってやりたいがな」

苦しかった事を我慢せず言ってしまうあたり、男はやっぱりだめだめなのかも。

「…………それでも、もし申し訳ないと思うのなら。お前とリーパーの事を教えてくれ。二人はどういう人物なのか知りたいんだ」

「ハッ! オマエのはらわた、
 死人みたいに冷たくて……もごごご」

「す、すみませんっ!! まだうまく、
 お互いの人格が馴染んでいないみたいです」

喧嘩はしているようだけれど。
なんとかうまくやっていけてるのは、きっと伝わるだろう。

これで大団円のハッピーエンドという程、
話は簡単では無いのだけれど。
何せ、元・殺人鬼だ。 ⇒

「それじゃあ。
 あ、……改めて、自己紹介をしますね」

「気弱で、すぐにいじめられちゃってたあたし、ゲイザーと。

 何も言い返せないあたしに代わって、
 怒ってくれた──話を聞いてくれていた『リーパー様!』」

「それが、あたし達です」 ⇒

「今までは、あたし、
 リーパーの存在が認識できなかった」

『ひひひ、こいつ全然気づかねえんだぜ!
 夜な夜な人間を殺して回ってたのにさあ……。
 もごごご。もうしない、もうしないって!』

「──でも。こんなふうに、
 お互い意思疎通できるようになったんです」 ⇒

「こうなったのは、べつに大した理由じゃない。
 過去に特別なトラウマがあった訳でも無くて。

 ……ただ、いじめられっ子のあたしは、
 お友達が欲しかったから」

『でもさァこいつ、オレが世話焼いてやったのに
 年取ったらオレの存在忘れやがった!』

『だから、ムカついて仕方なくって、
 オレは殺人鬼になったんだ。
 人間の腹を裂いて、ウサ晴らしてた!』
 
『オレ、まだ許して無ェかんな!』

『……ま、ちょっとはマシになったけどな、アイツも。
 何か、ずっと”怒る”役目だったけど。
 役目なんかなくても、居て良いって、あのノロマが』 ⇒

長い長い話を滔々と語り、少女はこう締めくくる。

「……あたし達については、これで良いでしょうか。
 えへへ、あたし達。少しだけ、大人になったんですよっ」
 

「──ね、あたし知ってます。
 あなたが、ゲイザーを助けてようとしてくれたこと。
 リーパーに、為さなければならない報いを与えようとしたこと」

「ずっと、……あなたと話したかった」

「ありがとう」

『え、これオレも言った方がいいやつ?』
『ぜってー言わねー!』 ⇒

「……何か、あなたにお礼がしたいんです。
 あなた、ずっとあたしのこと心配してくれたから」

「…………」

「ば、『晩酌』……。
 お付き合いしたほうが良いですか……っ?」


結局純潔のままだった少女は、
声を上ずらせて尋ねて来る。

けれどきっと、もうそれはあなたには必要ないことだ。

【人】 逃亡者 ポルクス

気がついたらそこにはもう桜の木がなく。
館の中庭の隅だった。
高い塀の前には、何もない。

「…………これは、帰ってきたってことかな」

さっきまで一緒に居て、見える人を探しに行ったチャンドラはどこに行っただろうか。
ここか、俺の部屋でとのことだったから、待っていればここに彼女が来るかもしれないが。

「………。帰ってきたなら、俺の役目は終わりかな」

約束を果たす必要すら、ないかもしれない。
結局自分が得たものは、ただの記憶だけだ。
(56) 2021/10/26(Tue) 1:33:59

【人】 逃亡者 ポルクス

―――夜がきた。


兄は桜とともにどこかへ去ってしまった。
では、自分は一体どうやってこれから生きていこうか。

追われることがないならば、国に帰らなければ。
あまり長くは国を空けていられるような身分ではないのは確かだから。

でも、心に穴を開けたまま傷つくのなら
此処でもない、国でもない何処かへ消えてしまいたい。
そんな風に思う。

この身に温もりはないまま、宛もなく歩いて。

それから、と。
(70) 2021/10/26(Tue) 17:25:52

【人】 逃亡者 ポルクス

ここに残るも外に出るも自由のようだから。
俺は外の世界に戻ろうかとは考えている。
なにもないと考えすぎてしまうから、想いの忘れ方を探し彷徨うしかないだろう。

だけど、その前に。

ひどいことをしてしまった少女に、謝りくらいはしていくべきだろうか。

そんな事を考えながら、少年のように振る舞っていたあの少女を探し館を歩いた。
(71) 2021/10/26(Tue) 17:27:18
長い長い話を、しっかりと受け止めて。

「……リーパー、お前も寂しかったんだな。
 お前の痛み、ちょっとだけ分かるかもしれない」

ぽつり、呟く。

「ああでも、意思疎通ができて、大人になれて、本当によかったと思う。リーパーも寂しくなくなるだろうし、ゲイザーも親身に寄り添ってくれる奴と再会できた。安心したよ」

ありがとうと言われると、照れくさいのかちょっとだけ帽子を直すふりをした。

「どういたしまして。放っておけるはずがなかったからな。ゲイザーはドジでおっちょこちょいだが、人一倍一生懸命だ。悲しい目に遭うなんて俺が許さない。許したくない」

男はどこか、重ねていたのだ。
失敗ばかりの少女と自分を。
でも、決定的に違う部分がある。頑張り屋さんな部分だ。
だから重ねていたけれど、決して同じではない貴方に憧れてもいた。

そんな貴方の断末魔を、いったいどうして無視できるというのだろう?

本当はそんな理由もあったけれど、照れくさかったので心の奥にしまっておいた。


『晩酌』の話になると、男はくすりと小さく笑みをこぼす。

「……それなんだがな、ゲイザー。『晩酌』はしないことにした。色んな酒と女に溺れて逃げる事はやめたよ。
 そうしなくてもいい、互いに支え合える大事な人と出会えたから」

穏やかな声でそう紡いで、「でも」とさらに言葉を重ねる。

「お前と、そしてリーパーとまたお茶会はしたいな。純粋にお菓子とお茶を楽しんで、とりとめもない話をしたい。
 お前が焼いてくれたドライフルーツ入りのパイ、とても美味かったんだ」

その声色にゲイザーは、”まるで憑き物が落ちたみたい”と思った。
同時に、”今のあたしたちの関係のほうが、きっといい”という、
曖昧な印象も。

「あなたってひとは」
「年頃の女の子の、純潔を奪おうとして置いて」

その癖、幾らでも代わりのいる筈の下女を心底心配してしまう。
照れ隠しのような仕草に、ゲイザーはくすりと笑った。

ねえ、あたし。
あなたになら、初めてをあげてもいいと思っていたんですよ。

「ほんとう、憎み切れない、ろくでなし」 ⇒

「良いですよっ。あたし、暫くこの館にいますし。
 そう、あたしっ。
 お手伝いじゃなくて、正式に雇用されたんですっ」

だからこそ、何度でも次はあるのだ。
ゲイザーは贖罪をする必要が有る。
しばらくこの夢から覚めることはできない。

……けれど、どうやら退屈はしなさそうだ。 ⇒

「だから『お誘い』は、いつでも。
 あたしももっと、あなたのこと知りたいから。
 どうでもいいことをお話しましょう」

「……茶飲み友達して、ね?」

ゲイザーは大人になって、少しだけ悪戯ができるようになった。

『えっ!? オレこいつと茶飲むのなんかゼッタイイヤだぜ。
 あとジュースがいい!』

あまのじゃくの騒々しい一声と共に、ゲイザーは通信を切る。
きっと、この通信を使うのは最後になるという予感があった。
だって、普通に顔を合わせればいいのだから。 ⇒

日の光が降り注ぐ、中庭に隣接した通路で、
ゲイザーとリーパーは”そのあと”の話をしていた。

『あっっっっりえねえ!!
 オマエ、けっこうアイツのこと”イイ!”って思ってたんだろ。
 知らんやつに取られて、それで良いわけ!?』

「良いわ。……だからこそ、良いの。
 あたしは、あのひとに光を掴んでほしい。

 いつも酒に溺れて、誰でもいいから女のひとに助けを求めて。
 そんなあのひとが、あんなに穏やかな声色で言ったんだもの。

 あのひとを”悲しい目”から引き揚げてくれるのは、
 きっとそのひとだわ」

「相手が誰だって、あたしは祝福する」
「ああ、でも。──優しい人が良いわ!」

ゲイザーは日の光を眺めて、笑っていた。

『はーぁ。オマエ、マジで救いようのないバカだよな』
『ちょっとは分かるけどさ』

これはきっと、二人だけにしか聞こえない内緒話。
さあ、今日はどんなパイを焼こうか。

【人】 逃亡者 ポルクス

>>87 ゾズマ

「……おや。
 もう少年の振りはおしまいなの?」

話し方まで変わった探し人の姿を目に止め。
ゆっくりと中庭のベンチへと近づいた。

近づきすぎるのは良くないだろうから、不自然な間をおいて。
(88) 2021/10/27(Wed) 17:51:45
ポルクスは、チャンドラの手を取った。
(a7) 2021/10/28(Thu) 2:17:30

【人】 逃亡者 ポルクス

>>103 ゾズマ

「そう。君の身体には二人の人間が居るんだ?
 ……俺は、そうなりたかった人間だよ」

あまりにも普通に受け入れたから、信じてないと思われたかもしれない。
だけど別にそれで構わないと思う。
双子な俺が、半身と一つになりたかったと言う話だって信じてくれやしないだろうし。

「…………、……ごめんね、ひどいことをして。
 もう近づくことはしないし、俺はここを出ていくからきっと出会うこともないでしょ。
 安心していいよ」

近寄ってはいけないよと、片手を伸ばしてそれ以上距離を詰められないようにした。
(106) 2021/10/28(Thu) 2:26:19
リーパーは、館の協力者の役目を終えた。
誰かを襲う画策をすることもない。
館の魔力によるこの声も、もう届くことはない。

それにリーパーはべつに、キエのことを
特別だともなんとも思っちゃいない。
これは、刹那の繋がりだ。

だから、別れを告げなければ。 ⇒

「ようキエ! まだこれ、聞こえてるか?
 いやあ、オマエには世話になったな。
 オマエが居なければ、あんな謎は作れなかった」


「それに何より、オマエには恩が有る。
 あの時は、オレが”下”だったんだ。

 オレは副人格だった。
 棄てられて、なかったことにされて。
 認識すらされなくて」

「……だからひとときでも
 あいつの躰を奪ってやれたのはスカっとしたぜ! 
 それに、あのお陰で今みたいに対等になったんだし。

 
何より、ゲイザーのあの顔! あの悲鳴!

 
ギャハハハハ!!!

「でもオマエやっぱムカつくわ」


「いつだって人を食ったようなツラしてさ。
 オレは誰のいいなりにだってなりたくない!」

「そういやオマエ、最初は探偵だって名乗ってたよな。笑える!」

「……じゃあ、待宵館殺人事件はこれでおしまい。
 オチは探偵と犯人の結託による完全犯罪だ。
 陳腐で、趣味の悪い、最高のミステリー!」

 
「でも、それは今回だけのこと」

「次回は敵になるな?」

 

「捕まえてみろよ、インチキ探偵!」

さよならなんて素直な言葉、言ってやらない。
リーパーはリーパーらしく。
最後に行ってやるのは捨て台詞。

もう殺人なんてする気はないのだけれど。
統べる者に歯向かうのが愚かな殺人鬼の最後の矜持だ。

……さて、気に入ってくれただろうか、あなたは。
さあ、ご感想は?

キエは人を夢で判断する。どんな夢が実るか、実りそうな場所か。その尺度しか持っていない。
……矢張りキエも、リーパーの事を何ら特別視していない。尤も其れは貴方に限った事ではなく、人間全てに対してだが。

「君達の刻も動き出した様で何よりさ。其れを僕のお陰だと気付けたのも有難いねェ。
 此れで君達を食えていれば、文句無しのハッピーエンドだったんだけどなァ?」

乾いた笑みがありありと思い浮かぶ様な声色が届く。
キエの言葉が真意である事は、刹那といえど共犯者と成った貴方なら判る筈だ。

「しかし、だが────次回は敵にも味方にもなってやらないさ。僕ァ舞台をスポットライトの上から見下ろすのが好きなんでね。
 もし君が再び舞台に立つ事があれば、僕は何処まででも照らし続けてあげよう」

さよならなんて人間じみた言葉は、考えもしていない。
死が夢を別つまで、キエは人の中に在り続ける。
人が夢に向かって歩き続ける限り、“キエ”で在り続ける事ができる。

 
「其の時は、きっと
また


「陳腐で、趣味の悪い、最高のミステリー悪夢を見せておくれよ」

 

【人】 逃亡者 ポルクス

>>132 ゾズマ

「……。同じ魂を分けた双子はね、どちらかが強い力を持って生まれることが多いんだ。
 俺の場合は、兄のほうがそうだった。
 それなのに、兄の力を忌み嫌った両親は兄を認めず、俺を嫡男とした。
 兄は塔に閉じ込められて……称賛も、親の愛も、教養も、全部俺が独り占め。
 本当は全て兄の物であったのにね」

その後はあなたも軽く知ってる通りだ。
深い愛憎の末、追い追われる者となった兄弟の末路は、他人が聞くにはあまりにも滑稽だ。
兄は本当にほしかった愛を手に入れ、俺は必要がなくなった。
身体に空いた大きな心の穴は、きっと生涯癒えることはないだろう。

「今はもう求めないことにした。
 でも……多分そういう事になったら、拗れきった俺は酷く喜ぶと思うよ。
 そう簡単に人間は変われるような生き物でもないでしょ」

「だから俺には近寄らないで」

もう交わるべきではないと思うから。
(133) 2021/10/28(Thu) 18:23:58

【人】 逃亡者 ポルクス

>>134 >>135 >>a19 >>136 >>137 ゾズマ

「……!?」

近寄るなと言ったのに。
手を伸ばされ、距離を詰められ、胸ぐらを掴まれたと思ったら顔が近づいてきて。
何をするかと思えば少しの間の後、勢いの良い頭突きが痛烈な痛みを運んできた。

「いっ……何する」

の、と言いかけた口は言葉を紡がない。
ぎこちない笑みが、俺を見送ろうとしてくれてるのだけ伝えてくれたから。


「……うん。
 さよなら、ザラ。どうか元気で」

やわらかな笑みを一つ落とせば、俺はあなたに背を向けた。
もう、振り返ることはない。


男はそうして、
希望
という
ぬくもり
を手に館を立ち去ったのだった。
(138) 2021/10/28(Thu) 19:42:29
 

そこには 誰もいません。
 

 

そこには 誰もいません。
 

 

そこには 誰もいません。
 

 

 

 

 

そこには 誰もいません?
 

 

テラは そこにいます。
 

 

「 
これは夢、夢、夢
 」
 

 

「 
そう思っていることに、変わりはないんだよな
 」
 

 

 
テラは今此処に存在しているつもりでも、

 
それは“つもり”なだけで、テラの実在は不確定だった。

 
不透明な君達は、疑いようもなく当然存在しているもので 

 
影響を及ぼそうと思えば及ぼせるけど、

 
及ぼそうと思わなかったら及ぼせない。

 

 

「 
テラは本当に存在しているの?、なんて思うのはおかしくないだろ?
 」
 

 

 
こんなに、テラにとって都合の良い、夢みたいなことなんて

 
何かの奇跡だとかそういったものの類で。

 
今のこの 見てもらえた聞いてもらえたっていうのが

 
夜が明けた後もずっと続くだなんて保障はなくって。

 

 

 
この待宵館に、月がこうしてのぼるから。

 
それは、テラなんかよりもずっと強大な力を持っているものだから。

 
だからテラも、夢じゃないけど夢を見られていたのさ 

 
そう思った方が、望む通りにいかなった時の落胆は少なくて済むだろう?

 

 

「 
でもなぁ 夢にしたくないね、テラは
 」
 

 

「 
だから 夢じゃないよ
 」
 

 

「 
テラはそう言うから、テラにとってはそれが事実さ
 」
 

 

テラは ここにいます。