人狼物語 三日月国


40 【完全RP】湯煙に隠れる吐息【R18】

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視点:


   
─桔梗の間─
 
   ……本当、みなさんお上手ですね?
 
 
[可愛げある子、だなんて。
 ここに来る人で私を抱いてくれるような人は
 口が上手な人が多いと思う。
 それを心の底から言ってくれる人は
 きっとこんな所にはいないのだろう。
 そうやって断じてしまう自己評価の低さが
 きっと私を人から遠ざけてしまっているのだけど。]
 
 
   付け上がるほど気に入ってくれる人なんていませんよ?
 

 
   ……大丈夫ですよ。
   お姫様抱っこさせてギックリ腰とか笑えませんし
   それ以外の運び方だと
   戦友みたいな感じになりません?
 
 
[肩を支え合って、「よくやったな相棒」的な。
 所謂お姫様抱っこは憧れるけれど
 自分の身長でやって貰おうとは思わない。
 それはもっとこう、小柄で華奢な子のものだ。]
 
 
   それは。どちらかと言うと。
   敦久さんが、疲れてないかなって。
   体よりも気持ちの問題で
   いろいろあったでしょうから。
 
 
[無くなった指輪。
 大事な相手がいたのにここに来ていると言うこと。
 それだけで想像はできたから。

 彼の中ではもう遠く、消化できている出来事かも知れない。
 けど私は、その過去を思って労いたかった。]**
 

  ───睡蓮



[ その手が身体を這う。
ぞくぞくとしたものが走り、
目を細めて、小さく鼻母音が抜けた。

設定の裏側に隠された本音のような
言葉が聞こえて微笑む。
唇が降りてきたから、そっとそのまま
まぶたを伏せようとしたのに、
まつげの隙間から覗けば、
なぜか唇のすぐ右側に落ちた。]



   なんや、久しぶりすぎて
  はじめてどころか、キスの仕方も
  忘れてしもたんとちがう?



[ そう囁き、襟元から首に移していた
腕を引き寄せて、後頭部に手のひらを回し、
そのままちゅ、とキスを一つ。]

 


[ 笑って、腕を緩める。
褒められれば純粋にうれしい。
ほかの男との情事のあとを
残した肌だけれど、これは
見て見ぬふりをするのだろうか?

そんなことをぼんやり考えながら、
かるく身をしならせた。

乳房にかかる手が柔らかく揉む。
指先を甘く噛み、そちらを見て。
その手が己の体から離れて、
帯にかかるのが見えれば、す、と
手を伸ばして制しよう。]



   うちにさして?


[ 小さなおねだりと共に、
彼の手の下にある帯の結び目を
掴み、緩めて、解く。
彼の肌が目の前に晒されるのならば、
うっとりと見つめ、その肌にこちらからも
指を、手のひらを、這わせようと。]*

 

【人】 卯月 侑紗

  ー 数ヶ月後 ー


  

  …………あのまま終わっていたら
  ハッピーエンドだったのかな。


[数ヶ月─────
 シャツとニットとタンクトップだけじゃ
 さすがに肌寒くなるような時期になって
 私はまた、この宿を再訪していました。

 黒いニットのセーターに
 膝丈の花柄のスカート。
 宿泊の予定は無いから、
 小さなハンドルの手提がひとつ。]


  まだ、いらっしゃるんですかね……


[ぽつり、と呟いて笑みを浮かべた頬には
 大きな絆創膏がひとつ。
 さて、足を運んだラウンジに
 目的の人の姿はあるかどうか。]*
(10) 2020/08/17(Mon) 14:24:09

【人】   卯月 侑紗

  ー 数ヶ月後 ー

[あの時と変わらない様子のラウンジには
 朝酒の一杯を求めた宿泊客らで
 賑わっていたことでしょうか。

 出発の準備を整えた旅装の群れの中、
 白いシャツとニットの彼を見つけたなら>>13


  あーきふーみさーん!


[私は足早にそちらへ向かいました。

 手を振った時、ニットの下、黄色と紫に
 歪に色付く肌が覗いたかもしれませんし
 近くに寄れば、笑みを浮かべた左頬に大きく
 絆創膏が貼っているのが見えるでしょうか。

 でも、そんな痛々しげな風体とは裏腹に
 あはは!と歯を見せて笑いましょう。
 何せ、全部やっと吹っ切れましたので。]
(35) 2020/08/17(Mon) 20:53:50

【人】   卯月 侑紗



  あんなこと言っといて来るとか、
  ほんと、なんか、みっともないですが……
  結局、私、フラれちゃいましたっ!


[とりあえず、カウンターに一席頂戴しましたら
 あの日の白ワインよりほんのり渋い
 キールをお願いしようかしら。]
(36) 2020/08/17(Mon) 20:55:29

【人】   卯月 侑紗



[まあ、聞いてくださいよ。]*

 
(37) 2020/08/17(Mon) 20:56:16

【人】   卯月 侑紗

  ー わたしと、先輩・結 ー

[あの後宿を後にした私は
 すぐさま先輩に告白しました。
         ……この宿でのことは
         何一つ口にはしませんでしたが。

 そしたら!なんと!
 OKがいただけたんです!
 たった5人のスタッフしかいないバイト先には
 絶対内密に、というお約束付きで。
 憧れの先輩とお付き合いできるなら
 なんのその、とその条件を飲んで
 晴れて私は先輩の「特別」の座を
 手に入れたのでした。

 いつものバイトの間、人目を忍んで口付けしたり
 お店を閉めたら二人で手を繋いで帰ったり。
 そんな密やかな日々を手に入れることが出来て
 ─────私、心底嬉しかった。
 努力が全部報われて、
 やっと幸せになれたんだって。]
(41) 2020/08/17(Mon) 21:07:29

【人】   卯月 侑紗

[そうして、ある日。
 先輩のアパートにお邪魔することになって……
 たった二人の空間で、抱き合った。
 それだけじゃ足りなくて、
 舌を絡めて口付けて、
 身体を隔てる服も全部脱ぎ去って。


 そして
 見てしまったんです。


 先輩のパンツの中から
ぴょこん
と現れた
 ワインコルクほどの大きさの、何かを。]
(42) 2020/08/17(Mon) 21:08:39

【人】   卯月 侑紗

[人の身体は人それぞれ、とは言いますが
 あの夜見たものとは一線を画した
 その斬新なコンパクトさと、
 張り出した傘もなく、
 噛んだガムをくっ付けたような
 伸びた皮に包まれたビジュアル。

 ……いや、それでも愛しい先輩だったので
 その全てを受け入れようと思って
 私は、最大限、知恵を振り絞りまして]



  ……先輩、もしかして、
  事故か、何かで……?



[にょん、と上を向いたそれを直視したまま
 真剣な顔で、聞いてしまったのです。

 結果、この一言の方が大事故だったわけで。]
(43) 2020/08/17(Mon) 21:09:43

【人】   卯月 侑紗

[思い返せば私が100%悪かったのですが。

 でもあの時はすごく必死で
 怒り狂う先輩に追いすがって謝りました。
 なのに、結局、口論になってしまって。
 そして、先輩に思い切り頬を張られ


 ── ぷっつん ──


 気が付けば、手元にあるものを投げ合う
 大喧嘩になってしまって。
 先輩のワインコルクに六法全書が直撃した隙に
 家を出て……私たちの関係は、それっきり。


 頑張って、何もかも捧げて手に入れた恋は
 そんなくだらない終わり方をしました。
 処女も非処女も、セックスの手管も関係ない、
 ただただお互いに張った見栄の下から
 しょうもない本性が現れてしまったような。]
(44) 2020/08/17(Mon) 21:10:33

【人】   卯月 侑紗



[ああ、本当に馬鹿みたい。

 恋なんか、するんじゃなかった。]*

 
(45) 2020/08/17(Mon) 21:11:31
── 桔梗の間 ──



  んなことないと思うけどな


[お世辞で言ったつもりはないけど
続く言葉には、否定せず
困ったように眉尻が下がる]


  おいこら
  まだギックリ腰になるほどトシじゃないぞ


[こつんと彼女の額を小突き。
いつもの調子に戻ろうとした、ところで]


  ……ああ、そっか
  ちあきちゃんには一度見られてるんだよな


[記憶の底に沈んだ駅での会話を手繰り寄せ
ふ、と小さく自重すれば
ようやく頭を撫でる手の意味を知る]



  ──前にあんたと会った日


[ぽつり、ぽつりと]


  家に帰りたくなかったんだよな
  だから、どこでもいいから行きたかった


[だから彼女をダシにして、わざと電車を見送った。
他にも残業だといって、遅く帰ったことも数え切れず。

避けるような行動は、
擦れ違いの溝を深めるだけだって気づいていても。
話し合おうとすれば決まって口喧嘩になる日々に
辟易しすぎて]

[左手を持ち上げれば、もう大分薄くなった跡]


  あの頃はちょうど、離婚する数週間前くらいだったかな

  あんたと話してから何度か思い直して
  なんとかしようとしてみたけどさ
  結局どうにもなんなくて
  嫁さんは愛想尽かして出てっちゃって、おしまい

  まあ、確かに色々あったな


[愛してた、けど。
出てってくれた時は、どこかホッとしていた。
そんな薄情な男、こんな風に労われる資格も
ないんだろうけど。
少しだけ彼女の掌へ頭をすり寄せた*]

   
─桔梗の間─
 
   ですよね。……無理は、させたくないし。
 
 
[だから良いんだ、わかってる。
 そう言いながら私は
 いつかの時のように笑う彼に肩を竦める。

 妥協できないなら、折れることができないなら、
 お互いに譲り合えないなら。
 それは無理が生じて折れてしまうだろう。
 だから、と彼の頭をまた撫でる。]
 

 
   あぅっ?
   ぎっくり腰に歳は関係ないですよ。
   油断してるといつかグキってしますからね?
  
 
[小突かれて、唇を尖らせてみたけれど
 すぐにおかしくなって笑ってしまった。
 けれどそこから始まるかつての話に
 私は静かに耳を傾ける。

 ああそうか、大事な人とは別れてしまったのか。
 一度生じた軋轢はなかなか解消できないもの。
 その話し合いが苦痛なくらいにすでに無理が生じていて
 もっとそうなる前に話し合えたら、なんて後の祭り。

 でも、大切だったからこそ辛くて
 きつかったんだろうな、と。

 そう思ったから、手に擦り寄る彼の頭を
 ギュ、と抱きしめて胸に埋めた。
 窒息しない程度に埋めて、よしよしと頭を撫でる。]
 

 
   敦久さんって、プライド高そう‥っていうか。
   甘えるの、下手そうですよね。
   甘えるのが下手だから
   辛いとかしんどいとか
   本当に大切な人に言えなくなっちゃう、みたいな。
   そんなふうに思えてしまいました。
 
 
[大切な人だからこそ、傷つけたくなくて。
 無理をして、でもその無理が辛くなって。
 辛くなったから逃避してしまう。
 そんなことは自分にも覚えがあるから。]
 
 
   だから、甘えて良いですよ。
   いろいろ頑張りましたね、敦久さん。

   ………たまにはこんなのも、良いはずです。
 
 
[誰だって甘えたい日はあるもの。
 何もかも許された赤ん坊の頃みたいに。
 だから、私はしばらくそのまま
 彼を抱きしめ、撫でていようと思っていた。]*
 

  ――睡蓮



 そうかもしれへん、なぁ。
 やったら、月子がイチから、教えてぇな。


[ 子供が生まれて初めてするような
 拙いキスを評されて、
 拗ねるでもなく甘えた風にねだってみせた。
 後頭部へ添える手がそのまま
 口づける動作へ移れば目を細めて、]

[ 甘噛みされた指先に見返して、離した手。
 追いかけられて制されれば首をかしげ、
 小さな求めにうなずいて。


 してくれるん。 優しいこと。


[ きゅっと結んだ帯が解かれ、はらりと浴衣が開かれる。
 伝う手指の感触は空調の効いた室内で、
 そこだけ鮮明な熱を伝えて、その軌跡が朱を残すよう。]


 月子の肌も。ええさわり心地。


[ 背の低いベッドの上、じゃれ合うように撫で触れて、
 くすくすと楽しげに声を向け。]


 ――そやけど、これは、尋ねてええんかな。

    浮気?
    それとも、
    一人でしてくれてたん? って。


[ 色づいてみえる素肌の様子はこの宿で、
 既に誰かと肌を重ねたあとだと知れる。

 口にしたのが偽の推測でしかないことは、
 どちらにとっても明らかなこと。
 だからこその嘘。

 このひと時はただの虚構で、夢まぼろし。
 嘘に嘘を重ねていれば、
 やがてぱちんと弾けて消えても、
 それは当たり前の事だから。]*

  ───睡蓮


[ こぉ?と確かめるように触れた唇は、
悪戯に食むから、薄く開いて舌先で
唇を濡らし、微笑み返す。]


   ───そう。思い出した?


[ そう尋ねて。

彼の帯を自ら解き、肌に触れる。
互いの熱を手のひらで確かめるように
撫で、戯れあっていれば、
尋ねられた事柄に、まぶたを伏せて、
首元に視線を落とす。だが、その跡は
自分では視認できるはずもなく。]

 




   浮気なんかするわけないやん。


[ 目線を流すように彼の方に戻し、
眉尻を下げる。]



   確かめてくれてもええよ?



[ そういって、伸ばした手をする、と
彼の首の後ろで組めば、引き寄せる。
耳朶を甘く食んで、舌を這わせた。]

 

[頭を抱かれ、目を丸くして
はぁ、と撫でる手に観念するよう目を閉じた。
やわらかい感触に顔を埋め
乾き始めた汗でひんやりとした肌に額を押し当てれば
とくとくと伝わってくる鼓動が心地いい]


  ……ふふ
  ちあきちゃんはいつも逆のこと言うね
  よくお前にはプライドないのかとか
  甘え上手めとかなら言われるけど?

  でも……大切な人ほど言えなくなるのは
  あたってるかもな
  大事にしたいと思うほど、全然上手くいかないし


[傷つけたくない
でもこうして誰かと一緒に居たくもあって。
だからこの旅館はちょうどよかった。

明確な次のない、一晩限りの関係。
しんどくなくて楽しくて、ちょっとだけさみしい
それくらいが自分には、ちょうどいい]

[彼女の胸で甘やかしてもらい。
されるばっかってのは好きじゃなかったけど、
割といいもんだな、なんて思い直しながら。

ゆっくりと、顔を上げた]


  ありがとな
  このまま居たら眠っちゃいそうだから
  そろそろ行くわ

  ああ、お礼にいつかちあきちゃんが
  しんどくなった時には俺の胸貸してやるよ
  やわらかくはないけどなー


[軽口を叩きながら布団から起き上がり浴衣を整え。
まだ横たわる彼女の傍らに膝をついたなら]

[にっこりと笑って]


  ───よいしょ、と


[膝裏と背中に腕をいれて、持ち上げる。
どうだ、と抱え上げた彼女を見上げ得意気に笑えば
危なげない足取りで内風呂の方へ足を進めようか]


  ……あんた思ってたより重いな


[真っ正直な感想を口にしてしまう辺り、また減点だろう**

【人】   卯月 侑紗

  ー 数ヶ月後・ラウンジ ー


  あー、違うんです。違うんです。
  今日はよしよしされに来た訳じゃなくて!


[散々笑って、それからまた
 頭を撫でてくれようとした手を
 私は押しとどめるでしょう。]


  友達に話すと皆同じこと言うんです。
  「そんなやつ別れて当然だよ」とか
  「女の子殴るなんてサイテー」とか
  「そんな目に遭って可哀想」とか。

  でも、一緒にこうやって笑ってくれる人が
  欲しかったんですよね、私。
  私の馬鹿な決心も、馬鹿な別れ方も
  全部、全部ひっくるめて。


[適任でしょう?とキールを一口。
 カシスの渋みが喉に心地よい。]
(80) 2020/08/18(Tue) 6:43:07

【人】   卯月 侑紗




  まあ、恋の努力は報われなかったわけですし、
  バイトも気まずくて顔出せないし、
  ぜーんぶ、頑張り損なんですけれど……
  でも、大丈夫です!


[暎史さんの手が、さっき撫でてくれた
 絆創膏の上をするりとなぞって、笑うの。
 痕なんか、二三日で消えるって
 あなたが教えてくれたことでしょう?]


  この痕も、痛みも、じきに消えます。
  そしたら、次に頑張れるものを
  探しに行こうと思うので。


[だから今こそ、次の一歩を踏み出すために
 辛い気持ちを全部笑い飛ばしたいのです。]
(81) 2020/08/18(Tue) 6:50:55
   
─敦久さん─
 
   そうですか?
   それは、相手の人にカッコつけなくて良いから、では。
   大事な人にはカッコよく見せたいでしょう。
   カッコよく見せたくて、無理するでしょ。
 
 
[つまりはそういうことですよ、なんて笑う。
 そんな風に甘えを見せられる、
 甘えて甘やかせる程度の関係が心地よかった。

 今後またどこかの駅で会うかも知れない。
 若しかしたら仕事の時に。
 法廷で出会ってしまったら?
 そこは私情を挟まずに、公平にね。
 そんなところで出会わない方がきっと良いけれど。]
 

 
   ふふ、それは楽しみにしておきますね。
   もし何かあったら連絡してくれても。
   司法関係の友人は多いですから?
 
 
[なんて。別れ際には名刺を差し出したかもしれない。
 けれどその前。
 抱き上げられれば驚いて縋り付いて
 しかしその余計な一言に。
 

 
   …………ふーーーーーん?
 
 
[セクハラで訴えて買ってやろうかとも思ったけれども
 彼が私を運ぶ間。
 首筋に、鎖骨に、耳元に、
 強く吸い付いて紅の華を散らしてあげましょう。


 ……ダイエットしなくては。
 目方を増やすのは、よくないから。
 そんな一つ、また忘れられない記憶を呼び起こされての
 意趣返しというもの。]**
 

【人】   卯月 侑紗

  ー 数ヶ月後・ラウンジ ー



  ええ、あなたなら。


[だって他の誰よりも、このコメディを
 かぶりつきでご覧になれるのは
 暎史さんただおひとりなのですから。
 なんたって登場人物のおひとりですし。

 カウンターの上で頬杖ついた暎史さんの真似して
 私もその正面で同じポーズをとって
 唇をきゅっとあげてみるの。]

  
  えへ……暎史さんに言われると
  ホントに私、やれる気になるんです。
  こう、謎の説得力っていうか!


[可愛い、なんて一言で
 耳まで熱くなってしまうのだから
 言葉の力って不思議です。
 傷がついた顔じゃあ、まだ自分では
 胸を張れませんが、癒えれば、きっと。]
(95) 2020/08/18(Tue) 17:55:02

【人】   卯月 侑紗

[グラスの底に溜まった
 カシスの澱まで飲み干したなら
 私は席を立ちましょう。
 あまり長居してもお仕事のお邪魔でしょうし。]


  あははは……うん。
  本当に辛くなったなら今度はちゃんと
  よしよしして、って甘えますね。


[そう言ってスカートの裾を翻したなら
 振り返らずに、ホテルを後にするでしょう。]
(96) 2020/08/18(Tue) 17:55:53
── 桔梗の間 ──



  こえーなー……
  でもまあ、なんかあったら頼りにするよ
  あんたなら信用できそうだし?


[くつくつ笑いながら名刺を懐にしまい。
抱え上げた彼女の物言いたげな圧力には
素知らぬ顔を]


  あっおいこら
  そこシャツじゃ隠れないだろ
  帰ったらまたすぐ仕事だってのに


[見えるとこへわざとつけた痕は
セクハラにならないのかよ裁判官さん。
まあ訴える気は微塵もないし、隠すと逆につつかれるから
ついてしまったもんは堂々と見せるつもりだけど。
今は誤解されると厄介な相手も、いないわけだし]



  結構いい性格してるじゃん


[楽しげに笑いながら
こちらも彼女の耳裏へ、華を咲かせた。
気の置けない戦友に対する、証のように**]

  ――睡蓮
 
 


 ほんま、優しいな、月子は。

 こっちとあっちと、遠う離れてしもたのに、
 そんなん、言うてくれるなんて。


[ 首後ろへ掛かる手に、引き寄せられて返す声。
 それもまた、このひと時だけの設定でしかない虚構だ。
 二人を取り囲んだ演技と嘘のうたかたに、
 そっと声を触れさせる。
 容易く壊れはしないかと、どこまで続いているかと、
 確かめるように。]



 でも。無理は、せんでもええんやで?
 ずっとずっと、俺だけのもん、
 ――て、いう訳には。

 きっと。いかへんのやから。


[ それはこの場の真実でもあったし、
 かつて経験した恋の終わり方でもあったけれど。
 月子にとってはその言葉はどう届いただろう。
 小さく傷む胸の内を情と欲とで覆い隠すように、
 口づけ、彼女をベッドへ押し倒した。]