人狼物語 三日月国


40 【完全RP】湯煙に隠れる吐息【R18】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


六鹿 稀9票

処刑対象:六鹿 稀、結果:成功

[犠牲者リスト]
該当者なし

決着:村人の勝利

天のお告げ(村建て人)

皆様、お疲れ様でございます。

灰解禁といたします。
お話の続きをお書きになってもよろしいかと。

最後まで、お寛ぎくださいませ。
(#0) 2020/08/17(Mon) 0:05:08

【人】 恋塚 暎史

−明け方・フロア

 はよーっす………

 [ いっていいなら、眠い。

   眠すぎて、二度寝しようかと思うくらい。
   人によっては早めに出ていくことがあるため、
   ウェイクアップシャンパンの用意をする。
   勿論、希望者のみにではあるが。  ]


 んぁ……僕も朝から飲んでいいかな。
 いや、飲んだら支配人に怒られる。
 後で飲もう。

 [ ラウンジに向かって、
   彼の朝の準備を、と思えば ]

 ………………
 お目覚めに、シャンパンは如何でしょう?*
(0) 2020/08/17(Mon) 1:15:01

【人】 和宮 玲

──明け方・フロア

 ふふふ。
 切り替えが早いわね。

[>>0少し前に、彼の独り言がうっすらと聞こえていた。
うっすらと、なので内容までは分からないけれど
今のようにキッチリはしてなかった。]
(1) 2020/08/17(Mon) 1:29:35

【人】 和宮 玲

 
 迎え酒は大歓迎。
 でもお酒を飲む前に、人が来る前に、一つ。

[す、と出したのは茶革の手帳。
開いたページには、今から3ヶ月後の日付。
第2週と、第3週のいくつかに丸が付いている。

更にページの下には、携帯番号らしき11の数字。]

 
 ……宿以外でこの丸の日のどれか
 2日で遊べたら、と思って。

 なかなか……貴方も長い夜を確保出来なかったから。


[平然と言う。

けれどテーブルに置いた片方の手が、少し
かた、かたと爪先で音を立てていた。]*
(2) 2020/08/17(Mon) 1:30:46

【人】 恋塚 暎史

−明け方・ラウンジ

 お客様がいるなら、
 僕も少しはまともに戻りますよ。
 
 [ くすっと笑いながら、彼女が差し出してきたものを
   その手にとって確認する。彼女の予定だ。

   3ヶ月後というあたりが、なんとも。 ]

 忙しそうですね、相変わらず。
 …………どこでもいけますよ。
 有休も残ってるし、玲が望む日に会いましょう。

 [ 携帯を取り出して、11桁の番号をすぐに取り込む。
   シフトを作る時に、休みを申請してしまえば
   休みなんてどうにでもなる。

   結局あの夜から全く会うことのなかった相手。
   酔っている彼女を心配して、
   あの日は彼女の誘いを断った。

   それが運の尽き。
   それ以来、すれ違いばかり。  ]

 今回も、楽しめましたか?

 [ ワンコールだけ彼女の電話にかければ、
   ウェイクアップシャンパンの準備をして、
   彼は尋ねるだろう。  ]*
(3) 2020/08/17(Mon) 1:46:25

【人】 和宮 玲

──明方・ラウンジ

 立派な仕事人だね。

[>>3けれど、くす、と笑う彼は
仕事では見せないような、そんな気がした。]

 お金はあるに越したことはないでしょう。
 ……そう?
 じゃあ、中頃の……この2日あたり。

[お酒を振る舞う彼だったり
仕事をしたのか部屋に向かう彼を見たことはあるが
やはりそれだけ。

あの日、強引にでも迫れば良かっただろうか。
でもそれは、あの日の楽しい雰囲気が壊れるようで
きっと出来なかった。]

 うん。とっても。
 恋塚くんの方は?

[玲と呼ばれたのは知ってるがちょっと恋塚くん呼びを続行。
何故なら始めにお姉さんと呼ばれたので。

掛かってきた電話番号を登録し、服にしまう。]*
(4) 2020/08/17(Mon) 1:54:39

【人】 恋塚 暎史

−明け方・ラウンジ

 お金も大切だけど、何かを楽しむための
 時間の方が僕は大切かな。

 [ 残業代が出るけれど、
   残業はあまり好きではない。

   人員は潤沢な方だから、
   そんなに残業代も出ないけれど。
   彼女が示した日程を携帯に落とせば、
   了解と呟くだろう。  ]


 …………楽しかったよ。
 久しぶりに、処女貰った。


 [ 明らかに、拗ねた。

   彼女が名前を呼ばないなら、
   淡々とした表情で、
   シャンパンを注いだグラスを
   彼女に差し出すだろう。 ]*
(5) 2020/08/17(Mon) 2:04:31
   
─桔梗の間─
 
   ……本当、みなさんお上手ですね?
 
 
[可愛げある子、だなんて。
 ここに来る人で私を抱いてくれるような人は
 口が上手な人が多いと思う。
 それを心の底から言ってくれる人は
 きっとこんな所にはいないのだろう。
 そうやって断じてしまう自己評価の低さが
 きっと私を人から遠ざけてしまっているのだけど。]
 
 
   付け上がるほど気に入ってくれる人なんていませんよ?
 

 
   ……大丈夫ですよ。
   お姫様抱っこさせてギックリ腰とか笑えませんし
   それ以外の運び方だと
   戦友みたいな感じになりません?
 
 
[肩を支え合って、「よくやったな相棒」的な。
 所謂お姫様抱っこは憧れるけれど
 自分の身長でやって貰おうとは思わない。
 それはもっとこう、小柄で華奢な子のものだ。]
 
 
   それは。どちらかと言うと。
   敦久さんが、疲れてないかなって。
   体よりも気持ちの問題で
   いろいろあったでしょうから。
 
 
[無くなった指輪。
 大事な相手がいたのにここに来ていると言うこと。
 それだけで想像はできたから。

 彼の中ではもう遠く、消化できている出来事かも知れない。
 けど私は、その過去を思って労いたかった。]**
 

【人】 空閑 千秋

   
─朝・桔梗の間─
 
[結局、ロビーでコーヒーを口にしては見たけれど
 淫行に励んでしまった一晩は酷く体力を消耗して
 カフェインに助けられる事なく部屋で眠り直してしまった。
 それでも常と同じ時間に目覚めてしまう
 自分の体内時計の社畜さに笑ってしまう。
 
目は、笑っていなかったけれど。


 夢の痕を掻き消すように布団を畳んで
 部屋の隅に二人分重ねておいた。
 寝る前に身は清めていたから、
 起きた今は浴衣ではなくパンツスーツに戻る。
 着替えていて思い出した、首元の首輪。
 それに指先を触れて、少し視線を落とした。]
 
(6) 2020/08/17(Mon) 9:39:39

【人】 空閑 千秋

 
[食欲が出てくるのはもう少し先の時間。
 だから水分を口にしながら携帯をチェックする。
 主に悩むのは自分自身を捉えたデータだが、
 それを見ると……恥ずかしくて頬が染まる。
 恥ずかしい自分を自覚させられてしまう。
 だから日常に戻ろうとしている合間、
 すい、すい、と画面をスライドさせて切り替えて。
 着信メールに仕事のものがありませんように。
 そう願いながらフォルダを開く。
 緊急の呼び出しを喰らわないように
 わざわざ休暇申請を出しているのだ。
 行き先は市町村までしか伝えてないけれど。
 ない、ない、とチェックして安堵して、
 そう、基本的に私は受信フォルダしか見ない。
 送信済みフォルダにあるだろう
 首輪の主の電話番号もreoの文字も気付けずに>>1:-251
 そのまま携帯をしまってしまう。
 勿論、私のメールアドレスは
 彼のもとに渡っているのは確実だろう。]
 
(7) 2020/08/17(Mon) 9:40:29

【人】 空閑 千秋

 
   ……まだ時間あるし、良いかな。
 
 
[結局まだ首輪をつけたまま
 道具や小物を入れた手提げを片手に
 部屋を後にして廊下に出ていく。

 きらきらした朝日が全てを照らし出す。
 明るい夏の日差しに目を眇めて、
 私はぼんやりと中庭へと目を向けていた。]**
 
 
(8) 2020/08/17(Mon) 9:40:44
空閑 千秋は、メモを貼った。
(a0) 2020/08/17(Mon) 9:42:56

  ───睡蓮



[ その手が身体を這う。
ぞくぞくとしたものが走り、
目を細めて、小さく鼻母音が抜けた。

設定の裏側に隠された本音のような
言葉が聞こえて微笑む。
唇が降りてきたから、そっとそのまま
まぶたを伏せようとしたのに、
まつげの隙間から覗けば、
なぜか唇のすぐ右側に落ちた。]



   なんや、久しぶりすぎて
  はじめてどころか、キスの仕方も
  忘れてしもたんとちがう?



[ そう囁き、襟元から首に移していた
腕を引き寄せて、後頭部に手のひらを回し、
そのままちゅ、とキスを一つ。]

 


[ 笑って、腕を緩める。
褒められれば純粋にうれしい。
ほかの男との情事のあとを
残した肌だけれど、これは
見て見ぬふりをするのだろうか?

そんなことをぼんやり考えながら、
かるく身をしならせた。

乳房にかかる手が柔らかく揉む。
指先を甘く噛み、そちらを見て。
その手が己の体から離れて、
帯にかかるのが見えれば、す、と
手を伸ばして制しよう。]



   うちにさして?


[ 小さなおねだりと共に、
彼の手の下にある帯の結び目を
掴み、緩めて、解く。
彼の肌が目の前に晒されるのならば、
うっとりと見つめ、その肌にこちらからも
指を、手のひらを、這わせようと。]*

 

【人】 空閑 千秋

   
─桜の間─
 
[それは
チェックアウトの一時間半ほど前
の時間。


 約束通りその部屋を訪れて
 コンコンコン、三回ノックをして返事を待つ。
 彼女はそこにいただろうか。
 返事はあったのだろうか。



 返事があれば、千秋です、と。
 こちらもその身の上を明かそう。]**
 
(9) 2020/08/17(Mon) 13:12:56
空閑 千秋は、メモを貼った。
(a1) 2020/08/17(Mon) 13:15:41

【人】 卯月 侑紗

  ー 数ヶ月後 ー


  

  …………あのまま終わっていたら
  ハッピーエンドだったのかな。


[数ヶ月─────
 シャツとニットとタンクトップだけじゃ
 さすがに肌寒くなるような時期になって
 私はまた、この宿を再訪していました。

 黒いニットのセーターに
 膝丈の花柄のスカート。
 宿泊の予定は無いから、
 小さなハンドルの手提がひとつ。]


  まだ、いらっしゃるんですかね……


[ぽつり、と呟いて笑みを浮かべた頬には
 大きな絆創膏がひとつ。
 さて、足を運んだラウンジに
 目的の人の姿はあるかどうか。]*
(10) 2020/08/17(Mon) 14:24:09

【人】 和宮 玲

──明け方・ラウンジ

 ……君、実は何才?
 お金より、時間なんて言えちゃうの凄いと思うよ。

[>>5彼の言葉を聞きながら
私は驚きと感心を露わにするか。
大体その境地に至ったのは、私は最近なので。]

 ……処女ねぇ。
 
[私は彼の言葉を聞きながらぼんやりと。
私にとってはあまり意味のないものだった。
痛みも殆ど感じられなかった。

けど私が会う人でそれに悩んでた人もいる。
本当に千差万別だ。]

 ……ごめんね、暎史。
 悪かったわ、機嫌、治して?

[淡々とした表情でお酒を出されれると
やはり寂しくてなるから、一度グラスを手で押し返す。
彼の生きた表情で、渡されたいのだもの。]*
(11) 2020/08/17(Mon) 15:25:26

【人】 和宮 玲

──桜の間・CO1時間前──>>9

 はい。

[ノックが聞こえれば扉を開けて
千秋、と名乗った彼女を迎えよう。

私はラフなシャツにジーンズ姿。

部屋の中は既に片付けが終えられていて
布団は端の方で畳まれて、置かれている。]

 いらっしゃい。

 ……昨夜はちゃんと楽しめた?

[供え付きのお茶を入れつつ
彼女の前に湯呑みを差し出す。

ただ、時間の余裕が潤沢にあるわけではない。
私はすす、と彼女の側により
正座で右隣に座ろう。]*
(12) 2020/08/17(Mon) 15:29:50

【人】 恋塚 暎史

−数ヶ月後のいつか・ラウンジ


 [ 今年もまた冬を迎える。
   しかし、彼の服装はそこまで変わらず。
   何故か?

   室内で働いているから。
   勿論、ニットは少し厚手のものに変えたけれど。 ]


 御出発前に、ウェイクアップシャンパンは
 いかがでしょう?泡がはじけて、目が冴えます。

 [ ふっと笑いながら、
   彼はあいも変わらずシャンパンを配り、
   希望者にはカクテルやその他のお酒を
   配っていただろう。

   誰も見ていなければ、
   欠伸を漏らしながら、ではあるが。  ]*
(13) 2020/08/17(Mon) 15:49:05

【人】 恋塚 暎史

−明け方・ラウンジ

 今年で24になる、かな?
 僕は元々働きたくなくて、
 働くなら1人の時間をしっかり確保できるところが
 希望としてあったんだ。

 [ できれば不労所得で生活がしたいもの。
   
   彼女の驚いた表情を見て、
   くすりと笑いが溢れただろうか。  ]

 
 ……玲って、たまに単純な時あるよね。


 お目覚めのシャンパンを、どうぞ?

 [ 名前で呼ばれれば、
   彼は返されたシャンパンを改めて、
   彼女の手に差し出すだろう。

   先ほどまでとは違う、
   優しげな笑みと共に。  ]*
(14) 2020/08/17(Mon) 15:53:20

【人】 空閑 千秋

   
─桜の間─
 
   ……ふふ、まあ、そうですね。
   あと一週間くらい有給つかって
   のんびりしたいくらいには。
 
 
[彼女に部屋の中に誘われ
 湯飲みを差し出されながら私は軽く冗談を言った。
 実の所、有給は有り余っている。
 使うタイミングを逸しているだけ。

 それはともかく、右隣に正座する彼女をちらと見て
 わたしは手荷物の中からいくつかの道具を取り出した。
 マーカー、ニードル、消毒液にニプルピアス。
 乳頭につけるのは初めてだから
 ストレートタイプのシンプルなものだ。
 念のために滅菌ガーゼも傍に置いて。]
 
(15) 2020/08/17(Mon) 16:44:25

【人】 空閑 千秋

 
   でも、本当に良いの?
   わたしとお揃いにするなんて。
   ……縦、横、斜め。
   どんなふうに貫こう?
 
 
[何でもないことのように言って首を傾げた。
 もし問われたら、私は横、と伝えるつもり。
 理由は、特に。
 真横に貫通していた方が、
 リングピアスが似合いそうな気がしたからと言えばそうで
 その説明も求められたらするつもりだった。]**
 
(16) 2020/08/17(Mon) 16:44:40

【人】 和宮 玲

 ──明け方・ラウンジ

 24……じゃあ、3つか、4つ年下ね。
 お金が舞い込んでくるなら、私も働きたくはないわね。
 そこまで嫌ってわけでもないけど。

[>>14不労所得は大歓迎だけれど。
相手の職場で堂々とこんな会話。
女将に聞かれなければいいな、なんて。]

 私って、普段は複雑そうに見える?
 単純よ、割とね。

 ありがとう、頂くわ。

[彼が笑ってくれたから
私も同じように微笑みを返し。

そっとグラスを受け取るけれど
それに口を直ぐには付けない。]

 暎史、一緒に飲も?
 
 また味を教えて欲しいの。

[朝も早くから
仕事中の男に言う事ではないだろうか。
でも私は、お酒の楽しみ方を彼から教わってる途中だから。]*
(17) 2020/08/17(Mon) 17:30:55

【人】 和宮 玲

──桜の間──

 1週間も?
 あはは。貴女にとって昨夜はとても良かったのね。
 ……嬉しいわ。

[>>15冗談とは分かっているけれど
冗談を言える精神状況であれば
やはり今回は彼女にとって良かったのだろうから。

千秋の手荷物からぽんぽん道具が出てくる。
宿から買ったり……はどうなんだろう。
それとも私物?
どちらにせよ、ピアスも縁がなかった私には
それらの道具が、工具みたいでちょっと背筋が伸びた。]

 じゃあ私も横。
 ……そもそも方向を決める必要、あったのね。
 言われてみれば、そうかもだけど。

[耳のピアスをイメージしてたから
方向があると言われるまで気付かなかった。]
(18) 2020/08/17(Mon) 17:38:28

【人】 和宮 玲


 お揃いで良いの。
 縁が繋がって、2回も会えたのだもの。

 そういう証が残っても良いな、と思ったのよ。

[私としても重たいことをしているつもりはない。
ただ、出会えた記念、だろうか。

痛みに鈍い私だから、抵抗が小さいのは
否定しないけれど。]*
 
(19) 2020/08/17(Mon) 17:38:40

【人】 空閑 千秋

   
─桜の間─
 
[ちなみにこれらの物は全て私物だった。
 それだけ、縫い止められたい気持ちは強く。
 形を留めておきたい気持ちが強く。

 でも、というあともう一歩の勇気が湧かないから
 きっとこれは良い機会。
 彼女に脱いで、とお願いをしながら
 ワタシはマーキング用のペンの蓋をあける。
 左の乳頭の根本に地面と水平になるようにマーキングして
 一度それをしまうと今度はニードルを取り出した。
 普通のピアッサーでは針が届かない。
 だから事前に調べていたようにより長い針を使う。
 チューブから取り出した軟膏をニードルに塗布して
 そっとマーキングした場所に針をあてがう。
 その反対側には真新しい消しゴムを。
 自分の耳にすらあけたことのないピアスの穴を
 人の、胸の先に開けるなんてなんだか不思議だ。]
 
(20) 2020/08/17(Mon) 18:44:55

【人】 空閑 千秋

 
   ……いくね。
 
 
[そう、宣言して。
 彼女が止めない限りは、その針が曲がらないよう
 一気に力を込める。
 ツプッ、と皮膚を貫く感覚。
 それが思うよりも長く続いて、微かに眉を寄せた。
 反対側の消しゴムで針の先をうけとめて、
 針が貫通したなら針を突き刺したまま手を離す。
 ほう、と肩の力が抜けていた。]
 
 
   ………針を刺して、15分位おいとくと
   ピアスが着けやすいらしいって。
 
 
[それまでに止められたら?
 それならそれで、仕方が無いとすぐに引いた。
 無理につけることはないのだから。
 けれどどちらにしても、私は私で
 ジャケットを脱ぎ、シャツのボタンを外して。

 陽の光の下に晒すのは恥ずかしいけれど
 下着も外して、胸を晒す。
 そして新しい、けれど同様の道具を
 彼女に託すだろう。]**
 
(21) 2020/08/17(Mon) 18:45:15

【人】 三谷 麗央

―― 翌朝 ――
>>8

[ 目覚めの後、露天でさっと汗を流して部屋を出た。
 黒のスキニーにグレーのサマージャケットという服装。
 しばらく館内をそぞろ歩き、やがて中庭の見える廊下で>>8
 求めていた姿に足を止める。]


 ……千秋。ここに居たんだ。


[ 俯き、詰めていた息を吐いて近寄っていく。
 彼女が今も首輪を着けていると気づけば小さく目を見開いて。]
(22) 2020/08/17(Mon) 19:15:01

【人】 恋塚 暎史

―明け方・ラウンジ

 そんなに離れてたんだ、僕たちって。

 [ 彼的には2歳くらいのものだろうと思っていたから、
   彼女が言った年齢差に少し驚いていた。

   たまに働くくらいがちょうどいい。
   馬車馬になるのは、ごめんだと
   よくバーテンの同僚と話をしている。
   女将や支配人の耳にも入っているかも。  ]

 おっとりしてるようには見えないから、
 キャリアウーマンで頭がキレキレだと思ってた。

 ……そうだね、仕事なら飲まないと。

 [ 笑みを向けてきた彼女が、突拍子もなく
   一緒に飲もうと言ってくる。

   本来であれば、断らなければいけないところだが、
   彼女の感覚が鈍いことを考慮するならば、
   彼女にシャンパンの感覚を伝えることは、

   仕事である。  ]

 
(23) 2020/08/17(Mon) 19:15:37

【人】 三谷 麗央

 

 それ。
 ……返しましょうか、なんて、言うなよ。


[ 抜けるように青く晴れた空を一度だけ見上げて、
 千秋の顔をまっすぐに見つめた。]*
(24) 2020/08/17(Mon) 19:15:39

【人】 恋塚 暎史

[ いただきます、と彼女よりも先にひとくち。 
   口の中ではじける気泡。
   眠っていた思考も、それにより明るくなるだろう。 ]

 そうだな……
 あっさりした、白ブドウの味。それに、気泡があって
 すごく、口の中ではじけるよ。

 [ 彼女のほうを向いて、
   彼はシャンパンの説明をしていくだろう。
   彼女が興味を示して、そのまま一緒に飲んでくれるかは、
   彼の説明次第なのだろうと、思いながら。  ]

 飲んでみる?*
(25) 2020/08/17(Mon) 19:16:02

【人】 舞戸 黎哉

── 百日紅 ──

[月子の提案に頷いてその身を離す。
腰を落ち着ければお茶が出てくるのを待った。]


  …………


[艶というのだろうか、色気ともまた違う月子の立ち居振る舞いを眺めながら、いい女だなと心の中で呟く。

美人というなら、もっと美人はいるだろう。
いい身体というなら、もっとナイスボディはいるだろう。
床上手というなら、もっと上手い女はいるだろう。

でも、今一番抱きたいと思うのはこの女。]
(26) 2020/08/17(Mon) 20:16:56

【人】 舞戸 黎哉

[色んな女と寝てきた。
恋もした、遊びもした、そういう催しにも参加した。
女は抱いてみてからと冗談で口にすることはあっても、それを実感することはなかったが。]


  月子は、旅館の娘だったよな。


[京都の老舗、美雲居。
跡取り娘というわけではなさそうだけど。]


  俺の家も事業をやってて。
  跡取りなんだ、気楽なボンボン。


[気がつけば自語り。
というわけではないが、語り出したのはきっと、知って欲しかったからか、それとも。]
(27) 2020/08/17(Mon) 20:17:35

【人】 舞戸 黎哉

 
  でも、こういう遊びはもう終わりだ。
  来年の今頃には結婚してるだろうし。


[だからと言って、遊びを咎めるような舞戸の家ではないけれど。それはそれとして、嫁を迎えても今まで通り遊び歩くという気にはなれない。]


  ……月子は?


[そう、聞きたかった。
語りたかったわけではなくて、本当は聞きたかった。
もう結婚してる?それともこれから?

「───子供ができたら、困るから」

それは確かに普通は困ることなのだけど、でもそこにはそれとは違う響きがあったから、気になっていた。]
(28) 2020/08/17(Mon) 20:18:25

【人】 舞戸 黎哉

[───違う。
いつからそんな言い訳をするようになっていたのか。]


  もし旦那とか婚約者が居たら……


[だけど。
居たら何だというのか。
居なかったらなんだというのか。
未来とはいえ、自分にあるのは先の決まった未来。]


  そいつは幸せ者だな。


[作った笑みが、燻る想いに蓋をする。]*
(29) 2020/08/17(Mon) 20:20:02

【人】 和宮 玲

──桜の間──

[針が、刺さっていくのを見る。
彼女の指で使用される器具によって
身体に穴が開けられていく。

だと言うのに、その痛みは訪れない。

きっと突き刺さった針を無理やり引きちぎっても
痛みはないだろう。

眉を下げる。
分かっていた。

それでも、彼女がしてくれたこと。
この光景を私は覚えておく。
これから胸に通すであろうピアスを触る度に
思い出そう。片方だけついたアシンメトリーのピアス。]
(30) 2020/08/17(Mon) 20:31:39

【人】 和宮 玲

 分かったわ。
 
 ……ふぅ、ちょっと緊張するわね。

[けれど私には良くても
痛感のある彼女にやるとなると、途端に胸がドキドキとする。
興奮ではなく、緊張で。

先ほど見た行為は、そう難しいものではない。
マーキングをして、ニードルを出来る限り清潔にし
軟膏を塗り、反対側に消しゴムを置く。
それをすれば良い。

私は始め、彼女の左胸につけようとして
けれど、右胸にすることにした。

おしぼりを手に持って
歯を食いしばる為に噛む?と聞いてみる。

そうして準備が整えば針を当てる。]


 いい?
 いくよ……。深呼吸して……
 3……2……1……。

[そうして一気に針を押し進め貫通させる。
肉の感触というのはわからない。
けれど、針の先端が反対側に出て
ゴムに突き刺さるのが見えると、ほぅ……と息をついた。]*
(31) 2020/08/17(Mon) 20:31:58

【人】 和宮 玲

──明け方・ラウンジ──

 そうかしら?
 むしろ、暎史君はあと1.2歳若そうに見えてたわ。

[>>23お互いに見えているものが違うらしい。
共通してるのは互いに相手を若く見てることか。]

 ふふ、そうよ。
 お仕事、だから。

[そう、仕事。
……なんて、勿論それは屁理屈。
私の為に、頼んでる。

そんな我儘を聞いてもらってる。]

 さっぱりしてそうね。
 しゅわしゅわして……目が覚めそう。

 うん、飲んでみるわね。
 ……いつもありがとう。

[いつも、なんて会ってるわけではないけれど。
あの日、赤い風車の味を教えてくれたことを感謝して。

こくり、と飲む。]
(32) 2020/08/17(Mon) 20:46:07

【人】 和宮 玲




…………あぁ。


[やっぱり味は]
(33) 2020/08/17(Mon) 20:46:31

【人】 和宮 玲


[ぱちぱち。]


 ────ん。

[口の中で
何か、弾けたのを、感じた。]


 ……しゅわしゅわ?


[私はそれに首を傾げた。]*
(34) 2020/08/17(Mon) 20:47:36

【人】   卯月 侑紗

  ー 数ヶ月後 ー

[あの時と変わらない様子のラウンジには
 朝酒の一杯を求めた宿泊客らで
 賑わっていたことでしょうか。

 出発の準備を整えた旅装の群れの中、
 白いシャツとニットの彼を見つけたなら>>13


  あーきふーみさーん!


[私は足早にそちらへ向かいました。

 手を振った時、ニットの下、黄色と紫に
 歪に色付く肌が覗いたかもしれませんし
 近くに寄れば、笑みを浮かべた左頬に大きく
 絆創膏が貼っているのが見えるでしょうか。

 でも、そんな痛々しげな風体とは裏腹に
 あはは!と歯を見せて笑いましょう。
 何せ、全部やっと吹っ切れましたので。]
(35) 2020/08/17(Mon) 20:53:50

【人】   卯月 侑紗



  あんなこと言っといて来るとか、
  ほんと、なんか、みっともないですが……
  結局、私、フラれちゃいましたっ!


[とりあえず、カウンターに一席頂戴しましたら
 あの日の白ワインよりほんのり渋い
 キールをお願いしようかしら。]
(36) 2020/08/17(Mon) 20:55:29

【人】   卯月 侑紗



[まあ、聞いてくださいよ。]*

 
(37) 2020/08/17(Mon) 20:56:16

【人】 空閑 千秋

   
─不思議な晩から、─
 
[あの、不思議な出会いの晩から日常に帰り
 二ヶ月程が経過しようとしていた。
 私は普段の多忙極まる生活に戻っていて、
 それでも私はほんの少しだけ
 自分が自分であることに自信を持てるようになっていた。
 男扱いされても、以前より塞ぎ込む事はなく
 穏やかな心持ちで仕事に臨むようになっていた。


 そんなある日のこと。
 当直上がりの定時帰りの日。
 最近調子が悪いな、と病院を目指して
 欠伸を噛み殺しながら急ぎ足。
 先ず目にしたのは道路に飛び跳ねてくるボール。
 それを追いかけてくる小さな子。
 はしゃぐ声、誰かの悲鳴、そして。]
 
(38) 2020/08/17(Mon) 20:59:27

【人】 空閑 千秋

 
   
危ないッ!!!

 
 
[反射的に叫びながら飛び出していた。
 車のクラクションにブレーキ音。
 子供を抱えて転がって、
 幸い車にはねられることなく済んだ。
 泣き叫ぶ子供。
 駆けつけてくる大人達。
 ほっとするとともに私は顔を顰めて
 お腹を抱え込んでその場に蹲っていた。]
 
(39) 2020/08/17(Mon) 21:00:21

【人】 空閑 千秋

 
 
          [………それから。
           わたしは少しだけ入院して、
           いつもの生活に戻っていく。]*
 

 
(40) 2020/08/17(Mon) 21:00:58

【人】   卯月 侑紗

  ー わたしと、先輩・結 ー

[あの後宿を後にした私は
 すぐさま先輩に告白しました。
         ……この宿でのことは
         何一つ口にはしませんでしたが。

 そしたら!なんと!
 OKがいただけたんです!
 たった5人のスタッフしかいないバイト先には
 絶対内密に、というお約束付きで。
 憧れの先輩とお付き合いできるなら
 なんのその、とその条件を飲んで
 晴れて私は先輩の「特別」の座を
 手に入れたのでした。

 いつものバイトの間、人目を忍んで口付けしたり
 お店を閉めたら二人で手を繋いで帰ったり。
 そんな密やかな日々を手に入れることが出来て
 ─────私、心底嬉しかった。
 努力が全部報われて、
 やっと幸せになれたんだって。]
(41) 2020/08/17(Mon) 21:07:29

【人】   卯月 侑紗

[そうして、ある日。
 先輩のアパートにお邪魔することになって……
 たった二人の空間で、抱き合った。
 それだけじゃ足りなくて、
 舌を絡めて口付けて、
 身体を隔てる服も全部脱ぎ去って。


 そして
 見てしまったんです。


 先輩のパンツの中から
ぴょこん
と現れた
 ワインコルクほどの大きさの、何かを。]
(42) 2020/08/17(Mon) 21:08:39

【人】   卯月 侑紗

[人の身体は人それぞれ、とは言いますが
 あの夜見たものとは一線を画した
 その斬新なコンパクトさと、
 張り出した傘もなく、
 噛んだガムをくっ付けたような
 伸びた皮に包まれたビジュアル。

 ……いや、それでも愛しい先輩だったので
 その全てを受け入れようと思って
 私は、最大限、知恵を振り絞りまして]



  ……先輩、もしかして、
  事故か、何かで……?



[にょん、と上を向いたそれを直視したまま
 真剣な顔で、聞いてしまったのです。

 結果、この一言の方が大事故だったわけで。]
(43) 2020/08/17(Mon) 21:09:43

【人】   卯月 侑紗

[思い返せば私が100%悪かったのですが。

 でもあの時はすごく必死で
 怒り狂う先輩に追いすがって謝りました。
 なのに、結局、口論になってしまって。
 そして、先輩に思い切り頬を張られ


 ── ぷっつん ──


 気が付けば、手元にあるものを投げ合う
 大喧嘩になってしまって。
 先輩のワインコルクに六法全書が直撃した隙に
 家を出て……私たちの関係は、それっきり。


 頑張って、何もかも捧げて手に入れた恋は
 そんなくだらない終わり方をしました。
 処女も非処女も、セックスの手管も関係ない、
 ただただお互いに張った見栄の下から
 しょうもない本性が現れてしまったような。]
(44) 2020/08/17(Mon) 21:10:33

【人】   卯月 侑紗



[ああ、本当に馬鹿みたい。

 恋なんか、するんじゃなかった。]*

 
(45) 2020/08/17(Mon) 21:11:31

【人】 空閑 千秋

   
─翌朝、桜の間の後で─
 
   ……麗央さん。
 
 
[名前を呼ばれて、そちらに顔を向ける。>>22
 そちらに向き直ると何故か彼の視線は
 彼が私に渡した首輪へと向けられていて
 目を瞠り、驚いているようだった。


 ああ、もう朝なのに。
 まだ夢の中の試用期間を続けていることに
 驚かれたのかもしれない。
 そう思って首輪に指をかけて声を出そうとした瞬間。]
 
 
   ……………え?
 
 
[たった今、返そうと思っていたところだ。
 今度はこちらを射抜くように真っ直ぐに視線が向けられる。
 ぱちくり、目を瞬かせて困惑を示した後。]
 
(46) 2020/08/17(Mon) 21:34:04

【人】 空閑 千秋

 
   ……使用済みだから、捨てる? とか?
 
 
[人肌に触れるものだし、
 衛生面がどうかは分からないが
 そう言われれば仕方がないかもしれないと。
 とにかく、わたしは首輪の金具に手をかけて
 その留め具を外そうとしていた。]*
 
(47) 2020/08/17(Mon) 21:34:28

【人】 空閑 千秋

   
─桜の間─
 
   ……ん、みぎにするの?
 
 
[自分の中に消えない傷を穿つ。
 そのことに緊張しながら、用意された手順に
 パチパチと目を瞬かせていた。
 どうしてだろう。
 どちらが良いなどはなかったが、
 もし理由があるなら何となく知りたくて。

 でもそれよりも針があてがわれれば緊張する。
 お絞りはありがたく受け取って噛み締めた。
 必然的に鼻呼吸になって、
 ふ、ふ、と少しばかり煩く感じたかも。
 深呼吸して、彼女のカウントダウンを聞く。
 つぷ、と皮膚を破る感覚にぎり、とお絞りを噛み締めた。]
 
(48) 2020/08/17(Mon) 21:47:34

【人】 空閑 千秋

 
   ッ、…………つ、ぅ…………!
 
 
[耳よりも厚く、硬い皮膚。
 貫通する距離も長いからなかなかに痛いし
 その痛みも引かない。
 ジンジンよりもズキズキ、と
 心臓の動きに合わせて痛みが響く。
 じわ、と涙が滲んできたのを感じては
 矢張り彼女はそれも感じなかったのか、と。]
 
 
   ふ……、これで、お揃いですね。
   落ち着いてきたら、可愛いのつけましょうね。
 
 
[誰かとお揃いなんて、なんだか擽ったい。
 だからふふ、と笑いながら彼女にピアスを渡す。
 ストレートバールのそれがファーストピアス。
 もし頼まれればつけてあげるし、
 それで飾られた彼女は今までよりもほんの少し、]
 
(49) 2020/08/17(Mon) 21:47:52

【人】 空閑 千秋

 
   ……エッチに見えますね。
 
 
[豊かな胸の先を彩る金属。
 陽の光にきらりと煌めいて、
 なんだか非日常が続いているようだった。]*
 
(50) 2020/08/17(Mon) 21:48:13

【人】 和宮 玲

──桜の間──

 ……抱き締めると、ぶつかるでしょ?

[>>48それは思い付きだったけど
言葉にするとむず痒いものがあった。
変なことを口走ってないだろうかと思ったけれど
今はその恥ずかしさは置いておく。

もっと集中しないと、危ないから。]

 

────────────


 やっぱり、痛いよね。

[>>49その息が詰まった音も。
瞳に浮かんだ涙も。
耳や目で、彼女の痛みが伝わってくる。

私はそれを見て、そっと胸に触れる。
これは痛いもの。

……目を閉じてその暗闇の中
ずきり、としたものを感じた…………
ような、気がする。]

 
(51) 2020/08/17(Mon) 21:59:33

【人】 和宮 玲



 そうね、お揃い。
 ……ここに可愛いのがついてるって
 不思議な感じがするわね。

[>>49渡されたピアスはせっかくだから
彼女につけてもらおう。
異物がす、っ、と通り、ピアスが突起にぶら下がる。
私も同じように彼女につけてあげようか。

指でその周囲を触っていると、彼女が。]


 ……ふふ。ありがとう。
 貴女の目にそう映るなら、きっと間違いないわ。

[同性であり、女性の扱いに手慣れた彼女に
そう言われるのなら、と。]*
(52) 2020/08/17(Mon) 21:59:47
── 桔梗の間 ──



  んなことないと思うけどな


[お世辞で言ったつもりはないけど
続く言葉には、否定せず
困ったように眉尻が下がる]


  おいこら
  まだギックリ腰になるほどトシじゃないぞ


[こつんと彼女の額を小突き。
いつもの調子に戻ろうとした、ところで]


  ……ああ、そっか
  ちあきちゃんには一度見られてるんだよな


[記憶の底に沈んだ駅での会話を手繰り寄せ
ふ、と小さく自重すれば
ようやく頭を撫でる手の意味を知る]



  ──前にあんたと会った日


[ぽつり、ぽつりと]


  家に帰りたくなかったんだよな
  だから、どこでもいいから行きたかった


[だから彼女をダシにして、わざと電車を見送った。
他にも残業だといって、遅く帰ったことも数え切れず。

避けるような行動は、
擦れ違いの溝を深めるだけだって気づいていても。
話し合おうとすれば決まって口喧嘩になる日々に
辟易しすぎて]

[左手を持ち上げれば、もう大分薄くなった跡]


  あの頃はちょうど、離婚する数週間前くらいだったかな

  あんたと話してから何度か思い直して
  なんとかしようとしてみたけどさ
  結局どうにもなんなくて
  嫁さんは愛想尽かして出てっちゃって、おしまい

  まあ、確かに色々あったな


[愛してた、けど。
出てってくれた時は、どこかホッとしていた。
そんな薄情な男、こんな風に労われる資格も
ないんだろうけど。
少しだけ彼女の掌へ頭をすり寄せた*]

   
─桔梗の間─
 
   ですよね。……無理は、させたくないし。
 
 
[だから良いんだ、わかってる。
 そう言いながら私は
 いつかの時のように笑う彼に肩を竦める。

 妥協できないなら、折れることができないなら、
 お互いに譲り合えないなら。
 それは無理が生じて折れてしまうだろう。
 だから、と彼の頭をまた撫でる。]
 

 
   あぅっ?
   ぎっくり腰に歳は関係ないですよ。
   油断してるといつかグキってしますからね?
  
 
[小突かれて、唇を尖らせてみたけれど
 すぐにおかしくなって笑ってしまった。
 けれどそこから始まるかつての話に
 私は静かに耳を傾ける。

 ああそうか、大事な人とは別れてしまったのか。
 一度生じた軋轢はなかなか解消できないもの。
 その話し合いが苦痛なくらいにすでに無理が生じていて
 もっとそうなる前に話し合えたら、なんて後の祭り。

 でも、大切だったからこそ辛くて
 きつかったんだろうな、と。

 そう思ったから、手に擦り寄る彼の頭を
 ギュ、と抱きしめて胸に埋めた。
 窒息しない程度に埋めて、よしよしと頭を撫でる。]
 

 
   敦久さんって、プライド高そう‥っていうか。
   甘えるの、下手そうですよね。
   甘えるのが下手だから
   辛いとかしんどいとか
   本当に大切な人に言えなくなっちゃう、みたいな。
   そんなふうに思えてしまいました。
 
 
[大切な人だからこそ、傷つけたくなくて。
 無理をして、でもその無理が辛くなって。
 辛くなったから逃避してしまう。
 そんなことは自分にも覚えがあるから。]
 
 
   だから、甘えて良いですよ。
   いろいろ頑張りましたね、敦久さん。

   ………たまにはこんなのも、良いはずです。
 
 
[誰だって甘えたい日はあるもの。
 何もかも許された赤ん坊の頃みたいに。
 だから、私はしばらくそのまま
 彼を抱きしめ、撫でていようと思っていた。]*
 

【人】 美雲居 月子

  ───百日紅

  
[ 広縁に置かれた柔らかな木の椅子。
月明かりに照らされた、暗い部屋。
ミネラルウォーターを入れて、
電気ポットの電源を入れる。
かすかに水が音を立てて熱を溜める。

茶葉の筒を開けると、緑茶の
いいかおりがした。

ぼんやり、昇り立つ湯気を眺めていた。
頭の中にはなにが浮かぶのか、
それはよくわからなかった。
カチッと音がして、電気ポットが止まる。

持ち上げて、急須に入れた茶葉に
コポポ、と音を立てて湯を注ぐ。
蓋をして、静かに待った。]

 
(53) 2020/08/17(Mon) 23:00:10

【人】 美雲居 月子



[ 湯呑みに余った湯を入れて温める。
ゆっくり数を数えて、中の湯を捨ててから
そうっと緑茶をふたりぶん、注いだ。

盆に置いて広縁の方へ向かい、
二脚の椅子の間にある、小さな机の横に
跪いて、茶托に乗せた湯飲みを置く。
それからやっと、彼の前にある
椅子に腰掛けた。

短く息を吐く。
彼が口を開くまで、ぼんやり窓の外を見ていた。

声が聞こえて、ゆっくりと視線を戻す。
問いかけに頷いて「ええ」と返した。
続く彼のことについても、ただ黙って聞いて。
ゆっくりと視線を落とした。]
 
(54) 2020/08/17(Mon) 23:00:29

【人】 美雲居 月子




   ───どうやろか。

   20も下の小娘やし……
   会うたこともないのよ?

   話も合わへんやろし、
   なんや面白ない結婚とちがうかしら。



[ そういって、湯飲みを取り、
吐息で冷まして、ゆっくり啜った。]



    黎哉さんは?
   お相手はもう決まってはるん?


[ そう微笑みながら問いかけ。
そっと湯飲みを茶托に置いた。]*

 
(55) 2020/08/17(Mon) 23:00:43

【人】 空閑 千秋

   
─桜の間─
 
   そこは。
   …抱きしめた時にカチッと響き合うのも
   オツ、なのでは?
 
 
[堂々と彼女にした反論の結果は、如何に。>>51
 そこにお互いお揃いのものがあってぶつかり合う。
 そこに自分たちだけの秘密があるなんて。
 とも思ったけど、確かに発想が恥ずかしいけど。

 それはまた会おうね、という遠回しな約束。
 会ったらハグして、キスしながら触れ合うのも
 きっと貴方となら嫌じゃない。]
 
 
[そうして私の胸を飾ることになったピアス。
 まだズキズキ痛いけれど、
 お揃いと思うと少しだけ痛みが軽くなる気がした。

 服を着直しながら、照れ笑い。]
 
(56) 2020/08/17(Mon) 23:04:12

【人】 空閑 千秋

 
   もし、なにかあったら。
   何かなくても、連絡して。

   これから仲良くできたら、嬉しいな。
 
 
[彼女に私の名刺を渡す。
 所属する地方裁判所、裁判官だとか判事補だとか
 それに名前と電話番号、メールアドレスの記載された
 ごくシンプルなそれを
 彼女は受け取ってくれたろうか。]*
 
 
   ピアス、落ち着いたら。
   一緒に可愛いの、買いにいきましょう?
 
(57) 2020/08/17(Mon) 23:04:33

【人】 恋塚 暎史

−明け方・ラウンジ

 つまり、お互い歳若く見てたってことか…
 そんなに若く見えるの、僕って。

 [ 別に、彼女と同い年くらいに
   見られたかったわけでもない。
   でも、年相応には見られたかった。

   多分彼は、彼女とわかれたあと、
   自分の顔と鏡越しに対面するだろう。 ]


 いつも、どういたしまして……?


 [ いつも、と言われるとふと考える。
   まぁ、もしかしたら彼女のために
   タオルなどを持って行ったことが
   これまでになかったとは言えない。

   彼の真似をして、
   彼女はシャンパンを口にした。  ]

 ……そう、しゅわしゅわ。 感じ取った?

 [ 目を大きく開いて、何度か瞬きをすると、
   彼女は首を傾げた。
   故に、彼は首を縦に振って、
   彼女に微笑むだろう。   ]*
(58) 2020/08/17(Mon) 23:09:44

【人】 空閑 千秋

   
─入院した時のこと─
 
[あの、お腹の痛みは忘れられない。
 忙しさにかまけて、周期なんて気にして無かったから。
 交通事故、に近いものがあったから
 救急車で搬送されていく。

 どろり、と脚の合間に垂れる感覚。
 あの時ほど悲しくなったことはない。
 その理由を先生に聞いた方が良かったかもしれない。

 だけど、わたしは、聞きたくないと耳を塞いだ。
 その代わり、念の為に綺麗にしておこうと
 お腹の中を掃除された。
 あの時ほど、全身麻酔で眠らせてほしいと
 願った時も、なく。

 ……一晩入院して、翌日。
 わたしは二度目の美鶴荘の予約を
 必死になってとろうとしていた。

 でも。
 なかなか取れなくて。
 やっと取れても、……………。



 でも、せめて、お祈りだけは。]**
(59) 2020/08/17(Mon) 23:22:04
  ――睡蓮



 そうかもしれへん、なぁ。
 やったら、月子がイチから、教えてぇな。


[ 子供が生まれて初めてするような
 拙いキスを評されて、
 拗ねるでもなく甘えた風にねだってみせた。
 後頭部へ添える手がそのまま
 口づける動作へ移れば目を細めて、]

[ 甘噛みされた指先に見返して、離した手。
 追いかけられて制されれば首をかしげ、
 小さな求めにうなずいて。


 してくれるん。 優しいこと。


[ きゅっと結んだ帯が解かれ、はらりと浴衣が開かれる。
 伝う手指の感触は空調の効いた室内で、
 そこだけ鮮明な熱を伝えて、その軌跡が朱を残すよう。]


 月子の肌も。ええさわり心地。


[ 背の低いベッドの上、じゃれ合うように撫で触れて、
 くすくすと楽しげに声を向け。]


 ――そやけど、これは、尋ねてええんかな。

    浮気?
    それとも、
    一人でしてくれてたん? って。


[ 色づいてみえる素肌の様子はこの宿で、
 既に誰かと肌を重ねたあとだと知れる。

 口にしたのが偽の推測でしかないことは、
 どちらにとっても明らかなこと。
 だからこその嘘。

 このひと時はただの虚構で、夢まぼろし。
 嘘に嘘を重ねていれば、
 やがてぱちんと弾けて消えても、
 それは当たり前の事だから。]*

【人】 和宮 玲

──桜の間──

 ……なるほど……。

[>>56彼女の言葉に頷く。
音、であれば私も分かる。
抱き合った時に、カチリと鳴るのもしかりと分かる。

それなら……良いかもしれない。
胸に飾られたピアスを少し笑みを浮かべて見た。]

 
 さ、裁判官だったの!?

[>>57私は驚いた声を上げて
それから慌てて手を口に。大きな声を出しすぎた。

勿論名刺を受け取って私は大事そうに仕舞い込む。
代わりにさらさら、と電話番号とメアドを書いたメモを二つ折りにして彼女に渡す。]
(60) 2020/08/17(Mon) 23:31:40

【人】 和宮 玲



 ふふ、分かったわ。
 一緒に良いのを探しに行きましょう。

 ……私は、貴女と……その。
 ……友達になれれば良いなって思ってる。
 だから、これからもよろしくね。

[友達になる前に胸にこんなものをつけるのは
きっとあべこべで歪だったかもしれないけど
私にとってはこうして、話すきっかけが出来た
とても大切な、出来事だったんだと思う。]*
(61) 2020/08/17(Mon) 23:31:53

【人】 舞戸 黎哉

[置かれた二人分の湯飲み。
ありがとうと口にして手に取った。

窓の外を見つめる月子の横顔を見つめる。

口に運んだお茶の中で、茶柱は立っていた。]
(62) 2020/08/17(Mon) 23:35:12

【人】 舞戸 黎哉

 
  20……?


[それには流石に少し驚いた。
会ったこともない、そんな年上の男に嫁ぐ。
それはあり得ない話ではない、そういうことがあると知ってはいるのに、それでもあり得ないと思ってしまう。]


  めちゃくちゃセックスの上手い女おっさんかも?


[ふっと笑って冗談を一つ。
俺の方が上手いけどと付け加えて。
内心、笑えないと思いながらも笑い飛ばすしかなかった。]
(63) 2020/08/17(Mon) 23:35:59

【人】 舞戸 黎哉

 
  俺?
  何人か候補はいるけど。


[ちょっと首を捻って考える。
その中で誰が有力なのだろうか。]


  取引先の娘さん、になりそうかな。
  多分だけど。


[女友達の多い、何かとステータスを気にする女。
酔っ払うとキス魔に豹変するが、候補と関係を持ってはならないという不文律のせいで実際にキスしたことはない。]
(64) 2020/08/17(Mon) 23:36:16

【人】 恋塚 暎史

−いつの日か・ラウンジ

 え、だ……れ…………
 あぁ……侑紗ちゃん、いらっしゃい。

 [ 背中側から聞こえた、彼を呼ぶ声。
   振り向いてみると、いつの日だったか、
   処女喪失の手助けをした彼女。

   彼女の頬には大きめの絆創膏。
   流石に、少し彼も驚いただろう。 ]


 あぁあ……どうしたの、そんなに痣だらけで。

 [ 近づいてきた彼女の左頬に手を添えれば、
   親指でそっと撫でるだろう。
   バーカウンターに彼女が座れば、
   オーダーされたキールを。  ]
(65) 2020/08/17(Mon) 23:36:24

【人】 舞戸 黎哉

 
  月子は……嫌じゃ……ないのか?


[─── やめろ。
そな質問には意味がない、家が決めたのであれば、そういう生き方しかできない。
それが自分たちの人生なのだから。]


  そんなしがらみなんて、
  捨ててしまいたいとは思わないのか?


[思っていてら何だというのか。
好き好んでそんな男との結婚を望むわけはないのに、それを受け入れている月子に何を言わせたいのか。]*
(66) 2020/08/17(Mon) 23:36:48

【人】 恋塚 暎史

 はい、それで?

 [ 彼は、彼女にグラスを差し出して、
   話を真面目に聞くだろう。
   途中から、絶対笑うことを堪えることに
   必死になっていくだろうが。  ]




 無理だわまじ。

   よくそんな、コメディ作れたな。


 [ 涙を流しながら、彼は別れた経緯を聞く。
   笑いすぎて、息ができなくなりそうだった。

   カウンター越しに、彼は腕を伸ばす  ]
(67) 2020/08/17(Mon) 23:36:59

【人】 和宮 玲

──明け方・ラウンジ

 少し童顔なのかもね、暎史。
 可愛いって意味でもあるけど。

[鏡と対面した彼の姿は
こっそり見れたら良かったのに。
だってそんなの、可愛い。]

 そう、しゅわしゅわ。
 ……なんでだろう……分かったの。
 味まで分かったわけじゃ、ないけど……

 なんで。

[私はグラスを持ち上げ、軽く回しながら
その綺麗な薄色を見つめ。

ふと、そのシャンパンの奥に
ぼんやりと暎史の姿が見える。]
(68) 2020/08/17(Mon) 23:50:02

【人】 和宮 玲


 ……ぷ。

 あはは……そういう事。


[私は笑う。
そして、もう一度飲むと、やはりしゅわしゅわが分かる。]


 私、君と飲むのが楽しいんだ。


[ふふ、と笑う。
それが、この胸の高鳴りで。
私の感覚を取り戻す事に繋がったのだ。]*
(69) 2020/08/17(Mon) 23:50:19

【人】 美雲居 月子

  ───露天風呂



[ 小さく聞こえた言葉に、ふ、と微笑む。>>2:230
「そう」と返すのみにして、
それ以上何かいうことはなかった。

ちゃぷ、と湯を手のひらですくって、
肩にかけた。息を吐いて空を見る。
そうして、静かにその時を過ごしていれば、
彼から小さな呟きが聞こえたから、
そっとそちらに目をうつして。]



    ええ、約束。

   いつかまた、会いましょ。


[ 親愛の印、と言われる頬への
軽い口づけを受けて、こちらも返した。
きっとこれ以上の触れ合いは必要ない。
彼も、わたしも。]

 
(70) 2020/08/17(Mon) 23:52:04

【人】 美雲居 月子



[ 脱衣所へと向かう彼に
ひらひらと手を振り、見送った。

また、空を見上げる。
一人きりの露天風呂は、部屋にある
ものよりもずっと広かった。
息を吐く。

彼は、ムーランルージュには
もう一つ有名なセリフがあると
知ることはあるだろうか。]



  "The greatest thing you'll ever learn is
   just to love and be loved in return."


[ お互いに、見つけられたらいい。
それがどこにも浮かばぬ幻想でも
きっと構わないから。]**
 
(71) 2020/08/17(Mon) 23:52:25

【人】 三谷 麗央

―― 翌朝 ――
>>46 >>47

[ 着けた首輪に触れた千秋の指。>>46
 疑問符とともに漏れた声、
 困惑した様子を認めつつも
 それを認められないでいる自分が自分の中に居た。
 続いた声に>>47首を振る。
 強く左右に一度ずつ。]


 君が捨てたいんなら、捨ててくれたって仕方ない。

 でも、返されたって、
 もう他の誰かに着けさせる気にはならないんだ。


[ 金具に掛かる彼女の手。
 手を向けて止めさせようとはせずに一歩、詰め寄る。]
(72) 2020/08/17(Mon) 23:53:38

【人】 三谷 麗央

 

 使用済みになんて、なってない。

 試用期間はもう終わり、になってても。
 肌を重ねた時間が過ぎて、朝になってしまっても。

 俺は、千秋をそのまま、全部欲しいんだ。


[ 心の内にある想いを直截に、隠すことなく伝えた。

 どのような答えが返るとしても、
 それが彼女の本心ならば受け入れよう、と――

 そう思いながらも、隠しきれない不安と恐れを
 瞳の中に兆させて。]*
(73) 2020/08/17(Mon) 23:54:11
  ───睡蓮


[ こぉ?と確かめるように触れた唇は、
悪戯に食むから、薄く開いて舌先で
唇を濡らし、微笑み返す。]


   ───そう。思い出した?


[ そう尋ねて。

彼の帯を自ら解き、肌に触れる。
互いの熱を手のひらで確かめるように
撫で、戯れあっていれば、
尋ねられた事柄に、まぶたを伏せて、
首元に視線を落とす。だが、その跡は
自分では視認できるはずもなく。]

 




   浮気なんかするわけないやん。


[ 目線を流すように彼の方に戻し、
眉尻を下げる。]



   確かめてくれてもええよ?



[ そういって、伸ばした手をする、と
彼の首の後ろで組めば、引き寄せる。
耳朶を甘く食んで、舌を這わせた。]

 

【人】 美雲居 月子

  ───百日紅


[ 20歳上の人だと伝えれば、
冗談めかした言葉が返ってくる。>>63
だが、それには眉尻を下げるのみ。
そんなことを言うためにここにきたわけじゃ
きっとない、と。そう思うから。
茶化す彼に一緒になって笑う気にはなれなかった。
もうひとくち、お茶を啜る。

尋ねた言葉に返ってきた答え。]



   そう。
   可愛らしい人やとええねえ。


[ そんな上部だけの会話を繰り返して。
続く言葉が見つからなくて、噤んだ。]

 
(74) 2020/08/18(Tue) 0:30:03

【人】 美雲居 月子



[ しばしの沈黙の後、またそれを
割るのは彼の声。>>66
問いかけにぱちり、ぱちりと目を瞬かせた。

嫌かどうか?
そんなもの、言えるなら言いたい。
嫌だと。なぜわたしが祖父のための
駒にならなければいけないのか。
どうしてわたしだけが自由に
恋愛することが認められないのか。
しがらみを捨てても許されるのなら、
もっとはやくからそうしていた。

だけど、できなかったから。

できなかったから、ここにいる。]

 
(75) 2020/08/18(Tue) 0:30:23

【人】 美雲居 月子



   ───言えますか。

   思うたところで、なんにも
   変わらへんてわかってるのに。
   願ったところで、なんにも
   変わらへんてわかってるのに。


[ 拐ってくれればいいのに、
そう何度も考えた。
今すぐここから逃げ出したら、
楽になれるんじゃないかと思った。

だけど、できなかった。
だから、ここに───。]


    うち、たぶん今日が最後です。
   ───こんな阿呆な遊びもお終い。
   黎哉さんは───言えますか。
   嫌やって。しがらみは捨てたいって。


[ そう言葉にするけれど、
なぜだか彼の顔は見られなくて。
ただ落ちた手元にある湯飲みに
ゆらゆらと映る月を眺めていた。]*
 
(76) 2020/08/18(Tue) 0:31:24
[頭を抱かれ、目を丸くして
はぁ、と撫でる手に観念するよう目を閉じた。
やわらかい感触に顔を埋め
乾き始めた汗でひんやりとした肌に額を押し当てれば
とくとくと伝わってくる鼓動が心地いい]


  ……ふふ
  ちあきちゃんはいつも逆のこと言うね
  よくお前にはプライドないのかとか
  甘え上手めとかなら言われるけど?

  でも……大切な人ほど言えなくなるのは
  あたってるかもな
  大事にしたいと思うほど、全然上手くいかないし


[傷つけたくない
でもこうして誰かと一緒に居たくもあって。
だからこの旅館はちょうどよかった。

明確な次のない、一晩限りの関係。
しんどくなくて楽しくて、ちょっとだけさみしい
それくらいが自分には、ちょうどいい]

[彼女の胸で甘やかしてもらい。
されるばっかってのは好きじゃなかったけど、
割といいもんだな、なんて思い直しながら。

ゆっくりと、顔を上げた]


  ありがとな
  このまま居たら眠っちゃいそうだから
  そろそろ行くわ

  ああ、お礼にいつかちあきちゃんが
  しんどくなった時には俺の胸貸してやるよ
  やわらかくはないけどなー


[軽口を叩きながら布団から起き上がり浴衣を整え。
まだ横たわる彼女の傍らに膝をついたなら]

[にっこりと笑って]


  ───よいしょ、と


[膝裏と背中に腕をいれて、持ち上げる。
どうだ、と抱え上げた彼女を見上げ得意気に笑えば
危なげない足取りで内風呂の方へ足を進めようか]


  ……あんた思ってたより重いな


[真っ正直な感想を口にしてしまう辺り、また減点だろう**

【人】 舞戸 黎哉

[その答えは知っていた。
でも、それでも期待した。
もしかしたら彼女が違う答えを口にしてくれるかもと。
自分とは違う答えを選ぶことを。]


  ……言えないから、ここにいる。

  そうだろ?


[もう一度お茶を喉に流す。
ずいぶんとぬるくなってしまった様に感じた。
諦め共感の合間で柔らかく微笑む。]


  でも。
  一度ぐらい言ってみればよかったかもな。


[たとえ現実が変わらないとしても。
何も変わらなかったとしても
声に出してみれば、もしかしたら自分の中で何かの欠片ぐらいは動かせたかもかもしれなかった。]
(77) 2020/08/18(Tue) 0:58:40

【人】 舞戸 黎哉

[お茶を置いて立ち上がる。
小さな机を挟んで手を伸ばし差し出す。
俯くように視線を下げた月子に向けて。]


  ……シようか。
  
  今日が最後だって言うなら。


[月子が手を取るまで決して引っ込めたりはしない。
じっと月子を見つめる。
その瞳がこちらを見るまで、じっと、いつまでだって。]
(78) 2020/08/18(Tue) 0:59:42

【人】 舞戸 黎哉

 
[─── そう言った俺の顔は、きっと笑っていた。]**

(79) 2020/08/18(Tue) 1:02:51

【人】   卯月 侑紗

  ー 数ヶ月後・ラウンジ ー


  あー、違うんです。違うんです。
  今日はよしよしされに来た訳じゃなくて!


[散々笑って、それからまた
 頭を撫でてくれようとした手を
 私は押しとどめるでしょう。]


  友達に話すと皆同じこと言うんです。
  「そんなやつ別れて当然だよ」とか
  「女の子殴るなんてサイテー」とか
  「そんな目に遭って可哀想」とか。

  でも、一緒にこうやって笑ってくれる人が
  欲しかったんですよね、私。
  私の馬鹿な決心も、馬鹿な別れ方も
  全部、全部ひっくるめて。


[適任でしょう?とキールを一口。
 カシスの渋みが喉に心地よい。]
(80) 2020/08/18(Tue) 6:43:07

【人】   卯月 侑紗




  まあ、恋の努力は報われなかったわけですし、
  バイトも気まずくて顔出せないし、
  ぜーんぶ、頑張り損なんですけれど……
  でも、大丈夫です!


[暎史さんの手が、さっき撫でてくれた
 絆創膏の上をするりとなぞって、笑うの。
 痕なんか、二三日で消えるって
 あなたが教えてくれたことでしょう?]


  この痕も、痛みも、じきに消えます。
  そしたら、次に頑張れるものを
  探しに行こうと思うので。


[だから今こそ、次の一歩を踏み出すために
 辛い気持ちを全部笑い飛ばしたいのです。]
(81) 2020/08/18(Tue) 6:50:55

【人】 空閑 千秋

   
─麗央さん─
 
   ……麗央さん、まるで、プロポーズみたい。
 
 
[素直な感想を口にして、クスリと笑う。
 別にからかいたかったわけではない。
 詰め寄ってきた彼に>>72視線を向け直して
 受けた言葉>>73に返すのは少しの沈黙。

 ……ほんの少しだけ首を傾げた。]
 
 
   麗央さんがほしいのは、
   奴隷や物としての私かしら。

   それとも、一人の人間として?
 
 
[そうして真っ直ぐに彼を見つめ返しながら
 そんな問いかけをした。
 ズキズキ、胸を飾ったもので痛みが響く。
 そうして私は形を変えてしまっている。
 たったこの一晩の間だけでも。

 朝日を受けて煌く彼の髪は、
 薄く金の光を纏って綺麗だった。]**
 
(82) 2020/08/18(Tue) 7:14:26

【人】 美雲居 月子

  ──百日紅


[ 返ってきたのは、自分と同じ答え。
彼も知っているのだ。この気持ちを。
ゆらゆらと揺らめく水面。
顔を上げると、彼の表情は
柔らかく微笑んでいて。]



   ───そうね


[ それ以上、なにかを返せる気はしなかった。
そのまま、またゆっくり視線が下がっていく。
瞬間、目の前の彼が立ち上がった。

ゆっくりと、見上げるようにまぶたを開く。]

 
(83) 2020/08/18(Tue) 7:41:06

【人】 美雲居 月子



[ 彼の誘いに、眉尻を下げる。
小さく息を吐いて、こちらも立ち上がった。
差し出された手を見つめる。

取ろうとして、躊躇った。
───伸ばしかけた右手を軽く握って、
開いて、それから───]



   ───抱きしめて、ただ、
   眠ってくれるんやったら。

   セックスは、もういい。

   たぶん、今黎哉さんとしても、
   うち、虚しぃなるだけやから。


[ そういってゆっくり彼と
視線を絡ませて、二度、瞬きをする。]

 
(84) 2020/08/18(Tue) 7:41:36

【人】 美雲居 月子



   こんなとこで、あほなこと
   言いなやと思われるかもしれへんけど、
   それでも、うちは───
   最後くらい、身体だけやないって
   思いたい。 ───だめ?


[ 唇を結び、柔らかく微笑んで誘う、
彼の瞳をじっと見つめた。]*

 
(85) 2020/08/18(Tue) 7:41:50

【見】 宮野忠左衛門利光


[ 
   
曽て愛した女が居りました。

  俺は一角の家に次男坊として生まれました。
  とは言え妾腹の子でありましたので、
  いろいろと面倒な目に合いましたし
  疎まれることが多い中で育ちました。

  そんな俺を、裏の無い真直ぐな瞳で見つめては
  花が開くように笑うふたつ歳下の
  幼馴染みの少女、それが美鶴です。

  美鶴は雑穀問屋の娘で、俺と兄の後ろを
  妹のようにちょこちょことついて回り、
  よく笑い、それは可愛らしい少女でした。

  俺は当たり前のように美鶴に惹かれ、
  また嬉しいことに美鶴も俺を悪しからず
  想っていると知った日はあまりの嬉しさに
  眠れぬ夜を過ごしたものでした。

  息が詰まるような家を出て二人密かに
  逢瀬を重ねれば、ああ生きている、
  妾の子でもなんでもこの世に生まれて
  来られてよかったと心からそう思うのでした。 ]
(@0) 2020/08/18(Tue) 7:56:24

【見】 宮野忠左衛門利光


[ 俺は十八、美鶴は十六になったある日。

  夫婦になろうと、祝言をあげようと、
  いつ切り出そうかと頭を悩ませていた、
  その頃の話です。

  俺の兄に嫁取りが決まったと、いつになく
  上機嫌の父から告げられた言葉に、
  箸を持つ手が細かくかたかたと
  震えるのが分かりました。

  想像に違いなく、相手は美鶴だと、
  そう笑いながら酒を飲む父と兄の隣で、
  
俺はどのような顔をしていたのでしょう。



  口の中の飯は砂利を噛んでいるように酷く不味く、
  しかし残すことも許されず、
  無理矢理に喉に押し込んでは
  美鶴のもとへ走りました。 ]
(@1) 2020/08/18(Tue) 7:58:40

【見】 宮野忠左衛門利光


[ そう言えば斯様に時が流れた今でも、
  このような家同士のための婚姻>>2:69
  存在するのですね。

  いつのことか月を見上げてぽつりと
  溢されていた>>1:238美しい女性>>2:78
  背の高い、落ち着いた風情の男性が>>66
  話す言葉に含まれるなにやら少し寂し気な
  声色が耳に届いたことが、

  ぼんやり記憶の片隅にあるような、ないような。 ]
(@2) 2020/08/18(Tue) 8:00:37

【見】 宮野忠左衛門利光

[ 話は戻りまして。
  美鶴は大きな瞳いっぱいに涙を溜めて、
  私は利さんが好きだけれど、
  兄上様に御嫁に参ります、と微笑みました。

  堪らずに美鶴の手を取り
  なにも言えないまま、すまないと、
  一言告げるのが精一杯。

  くしゃ、と歪んだ美鶴の顔が見えて、
  ふわりと胸に飛び込んできた華奢な身体を
  抱きしめました。 ]


    
利さん…あのね…



[ もう矢も盾もたまらず、そのまま唇を奪い、
  縺れるように情交に及んでしまいました。

  夜更けに、白く浮かぶ裸体を抱きしめて、
  このままお前を連れて逃げようかと話せば
  美鶴は泣きながら笑う。
  あの時は確かに哀しく、髪の一筋ほどには
  幸せな刻でした。 ]
(@3) 2020/08/18(Tue) 8:04:26

【見】 宮野忠左衛門利光


[ 身支度を整えて、別れ際に自ずから
  小さく口付けをくれて。

  振り返ることもなく歩いて行く背中。


  
   
それが生きている美鶴を見た
  最後になりました。
 ]*


 
(@4) 2020/08/18(Tue) 8:07:02

【人】 恋塚 暎史

−明け方・ラウンジ

 童顔………………
 え、可愛い……?

 [ 童顔やら、可愛いやら、彼女の口から
   思っても見ない言葉が飛んできた。
   年上の女性というものは、
   そういう生き物なのだろうかと、
   ふと彼は考えた。  ]

 味は分からなくても、しゅわしゅわがわかれば、
 少しはたのし…………

 僕と、飲むから?

 [ 彼女がグラス越しに彼を見て、
   納得がいったように、1人笑った。
   彼女は、彼と飲むと楽しいから、
   感覚がわかるようになってきたのかも。
   そんな感じで結論づけたらしい。

   そんなことで、感覚が戻るのなら、  ]

 いつでも一緒に飲みましょう?
 知ってもらいたいことは、沢山だから。

 [ そんなことを、
   新しい感覚を覚えた彼女に告げるのだろう ]*
(86) 2020/08/18(Tue) 10:36:40

【人】 和宮 玲

──明け方・ラウンジ

 ……言われないの?

[>>86驚いた顔で私は言う。
他の女性、あるいは男性に言われても
おかしなことでは無いと思ったのだけど。

……年齢が離れるとそう思うのかしら。]

 いつでも、と言いたいけど
 暎史は住み込みだから、誘いにくいのよね。

[いつでも、と言ってもらえれば嬉しいけれど
ここから離れた場所に私の借りたマンションがあるので
なかなかそうも誘えない。]

 ん。
 ありがとう、『美味しかった』。
 
 ……遊ぶ日は何をするかまだ考えてないんだけど
 夜だけはね、決めてるの。
(87) 2020/08/18(Tue) 11:05:01

【人】 和宮 玲



[シャンパンを飲み終えて
私は指を立てて言う。]

 夜になったらバーを巡りましょう。
 良いところを探しておくわ。
 それとも、行きたいところとか、ある?


[楽しそうに予定を話しだろう。
そうして、早朝の出会いを終えようと思う。
しゅわしゅわ。
私が知った新しい感覚を、胸の中に大事にしまいながら。]*
(88) 2020/08/18(Tue) 11:05:12

【人】 恋塚 暎史

−いつの日か・ラウンジ

 僕なら、笑ってくれると思ったの?

 [ 確かに笑ったけれども。

   彼女にまだ色気が備わってないからこそ、
   こういうコメディになったのだろう。

   頭を撫でようとする手を
   止められたなら、腕を引いて
   カウンターで頬杖をついただろうか。 ]

 新しいアルバイト先でも見つけるの?
 ……大丈夫。

     君、可愛いから。

 [ 愛嬌があって明るい。
   人はそういうものに惹きつけられやすい。
   すぐに見つかるよ、と呟いた。  ]
(89) 2020/08/18(Tue) 11:49:18

【人】 舞戸 黎哉

[次に視線を外したのは自分の方だった。]


  ひどい女だな。
  それは男にとって拷問みたいなもんだぞ。


[セックスを目的にここに来ているはずなのに、それ以外の何かを求める人。
何を思って男に抱かれたのだろう。
何を思って交わっていたのだろう。]


  いいよ。
  一緒に眠ろう。


[差し出した手をそのままに、ゆっくり視線を戻した。]
(90) 2020/08/18(Tue) 12:44:24

【人】 舞戸 黎哉

[二人並んで布団の上に。
密着する身体、足を交差させて、包み込むように抱きしめた。

華奢な月子。
邪な衝動は胸の奥に沈めて、ただ静かに抱きしめる。
肌を触れ合わさないまま、互いの体温と鼓動、それと呼吸だけが交わって。

月子が望んだのはこれだけ。
セックス以外の何か。
本物の恋でなくても、本物の愛でなくても、身体以外の何かを求めて。
それでも、─── 嬉しかった。]
(91) 2020/08/18(Tue) 12:45:24

【人】 舞戸 黎哉

[誰かがいつか誰かに伝えた言葉。
そうとは知らず、その悲劇も知らず、口にしていた。*]
(92) 2020/08/18(Tue) 12:47:20
   
─敦久さん─
 
   そうですか?
   それは、相手の人にカッコつけなくて良いから、では。
   大事な人にはカッコよく見せたいでしょう。
   カッコよく見せたくて、無理するでしょ。
 
 
[つまりはそういうことですよ、なんて笑う。
 そんな風に甘えを見せられる、
 甘えて甘やかせる程度の関係が心地よかった。

 今後またどこかの駅で会うかも知れない。
 若しかしたら仕事の時に。
 法廷で出会ってしまったら?
 そこは私情を挟まずに、公平にね。
 そんなところで出会わない方がきっと良いけれど。]
 

 
   ふふ、それは楽しみにしておきますね。
   もし何かあったら連絡してくれても。
   司法関係の友人は多いですから?
 
 
[なんて。別れ際には名刺を差し出したかもしれない。
 けれどその前。
 抱き上げられれば驚いて縋り付いて
 しかしその余計な一言に。
 

 
   …………ふーーーーーん?
 
 
[セクハラで訴えて買ってやろうかとも思ったけれども
 彼が私を運ぶ間。
 首筋に、鎖骨に、耳元に、
 強く吸い付いて紅の華を散らしてあげましょう。


 ……ダイエットしなくては。
 目方を増やすのは、よくないから。
 そんな一つ、また忘れられない記憶を呼び起こされての
 意趣返しというもの。]**
 

【人】 恋塚 暎史

−明け方・ラウンジ

 言われない。言われたこと……
 小さい頃に言われたくらいで、
 年重ねてからは言われなくなった。

 [ 彼女の驚きようは、簡単にわかった。

   学生時代も、そんなに言われたことはない。
   ここに来てからも、直接言われたことない。 ]


 別に、住み込みだけど予定ないから
 誘えそうだったら僕からでも誘いましょうか?

 [ 誘うだけなら問題ない。
   断られても、問題ない。

   たのしそうに計画を立てる彼女。
   バーに行きたいらしい。
   指を立てる仕草は相変わらず。  ]


 相変わらず、可愛い。

 [ そう言って、ラウンジからでる
   彼女の背中を見つめるだろう。

   朝酒を求める声が、多くなり始める。
   忙しさに、没頭しようか。  ]*
(93) 2020/08/18(Tue) 15:29:12

【人】 空閑 千秋

   
─桜の間─
 
   そうだよ? 


[驚く彼女にふふ、と笑って。>>60
 勉強はできたし勉強に逃げてた、なんてね。
 結局、わたしの胸のどちらにピアスはあったかな。
 右でも左でも、わたしは嬉しい。
 きっと、右だったかな。
 けれど連絡先を受け取っての彼女の言葉に>>61
 わたしは目を瞬かせて、また笑う。]
 
 
   こちらこそ、よろしくね。
   ……今度どこかに飲みにいきましょ?
 
 
[なんてわらって、次の約束をしながら。
 それが果たされるのはいつのことだろう。


 きっと、意外とそれはすぐ。]**
 
(94) 2020/08/18(Tue) 17:10:21

【人】   卯月 侑紗

  ー 数ヶ月後・ラウンジ ー



  ええ、あなたなら。


[だって他の誰よりも、このコメディを
 かぶりつきでご覧になれるのは
 暎史さんただおひとりなのですから。
 なんたって登場人物のおひとりですし。

 カウンターの上で頬杖ついた暎史さんの真似して
 私もその正面で同じポーズをとって
 唇をきゅっとあげてみるの。]

  
  えへ……暎史さんに言われると
  ホントに私、やれる気になるんです。
  こう、謎の説得力っていうか!


[可愛い、なんて一言で
 耳まで熱くなってしまうのだから
 言葉の力って不思議です。
 傷がついた顔じゃあ、まだ自分では
 胸を張れませんが、癒えれば、きっと。]
(95) 2020/08/18(Tue) 17:55:02

【人】   卯月 侑紗

[グラスの底に溜まった
 カシスの澱まで飲み干したなら
 私は席を立ちましょう。
 あまり長居してもお仕事のお邪魔でしょうし。]


  あははは……うん。
  本当に辛くなったなら今度はちゃんと
  よしよしして、って甘えますね。


[そう言ってスカートの裾を翻したなら
 振り返らずに、ホテルを後にするでしょう。]
(96) 2020/08/18(Tue) 17:55:53

【人】 和宮 玲

──明け方・ラウンジ──

 じゃあ言われたの久しぶりなのね。
 やっぱり恥ずかしい?

[>>93どう言う気持ちなんだろう。
カッコいいと言ってあげたほうが良かったか。]

 え、あ。
 そっか。年中忙しいのかと思ってたわ。

[住み込みだから、いつも忙しいのでは
なんて思ってたけどそうでもないみたい。
言われてみれば当然なんだけれど……。]

 ……またそう言うこと言う。

[口元に手を当てながらくすりと笑う。
そうしてラウンジに背を向けて去っていく。

後ろ手に回した手が
楽しそうに指を動かしながら。]**
(97) 2020/08/18(Tue) 21:50:43

【人】 和宮 玲

──桜の間──

[ピアスをつけたのは千秋さんの右胸に。
私は左で、彼女が右。
>>56響き合うその音色を聞く機会があるかは
未来の話だから分からないけれど。]

 えぇ、楽しみにしてる。

 うぅん。私から誘うわ。


[それはこの宿のような会合にはならないだろう。
だってそこはきっと宿の外の話。


ただお酒を飲み、会話をするだけ。

きっと十分楽しいだろう。]**
(98) 2020/08/18(Tue) 22:08:44
── 桔梗の間 ──



  こえーなー……
  でもまあ、なんかあったら頼りにするよ
  あんたなら信用できそうだし?


[くつくつ笑いながら名刺を懐にしまい。
抱え上げた彼女の物言いたげな圧力には
素知らぬ顔を]


  あっおいこら
  そこシャツじゃ隠れないだろ
  帰ったらまたすぐ仕事だってのに


[見えるとこへわざとつけた痕は
セクハラにならないのかよ裁判官さん。
まあ訴える気は微塵もないし、隠すと逆につつかれるから
ついてしまったもんは堂々と見せるつもりだけど。
今は誤解されると厄介な相手も、いないわけだし]



  結構いい性格してるじゃん


[楽しげに笑いながら
こちらも彼女の耳裏へ、華を咲かせた。
気の置けない戦友に対する、証のように**]

【人】 美雲居 月子

   ───百日紅


[ 交わることで、満たされてきた。
必要とされていると感じられた。
自由にできない恋愛の代わりに
ここで一夜限りの恋人を作って
満足したような気がしていた。
時折乾くことがあっても
気のせいだと言い聞かせて。

だが、最後の夜。
最後の男になってくれるというのならば
その人に触れて欲しいのは───

逸らされた目。
告げられた言葉に眉尻を下げた。
だが、そちらを見る瞳だけは
動かすことはなく。
肯定が落とされれば、小さく
「ありがとう」と告げて、
その手を取った。]

 
(99) 2020/08/18(Tue) 22:38:57

【人】 美雲居 月子


[ 抱きしめられた体の温もりが、
心地良くてそっと目を閉じる。
たくましい腕は、柔らかく包みこむ。
手のひらを添えた胸から感じる鼓動に、
そっと耳を寄せるように頬を添えた。

静かな部屋の中で、身動ぐと
かすかに布の擦れる音だけが響く。

彼の体にまた少しだけ近づけば。]

 
(100) 2020/08/18(Tue) 22:39:16

【人】 美雲居 月子



[ 至極ゆっくり、ゆっくりと、
体を離して、彼の方を見上げる。

その目があった瞬間、
眉根を寄せて、泣きそうに笑った。

いつか誰かが、
誰かに、そうしたように。


返事ができなかった。
そんなこと、できるはずがないと、
きっと互いにわかっているはずだから。

わたしが逃げるだけならいい。
彼が逃げるだけならいい。

だけど、その手を取り合ってしまったら
どちらにも、きっと、責任を
取ることはできないから。]

 
(101) 2020/08/18(Tue) 22:40:19

【人】 美雲居 月子



[ 唇を結んで、また頬を寄せる。

愛しているのかと問われたら、
きっと「わからない」と答えるだろう。

戯言でしか、軽口でしか、
そんなものは口にしたことがないのだ。
ずっと、ずっと、触れないように
生きてきたのだから。

ただ、最後に抱きしめてくれたのが
この人で、よかったと思う。
同じ気持ちを分かち合える人。
この世の誰よりも、今お互いを
理解し合えている気がしたから。

分け合った体温が微睡に誘う。]

 
(102) 2020/08/18(Tue) 22:40:42

【人】 美雲居 月子



[ 黒い闇

柔らかな光


ふたりだけの部屋を包んでいた。]*
 
 
(103) 2020/08/18(Tue) 22:41:53

【人】 三谷 麗央

―― 千秋と ――
>>82


 プロポーズ。
 そう思ってくれるなら、話が早いな。
 まだ出会って一日も経ってないけど、遠くない未来。
 貴女に、正式にそう言えるようになりたい。


[ クスリと笑った彼女の言葉を>>82
 そのまま受け止めるように笑う。
 次いだ問いかけへ一度まばたいた。
 自らの内心を確かめるように。]


 ……欲しいのは、どちらもだよ。

    昨晩、一緒にいた時みたいな貴女もだし、
    まだ、俺が知らないでいる貴女も。

 ……千秋は、
 ……誰かを選ぼうという気になった?


[ 軽く頭を振って、迷いを打ち消すように目を閉じ、開く。
 彼女の返事を待つように唇を閉じてじっと見つめた。]**
(104) 2020/08/18(Tue) 22:43:48
  ――睡蓮
 
 


 ほんま、優しいな、月子は。

 こっちとあっちと、遠う離れてしもたのに、
 そんなん、言うてくれるなんて。


[ 首後ろへ掛かる手に、引き寄せられて返す声。
 それもまた、このひと時だけの設定でしかない虚構だ。
 二人を取り囲んだ演技と嘘のうたかたに、
 そっと声を触れさせる。
 容易く壊れはしないかと、どこまで続いているかと、
 確かめるように。]



 でも。無理は、せんでもええんやで?
 ずっとずっと、俺だけのもん、
 ――て、いう訳には。

 きっと。いかへんのやから。


[ それはこの場の真実でもあったし、
 かつて経験した恋の終わり方でもあったけれど。
 月子にとってはその言葉はどう届いただろう。
 小さく傷む胸の内を情と欲とで覆い隠すように、
 口づけ、彼女をベッドへ押し倒した。]

【人】 空閑 千秋

 
   …………。
 
 
[彼の言葉に目を瞬かせる。>>104
 そんな風に聞こえたからそのまま返しはしたけれど
 今この場で、そんな風に言われると
 その言葉がなぜ出たのだろうと不思議に思ってしまった。

 ただ一晩、肌を重ねた相手。
 ましてや互いに別の誰かとも肌を重ねる場所において
 そういった言葉をなぜ使えるのだろう。

 物として、奴隷としてなら、あげられた。
 この躰を使ってくれて構わない。
 壊れるくらいに形を刻み込んで。

 けれど、人としての自分までは。
 両方、だなんて。]
 
(105) 2020/08/18(Tue) 23:30:29

【人】 空閑 千秋

 
   ……私には忘れられない人がいるんです。
 
 
[真っ直ぐな視線に私も真っ直ぐに視線を返す。]
 
 
   だけどその人は、既に常世の人だから。
   その気持ちはもう何処にも行けないの。
   その人への気持ちを密かに大事に抱えてる。
   ……そんなわたしでも、良いかしら。
 
 
[この、心の中に抱えている想い出ごと。
 この、体に抱えている傷ごと。
 全て、というならそれごと受け入れてもらえなければ
 わたしはきっと壊れてしまう。

 壊れて、遠くに逃げ出してしまうだろう。
 だから、少し視線を伏せて黒革の首輪を外した。
 外した首輪を、彼の手に握らせようとする。]
 
(106) 2020/08/18(Tue) 23:30:50

【人】 空閑 千秋

 
   そんなわたしでも良いのなら。
   わたしの今の命をあげる。
   でも、それは普段はつけられないから。
 
 
   もっと別のもので、わたしを縛りつけてくれる?
 
 
[わたしの命をあげるから、
 その代わりにわたしをこの世に縫いとめていて欲しい。
 そんな願いを込めて彼に囁いた。
 死後のことはまだ分からないけれど、
 彼がそれを受け入れてくれるなら
 それを契約成立、とし。
 それが受け入れられないのなら
 ただ不成立となるのだろう。]**
 
(107) 2020/08/18(Tue) 23:31:13

【見】 宮野忠左衛門利光


[ 橋から身を投げたらしい彼女の亡骸が
  見つかったと耳にした時には、
  身体中の血の気が全て引いていくのが分かり、
  膝が抜けてへたりこんでしまいました。


  
  
あぁ、何故。
  どうして独りで逝ってしまうのだ
  
どうして独りで逝かせてしまったのだ





       
  
美鶴。 

       
  
美鶴。 
  ]
 
 
(@5) 2020/08/19(Wed) 0:34:07

【見】 宮野忠左衛門利光


[ どのようにして家に辿り着いたかは
  あまり記憶にありませんが、
  虚な眼をあげて目にした父と、兄の、
  激昂と落胆はそれはそれは凄まじく。

  お前が誑かしたのだろうと俺を責め、殴り、
  刀さえ向けました。
  抗う気などさらさら無く、このまま
  斬られれば彼女のもとへ向かえるなぁと
  空虚が満ちる眼で、向けられる刃を
  ぼんやり見つめて居りましたが、

  
まさか貴様が身の程も弁えず
  懸想したのではあるまいな
と、
  
美鶴も美鶴で馬鹿な女だ、
  我が家の名誉に傷を付けよって、


  …そう投げつけられた言葉が耳に障り
  滾る血が身体を焼き、ギリ、と噛み締めた
  奥歯の音を最後に湧き上がる
  途方もない怒りに我を忘れ
  


  ……気付いた時には兄を、そして父を
  斬っておりました。 ]
(@6) 2020/08/19(Wed) 0:41:50

【見】 宮野忠左衛門利光


[ 気が狂いそうな血の臭いに、
  胃の腑から込み上げるものを吐き出しながら、
  ふらふらと立ち上がり、そのまま出奔し。

  いつしか二人で見た桜の木の下で
  ようよう腹を切って果てるまで、
  お天道様の当たらぬ場所を、
  人には言えぬことを科しながら、
  ただ息をしているだけの日々を
  過ごしていたのでありました。

  
  三途の川で会えるはずが、人殺しで
  おまけに身内斬りの俺は上手くあちらには
  行けぬということなのでしょうか、
  もがくうちに段々と記憶すら朧となり
  ただただ空を漂うだけの亡魂となり果て、
  それでもこの愛しい名前に縋るように
  此処から離れられず、
  美鶴を探しに行く意気地もないままに。 ]
 
(@7) 2020/08/19(Wed) 0:46:09

【見】 宮野忠左衛門利光


[ そうして訪れたいつかのあの時。
  生身の人間に触れ、あろうことか
  当の本人から抱くことを許されて。

  俺のような実体の無いものをさえ恐れず、
  託し、また慈しんでくれた美しい彼女。

  …あの日から、臆病な己の中で冷え切った心の中に
  小さな灯が燈ったように。
  ほんのりと淡い温もりが常に側に在るのです。

  ああ、そうなのだ。
  いつか、俺に胆玉が座った時。
  己の罪咎をきちんと向かい見る事が出来た時。
  そのときは今度こそ美鶴の待つであろう
  川の畔へ向かえば良いのだと解して。

  今までを思えばさほど遠くないであろう日を
  静かに待ちながら
  

  
  今日もふわりふうわりと、宿の中を漂うのでした。 ]
 
(@8) 2020/08/19(Wed) 0:49:09

【見】 宮野忠左衛門利光



 
…トントン お寺の 道成寺

  釣鐘下ろいて 身を隠し

  安珍清姫 蛇に化けて

  七重に巻かれて ひとまわり 

  ひとまわり…
  

              **


   
(@9) 2020/08/19(Wed) 0:53:48

【人】 木原 敦久

── 朝・ロビー ──



  ……っくしょい!


[鼻を啜りながら、ロビーのソファで
眠気覚ましに買った缶コーヒーを傾ける。
身に纏っているのは浴衣ではなく、ジャケットとスラックス。
そして傍らには荷物と、あとはチェックアウトするのみ。

くしゃみの原因は十中八九、
明け方中庭でうとうとしてたせいだろう。
椿の間に戻って内風呂で温まったけど遅かったらしい。

それでもまだ少し寝足りなさはあるけど
帰りの電車で睡眠をとるつもりだから、問題ない]
(108) 2020/08/19(Wed) 1:15:28

【人】 木原 敦久

[さて『美雲居』の彼女が
ロビーを訪れるのはいつだろう。
チェックアウトの時か、それより前か。
どちらにせよその姿を見つけたなら]


  おはよう
  そこの黒髪ロングのお姉さん
  昨日俺が渡したやつ、まだ持ってる?


[昨日のように呼び止め、問いかけようか。
まだ持ってるようなら]
(109) 2020/08/19(Wed) 1:16:33

【人】 木原 敦久


  ──それを使う気ないなら、
  今ここで破り捨てて
  あんたのその手で

  それ言うために待ってた


[彼女の詳しい事情は、何ひとつ知らない。

ただ知っているのは、
”名前”を教えなかったことと>>2:*233
あの時の彼女の顔と曖昧な反応と>>2:-143
部屋を出ていく直前の問いかけだけ>>2:191
(110) 2020/08/19(Wed) 1:18:28

【人】 木原 敦久

[一夜明けた今、いらないお節介をしたと思う。
負けず嫌いで、計算高くて、食えない女
そんな彼女は活き活きとして見えたから。

籠の中から自ら出る気概があるなら
多少危ない橋でも手を貸したくなった。
活き活きと生きる彼女が見たいと思った。

だけど、彼女自身にその気がないのなら]


  投げ出すことを諦めてるあんたに
  それは必要ないものだ
  違うか?


[静かに見据えて、答えを待った*]
(111) 2020/08/19(Wed) 1:22:18

【人】 舞戸 黎哉

[声はない。
その沈黙が何より雄弁な答え。
わかっていること。
それは諦めでもなく、流されているわけでもなく、とうの昔に自分たちが選んだことだから。

お互いを誰よりも理解し、同じ気持ちを抱く人。

だからこそ。
自分では彼女を救えない。
同じ者が二人いても、選択肢は増えやしない。
同じ物が二つ並ぶだけ。

月子を救えるとしたら、それは別の何か、別の誰か。
きっとそうなのだと思う。]
(112) 2020/08/19(Wed) 7:29:25

【人】 舞戸 黎哉

 
  …………


[抱きしめる腕に力を込めそうになる。
奪い取ってしまいたくなる。
無理矢理にでも犯し、子でも成せば何もかも壊せるだろうか。]


  …………


[泣いてくれたらよかったのに。
泣かせられればよかったのに。
理解なんてできなくて、気持ちも違っていて、それならきっと強引にでもその手を掴めたのだろうか。]
(113) 2020/08/19(Wed) 7:30:29

【人】 舞戸 黎哉

[微睡の中に沈む月子にそっと囁く。
口にしてみたその言葉、本当かと問われれば、きっと「わからない」と、答えるだろう。

軽口ではなくとも、こんなものは戯言だ。

戯言でしかない。

ゆっくりと目蓋を閉じて、月明かりに身を委ねた。]*
(114) 2020/08/19(Wed) 7:32:45

【人】 美雲居 月子

  ───百日紅


[ 互いの立場が何か違ったら、
互いのことを理解できなければ、
もっと別の結末があったのかもしれない。
けれど、きっともしそうなら、
わたしは今この腕の中に
いないと思うから。

皮肉なものだと思う。

今はただ、この温もりが愛しかった。

微睡みの中で囁かれた言葉は、
夢か、現か、それすらも曖昧で。
声の代わりに、ゆったりと頷いた。
それは、その胸にまた頬を
擦り寄せたようにも思えたかもしれない。

きゅ、と彼の胸に寄せた手のひらで、
その浴衣を握った。]

 
(115) 2020/08/19(Wed) 10:13:19

【人】 美雲居 月子


[ すう、と眠りの淵に落ちた女の顔は、
至極安らかだっただろう。]





[ 目が覚めたそのとき、
まだ彼はそこにいただろうか。
いるのならば今度こそ、
「おはよう」と挨拶を。]

 
(116) 2020/08/19(Wed) 10:14:05

【人】 美雲居 月子


[ そうして、布団からゆっくりと這い出た。
まだぼんやりする頭でぐ、と伸びをして、
広縁の方へと足を進める。

二脚の湯飲みが残された机。
それを一瞬見て、すぐに窓の外に向けた。
日の差し込むガラスの向こうに広がる、
青々とした木々の群れが、
ざわざわと揺れるのがわかる。]



   ええ天気


[ そう口元を緩めた。]*

 
(117) 2020/08/19(Wed) 10:14:31

【人】 舞戸 黎哉

[朝。
おはようと言う君の声。
抱いたままの腕の中から解放すると、物寂しさを押し殺して、おはようと短く返した。

布団から這い出る君を目を細め眺める。身体を伸ばして広縁へと向かって、ガラスの向こうを見た君を。]


  そうだな。


[同じように口元を緩めて、日の中でキラキラと綺麗な君の姿を見つめていた。
今なら、わかる─── 俺は、君に ───]*
(118) 2020/08/19(Wed) 12:36:45

【人】 三谷 麗央

─ 千秋と ─
>>105 >>106 >>107


 死者は、強いな。
 そこで時間が止まってしまっているから。


[ 彼女が首輪を外すのを>>106
 止めようともせず呟いた。
 その相手が何者だとも、
 どんな想いを抱えているかとも、問いはせず。]


 ……そんなのを抱えているなら、尚更だ。

 千秋の身体だけ俺の物にしたって
 何の意味もない。

 単なる遊びというだけで、
 これも渡した訳じゃない。
(119) 2020/08/19(Wed) 12:48:22

【人】 三谷 麗央

[ 続いた言葉を>>107聞き取って、
 それからようやく首輪に触れる。
 受け取り、見つめて、囁かれた声。

 彼女の背中に腕を回し、強く強く抱きしめた。]


 その気持ちも何もかも、全部含めて、
 俺に呉れよ。

 誰をどんな風に想ってたって、
 それが千秋の形なんだろ。

 縛るものがひとつだけじゃ足りないなら。
 いくつでも、いくらでも。

 生きてる限り、俺のものになってて欲しい。


[ 一時の熱情だとは思わない。
 この気持ちはきっと何年も何十年も続くものだ。
 でなければ不安も恐れも>>73兆さなかった。
 彼女の瞳をじっと見つめて、
 契約を印すかのように唇を重ねていった。]** 
(120) 2020/08/19(Wed) 12:50:25

【人】 美雲居 月子

   ───百日紅


[ 外を眺めていても、布の動く音はしない。
同意が返ってきたらば、くるりと振り返る。

こちらを見ていた彼と目が合うなら、
首を傾げて微笑むだろう。]



   はよ、もう起きんと



[ そう伝えて、眉根をあげた。
また窓の外に目を向ける。
右腕を上げて、左手で肘を掴み、
ぐ、とまたひとつ伸びをして。
欠伸が出たから腕を下ろし、
手のひらで大きく開く口をおさえた。

じわり、目端に滲む滴を
軽く拭って、息を吐く。]

 
(121) 2020/08/19(Wed) 14:32:17

【人】 美雲居 月子




   ほな、帰り支度しよか


[ と呟き、踵を返せば彼の方へ。
悪戯っぽくにぃ、と笑えば、
えい、と布団を剥がしてしまおう。]



   黎哉さん、いつまで寝てはるの?


[ 彼の近くに仁王立ちをして
叱るような口調とは裏腹に、
口元を綻ばせて言う。
だが、その唇をむすんで、
それから瞬きをして。
ゆっくりと伏せた睫毛。

それ以上なにもいわない。
顔を洗って、保湿ケアをして、
化粧をしなければいけない。
それから、服を着替えて、
荷物をまとめて。やることは多いのだ。]

 
(122) 2020/08/19(Wed) 14:34:25

【人】 美雲居 月子



[ だから、といわんばかりに
彼の方に手を差し出して。]



   ほら、もう、起きて


[ そう促し、彼がとってくれたなら
そのまま両手で包み、引っ張り上げようと。]*

 
(123) 2020/08/19(Wed) 14:34:44

【人】 空閑 千秋

   
─麗央さんと─
 
[そのまま抱き締められるとは思っていなかった。>>120
 
(124) 2020/08/19(Wed) 15:40:46

【人】 空閑 千秋

 
[単なる遊びというだけで
 渡したのではないという首輪。>>119
 それも何だか驚いてしまう。
 私のような女相手に、遊びだけではないなんて。
 それとも試験そのものだった? なんて
 きっと聞くのは失礼だと思う。
 其れの答えはもう言葉そのものよりも
 抱き締めてくる腕の強さが
 教えてくれているような気がしたから。]
 
 
   ……麗央さん。
 
 
[本当にそんな事を言って良いのか。
 こんな場所で肌を重ね自分の形を探していた、
 疵付く事を望んでいた自分で良いのか。
 浅ましくもその傷みすら悦びに変えて
 今も胸の飾りが傷みを与えてくる自分で。
 
 
 どうして。
 どうして、そんなにも。]
 
(125) 2020/08/19(Wed) 15:41:27

【人】 空閑 千秋

 
   麗央さんが私を手放さない限り。
   貴方に全てを捧げるわ。
   この命ある限り

   ……貴方を幸せにする。
 
 
[約束があるからね、と。
 その事をいつかは口にするのかもしれない。
 けれど今は、それは胸の裡に秘めて。
 貴方を幸せにしてあげる。
 貴方を幸せにしてみせる。
 この命が尽きてしまうか、
 貴方が私を手放してしまうまで。

   

 他の人との情交の痕が残るまま。

 友の証を胸に穿ったまま。

 貴方の瞳を見つめ返し、その瞳を瞼で覆い隠した。]
 
(126) 2020/08/19(Wed) 15:41:52

【人】 空閑 千秋

 
[唇を重ねて、押し付ける。
 淫蕩な夜の宴が終わった後の明るい朝の日差しの中で
 貴方とただ唇を重ね合わせるだけの口付け。

 そっと彼から唇を離した私の頬は
 ほんのりと紅に染まる。]
 
 
   ………………、

   ………………。

   …………………………………うん。
 
 
[だって、そう、なんだか。
 私が乱れるのは密やかなこの旅館の夜だけ。
 母にしても誰かに見られるような場所では
 求めてこなかったから。

 こんな、誰かに見られかねない場所で
 明るい日差しの中で
 唇を重ねる、ということは。]
 
(127) 2020/08/19(Wed) 15:42:25

【人】 空閑 千秋

 
   ………今更ですけど、
      恥ずかしいものですね。
 
 
[ハッキリと私の形が光に晒されて
 夜だけのものでは無いと教えられた気がして。

 真っ赤になった頬を見られたくなくて、
 わたしは顔の下半分を隠して視線を伏せていた。]**
 
(128) 2020/08/19(Wed) 15:42:48

【人】 美雲居 月子

───チェックアウト前


[ 朝食は、一人で摂った。
並べられた器の数々をのんびり
眺めながら部屋でかすかに聞こえる
人の声や、足音、風、湯の流れる音を
静かに、耳で拾いながら。

昨日、渡されたメモは、折り畳んで
もうすでに荷物をまとめた
カバンのポケットにしまってあった。
食後、温かいお茶を啜りながら、
ぼんやりそれを見つめる。

生まれた時から決まっていたことだ。
20、年上の人と結婚する。
それを当たり前として受け入れた。
受け入れなければいけなかった。
祖父に逆らえる人はいなかった。
それは、わたしもおなじだった。]

 
(129) 2020/08/19(Wed) 16:18:54

【人】 美雲居 月子



[ 変な話だ。
この場所にW愛WはあってもW愛Wはない。
そういう場所だから、自分はここにきた。
それなのに、最後の最後。
わたしは、わかってる。しってる。
ぜんぶ、理解してる。

それなのに───

力を入れたメモが軋むような音を立てる。
短く息を吐き、帯にそっと差し込んだ。

茶托に湯飲みを置く。
窓の外に目をやると、朝見た時よりも
高くなった陽が、より強く射し込む。
風は止んでいた。

ゆっくりと立ち上がる。
縁をふまないように歩いた青畳。
そっと置いたボストンバッグを手に、
履いてきた草履に足先を差し入れ、
くるりと部屋の方へと振り返る。

静かに一礼して、扉を出た。]*
 
(130) 2020/08/19(Wed) 16:20:01

【人】 美雲居 月子



[ チェックアウトをしようと
出たロビーに人気はそう多くない。
まだ時間もある。大抵ギリギリの方が
混んでくるのだ。だからこそ、
わざわざ早めに出た。

そのまままっすぐカウンターに向かう途中、
後ろから昨日と同じように
声をかけられれば、振り返る。]


    おはようございます


[ そう微笑みかけて。]
 
(131) 2020/08/19(Wed) 16:40:23

【人】 美雲居 月子



    ───渡したもん?
    なんのことやろ?


[ と、問いかけにはわざとらしく
首を傾げてとぼけて見せるけれど。
続いた言葉に、短く息を吐き、
姿勢を正した。

まっすぐに見つめられるから、
こちらも逸らすことなく見つめる。
だがそれも数秒。
すう、と下がり、睫毛を伏せれば、
そっと帯に挟んだメモを
右手の人差し指と親指で摘んで、
取り出してみせた。]

 
(132) 2020/08/19(Wed) 16:40:45

【人】 美雲居 月子




   これは、うちのもんやから。

   どうするかは、うちが
   決めさせてもらう。


[ そういって、息を吐き。
ゆっくりそれを
彼の方に差し出した。]


   ───返そうと、思ぉてた。

   うちはどうせこの場所から
   動かれへんってわかってたから。

   この気持ちだけでありがたい、
   おおきに、でももうええんです、て。

   そういうて、返そうと思てたん。


[ 彼がそのメモを取ろうとするなら、
さっと持ち上げて、触れられないようにする。
「でも」と小さく続けて、ゆっくり
目線を上げて、そちらを見つめた。]
 
(133) 2020/08/19(Wed) 16:41:07

【人】 美雲居 月子




    やっぱり、やめる。

   動かれへんって、わかってた。
   けど、動こうともしてへん。
   うちは、今まで諦めてた。
   なんにも変わらへんやろって、
   はじめから、なんにもせんと。


[ ゆっくり視線を落とし、
薄くなった彼の左手の薬指を見る。
それから、また見上げて。]

 
(134) 2020/08/19(Wed) 16:41:31

【人】 美雲居 月子





    拐ってくれへんのやったら、
    自分で動かんとあかんし


[ そういって、くしゃ、と
子供みたいな笑顔を見せるのだ。
帯にメモを戻す。
あ、そや、と小さく落として、
手元にあったビニール袋を差し出した。]



   これ、温泉まんじゅう、あげる。
   メモは返されへんから、お詫び?


[ と首を傾げて、熱海名物と
本当か嘘かよくわからない文字の書かれた
ウサギの形のそれを渡そうか。
受け取ってくれなくとも、無理やりにでも。]*

 
(135) 2020/08/19(Wed) 16:42:04

【人】 木原 敦久

[差し出された紙を、すぐには受け取らず>>133


  返すのも破り捨てるのも、同じだろ
  ならあんたの手で破りなって言ってんの
  今 ここで


[これから先行こうとする道が何であれ
選択肢がある以上、彼女自身の手で選んだものなのだと
嫌でも自覚させるように。

それがどんなに酷なことだとしても]


  少なくとも
  あんたが”選んだ”って事実と覚悟が
  この先あんたをもっといい女にするはずだ


[それでも返すってことなら、しかたない。
せめて彼女の目の前でバッサリ破り捨てるつもりで
紙へ左手を伸ばし]
(136) 2020/08/19(Wed) 18:43:47

【人】 木原 敦久

[指先が、スカッと空を切った]


  ぁあ゙?


[どういうつもりだ。
怪訝な顔で彼女を見れば、合った目の奥。
再び灯った光に目をみはる]
(137) 2020/08/19(Wed) 18:44:06

【人】 木原 敦久



  ──……ふ
  そうこなくっちゃ


[堪えきれず頬が緩み
こちらもつられて、くしゃりと笑えば>>135

伸ばした掌で、ぽん、と軽く頭をなでた。
褒めて励ますように]
(138) 2020/08/19(Wed) 18:52:00

【人】 木原 敦久


  別に、返すも返さないも
  あんたに渡した時点で、あんたのもんだしな

  でもくれるんならもらっとく


[紙の代わりに受け取ったビニール袋。
ゴソリと音を立てた中身を覗けば]


  ……ってこれ8個も入ってるじゃん
  一人で食べるには多すぎ


[職場に持ってくには少なすぎる。
目敏い人が見ればわかる痕を首や耳につけてる時点で
あまり余計な詮索はされたくないし。
一人で食べるか誰か呼ぶか、なんてぼやきながら]
(139) 2020/08/19(Wed) 18:52:27

【人】 木原 敦久



  ──で、
  結局名前は教えてくんないの?


[にっこりと笑って、もう一度訊いてみようか*]
(140) 2020/08/19(Wed) 18:52:34

【人】 舞戸 黎哉

── 百日紅 ──

[伸びる月子。
大きな欠伸を一つして滲む涙を拭き取って。
そんな姿を見せてくれていることに嬉しさが滲む。

そして。
窓から差し込む陽の光に目を細めた。]


  ……綺麗だな。


[もちろん、─── お前の事だよ。]
(141) 2020/08/19(Wed) 19:07:03

【人】 舞戸 黎哉

[それから布団を引き剥がされては口を少し尖らせる。]


  ……あと5分だけ。


[わざとらしく眠そうに目を細めて言ったけど、口元の笑みは消せなかった。でも月子だって同じ様なものだったから。]


  ん、起こしてよ。


[我が儘を一つ。]
(142) 2020/08/19(Wed) 19:07:49

【人】 舞戸 黎哉

[細めた目で月子を見上げていたら、愛らしい唇が結ばれ、綺麗な長い睫毛が伏せられた。
そして、差し出される手。]


  仕方ないなぁ。


[柔らかくその手を掴んだ。]
(143) 2020/08/19(Wed) 19:09:17
このまま引っ張り込んで抱きしめてしまおうか。

身体を入れ替えてキスをしよう。

唇に、それから月子の体の隅々にまで。

そうやって着てるものを全て脱がしたら

愛の言葉を囁いて。

もう一度月子と一つになろう。

熱い肌を重ね合わせて。

濡れる月子の中に、滾る自身を突き入れて。

二人で快楽の中に溺れよう。

【人】 舞戸 黎哉

[その瞳が伏せられている間に首を横に振る。
両手で確りと掴まれた手。
その手に体重かけて、でも、体を起こして引き上げ“られて“しまう。

だから───]


  隙あり。


[唇と唇の合間にチュッと音が鳴った。]*
(144) 2020/08/19(Wed) 19:11:48

【人】 三谷 麗央

─ 千秋と ─
>>127 >>128

[ 麗央とは10センチと背の違わない彼女だから、
 伏せられた顔を横から覗くのはきっと簡単なこと。
 けれどそうする代わりに足を一歩引いて、
 自分の胸元へ額を当てさせるように抱き寄せた。]


 だったら、
 少し落ち着くまでこうしていなよ。


[ 俯いた耳元へ囁き落とし、
 彼女の言葉に応えていく。
 落ち着いた声。ゆっくりと言い聞かせるように。]


 たしかに、全部くれって言った。

 でも俺だけが幸せになるんじゃなくて、
 千秋にも幸せになってほしい。

 全て捧げてくれるなら、
 千秋の幸せも、俺のものなんだろ?


[ 少し間を空けて、苦笑がちにふと笑う。
 自分も彼女も、ここ以外での相手の事を
 まるで知らないというのに、と。]
(145) 2020/08/19(Wed) 19:15:53

【人】 三谷 麗央

 

 最初から大きく構えすぎなくても、良いよ。
 だんだんそれが重荷になってくるかも知れないから。

 ……それよりは。
 なるべく一緒に居られるようにしていたい。
 此処みたいな非日常だけじゃなく、日常の中でも居られるように。


[ 彼女のスーツ姿を見て思う。
 何かの職に就いているのは間違いないだろうけれど、
 私服で訪れたのでないということは、
 休みのゆとりがそう多くないことを示しているのかも、と。]


 千秋の普段の仕事も、住んでる所も。
 どれだけ忙しいかも、まだ知らないけど。


[ それからもう一つ、思い至って。可笑しそうに囁いた。]
(146) 2020/08/19(Wed) 19:15:57

【人】 美雲居 月子

  ───百日紅


[ 小さく聞こえた褒め言葉。
もう、なにが、とは言わなかった。

彼の布団を引き剥がして、
まだ称えたままの笑みで
あと5分、なんて言うから
少し笑ってしまった。

浮かんだ何かを消すように唇を結んで、
睫毛を伏せて、これからを考えて。
差し出した手が取られれば、
大きくて、分厚い掌の感触に、
唇をまた結んだ。

両手で掴み、ぐい、と引くのに
うまく持ち上がらなくて。]

 
(147) 2020/08/19(Wed) 19:54:55

【人】 美雲居 月子



[ ふ、とその身体が浮いた。
顔を上げる。まぶたを開く。
瞬間、ふれたのは、唇だった。

悪戯した子供みたいなセリフに、
心臓がぎゅう、と締め付けられる。]



    ───あほぉ



[ 小さく悪態をつく。
顔を見られたくなくて、その胸に
抗議するみたいに両腕をついて、
額を乗せた。深く息を吐く。]

 
(148) 2020/08/19(Wed) 19:55:37

【人】 美雲居 月子



[ ───なにもいえない。

夢か現か、わからなかった、
昨日の愛の言葉は、曖昧にしたくて。
なにも言わないでと願った。

半歩下がって、離れる。
ゆっくりと顔を上げた。]



    ───黎哉さん


[ 名前を呼んで、柔らかく、微笑む。]



    おおきに、ありがとう。


[ 今度こそ、お礼を。]*
 
(149) 2020/08/19(Wed) 19:55:59

【人】 空閑 千秋

   
─麗央さんと─
 
[胸元に抱き寄せられて、>>145
 さらにわたしの頬が熱くなる。
 それでも視界が塞がれたからか、
 彼の心音がトクトクと聞こえてきたからか
 少しずつ、少しずつ気持ちが凪いでいくのを感じていた。]
 
 
   ……そうですね。
   私の幸せも、あげます。
 
 
[幸せにするばかりではなくて。
 幸せにしてくれるなら。
 それはきっと、彼のものだろう。
 自分がどうやって幸せになるのかはわからない。
 分からないから、うまく伝えられないけれど。

 いつか幸せだと感じられたときには
 彼に伝えてあげられたら良いと思うのだ。

 こうして生きていく事が幸せだと思えると。]
 
(150) 2020/08/19(Wed) 20:01:03

【人】 空閑 千秋

 
   名前くらいしか知りませんものね。
   名刺なら今でも渡せますけど……。
 
 
[と、自分の情報を手渡そうとして
 慣れた仕草で名刺入れを取り出した。
 仕事で使う簡素なそれを一枚取り出して、

 けれど相手の囁きにパチリと目を瞬かせた。]
 
(151) 2020/08/19(Wed) 20:01:19

【人】 空閑 千秋

 
   ……ありませんよ。
     だからここに来てたんです。
     女であると言う自信が、欲しくて。
 
 
[意地の悪い質問をするものだ、と
 顔をツンと逸らしながら腕組みする。
 そんなことを今更聞かなくても良いだろうに。
 そんな。どこか拗ねた気持ちで。]
 
(152) 2020/08/19(Wed) 20:02:03
村の更新日が延長されました。

【人】 舞戸 黎哉

── 百日紅 ──


  ぁ───


[微笑む月子に、何か言おうとして結局言葉にならなかったから、ニッコリと笑顔を作った。]


  会えてよかった。
  

[絞り出した声は明るい響きで、我ながらうまく出来たものだと心で苦笑いを浮かべて。

そうして月子に背を向けて。
目を瞑ったまま浴衣の合わせを直して、帯を締め直して、それからあと何を直そうかと思案して、だけど、もう何も直すものが無かったから。]


  お茶、ご馳走様。


[だから、そのまま扉へと向かった。]*
(153) 2020/08/19(Wed) 21:27:52

【人】 美雲居 月子

  ───百日紅


 
[ 微笑みが、返される。
喉奥から迫り上がる何かを抑え、
ただ、目は逸らさないようにして。]



   うちも、会えてよかった


[ そう、伝えよう。

くるりと踵が返される。
浴衣を直すようだから
手を出そうかとも思った。
だけど、きっとそれは、余計なことだから。
黙って、その背中を見つめていた。]

 
(154) 2020/08/19(Wed) 21:43:00

【人】 美雲居 月子



[ ごちそうさま、と落とされて、
「ええ」と返事をしたら、
す、と動いた足。遠くなる。
ぐら、と揺れた気がして、
つい、その浴衣を掴んだ。]



   黎哉さ、



[ だが、すぐに離して。
掴んだ右手を左手で包むように、
胸元に寄せる。]

 
(155) 2020/08/19(Wed) 21:43:21

【人】 美雲居 月子



[ その背中に、伸ばした手のひら。
それは、触れることはないけれど。]



   ───然様なら


[ 小さく、別れの言葉を告げて。
今度こそ、その背中を見送るだろう。]*
 
(156) 2020/08/19(Wed) 21:43:54

【人】 美雲居 月子

  ───ロビーにて


[ ああ、いい人だなと思った。
こんな場所で、一晩共寝しただけの、
名前も明かさない女に。

この先のわたしが、どうなろうと
この人にはなんの関係もないのに。
あんな一言、小さな我儘に
向けてくれた優しさはこのメモにも、
その言葉にも、表れていたから。

頭に乗った手のひらが優しく撫でる。
くすぐったくて。なんだか、変な感じで、
困ったように目を眇めて眉尻を下げるが、
払い退けたりはせず、じっとしていた。]

 
(157) 2020/08/19(Wed) 21:44:33

【人】 美雲居 月子



[ そうして差し出したビニール袋を
彼は受け取ってくれる。
中身を確認して、困ったようにぼやくから]


   8個くらい、すぐやろ
   いけるいける、食べよし


[ とからから笑った。]

 
(158) 2020/08/19(Wed) 21:44:51

【人】 美雲居 月子


[ にっこり微笑んだ彼に尋ねられる。
目を開いて、それから、
思案するようにゆっくりと逸らして
人差し指で下唇をとん、とん、とん、と
三回叩きながら唸る。
彼の方を見遣る。すう、と目を細めて。]



    美雲居、やていうたやろ?


[ そう、また名字だけを伝えた。
あのとき…曖昧に迷ったときとは違う。
確かな、意思を持って。]


    ほな、敦久さん、おおきに。


[ 小さく一礼して、踵を返す。
フロントへと向かい、
チェックアウトを済ませた。

ホテル前に待機している
タクシーへと向かう。
その黒い車体に吸い込まれた
女の表情はきっと、穏やかだった。]*
 
(159) 2020/08/19(Wed) 21:45:26

【人】 美雲居 月子

  ───それからの話


[ 京都の自宅に帰る道中、
なにを考えていたのかは覚えていない。

ただ、やることだけは決まっていたから。

ただいま、と家の扉をあけて、
脱いだ草履をそろえて靴箱に仕舞う。

そのままなんの迷いもなく行ったのは
祖父のいる書斎だった。

膝をついて、ノックを2つ。]



   失礼します、月子です


[ そういうと、「入れ」と聞こえた。
ゆっくりと引き戸を開き、畳の縁を
踏まないように中へ足を進める。]

 
(160) 2020/08/19(Wed) 22:21:49

【人】 美雲居 月子



[ 銀縁の眼鏡をずらしてこちらを見る
祖父に、正座をしたまま深く頭を下げた。]



   おじいさまに、お伝えしたいことが
   ありましたので、きました。
   今お時間よろしいですか。


[ 「ああ、なんや」と祖父が眼鏡を外す。
こくりと唾を飲んで、喉を潤した。]


   うち、結婚は嫌です。
   そやから、しません。


[ はっきりと、言い切った。
顔を上げて、寸分たりとも逸らさない。
視線は真っ直ぐに祖父の眼を射抜いて。]

 
(161) 2020/08/19(Wed) 22:22:22

【人】 美雲居 月子



[ まあ、それからはお察しの通り。
祖父は大激怒し、大揉めに揉めて、
飛んできた祖母や母には
宥められてしまったけれど、
兄だけは、味方になってくれた。

20も歳上の人。それもまだ一度も
会ったことのない人。
そんなひとといきなり結婚なんて
できるはずがない、と。
そもそも妹をわたしたくはない、
という台詞には笑ってしまったけれど。

最後には祖父も疲れ果てたように
もうええわ、とこちらを遇らった。
もちろんそんな1日で決着のつく
話ではなかったのだけれど。]

 
(162) 2020/08/19(Wed) 22:22:53

【人】 美雲居 月子



[ だが、事態は思わぬ方向に行く。
祖父が親友に連絡した。
孫同士の結婚の話だが、と
切り出すと向こうはキョトンとして。
そういえばそうだった、とからから
笑ってみせたのだ。

それにはさすがの祖父も呆れ返ったらしい。
さて、そしてその等の孫本人はというと、
45になり、現在すでにお付き合いして
いるひとがいるのだという。
だから、20も下の人と本当に結婚させる
つもりだったのかと祖父とその親友は
怒られたらしい、とまで祖母に聞いた。

───正直、これまでの諦めた人生、
捨てた青春の日々はなんだったのだ、と
それはそれは暴れてしまいたくなったが。
それでも、手に入れた自由は
大きかったから、それでいい気もした。

最後に、選び取ったのは自分。
間違いなく、そう言える人生になったから。

数ヶ月後、知らないアドレスから、
一通のメールが届くだろう。]
 
(163) 2020/08/19(Wed) 22:24:03

【人】 美雲居 月子



[ そんな内容で、旅館の場所が
記されているだけのメール。
届いていなければ、それまで。
ただ、背中を押してくれたその人に
伝えておきたかっただけなのだ。
わたしが選んだ未来を。

今日もまた、誰かを迎え入れる。
柔らかく微笑み、三つ指をついて。

ああ、そうだ。
あの旅館にもう一度行く予定は
今のところないのだけれど。
うさぎの温泉饅頭だけは、
今度こそ口に入れたくて。

そのうち、熱海には行きたいと思っている。]**

 
(164) 2020/08/19(Wed) 22:26:06

【人】 木原 敦久

[頭を撫でた慈しむ掌。>>157
それは恋とは違うものの、確かにひとつの愛情があって。
黙って受け取ってくれたことを、密かに心の中で感謝する]


  簡単に言うなよなー
  三十代の脂肪燃焼の悪さ舐めんなよ


[からから笑う額を軽く小突き>>158
もう一度尋ねたその答えは
少しの間を置いたあと>>159
(165) 2020/08/19(Wed) 22:30:43

【人】 木原 敦久



  ほんと、食えない女


[最初と変わらない感想を。>>159
能面みたいな張りついた微笑ではなく
くるくると表情を変える彼女を見れただけで
自分にとっては十分おつりがくるというもの]


  こちらこそ、楽しかったよ
  ありがとな


[踵を返す彼女の後に続くように
自分もソファに置いたままだった荷物を取り上げ
チェックアウトしよう。

手続きを済ませて入口を出れば、
いい天気の中、タクシーに乗り込む着物姿が遠目に見えた]
(166) 2020/08/19(Wed) 22:31:21

【人】 木原 敦久

[足を止めて眺めて、ふと]


  ……かぐや姫みてぇだな


[生憎夜ではないけれど
お供のうさぎを残して、美しい雲居に隠れるように。
去っていく彼女の姿を眩しげに目を細めて見送った。

奇しくもその連想ゲームの答えのような>>-364
一通のメールが届くのはもう少しあとの話**]
(167) 2020/08/19(Wed) 22:31:29

【人】 舞戸 黎哉

── 柳の間 ──

[月子と別れ、部屋に戻った。
諦めたはずの柔らかな微笑みが焼きついて離れない。]


  礼なんて………言うなよ。


[聞きたかった言葉はそれじゃない。
でも、聞けないこともわかっていた。

自分だって、戯言と知っていながら、耳に届かないとわかってなければ口にすることも出来なかった。

お互い自分から手を伸ばせない者同士だから。
だからこそここに来て、ここで出会って、そして─── ]


  ……くそ……


[パタリとベッドの上に倒れ込んで。
後悔と、自嘲の中に沈み込んでいった。]**
(168) 2020/08/19(Wed) 22:49:32

【人】 空閑 千秋

 
[夜に秘められた時間でもないのに
 甘やかしたいとか、>>-361
 そもそもこんな風に甘やかに過ごすとか、
 私にはそれだけで対応に困ってしまうほど
 甘やかされている気持ちになってしまう。

 彼は私よりも年下で、
 仕事もいろいろなところに行く分忙しそうだ。>>-362
 私もそれに応えるように私の事を明かしていく。
 年齢、職業、休みらしい休みは少ない事。
 両親はもう亡く、一人暮らしをしている事。
 そんな事も、伝えた頃。
 彼からのお願いには断る理由なんてなかった。]
 
(169) 2020/08/20(Thu) 7:08:41

【人】 空閑 千秋

 
[それから、宿を後にして。
 電話やメールでやりとりはしていたけれど
 それ以外ではなかなか会う時間が作れなかった。
 申し訳ないけれどそれが現状で、
 日々仕事に疲れて1日が終わってしまう。
 土日に仕事が入る事もあったから
 休みもなかなか合わせられなくて、
 それでも彼の誕生日付近に休みを合わせられた。

 でも、私はそれより前に。]
 
(170) 2020/08/20(Thu) 7:08:56

【人】 空閑 千秋

 
[彼が出張になったとある日。
 私は思い立って家を出た。
 彼が時間が取れる確証はない。
 けど、あんまりにも会わないままだと
 なんだか嫌だな、そう思ってしまったから。

 連絡のやり取りで彼のいる場所は大体わかる。
 どこに泊まっているとか、今日はどんな仕事だとか。
 彼の仕事が終わる頃。
 彼の泊まっているホテルの近くの喫茶店から。]
 
(171) 2020/08/20(Thu) 7:09:11

【人】 空閑 千秋

 
   『来ちゃいました。
    忙しいなら、帰ります。』


[そんなメールを送ってコーヒーを飲む。
 不安な気持ちが胸を焼く。
 けれど、なかなか会えないのが寂しくて
 普通のお付き合い、が、わからなくて。
 喫茶店で一人不安な顔をして
 慣れないスカートを履いて
 不慣れなメイクをして。
 約束もない待ち人がくるのを、

 私は待っている。]**
 
 
(172) 2020/08/20(Thu) 7:09:28

【人】 舞戸 黎哉

── 数ヶ月後 ──

[ソファに座って写真を眺めていた。
それは、つい先日決まった婚約者で地元有力者の娘さん。
どこかあの子に似ているけど、でも、よく見るとやっぱり似ていない。似ているのは長く綺麗な黒髪だけで、そこだけは好きになれそうだった。]


  ……十分だ。


[十分遊んだし、十分楽しんだ。これはその対価。]
(173) 2020/08/20(Thu) 8:58:34

【人】 舞戸 黎哉

[あの晩は楽しかった。
酸いも甘いも知った夜は、これからもきっと忘れられないだろう。

この先。
婚約者と結婚し、子供をもうけて舞戸の家を盤石にする。一族のさらなる繁栄のために生きていくのだ。
いつか子供たちに、孫たちに言い聞かせた時に誇れるような生き方を。

だけど。
あと一歩、前に踏み出せていたらこの生き方は何か変わっただろうか。
今の生き方に不満はない、苦もない。
だけど決められた生き方以外の苦楽のある生き方があっただろうか。

そんな想いをずっと抱えて生きていく。

それでいい。
─── それがこの舞戸 黎哉の生き方だ。]
(174) 2020/08/20(Thu) 8:59:11

【人】 舞戸 黎哉

[彼女には背を押してくれる人がいた。
自分には居なかったし、居てもきっとこの背を触れさせることはなかっただろう。

これが彼女と自分の違い。

……そうということを知ることもないが。]**
(175) 2020/08/20(Thu) 9:00:09

【見】 宮野忠左衛門利光




[   
   
ひらり、ひらりとまた、花が降る。  ]



  
(@10) 2020/08/20(Thu) 9:36:50

【見】 宮野忠左衛門利光



  
きちかうのむらさきの花萎む時
    わが身は愛しとおもふかなしみ




[ いつからか、己のまわりに桔梗の花が降る。

  気品があってそれでいて可憐で、
  折れそうに細い茎の先
  少し俯きがちに咲くその花は、

  
   
嗚呼いつかの彼女を懐うには充分。


  蕾はまるで紙風船。

  
  
咲くとき、ぽん、と言いさう。  ]

 
(@11) 2020/08/20(Thu) 9:40:17

【人】 三谷 麗央

―― 9月 ――>>172

[ 8月が終わっても猛暑日の連続だった。
 一泊二日の単独出張。電車で向かって、車を借りた。
 初日に予定していた契約農場や醸造所を訪問し終えた頃には、
 レンタカーの後部座席に空のペットボトルが数本転がっていた。
 投宿先の駐車場に車を入れた所で、
 助手席に置いたスマホが振動する。
 メールを>>172一読して、すぐに返信した。]


  『終わってホテル着いたとこ。
   どこ?すぐ行けるけど。』


[ 業務日報を送るのは後回し。
 車を降りてチェックインを済ませると、
 荷物を置いただけで部屋を出た。

 近くの喫茶店のドアを開くと涼やかな空気に息が漏れ。
 店内で待つ彼女の姿を認めて笑みが溢れた。]
(176) 2020/08/20(Thu) 14:42:43

【人】 三谷 麗央

 

 ……びっくりした。
    一人だとは言ってたけど、まさか来るなんて。


[ 歩み寄れば面差しの違いに目が留まる。
 薄く掃かれた肌の色、
 あの宿でよりも紅差してみえる唇の艶。
 落とした視線は彼女が普段とは違う服装を選んで
 ここまでやって来たと捉えていた。]


 忙しいのに、ありがとう。嬉しいよ。
 それに、……可愛いな。


[ 綺麗、だとも思ったのだけどそう言った。
 だって、わざわざ服を選んで来てくれたんだろ?と。]
(177) 2020/08/20(Thu) 14:42:47

【人】 三谷 麗央

[ アイスコーヒーを注文して向かい合う。
 それから先に口を開いたのは千秋だったか、麗央だったか。]


 せめて晩ごはんくらいは、一緒できるよな。
 明日の仕事。
 千秋は帰らなきゃいけないとは思うけど……


[ 彼女に委ねるだけにしたら、
 帰してしまうことになるかもしれないから。
 テーブルの上に肘をついて、身を乗り出すようにした。]
(178) 2020/08/20(Thu) 14:42:50

【人】 和宮 玲

──3ヶ月後──

[美鶴荘には車で乗り付けて暎史くんを拾った。
近くの駅までバスやらタクシーやらで来る予定だったと思うけど私はサプライズということで迎えに来た。

青色に近いパステルカラーのTシャツに
ベージュのワイドパンツとスニーカー。
動きやすさを重視したのはこれからいく先の事も考えて。]


 ──動物園でもいかない?


[そんなことを口にしたのは
一度彼と動物の話でもしたから。
うさぎカフェでもいいかな、と思ってたけど>>1:253
今回私の家の近くに動物園があったので
そっちにすることにした。

車を乗り回してる間
話したことは動物園の話でもなく
好きな映画の話でもしてた。

意外かもしれないが、私はホラー映画は好きだ。
娯楽は娯楽として楽しめる。
私が苦手なのは、たまに遭遇する『本物』だ。
日常の中でのホラーは、勘弁して頂きたい。
娯楽の恐怖は好きなのだけど。]
(179) 2020/08/20(Thu) 15:05:46

【人】 和宮 玲


[動物園に着いたときに
どういう巡りで行くか軽く話して
結局順繰りに回りながら動物を見てた。

キリンもいる動物園なので私は
はしゃぎながらその子の姿をフラッシュを焚かずに撮ったりする。大きい、可愛い。

途中のお土産コーナーに
キリンの小さな陶器の置物があって
可愛いので買ってしまった。
我が家には複数体のそうした小さな置物があったりする。

お昼を食べようと入った場所は
お店の中から動物の姿が遠くに見えたりするので
その姿を見ながらお食事をした。
相変わらず味は殆ど分からなかったけど
時に笑ったり、話したりして食べていると
時折その匂いを感じた気がして、少し驚いた。

やっぱり何かが変わってる、のかしら。



[もう少し早く切り上げるつもりだったけれど
結局閉園間近まで残ってしまった。
一周してから、またもう一周したからだろうか。
寝ていたり、起きていたり、ご飯を食べていたり。
彼らは色んな姿を見せてくれる。
(180) 2020/08/20(Thu) 15:06:02

【人】 空閑 千秋

 
[それは、仕事がお互い忙しい中、
 旅館での出来事を終えてから始めての再会だったから
 私はなんだかその姿が眩しくて
 つい、冷房が聴いた中でも頬が熱くなってしまう。
 珈琲が冷める前に来てくれた彼は、
 きっと疲れているはずなのにそれを見せない。
 それが嬉しいような、申し訳ないような。]
 
 
   驚かせてしまってごめんなさい。
   ……急に時間ができたから。
   私こそ、忙しいところにごめんなさい。
 
 
[可愛いと言われれて目を伏せてしまう。
 どうしてこう、褒め言葉がすぐに出せるのだろう。
 嬉しくて、だけど複雑なのは
 もっと可愛い子は世にたくさんいると知っているからだ。
 それでもスカートを選んでみたのは、
 せめてもう少し女性らしく、と
 なんとか自分を変えようとしたからだけれど。]
 
(181) 2020/08/20(Thu) 15:06:03

【人】 空閑 千秋

 
   そうですね、明日も仕事ですから。
   でも、ご飯は一緒に食べれたらって。
 
 
[始発に乗ればギリギリ勤務には間に合うはずだ。
 仕事用の替えの服を職場に置いてるものの強みである。
 けれどそれだと泊まりたい、と。
 そう自分から誘うようで今は言えなかった。
 夜であれば、美鶴荘であれば素直に誘えるそれが
 今、陽の光の下だとあまりにも照れ臭い。
 肌を重ね合わせていないのに
 こうして"男女"として交流があるのは
 なんだかとても新鮮で、くすぐったいのだ。

 けれどその顔が落胆に変わる。
 眉尻を下げて、少し悲しげな顔に。]
 
(182) 2020/08/20(Thu) 15:06:18

【人】 和宮 玲


[見せてくれない時も、もちろんある。
そんな時は看板を見て、へぇ、と言うような
知識を覚えて帰ったり、だ。]


[車に再び乗って、私は一度自分のマンションに帰り
そこに車を置いておく。
まだ夕方だけど、近くでご飯を軽く済ませて

バーを巡ろうか、と>>88当初の計画通りに。

ご飯の方は近くの美味しい(と評判の)定食屋。
唐揚げと、お刺身が美味しいらしい。
あんまり食べるとお腹が膨れてしまうので
白米は抜きにしておいた。

やっぱり、その時もご飯の味が
ほんのりと感じた様な気がした。]
(183) 2020/08/20(Thu) 15:06:29

【人】 空閑 千秋

 
[……なんて、呟いてから。
 はた、とその理由に気づいた。
 シングルでとっているならそこに2人泊まるのは
 ルール違反というものだろう。
 泊まるにしても部屋をもう一人分とるのは
 宿泊者のマナーというものだ。
 一瞬後、そのことに気づいたわたしは
 これまでになく、真っ赤になって顔を覆って俯いた。]
 
 
   
い、いまの忘れて………!

 
 
[大人として恥ずかしいし
 それを期待しているようでも恥ずかしい!
 いくら会いたくなったからって
 寂しい気がしたからってこれはない!

 ああ、普通のおつきあい、というものは
 どんな距離感が普通なんだろうと
 私にはまだわからないことがたくさんだった。]**
 
(184) 2020/08/20(Thu) 15:07:03

【人】 和宮 玲


 初心者にお勧めのお酒とかってあるの?

[私は既にお酒をよく嗜む歳になっていたけど
20歳になって初めてお酒を飲みに来た時のように
バーで飲むなら何がいいかを暎史くんに聞いてみた。

一つ、二つ。

お店をそれぐらい回って、お開きになる。
いつもならその程度で潰れるはずもないのに
その日の私は、彼に指摘されて、漸く自分の顔が
真っ赤になっていたことに気付く。

足取りこそしっかりとしているが
それなりに酔っているのだろう。

普段と比べるなら
あまり飲んでいなかったはずなのに。]
(185) 2020/08/20(Thu) 15:07:06

【人】 和宮 玲


 ……楽しかった、暎史。
 また、こうして遊びに行こうよ。


[へらりと笑って
私は自分の家に帰ろうとする。
そう遠くは無い。

彼も今から電車に乗れば、バスに乗って
美鶴荘まで帰れる筈だ。

見上げる夜の街の光が
いつもよりも明るく見えた。
綺麗だな、って思って。]


 暎史、まだ飲んでみる?

 …………終電逃しちゃうね。ごめんごめん。


[そうして呟いた言葉をナイナイして
私は家に向かって歩き始めた。]*
(186) 2020/08/20(Thu) 15:07:17

【人】 恋塚 暎史

−3ヶ月後

 [ びっくりした。

   約束の時間に着くために、
   電車に乗ろうと近くのバス停までいく予定だった。
   すると、女将から連絡が入って、
   急いで準備を終わらせた。
『宮様がいらっしゃっていますよ』

   うちに来るなんて、彼女は一言も言ってない ]


 動物園?いく。…………なんか、
綺麗



 [ もう少し、まともな褒め言葉を出せないのか。
   運転する彼女の姿はとても新鮮で、
   ちらりと何度も見てしまう。

   彼も、動きやすくスキニージーンズと
   薄水色のワイドTシャツ。
   偶然にも、服の系統が似ている。

 
   道中、彼女は楽しそうに好きな映画の話に
   花を咲かせていた。
   ホラー映画が好き、ということを
   初めて知ることとなる。
   映画に興味はなくても、多分彼女が言えば
   一緒に行くだろうな、なんて思いながら。 ]
(187) 2020/08/20(Thu) 15:54:38

【人】 恋塚 暎史



 [ 動物園につけば、彼女が行きたいところへ。
   はぐれないように、腕を組んで1ヶ所ずつ。
   動物園なんていつぶりだろうか。

   元カノとも行っていない気がする。
   キリンが好きと言っていた彼女とだから、
   キリンのエリアには特に長くいたような。

   お昼は、少し遠目に動物たちを見ながら。
   感覚が鈍い彼女と動物についてだったり、
   他のことについてだったり、
   話をしていると、たまに彼女から

『おいしい』


   なんて声が聞こえたような。

   日が暮れるまで、動物園で過ごした。
   なんてエコノミー。
   本気で楽しもうと思えば、
   この場所はとても奥が深いって思った。 ]
(188) 2020/08/20(Thu) 15:55:04

【人】 恋塚 暎史

 玲の、家…………

 [ 車を置くためとはいえ、
   彼女の住む場所まで来てしまった。
   近くの定食屋で、おいしいものを食べた。
   また行きたいって感じた。

   バーに行けば、彼女に軽めのお酒をいくつか。
   定番のカシスオレンジから、
   バーテンのきままドリンクまで。

   2軒目のバーテンは、目を見張るほどに
   手つきがよかったから、少し見てた。
   
   途中で彼女を見ると、赤かった。  ]

 玲、帰ろっか。
 酔ってるように見える。

 [ 通りに出ると彼女が背を向けて、
   1人で帰ろうとした。
   そんな背中を見て、
   駆け寄れば、彼女の腕を取り
   下を向いて呟いたことだろう。  ]

家にいかせて。

まだ、飲みたい……*
(189) 2020/08/20(Thu) 15:56:05

【人】 和宮 玲

[>>189そのバーでは暎史くんが
バーテンダーさんの方を少し見ていたので
私もそちらを見てみる。

以前見せてもらった暎史くんの手つきと
似てる気もするし、どこか違う気もするけれど
その違いははっきりとは分からない。

でもそれを見ている彼を見れたことが
私はバーを巡りに来て良かったと思う。
相手の興味を知りたい。
出来ればそれを共有したい。

出来なくても、それを楽しむ相手を尊重したい。

私はそう思うのだ。]


 ────。


[バーを出ると、入れ違いに女の子達とすれ違う。
一瞬だったけれど、多分双子だった。
背の高さはバラバラだったけど。

珍しいなと思いながら
彼女らもバーで飲みに来たのだろう。

視線を切って私は彼と腕を組みながら……は、少し危ないから手を繋いで歩いていた。]
(190) 2020/08/20(Thu) 18:06:07

【人】 和宮 玲


 うん、帰ろう。
 ……こんなに弱かったかなぁ。


[>>189彼の言葉の通り、酔っているのだろう。
私は手を離して、背中を向けて歩き出したけれど。

後ろから駆け寄った彼に腕を掴まれたのは予想外。
びっくりして、少し嬉しくて、目を丸くしていただろう。]


 ……飲むのでも、バーで飲むんだと思ってた。

[私はそう言ったけれど
酔い始めた私が外で飲めば、本当に酔い潰れた時に
暎史くんに迷惑をかけてしまうから
確かに家で飲むのが良いのだろう。

家は、キリンの置物などがあるが基本的に物が少ない。
うっかり怪我をしない為に、物も極力置いていないのだ。
同様に調理もしないので、飲み直すなら
色んなおつまみも買っておこう。

……朝のご飯も、買っておこう。

終電で帰らせようとは、もう思っていないから。]
(191) 2020/08/20(Thu) 18:06:29

【人】 和宮 玲

 ……何が飲みたい、暎史?

 コンビニで、お酒買って帰ろう。


[私はそう言って、それから腕を組むことにした。
ゆっくり歩けば、大丈夫。
そんな言い訳をしながら。

買い物を済ませて、マンションに帰り。

彼を家に上げて。
ぱちり、とスイッチを入れると照明が光り
簡素な家の中が露わになる。

丸テーブルを出して。
ベッドの上に置いてあったクッションを持って
これに座って良いよって。

ガラガラ、と音を立てて
買ってきたお酒を取り出して。
一本、二本……10本ぐらい?
缶のものから、瓶の物も。

買いすぎ、なんて言われたかも知らないけど
残せば良いのだし、買い直しというのが面倒だから。]
(192) 2020/08/20(Thu) 18:11:26

【人】 和宮 玲


[コップなんてのも無くて
紙コップになってしまうのは風情がなくてごめんなさい。
でも危なくないし、洗う手間も省けて良いの。

8ピースのチーズを出したり
おつまみを用意して……これは暎史くんの好みを優先させよう。私はよく分からないし。

テーブルを挟んで……
なんてことはなく、隣に座って。
赤らんだ顔で、ぷしゅ、と缶を開けると。]


 かんぱーい。

 ……付き合ってくれて、ありがとう。


[私がまだ飲み足りないと、彼も気付いたのか。
終電を流して付き合ってくれるのが
私は嬉しかった。]*
(193) 2020/08/20(Thu) 18:11:39

【人】 三谷 麗央

―― 12月 ――

[ 大切な話をしたいんだ、と
 スケジュールに加えて貰った時点で、
 その内容は千秋にも凡そ伝わっていたと思う。

 年末年始でも交代制の勤務があるというから、
 師走の初旬に夜景の見えるレストランを予約した。

 いつものスーツで良いよ、と伝えたし、
 自分もその通りの仕事上がりの服装でとは言っている。

 予約よりも20分早く着いて、
 準備にぬかりがないか確かめるのだ。

 薔薇の花束をスタッフに預けて、
 彼女の指のサイズに合わせた指輪はポケットの中。

 何でもないようなふりをして迎えよう。
 伝える前と、伝えた後と。

 目に見えて変わるものなんて、ほんの小さな違いの筈だからと
 飛び出してしまいそうな心臓に言い聞かせて。]**
(194) 2020/08/20(Thu) 20:39:18

【人】 恋塚 暎史

−その夜

 あ…………ん……

 [ 咄嗟のことで、自分が何をやったのか、
   理解ができなかった。
   彼女は嫌がることなく、
   寧ろ、宅飲みのことを忘れていたような
   口ぶりだった。  ]

 僕は、ビールとチューハイがいい、かな。

 [ コンビニでわざわざリキュールを買うほど、
   お酒を作りたいわけではないので、
   梅酒だったりビールだったりを、
   籠の中に入れたことだろう。

   明日の朝ごはんは、作ろうかと言ってみたら
   キッチン用品がないから大丈夫なんて
   言われたような、言われてないような。
   とりあえず、朝ごはんはコンビニで買った。  ]
(195) 2020/08/20(Thu) 21:29:38

【人】 恋塚 暎史

 キリンに囲まれて生活してるんだね。

 [ 荷物を持って彼女の部屋へと入れてもらえば、
   目に止まったのは、キリンのグッズ。
   生活感は、あまりない。
   テーブルの上には飲み物と、おつまみ。
   サラミやチーズ、後はポテチだったり、
   甘めのチョコだったり。  ]

 沢山飲みたいときは、今日みたいに
 バーとおうち、半々にしてね?

 [ 乾杯、と笑ってビールを口にして、
   彼女が満足いくまで付き合うだろう。
   どこで寝たかって聞かれたら、
   多分……   ]

 床で寝るもんじゃないや、やっぱり……


 [ いたた、なんて小さな声をあげながら、
   彼は体を床から起こしたに違いない。
   多分彼女は途中で眠ってしまったはずだから。 ]*
(196) 2020/08/20(Thu) 21:30:09

【人】 空閑 千秋

 
[私のどこが悪かったのかと思う。
 いや、基本的に私は良いところの方が少ない。
 世の中にはもっと綺麗で可愛らしい人が沢山いる。
 気紛れで私と恋人ごっこだったのか。
 …それならそれで、止める権利は無いし。
 最近は、オシャレも楽しみ始めていたけど
 いつものスーツで良いと言われるし。

 『なんで千秋ちゃんはそんなに自己評価低いの。』


 同僚にそんなふうに言われたけど、
 でもでもだって。そうじゃないか。
 世の中はクリスマスシーズン。
 世の恋人たちの姿に我に返ったのかも。

 『普通にクリスマスデートでは?』


 私はその意見にも首を横に振る。
 態々大事な話と言ってきたのだ。
 普通のデートなら、普通に誘うと思う。
 忙しいからクリスマスを前後して、は分かるけども
 それにわざわざ大切な話があると言うだろうか。
 だから違う、とため息をついた。

 同僚も、先輩も、顔を見合わせる。
 そして呆れたようにこう言われた。]
 
(197) 2020/08/20(Thu) 21:37:28

【人】 空閑 千秋


 『……プロポーズじゃないの?』



   ……………………へ?
 
 
[私があんまり鬱々と仕事をしているので
 ランチ奢ると連れ出してくれた
 職場の数少ない女性人員の先輩と同僚は
 私が薄らメイクし始めたのに目敏く気付いて
 質問責めにしてくれた人たちだった。

 よって、お付き合いを始めた人がいる、と白状させられる。
 女子トークの格好の生贄となって早数ヶ月。]
 
(198) 2020/08/20(Thu) 21:37:52

【人】 空閑 千秋

 
   え、ぇ、そ、……そうなんですか?
 
 
[真っ赤な顔をしてうろたえた私に
 頭を抱えて完全に呆れ返った顔をしていたお二方。


 本当にすいませんでした。]
 
(199) 2020/08/20(Thu) 21:38:10

【人】 和宮 玲

──微睡の中

[4時か5時か。
それともまだ夜中だったか。

ぼんやりと瞳を開けると自分の部屋の天井が見える。
肘を立てて身体を起こすと、どうやらベッドの上に居て
布団から何まで被ってなくて

>>196目が覚めた時にちょうど彼も起きたようで。
彼が目覚めたのを感じて起きたのか
私が起きたのを感じて彼が起きたのか。

いたた、なんて小さな声を拾った物で
だから私はぼんやりとした頭で手を伸ばして。]

 
 ……ベッドで寝なよ。


[そうして再び目を閉じて。
ごろん、と横になると端の方に移動した。
そこまで大きくないベッドだから、
2人並ぶと、とても狭いだろう。

そもそも、この時の記憶を起きた時の私は覚えて居ないのだけど。]*
(200) 2020/08/20(Thu) 21:52:43

【人】 恋塚 暎史

−夜明け

 ん…………

 [ 彼女のベッドの近くにいたから、
   彼女が動いたのがわかって、目を覚ました。

   当たり前というか、
   彼女に呟いたことを聞かれていたらしく、
   ベッドに来たら、と言われてしまった。
   彼も頭は働いていなかったので、
   腕を伸ばされ、スペースが少し出来たなら、
   お邪魔をするだろう。   ]

 
 おやすみ、…………れい。

 [ スペースができたと言っても、狭い。
   故に彼女に密着して軽く抱きついただろう。
   ベッドに並べば、うとうとしてきたから、
   彼女の名前を呼んだときは、多分
   とってもゆるやかに呼んだだろう。

   起きたら、多分彼は
  『なんでこうなってるんだ』って
   目を見開いただろうけれど。   ]*
(201) 2020/08/20(Thu) 22:38:39

【人】 和宮 玲

─夜明け


 ……おやすみ、あきふみ…

[>>201彼に軽く抱きつかれて
近づいた私は、彼の唇に無意識に唇を重ねた。

その日はよく眠れたのを覚えている。
お酒の力も、遊びの疲れもあっただろう。

それ以上に私は彼の腕の中が
とても心地いいことに、いつか気付くだろう。

今は微睡の中。
夢に見たのは、あの宿のこと。
赤い宝石のようなお酒を頼み、喉に落とす。


……起きた時に私は口に手を当てて目を丸くした。
服をぱっ、ぱっと確かめたけど
おかしなところは無くて
別にそうなってても良かった、けど


はぁ、と息をついて
それからコンビニで買った朝ごはんを
2人で食べることだろう。

心地の良い休日だった。
また、彼と遊びたい、私はそう思った。]*
(202) 2020/08/20(Thu) 23:00:32

【人】 恋塚 暎史

−朝

 また遊びに来てもいい?

 [ 狼狽えというか、驚きに服を確認している
   彼女を目にしたなら、多分彼も、
   飛び起きたことだろう。

   暫くして、2人で朝ごはんを食べ
   彼女の家から出るときに、
   振り返って聞いたはず。


   住み込みをやめるつもりは今のところない。
   もしかしたら、彼女が辞める理由に
   なっているかもしれないけれど。

   返事がなんであれ、
   彼女にまたね、と言って彼女の家を出たことだろう ]

 次は、どっちで会えるのかな。

 [ 電車とバスを乗り継いで彼は宿へ戻る。
   帰宅した彼をみて、女将は口で弧を描き、

『いつ退職予定?』


   などと聞いてきた気がする。
   そんなときは来るだろうか、と
   彼は女将に答えて部屋に戻るのだった ]*
(203) 2020/08/20(Thu) 23:25:11

【人】 和宮 玲

─朝

 うん、遊びに来て。
 次はうさぎカフェにでも行こう。

[>>203ドアに寄りかかりながら
楽しそうに笑い応える。

またね、と手を振って家のドアをぱたん、と閉めたか。

>>1:43彼の契約の内容は知らず
私は次の遊びの予定を楽しみにしてしまうのだった。]*
(204) 2020/08/20(Thu) 23:30:23