「長かった……」

片目にかかった髪を払って空を仰ぐ。
忌々しげに眉を潜めれば懐から日差し避けを取り出した。

「揺れで気分は悪いしアイマスクの紐は切れるし。
　そのうえ性癖？この僕を引っ張り出した上でいい度胸していますね」

ホテルまでの短い距離ですらサングラスに日除け帽を装備し、
夏の対策をしきった男は誰にともなく宣言する。

「ロボ太のメンテナンス以外の緊急は受け付けませんから」

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名前：鹿籠 吉弘
外見年齢：20代
役職：正社員
業務：開発部

ひとこと:
「旅行だなんて日焼けするだけじゃないですか。……どうしてこんなことに」

「うわ……マジで！タダでいいんすか！？
　ここ一度は来たかったんですよ！」

リュックにスーツケース。大きめの荷物を傍に右往左往し、
それらがなければ今にも飛び出してしまいそうな男だ。

「いやでもにしたって性癖。性癖かあ……
　総務の人たちだけならともかく、
　普通に他の部署の方もいるからちょっと恥ずかしっすね」

「でもこれを機にお近づきになれるんだし、
　僕はむしろみんなのエロい話聞きたいっつーかね？」

軽い調子で笑いながら、
なんか色んなものが渦巻く場へと足を踏み入れるのだった。

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名前：牧野瀬 幸まきのせ　こう
外見年齢：26歳
役職：主任
業務：総務部 広報課

ひとこと:
「あっでも僕の性癖何がバラされるんだ？
　特にちょっと恥ずかしいで済むような奴しかねーから、
　たぶん大丈夫だとは思うんだけど……」

「はーやぁっと着いた！
こういう所来たのいつぶりかな。」

移動時間で疲れた身体をぐっと伸ばす。
建物を見上げて関心する。

「社長もまた変な事…それにしても何で性癖？
ま、決まったものは仕方ないし楽しもうっと。」

首を傾げたがまあいいかと流して施設内…もとい戦場へ向かった。

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名前：千堂 歩生せんどう あおい
外見年齢：20代
役職：正社員
業務：開発部

ひとこと:
「そういえば…社長はどうやって全員の性癖把握したのかな。…酒の席で言ってない、はず。」

「まあまあ。社長の気まぐれは今にはじまったことでもないからね。
　ひとまずはご厚意に預かって、羽を伸ばすことに専念してほしいと僕は思うかな」

あちこちからぶつくさとあがる不満をたしなめて、忘れ物がないかを確認してから後に続く。
まるで引率の教師だ。気を配るのが役職持ちの役目なら、近しいところはあるのかもしれない。

施設を訪れるのが初めての社員に主要部の案内をしたり、
売店やトイレ、非常口なんかの位置を確認したり。
社員の身柄を預かるにあたって、やるべきことはたくさんある。

「もし備品なりで足りないものがあるようだったら僕に言ってね。
　気がかりがあって楽しめないんじゃもったいないだろう？
　何かあった時の責任にしろ相談にしろ、引き受けるのが上に立つ人間の役目なんだからね」

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名前：望月もちづき ロビン
外見年齢：35歳
役職：課長
業務：総務部 経理課

ひとこと:
「みんな日焼け対策や熱中症対策は万全かな？
　屋内施設もあるからって、あんまり油断しちゃいけないよ」

「そんな事だろうとは思いました。
　タダで旅行に行けるなんて美味しい話、あるわけないって」

ゲームの概要を聞いて深いため息を吐いた。
表立ってはしゃいだりはしていなかったものの、
こう見えて内心ウキウキしていただけに落差も激しい。

「一昔前のバラエティ番組じゃないんですから……
　こうなったら、恥をかかされる前に遊び尽くしますよ」

この日の為に買った、
おニューの水着が入ったバッグを抱えて意気込んだ。

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名前：榑林くればやし 由希子ゆきこ
外見年齢：20代
役職：正社員
業務：総務部 営業課

ひとこと:
「終わったらセクハラで訴えてもいいですか？」

　
「わあ、すごい！かねて心待ちにしていましたが、
　ここに来て俄然楽しみになってきました。
　さすがは我が社の誇る大人気レジャー施設です！」

悲喜こもごも、ざわつく周囲を物ともせず。
ごーろごーろとキャリーケースを牽引してやりつつ、
片手を庇のようにして遠目に見える娯楽施設に歓声を上げた。

「荷物を置いたらまずはお風呂でしょうか？
　ひろーいお風呂でゆっくり日頃の疲れを癒やすというのも
　旅行の醍醐味だと聞きました！
　……そういえばお部屋ってどうなってるんでしたっけ？」

「ディープなお話にも興味はありますが、
　問答無用で暴露されてしまうのはちょっぴりブルー。
　でも気にしていても仕方ありません。
　確かなのはそれ以外は良い事尽くめということ！何より…
　社の皆さんとご一緒できて、緑郷は光栄です！」

片手を下ろし、肩に掛けた鞄をずり上げて。
ホテルのお部屋にお風呂にご飯、様々に思いを馳せながら。
何とも足取り軽く死地へと向かっていくのだった。

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名前：緑郷ろくごう　溢みちる
外見年齢：22歳
役職：正社員
業務：総務部 人事課（事務員）

ひとこと:
「直接話した事のない方もまだまだ多いですし……ああ！
　人事課とはいえ、性癖については……存じ上げてないですよ？
　皆さんがお酒の席で口を滑らせたりなんかをしていなければ。
　なーんちゃって。大丈夫ですよ！」

「施設広いですね。うちここ来るん初めてなんで、楽しみです………………え？」

楽しい旅行の中で突如聞こえた不穏とも思える社長の言葉。
施設を見回す視線は止まり、その顔は焦りを含んでいる。

「本当にやるんですか……。……帰りたくなってきた………」

折角誘われてやってきたというのに、どうにも帰りたい気持ちが抑えきれない。
けれど握られているともなれば帰ったところで同じなのだろう。

もうひとつ、抑えきれなかったため息を零して肩を落としながら鞄を手に施設の中へと足を進めるのであった。

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名前：雲野くもの とばり
外見年齢：23歳
役職：派遣社員
業務：CS(カスタマーサポート(サービス))

ひとこと:
「楽しいことの反面、ある意味での緊張で疲れそうなんですけど……。
それにうちの性癖なんていつ知ったんですかね……」

「あ゛〜〜…… 長距離移動は腰にくるねぇ」

喉から絞り出す声が上がる。
乗り物での移動を終えれば、腰をトントンと拳で叩きながら伸びをした。まだ若干腰が折れたような前屈みの姿勢のまま戻れていない。
時間をかけてゆっくりと、背骨を真っ直ぐにできた頃合いで伸びをした。

「タダ飯、タダ酒、実にいい事じゃないか。
社長の多少の無茶ぶりぐらい……」
「……いやぁ、ハハ。今回のは多少じゃねェわ。どうすっかなぁ！！」

今更回れ右をして帰る選択肢すら、与えられない。空笑いをするしかない状況で、思わず空を仰いだとか。

名前： 忌部 永信いんべ えいしん
外見年齢：35歳
役職：課長
業務：開発部 開発課

ひとこと:「何とかしてズルできないかいこれ？」