人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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視点:





          ( この話を書くにもなあ。 )



 



 [ ─── 例えば 喉元に 牙が食い込む瞬間、
      足元を掴む、踏みつけた相手の 呪う聲、

  大した血族でもないくせに、
  その日、その日、確かに一度、
  誰かを奪った 代わりのよに、死んでいく夢を見る。

  時折人の手が締め上げてくるから無節操だ。私が!
  毎夜死に続けるとか 、ほんとうに、 ]


 

【人】 軍医 ルーク

[ 知識、というのは時に難儀なもので、
 その時点で、現状の技術力で、
 “可能性がどれくらいあるか”ということが
 分かってしまうこともある。

 このぺんぎんの場合、少なくともこの基地の設備と、
 現状の端末の構造の理解度、修復可能な範囲を鑑みて、
 治療は不可能だ。
 下手をすると、残っているかもしれない一縷の可能性を
 摘むことになる。

 ――あるいは、ぺんぎんを最初に“作った者”ならば。
 その知識や技術をもってすれば、修復も可能だろうか。
 時間をかければ、あるいは新たな技術が発掘されたなら。

 無駄なものは無駄だ、と医務室で自由にさせておきながら、
 上に上ったときなどには落ちないようにと見張る。
 夜の解析と昼の勤務の合間の時間に、
 自室で本を読むときは、医学書と技術書に手は伸びる。
 そしていつも、自分より腕の良い技術者や医者に任せた方が
 まだ可能性はあるだろう、という結論になる。
 廃棄処分されたことになっているぺんぎんに対して、
 それが出来る手段は、今のところない。
 かくして議論は振り出しに戻る、だ。]
(87) 2020/05/18(Mon) 23:43:47

[ ──人の味を知った獣は、そればかりを食すというが
  毎夜 例えば 見知らぬ誰かの喉元に牙を立て、
  味も知らないというのに“美味い”と想うのならば

  最早獣に近しいと言っても、過言では無い。

  大体、誰とも知らない被害者の瞳は胡桃色で、
  光の無い眼に映る顔を見ている。]
 



     ──今日も、 僕ではなかった。

 

【人】 軍医 ルーク

[ 欠けていること。
 他のぺんぎんと違っていること。
 それを自分と重ねて見ることは、していたかどうか――…

 正直、分からない。
 恐らくは違うだろう。
 ぺんぎんの欠けている部分に対しては、
 どうしても、『患者』を見る目線になる。
 治せるならば治したい。
 治せないならば、いつか治したい。
 自分に対しては、別にそうは思わない。

 だから、恐らくは違うものだった。]
(89) 2020/05/18(Mon) 23:46:18


[ いつか、“見知った”顔を夢幻に観たとき、
  きっと映るものは薔薇色の瞳を見開いた 獣なのだろう。]

 

【人】 軍医 ルーク

[ さて、そのぺんぎんは、
 現在医務室の机の上を大騒ぎで走り回っている。
 包帯とか消毒薬とか、そういうものを
 不自由な羽に抱えててんやわんやの大騒ぎ。]


  ……転ぶよ?


[ 言うだけは言ったが、遅かった。
 包帯を足に絡ませて机の上にべしゃんとスライディング。
 ぴえ…と泣きそうな顔になりながら、ふんすと立ち上がる。
 意外と根性がある。

 そうこうしていると、ノックの音が聞こえた。
 足音自体はもう少し前から聞こえていたのだけれど――
 そうか、そういう時間だったか。]


   入って。


[ ドアの外から聞こえてきた声に、
 ぺんぎんが目を輝かせる。>>86
 飴の話を覚えていた、というよりも、
 あのうさぎが訪ねてくるのが嬉しいのだろう。]
(90) 2020/05/18(Mon) 23:48:00


      ( 枕元の日記には、
          濃いインクで一行。 )

 

【人】 軍医 ルーク

[ 今日の検査は、それほど大掛かりなものではない。
 医師が並んで取り囲み――ということにはならない。
 いくらか問診をして、それに基づいて薬を継続するかを決め、
 脳波を測定して終わり、というところだろうか。
 医務室には他の医師の姿もなく、
 従って、ぺんぎんも堂々と歩き回っている。

 もし第一攻撃部隊部隊長殿が入って来たなら、
 まあ、机の上の惨状に気付くだろう。
 ぺんぎんはもはや、セルフでぐるぐる巻きだ。

 そして、部屋の明かりに照らされて、
 医務室の主のフードの下の青白い顔が、
 半分が青黒く変色しているのも、見えるに違いない。
 誰かに殴られた痕だというくらいは、分かるだろう。
 そういう状態の相手に検査を任せるのは
 御免だと立ち去るなら、それはそれで問題ない。
 此方で適当に理屈を整えておけば、良いのだから。

 ――尤も、そう何度も延期が効くような状態では
 なさそうだった。
 上層部からは、結果をせっつかれている。
 多少の無理をしてでも記憶を戻せ、と。
 そのたびに、さーいえっさー、と棒読みを返しながら、
 少しでも無理がかからないようにと、
 出来る範囲で出来るだけの工夫をしているのが現状だった。]
(93) 2020/05/18(Mon) 23:50:46

【人】 軍医 ルーク

 

    [ ――… 
    結局、変わらない。
         にしていたことと、何も ]
(95) 2020/05/18(Mon) 23:51:16

【人】 軍医 ルーク


  座って。
  ――その後、体調の方は?


[ 記憶の検査の続きだと分かっていながら、
 先ずはその質問が出た。
 義手の力を解放したこと、戦場での負傷。
 その後、後遺症の兆しはないか。
 そうして、それからお決まりの質問を続けた。]


  前回の検査から、今回の検査まで、
  何か変化はあったかい?
  些細なことでも構わない。
  記憶に限らず、体調面、精神面の変化、
  何か気にかかること、そのようなものでも。


[ ぺんぎんはどうにかこうにか包帯から抜け出して、
 (もしかしたら、見かねた目の前のうさぎが
 手助けすることがあったなら、
 このぺんぎんは有難く受け取っただろうけれど――)
 診察の間は、少し離れたあたりでじっと見守っている。
 “両方”を、どこか心配げに。]
(100) 2020/05/18(Mon) 23:58:05

【人】 軍医 ルーク

[ 返事を待ちながら、ふと。
 検査の後の予定を聞いてみようかと思った。
 “探し物”に人出がいる。
 このうさぎなら、適任だろう。
 もし空振りでも、あちこち言いふらすたちには見えない。

 一つのことに集中しながらも、あちこち思考が走る。
 自分の癖のようなものだった。
 怪物の襲撃のことに思考が向いていたせいもあるだろう。

 しかし、今は検査だ。
 思考を切り替え、カルテにペンを落とす。]*
(101) 2020/05/18(Mon) 23:59:24
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a13) 2020/05/19(Tue) 0:06:39



   [ 喰い殺した獣か、
    絞め殺した誰かが見るのは、
    何時だって 陰る碧の おんなひとりだ。 ]


 



 ( あなたたちを踏みつぶした時、
    きっと私は 獸同然の顔をしていたのでしょう。


   それと おんなじ。
   いっそ全部"おかしく"なってしまえば、
   楽 だったのか、さあ どうだか、知らない。 )


 

 
 
  はじめまして!
 
  このノートを手に取った、そこのあなた。
  私と交換日記しませんか。
 
  私は、この中学の3年生です。
  日記といっても、たまにしか図書室に来ないので
  月1ぐらいで出来たら嬉しいです。
 
  名前とか隠したままで、
  悩みとか色んな話ができたらいいなって思います。
 
  P.S.
  どうか、このノートが先生には見つかりませんように。
 
 

[ノートには、僕が最初に書いた一ページ目。
誰か(ルークだ)が書き足した二ページ目に加えて。
この日、三ページ目が書き足されていた。

書き始めは、一ページ目と同じように。
"日記は本日の日付から始める"という
そんなルールだけは何故か僕の中にあった。]

〇月△日
  日記をつけるのは、今日で二回目だ。
  間が少し空いてしまったのが悔やまれるが、
  日々の仕事や訓練もあるから、仕方ない。
  あれ以降、妙な夢は見続けているから。
  日付が空いたとしても、できるだけ、
  ここに書き残していきたいと思う。
  
  夢はいつも、ぼんやりとしていて、
  はっきり見える場所とそうでない場所がある。
  思い返してみれば今回も、近い場所や一部分だけが
  妙にはっきりと見えるようだった。
  
  最初、そこは、真っ暗な場所のように見えた。
  けれど、目が慣れてくると、
  上の方に開いた、窓のような場所から
  光が差し込んでいることに気が付いた。
  最初に真っ暗だったのは、夢という空間に
  僕がまだ慣れていなかったということだろう。
  
  僕は窓から差し込む光の眩しさに、
  思わず、目元に手を翳した。

  段々と、目が慣れてくる。
  
  色とりどりのガラスでできた、
  ペンギン…?の、ようなものが飛んでいるような、
  そんな絵がそこにはあった。
  
  ガラスで絵を描くなんて、僕は聞いたこともない。
  今まで、どこかで見たことだって、なかった。
  
  誰かに聞こうと思って辺りを見渡したけど
  そこには誰も居ない。……そうだ、これは夢だった。
  近くにある、細長い机や椅子が、
  風化して崩れてしまっている様子も、
  ガラスの真下にある、軍の講義にでも使いそうな
  机のあたりで、誰かが倒れているのも、
  全部、僕の妄想が生み出した、意味のない物だ。

[日記の終わりに、間を空けて。
数行、付け加えてある。]

僕にメッセージを残してくれた誰かへ。

 これがあなたの父親の遺品であるならば
 僕は、あなたにこのタブレットを譲りたいと思います。
 本当は、僕が、誰かに話したくても話しにくいことを
 書き連ねるために始めた日記ですが、
 それは、それです。
 
 もし、譲らせて貰えるのなら
 どうぞ。このタブレットをお持ちください。

 でも……もし。
 もし、いらない、というのであれば。
 できればこのまま、たまに僕の日記を見てくれませんか。
 日々の娯楽の一つとしてで、構いません。

 僕も、今思いついたことで、
 本当に、何故そう思ったのかはわからないのですが。
 僕はただ……誰かに、
 僕のことを知ってほしいんだと思います。
 誰に話す勇気もない、僕の抱えているものを。
 
 前のお返事は、全部読みました。
 謝罪と素敵な曲をくれたあなたになら
 色々、お話しする勇気が出そうだと、思っています。

 追伸。輝く草花を星に見立てて繋いでみましたが
 僕にはセンスが無いようです。

[日記の横に、写真のデータが増えていた。
それを開くと、『夜』の外の風景の写真が映し出される。
ところどころに輝く草花をどう繋いでみたかが
黄色い線で、描かれていた。

それは何か、物を形どろうとしたというよりは
自由に繋いでみただけというようではあったが。

星と星をつないでみる、ということを
十分に楽しんだということは、よくわかっただろう。]**

【人】 軍医 ルーク

   ―― 
医務室
 ――

[ 扉が開き、現れたうさぎは、
 此方を見てほっとした顔をした。>>119
 一瞬、怪訝な顔をしてしまった。
 医務室に“葬儀屋”がいてほっとした顔をするだとか、
 何処か頭でも打ったんじゃなかろうか。
 あれから戦闘はなかったはずだけれど、日々の訓練とか。

 けれど、直ぐにその理由を察し、ああ――と納得する。
 カルテを捲れば、昨日どのような処置が施されたかは
 記録が残されていた。
 そう、治療というよりは“処置”。
 また、気づかないうちに表情が険しくなる。]


  ぺんぎんを診察?
  まさか、どちらかというと、
  此奴の方が医学に目覚めようとしているところ。
  ……君、何か失敬な事を考えている?
  そういう顔をしている。


[ 包帯ぐるぐる巻きのぺんぎんを眺めるのが趣味か――なんて、
 そんなことを考えているとはさすがに分からないけれど。
 何んとなく、そんな風に感じて言い返してやる。
 もし口にされていたら、
 そうだなあ、ぺんぎんよりはもっと大物の方が
 見ごたえがありそうだね、とわるいかおをして、
 戸口の兎にじーっと視線を向けてやったに違いない。]
(138) 2020/05/19(Tue) 13:05:19

【人】 軍医 ルーク

[ 悪戦苦闘するぺんぎんは、
 首に包帯がかからない限りは一先ずそのままにして、
 診察用の椅子にかけるうさぎに向き直る。
 戦闘の傷、義手の力を使ったこと。
 其方の経過の方は、特に問題がないようだ。
 返される答えをさらさらとカルテに記していく。
 ほぼ完治とみてよいだろう。]


  副作用は最悪……
  具体的には? 
  症状が出た個所、程度、収まるまでの時間。
  毎日飲んでいる方は――…、
  そう。
  

[ 効果がないものなら、取りやめを考えることも出来る。
 けれど、脳波の測定結果は、回復の兆候を示している。>>86
 それなら、薬の投与を中断する合理的な理由もないし、
 結果を焦る上層部の指示で、
 目に見える効果を求めて薬を追加した他の連中の判断は、
 理解は出来る。
 出来る、のだが。
 膝の上で握ったり開いたりする手の動きを見ながら、
 手のしびれか、と見当付けた。
 もし本人の返答があったなら、それも書きこんで。]
(139) 2020/05/19(Tue) 13:06:30

【人】 軍医 ルーク


  
  副作用が強いなら、数を減らそう。
  TTS-731、RIV1603――
  他の連中は阿呆か、新薬をいっぺんに試すって、>>119
  それでどれが効いたか分かるのか。
  効いたら、それを全部続ける心算か?
 

[ また気付かないうちに、表情と声に険が宿る。
 ペンを握る手の力が、強くなる。
 さて、どれを削るべきか。
 理由は、抑々の軍務に支障が生じるレベルの副作用には
 問題がある、ということで差し支えあるまい。

 当の本人は、ぺんぎんのことが余程気になっていたのか、
 包帯に捕獲されてもがいていたそいつを助けて、
 ほどいてやっている。]
(140) 2020/05/19(Tue) 13:08:03

【人】 軍医 ルーク

[ 何故、これほどまでに上層部は結果を急ぐ?
 最初の襲撃の生存者だから。
 その記憶が重要だから。
 その理由は、確かに分かる。
 けれど、あの怪物の情報という点では、
 後続の襲撃後に残される残骸の解析から、
 少しずつ分かり始めたこともあるのに。

 最初の襲撃は特別だった?
 いや、それとも――
 特別なのは、もしかしたら、このうさぎ自身が?

 他の者は扱えない義手を扱えること、
 記憶、身体能力、痛覚の障害。
 自身の安全さえ考えないならば、
 ひどく戦闘に特化したかのような……
 だからこそ一人生き残ったのだろうと、
 そう考えることも出来るけれど。

 最初の襲撃があったあのとき、何があったのだろう。 
 それとも……

 それは好奇心でもなければ不審でもない、純粋な思考だ。
 しいて言うなら、上層部への不審ではあるけれど。

 ――ふと、何か思いつきそうになったことが
 あったような気がした。]
(141) 2020/05/19(Tue) 13:09:42

【人】 軍医 ルーク

[ けれどもそれは、嬉しそうにきゅー、と鳴いたぺんぎん声に
 中断される。
 包帯からようやく抜け出し、やったあ、と羽ばたきをして、
 差し出された飴にきらきらと目を輝かせる。
 ぺたぺたと小走りに机を離れ、さっそく口に放り込もうとして、
 けれどもやめた。
 そのままうさぎの方を見上げたところを見ると、
 ちゃんと診察を見届けてから、と考えているようだ。
 そんな風に考え事をしていたものだから、
 うさぎの驚いた様子に、きょとんとしてしまう。]


  ――顔?
  悪いが、生まれつきこういう顔だよ。
  何か気にくわないところがあったら済まないが、
  診察が終わるくらいまでは目を瞑って……
  あー。


[ 途中で、何を言わんとしているかに気付く。
 転んだといったところで、相手は兵士だ。
 胡麻化せるはずもないだろう。]
(142) 2020/05/19(Tue) 13:11:49

【人】 軍医 ルーク


  どう…と言われても、
  しいて言うなら、
  痕が残る殴り方をするのは阿呆だな、とは思った。
  その点、腹をお勧めしたかったんだけど、
  生憎そこまで話す余裕がなかったんだ。
  まあ、この程度で済むと思うなとは言っていたから、
  上手くすれば、君は近いうち苦い薬とはおさらばだ。
  彼の検討を祈っておいてくれ。


[ 痛みは人並みに感じる。
 頬はそろそろじんじんと熱を持って脈打ち、
 これは随分腫れることだろう。
 でも検査の続きには差し支えないよ、と言おうとしたのに、
 うさぎはぺんぎんを伴って、冷蔵庫を開けに行く。
 止めはせずに、不思議そうにその様子を見遣る。
 後ろを向くと尻尾が見えるなあ、なんて、
 そんなことを考えていた。
 冷蔵庫には、冷暗所で保管する必要がある薬品が入っている。
 ぺんぎんがここ、と背伸びして氷を指し示した。]
(143) 2020/05/19(Tue) 13:12:58

【人】 軍医 ルーク


   ん、手伝ってくれるのかい?
   それは有難いな、
   丁度頼みたいと思っていたことがあったんだ。
   じゃあ、検査が終わったら。


[ もし氷を差し出されたなら、
 何をしろと言われているかくらいは理解は出来る。
 まあ、視界が効かないくらい腫れあがったら
 明日の仕事に差し支えはするだろう。
 ぺたりと袋を頬に当て、少しの間冷やす。
 とはいえ、手がふさがっていては脳波の測定が出来ない。]


   こっちも、検査が終わったら。


[ そういうことに、しようと思った。]
(144) 2020/05/19(Tue) 13:16:00

【人】 軍医 ルーク

   ―― 
外壁の外
 ――

[ その後、医務室で検査の続きややり取りがあったとして、
 それが終わったなら、『頼み事』を切り出した。
 もし頷いてくれたなら、外壁の『外』へと出る。
 夜の時間帯、ぽつり、ぽつりと天に輝く光を、
 ふっと見上げて、目で追う。
 ――… 糸でつなぐように、目を細めた。
 けれど、直ぐに前を向き、説明を続けながら歩き出す。]


  わたしが探しに行きたいのは、
  前回の襲撃で怪物が、
  何かを残していないか、ということ。
  具体的には――通信機。
  個人的な予断だから、勝手に探しに行こうと思って。
  順を追って話すね。
  最初の襲撃から現在まで、幾度も降下があったけれど。
  残骸はより専門的な設備がある街に運び込まれて
  解析が続いてる。
  わたしも、それに立ち会ったことがある。


[ ゆっくりと歩きながら、天の大穴を見上げる。
 足元には、ぺんぎん。
 少し距離を歩くから置いていこうかとも思ったけれど、
 うさぎと離れるのが名残惜しいのか、頑として頷かない。
 好きにするといいよ、と、此方が折れることにした。
 歩き疲れたなら、自分が持てばいい。]
(145) 2020/05/19(Tue) 13:19:03

【人】 軍医 ルーク


  君も聞いたことがあるかもしれないけれど、
  テオドール第二研究所で爆発事故があった。
  あれは、そんな残骸が引き起こしたもの。
  可能性はいくつもある。
  作業員が間違った操作をした、
  一定時間が経つとそうなる仕組みだった。
  けれど、もしかしたら……
  “あれを送り込んでくる勢力が、
  情報の漏洩を防ぐために爆破した”
  その可能性もあると、わたしは考えてる。
  ……機密レベルの関係で、言えないけれど、
  根拠もなくはない。
  そして、もしそうだとしたら、
  此処にある機獣――
  ああ、研究所ではあれをそう呼んでいたんだけれど――
  あれの状態を把握する術を、
  彼らを送り込んでくる勢力は、
  何かしら持っているんじゃないだろうか。


[ 研究所、爆破事故。
 その単語を口にしたとき、ずきり、と無い足が痛む。
 幻肢痛、ないはずのものをあると感じて、脳が錯覚を起こす。

  ――… かつてはあったものの、記憶。
  自分にとっては、痛みは、そういうもの。


 顔を顰め、立ち止まる。
 そうして、また歩き出す。]
(146) 2020/05/19(Tue) 13:20:16

【人】 軍医 ルーク


  ああ、わたしは歩くのが遅いから、
  まどろっこしいなら、
  先に行って探してくれても構わないよ。

  回収した部品でそれらしいものは
  見当たらなかったのだけれど。
  形状も、わたしが前に見た物と同じとは限らないし、
  あるかないかも分からない。
  もしかしたら、戦闘で壊れてしまったかも。
 
  ただ、そういった類の部品は、
  機体が破損しても残りやすいように、
  設計、配置されてる可能性が高い。
  しかも性質上、機体を離れても、
  そう簡単には見つからない場所に、隠されているかも。

  
[ このうさぎに声をかけたのは、戦闘の際にその場にいたから。
 敵の動きや、何処にいたかを把握しているだろう。
 それに、明日になればまた勤務が始まる。
 夜のこの時間しか空いていない。
 夜目が効く者でなければ頼めない。
 いや、そもそも自分に頼まれて頷きそうな者なんて、
 この基地には他にはいない。
 ひとりで来ようと思っていたのだけれど、
 折良く丁度良いものが現れたから巻き込んでしまったのだ、
 ぐるっと。]**
(147) 2020/05/19(Tue) 13:23:19
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a17) 2020/05/19(Tue) 13:29:40



  [ 問うたこと。
   ほんとうに"そう"だったとしても、
   なんと声をあげるべきかも知らない。

   ……だれにたいする はなし なのやら。 ]


 

【人】 軍医 ルーク

  ―― 
検査の前日:明け方の見張り台
 ――

[ それは医務室でうさぎの検査をして、
 外壁の外に探し物に行く、前日のこと。
 明け方の見張り台で、今日も『天』の大穴を見ている。
 夜が白み始める。
 『月』の稼働時間が終わり、
 『太陽』の時間に切り替わり始めたということだ。
 そんな移り変わりの中で、天の大穴は、
 ただぽっかりとした巨大な虚ろとして、
 遥か高く頭上にあって、
 この地上を静かに見下ろしていた。

 見張り台を去ろうとする。
 もう一度あのタブレットを開くつもりはなかった。
 誰かが記録をとるために使っているのだから。
 けれど、扉を開けて中へと踏み込もうとした足が、
 ひたりと止まる。]


  ―――…

[ ただ一方的に謝りっぱなしで、それきりにするのは、
 それはそれでどうか。
 向こうが怒っているなら、それは読むべきだ。
 日記の続きがあるなら、読まないように気を付ければいい。
 そんな風に考え、踵を返す。
 もしこれ以上読まれることを厭うなら、
 置き場所かパスワードが変わっているだろう。
 むしろ、そうなっているに違いないと思っていたのに。]
(167) 2020/05/19(Tue) 20:10:58

【人】 軍医 ルーク


  ……あった。


[ 奇妙なことに、タブレットは同じ引き出しにあった。
 一拍の躊躇い。
 指が、あのパスワードをなぞってするりと動く。
 画面が切り替わり、タブレットが開く。
 ああ、もしかしたらあの後まだ使っていなくて、
 此方が読んでしまったことに、気付いていないのかも。
 そう思い、一度は納得したのだけれど、
 画面にはひとつの『変化』がある。画像だった。
 それを開き、目を瞠った。

 指先がひとつ、ふたつ、躊躇うように画面に触れる。
 そうして、思い切ってノートを開いた。
 自分が書いた文章の次に、続きがあった。
 職業柄、速読には慣れている。
 けれど、視線はゆっくりと、一字一句、
 記された文章を読んでいく。]
(168) 2020/05/19(Tue) 20:13:27

【人】 軍医 ルーク

[ 予想外なことに、日記を見てしまったことに対する
 苦情や怒りは、そこには記されていなかった。
 書かれていた内容に、暫し沈黙する。
 苦情や怒り、どころか。]
 

  ……どうやらわたし、
  余程のお人好しの持ち物を、
  見てしまったみたいだ。


[ じーっとこちらを見上げるぺんぎんにそう言って、
 机の横にしゃがみ込む。
 綴られる言葉たちを、幾度も読み返す。
 正体の分からない何かに、自分の中の空洞が、
 ぎしりと音を立てて軋んだ。]
(169) 2020/05/19(Tue) 20:14:24

【人】 軍医 ルーク


   ……書き残していきたいと、思う。


[ そう、此処だ。
 日記としてはごく普通の言い回しかもしれない。
 けれど、その箇所を読むと無性に何かがざわついたのは、
 気のせいだろうか。
 気のせいだと、“思いたい”。
 瞼に浮かび上がる名も知れぬ誰かは、
 後でゆっくり読み返そうとのんびり日記を綴る、
 そんな姿をしてはいなかった。

 姿かたちも知らない、誰か。
 目を離すと、ふっとその姿が揺らいでしまうような気がして。
 どうしてか、息が苦しい。

 書かれている内容は、とても不思議なものだった。 
 無人の見張り台に、朝の光が差し込んで、
 舞い散る埃だけが静かに揺蕩っている。

 ――指が動いた。]*
(170) 2020/05/19(Tue) 20:16:19
いま、このタブレットを使ってくれている、あなたへ


 メッセージを読んでくれて、ありがとうございます。
 そして、タブレットを譲ると言ってくれて。
 けれど、どうかこれは、あなたが持っていてください。

 父は、そうだなあ、
 生前はそれはとても困ったひとでした。
 興味の赴くままに世界中を飛び回り、遺失技術を調査して、
 母に苦労を掛けてばかりで。
 わたしが星のはなしを知っていたのは、父が発掘した本を
 母が読み聞かせてくれたからです。
 けれど、きっともし父なら、
 迷いなく、あなたに使ってもらいたいと笑ったと思います。

 勝手に日記を読んでしまったのに、
 あなたは、わたしのことを気遣ってくれました。
 そして、大事な話を聞かせてくれると。

 わたしは、あなたが誰かはわからないけれど、
 きっと、とても大事な話なのだと思います。

 あなたが何処から来た誰だったとしても、
 きっと、優しいひとなのだと。

 
 夢は記憶を整理するものだと、聞いたことがあります。
 実際に見た光景かもしれないし、
 誰かから聞いた話や、伝えられたもの、
 あるいは本で読んだ情報が、
 再構成されたものかもしれない。

 けれど、きっとそれは、
 夢を見た誰かの心を、映し出すもの。
 妄想が生み出した、意味がないものじゃないのだと、
 わたしは、そう思います。
 
 硝子で描かれた絵も、風化した建物の構造も、
 差し込む光も、倒れている誰かのはなしも。
 “ほし”の話のように、
 何か思い当たることがないかと思い出そうとしても、
 わたしには、わからなかったのだけれど。

 そういう光景の中に一人でいることを想像するのは、
 不思議で、とても寂しい。
 夢の中の話に、このようなことを言うのは
 少しおかしいかもしれないけれど、
 わたしもせめて、そこで話す相手にでもなれたらと、
 そう思ったから。

 だから、せめて、こうして話を聞かせてもらえるなら。
 わたしは、嬉しいと感じるのだと思います。
 ありがとう。

 
追伸:
 今回の夢でひとつだけ思い当たること。
 総司令の色眼鏡は、度の入った偏向のミラーグラスですが、
 遺失技術の応用。
 硝子を加工する技術や絵を描くという発想は、
 わたしたちにはなくても、もしかしたら。


もうひとつ、追伸:
 写真をありがとうございます、
 楽しんでもらえたみたいで、よかった。
 わたしもやってみます、でもきっと、
 センスの点では負けていないことになってしまいそう。

[ 増えていたファイルの写真には、
『夜』の中に輝く草花を繋いだ線が、描かれていて。
 そのひとが、星を繋ぐことを楽しんでいてくれたのだと、
 伝わり来るようだった。

 もうじき見張りが帰ってきてしまう、
 あまりたくさんのことを書いてはいられない。
 だから、急いで外の、明るくなりかけた空を撮って。
 目を凝らせば見える、草花の明かりの名残を、線で結んだ。
 そうして写真を隣に一枚増やしておいた。

 浮かび上がってくる線は、実に不器用で
 絵心がないのがよくわかるものだったろうけれど、
 形はなんとか伝わるだろう。
 一羽の、ぺんぎん。

 タブレットを戻し、
 ぺんぎんと共に見張り台を去りながら思う。
 あの記録の主の夢が、父から聞かされた話と
 何処か呼応するものがあるというなら、
 何か役に立てる話は、出来ないだろうか。
 今日は時間がなかったけれど、わたしの知っていること、
 もしかしたら、聞くだけでも良いのかもしれないけれど。]

【人】 軍医 ルーク

 
 

[ 立ち去り際、見張り台を振り返る。
 常日頃はすることがないような、そんな仕草]*
(171) 2020/05/19(Tue) 20:23:45
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a19) 2020/05/19(Tue) 20:29:46



       [ 数歩後ろに付く君に。]

 




      [ きっと はじめて、彩られていた。 ]


 

【人】 軍医 ルーク

 ―― 
医務室にて
 ――

[ 名を呼ばれ、噤まれた言葉の先を追うことはしなかった。>>215
 何が言いたかったのだろうと、軽く首を傾げただけ。
 薬のことで他の医者を阿呆と呼んだところだったから、
 口が悪いとかそういうところだろうか? などと
 見当付けて置く。
 けれど、それを今このうさぎが口にするようにも思えなくて。
 考えても分からなかったし、
 分からないなりに、話が先に進んでしまう。]


  少しでも早く最初の襲撃の情報を、か。
  わたしも、そういうことだとは
  聞かされているけれど。


[ けれど、自分に与えられている情報は制限されている。
 此処に来る前の研究所で起きた“出来事”を思えば、
 当然のことだ。]
(235) 2020/05/20(Wed) 2:08:27

【人】 軍医 ルーク

[ さて、痣のことに気付かれてからは大変だった。
 検査があったから冷やせなかったというわけでもないし、
 問題がなければ放っておこうと思っていたというか――
 などと、反論する間もなく、
 医務室に響いた大声に、ただ不思議そうに首を傾ける。
 このうさぎも声を荒げることがあったのか……という、
 奇妙な感心だった。
 言っていることを三回ほど繰り返して考えた後、
 不思議そうに口を開く。
 “なぜ心配するのか”とは言わなかった。]


  わたしの勘違いじゃなければ、君、
  その言い方だと、
  わたしがいない方がいいとは思っていないように、
  聞こえてしまうのだけれど。


[ やっぱり聞き違いだよなあ、と眉を顰める。
 返答を聞いてようやく、
 自分が“心配”されているのだと理解した。
 その怒りが、自分を殴った相手に向いているということも。
 たっぷり五秒ほど押し黙り、]


   ええ…?


[ 思わず変な声が出た。]
(236) 2020/05/20(Wed) 2:11:57

【人】 軍医 ルーク

[ なんだこのうさぎ。
 部下の事だとか、ひとのことを気遣ってばかりだと
 思っていたら、
 まさかの相手にまでその対象が向いている。
 恐らく自分は今、驚きを感じているに違いない。]


  驚いた。


[ 礼を言うべきだったのだろうか、と気づいたのは、
 それから随分後になって、検査も終わり、
 タイミングをすっかり逃してからの事だった。]
(237) 2020/05/20(Wed) 2:14:24

【人】 軍医 ルーク

[ 検査を終えて頼みごとをして医務室を出ようというとき、
 応えそびれていた問いがあったことを、思い出す。
 言葉を返そうとしたところで、
 相手が絡まったぺんぎんを見かねて手を出して、
 返事をする機会を失ってしまっていたからだ。>>216]


  そういえば、さっきの話。
  君が忘れている記憶の事だけれど、
  それが最初の襲撃の情報、という意味なら、
  ……知りたいと思っていることは、あるよ。

  けれど、それは、君の記憶だ。
  最初の襲撃の話しだけじゃない、
  すべてをひっくるめて、ね。  
  ひとが何かを忘れることには、理由があるんだ。
  逆さにして振れば
  記憶が降って来るというわけじゃない。
  上の方は、相応の理由があると言うのだろうけれど、
  本人の心身を無視してまで、
  引きずり出そうとしてどうする。
(238) 2020/05/20(Wed) 2:15:52

【人】 軍医 ルーク

[ 例えば、耐えられないと思うほどの衝撃を受けたとき。
 痛みが身体を守るように、忘却が心を守ることがある。

 本人が望むよりも先んじて、無理に暴いてまで
 何かを知りたいかと言われれば、
 戦局をつかさどる上層部は、イエスと答えるのだろう。
 けれど自分はそうではなく、医者だ。
 患者に無理を強いる状況に異を唱えるのは当然のこと。

 その答えで、間違いはないはずなのだ。
 他の誰が患者の立場であったとしても、
 自分は同じことを主張する。

 けれど、いま目の前にいるのは“他の誰か”ではなくて、
 自身がこのような目に遭いながら、
 誰かのために身を投げ出すような、
 あろうことか、目の前の“葬儀屋”にまで
 心配の対象を広げてしまうような、
 とびきり莫迦のうさぎだ。

 『患者』ではなくて、このうさぎの記憶のことを、
 検査のことを考えたとき、
 ペンを握る指先に力が入った理由も、
 自分がそうしたことさえも、知らない。

 ――けれど、]
(239) 2020/05/20(Wed) 2:17:40

【人】 軍医 ルーク



   君に、そうしたいとも思えない。


[ ぱちり、と。
 医務室の明かりを落とし、外に出る。]
(240) 2020/05/20(Wed) 2:18:04

【人】 軍医 ルーク

   ―― 
外壁の外で
 ――

[ 外壁から遠ざかり、大穴の下へと歩く。
 元々はひとが住んでいた場所だが、
 度重なる機獣との戦闘でひどく荒れている。 
 それでも、道なりに視線を巡らせ、耳をすませば、
 植物の影にある小動物の姿だとか、虫の声が聞こえてくる。

 普段外壁の外まではあまり出ない自分は、
 彼の身に着けている武器が、護衛のためのものだとは
 最初気付かずに、
 外に出るなら装備は身につけるものか、と、
 疑問に思うことはなかったけれど。

 周囲に視線を向けながら、
 警戒を忘れずに歩いている様子を見れば、
 そういうことか――と、気づきもする。

 脚の痛みに歩みを止めたことを案じてくれているとは、
 やはり、気付けないままであったけれど。>>232]
(241) 2020/05/20(Wed) 2:19:48

【人】 軍医 ルーク

  楽しい…?
  ああ、確かに耳に新しい情報も、あったかもね。

  わたしも君と話すのは“楽しい”。
  前にも言ったかな、
  君を見ていると時折、こう、
  わざと苦いものを出したくなったりとかそういう。

  ほんとうに、君くらいだろうな。
  こうしてわたしと歩いて話をしていて、
  これといって嫌そうなそぶりも見せないのは。
  非番の夜中に物探しに引き摺り出されたのに。
  変わってる。


[ にい、と笑みの形を作って見せる。
 実際のところあれは、薬が嫌だったら無理をするな、
 という意味合いが殆どだけれど。
 飲んで涙目になっているところを見ると、
 擽られるものがあるというのも嘘ではなく云々。

 変わってる、という言葉は、
 考えたことをそのまま述べたものだった。
 その言葉を言ったときの声は、
 苦いものの話をしていたときのような、
 揶揄い交じりのものではない。
 構えたところも皮肉もない、ただ、肯定的なもの。]
(242) 2020/05/20(Wed) 2:21:26

【人】 軍医 ルーク

[ ランタンの明かりが示す先を見ながら、先導に従って歩く。
 道すがら、探し物の形状の予想は伝えた。
 このくらいの大きさの箱のようなもの――と、
 両手で大きさを示す。

 ぺんぎんもまた、二つの人影の間のあたりをてちてちと。
 うさぎが取り出した包みに気付けば、
 頭の上にぴこん! と明かりでもともすような顔をして、
 わあい、と飛び跳ねた。
 
 なんだろう、と思っていると、
 此方にも紫の包みが飛んでくる。
 放物線を描いてゆるやかに掌に収まったそれは]


  飴?


[ そうか、さっきぺんぎんにあげていた。
 確かぶどうの飴だったか。
 うさぎがそれを口に入れるのと一緒に、
 ぺんぎんもまた器用に羽で包みを解いて、
 大事そうに取り出した飴玉を口に放り込む。
 ほわああ、と幸せそうな顔をして、
 その場でぺたぺたと足踏みをするぺんぎん。]
(243) 2020/05/20(Wed) 2:23:13

【人】 軍医 ルーク

[ 少しの躊躇いの後、包みをあけて、口に入れてみる。
 ころり、と、硬い感触がした。
 苦いものを甘いと言って渡すような悪戯はしないだろう。
 だから、この飴は本当に甘いのだろう。
 “甘いもの”、というのだから。

 ――なんて答えたら正解なのだろう?
 あまい? ぶどうの味?
 戸惑いに眉を寄せて考え込みながら、
 先に飴を食べていたふたりの顔を見る。

 ぺんぎんは、それはもう幸せそうな様子で、
 ほわほわと甘味を楽しんでいるようだ。
 うさぎのへらりとした笑みが見えた。
 最初から三つ持って来たのだと、そう言って。]
(244) 2020/05/20(Wed) 2:24:36

【人】 軍医 ルーク

[ それを見ているうちに、自然と言葉が出た。]


   ……、
   悪くないね。


[ 顔を上げる。
 ああ、よかった――この答えなら、嘘じゃない。

 我知らず浮かべた表情は、
 混ぜ損ねた絵の具のようないつものそれでもなければ、
 時折このうさぎに向けるような、物騒なものでもなくて。

 夜目が効くその赤眼には、ふっと無防備に零れたような、
 柔らかで微かな微笑みが、見えたことだろう。]**
(245) 2020/05/20(Wed) 2:25:25
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a24) 2020/05/20(Wed) 2:33:42

軍医 ルークは、メモを貼った。
(a25) 2020/05/20(Wed) 2:35:32



  はじめまして名無しさん
  僕も同じ学年です

  僕でよければ。
  お話聞かせてください



   むかしむかし、とってもえらい男がおりました。
   男は世界一うつくしいと言われる薔薇園と、
   世界一うつくしい妻と、 
   世界一うつくしい娘を持っていました。
   彼はとても幸せでした。
   世界一うつくしい日々を送っていたのです。


    ────……

 



   ある日、彼の妻が重い病気にかかってしまいました。
   お医者様を3人呼びましたが、3人とも、
   彼の妻を助けることはできませんでした。
   彼は悲嘆に暮れました。
   毎日、薔薇園の真ん中で泣いてばかりです。

   流れる涙はやがてちぃさな池になりました。
   ちぃさな池には蝶々が集まって、
   彼の悲しみを聞いておりました。

   「ひとつだけ、おくさまを助ける方法があります。」

   そう話しかけたのは、
   ぼろぼろの羽をした、
   今にも堕ちてしまいそうな蝶々でした。


    ────……
   
 



   「 私の羽を どうぞ使ってくださいな。 」

   「 月明かりに三日三晩照らし、薔薇の花弁と混ぜ、
      おくさまの亡骸に飲ませてあげてください。 」

 



   蝶々は ひとと語れたものですから、
   きっと お伽噺に聞く妖精でもあったのでしょうか。
   羽を喪い、堕ちた蝶々はもう語れませんから、
   今となっては、知るすべもありませんが。

   彼は、妻がいっとう大切でしたから、
   蝶々の言うとおりにしました。
   祈るように、縋るように、
   妻の亡骸の前で待っていました。

 




           [ 首を傾げた。 ]


 




             だれ?



 




    [ "どっち"に対してかも無い、
          雑な こどもじみた落書き。 ]    


**

 
 
──────────────────────────


   今日の自己紹介では 色々とありがとうございました。
   すごく緊張して テンパってしまっていたので
   とても助かりました。

   去年、キーホルダーを落として
   困っていた時のことも思い出して
   渡辺先生はいつも頼りになるなぁと思っています。

   そんな先生のクラスになれて嬉しいです。
   1年間、どうかよろしくお願いする、ます…!

 
──────────────────────────

 



  ──才能があるんじゃないかい?

 

【人】 軍医 ルーク


[ 嫌に思う理由がない、というのは、
 それこそ不思議な物言いだった。>>292
 基地内の噂は、耳に届いていないはずもないのに。
 聊かならず誇張された、根も葉もないうわさ。
     木を隠すなら、森
     森がないなら作ってでも

 指先が、湿布を張った頬に触れて、離れた。
 そんな不思議さは、やはり
 “変わっている”という感慨になった。]

  
  そう言うなよ、>>293
  わたしの数少ない楽しみの一つなんだから、さ。


[ じと目で見てくるうさぎに、べえ、と舌を出してやる。
 苦い苦くないの話については、
 自分でも人が悪いことは分かっている。]
(310) 2020/05/20(Wed) 22:00:25

【人】 軍医 ルーク


  ……もしあの薬を飲むのが嫌だと思うなら、
  義手を使うな。
  戦闘のことは領分の外、君の判断ではあるけれど、
  それでも、だよ。


[ けれど、“使うな”と口にするときは真顔になる。
これまで何度言ったか覚えていない。
 分かっては、いるのだ。
 先の戦闘でこのうさぎがあの義手を使わなければ、
 被害はより甚大なものになっていた。
 もしかしたら、死傷者が出ていたかもしれない。
 それを思うなら、ほんとうに、
 自分が口を挟めることではないのだけれど。
 それでもどうしても口に出してしまう。]
(312) 2020/05/20(Wed) 22:01:22

【人】 軍医 ルーク


  記憶を取り戻せたら……


[ その言葉を、繰り返す。
 それは、喜ばしいことのはずだ。
 けれど、その言葉を口にしたときの彼の表情は、
 いつものゆるやかな笑顔ではなくて、強張って。
 ――まるで、何かを恐れているようにも見えて。

 思考が一呼吸、遅れる。
 呼吸をひとつ、忘れる。

 記憶を無くしたものが取り戻すことを不安に思うのは、
 理解出来ない心情ではない。
 自分も知らない自分への不安、
 いまの自分自身の存在を不安定に思う心理。
 そんな一般論が頭を過り――…
 
 “変わってる僕は、少しは、マトモになるかも”

 聞こえたその言葉に、口を開きかけ、噤む。
 ……自分は、何を言おうとしていたんだろう。
 ただ、何処かが酷く、痛んだ。
 その正体も分からないまま、彷徨いかけた指先を握り込む。

 変なことを言ったと謝られても、
 首を横に振ることしか出来なかった。]
(314) 2020/05/20(Wed) 22:02:13

【人】 軍医 ルーク

[ 道すがら、飴を貰ったときのこと。
 返って来た言葉に、くすりと笑う。]


  はは、それが魂胆かい?
  こういう味、かあ。
  同じ味を作るのは難しいから、
  そこは期待しないでおいて。
  ああ、でも……


[ そろそろ、棚の中の瓶詰の果実は出来上がっている。
 よく滅菌した瓶に詰めておけば、日持ちもする。
 直接薬に混ぜ込むというわけにもいかないけれど、
 薬の後にでも水で割って飲めば、
 少しは後味もましなことだろう。
 ――渡す心算なんてなくて、
 きっと捨ててしまうのだろうと思っていて。
 ただ、返された微笑みに、ふと。]


  あとで、いつでも都合がいい時でいいから。
  お返しは、するよ。


[ そんな風に、口をついて出た。]
(315) 2020/05/20(Wed) 22:03:01

【人】 軍医 ルーク

[ 目的の場所に到着する。
 激しい戦闘の痕跡を残した荒れ地は、
 直に目にするとそれは酷い有様で、
 其処彼処に崩れた瓦礫や、建物の残骸が飛び散っている。
 硝子窓の欠片を靴の先でつつき、ぺんぎんを持ち上げる。
 尖った破片を足で踏ませるわけにもいかない。
 ぺんぎんは、きゅう、と大人しく腕にしがみ付いた。]


  木箱ではない、と思う。
  そう、恐らくは金属製。


[ 以前研究所で見た、それと思しき部品の形状を思い出す。
 その後すぐに、解析できない状態に陥ってしまったそれが
 本当に通信機だったかは――…
 『使用している場面を見た』のだ、
 ほぼ間違いはないだろう。]
(317) 2020/05/20(Wed) 22:03:35

【人】 軍医 ルーク

 

    ごめんね、おとうさん、おかあさん、
    きっとわたしは帰れない。

    
(318) 2020/05/20(Wed) 22:03:56

【人】 軍医 ルーク

[ ――途切れてしまったはずの何かが、強く軋む。
 けれど、不意に横合いから聞こえたうめき声に顔を上げ、
 振り返った。>>298]


  どうした?


[ 様子がおかしい。
 まるで夢でも見ているかのように、ぼんやりと彷徨う視線。
 此処ではない何処かを見ているような、
 此処にはない何かを見ているような。
 まず過ったのは、強かったと言っていた薬の後遺症。
 あるいは、義手の。
 それとも、まさか――…

  先ほどの会話の中で感じたざわめきが、
  強く湧き上がる。
  途切れ途切れのノイズ、
  身体の内側を剃刀で引っかかれているような、
 
  ――“不安” 

 それを振り払い、肩に手をかける。
 もし倒れでもしたときに、自分の力でどうにかなるかは
 分からないけれど、
 何があってもすぐに対応できるようにと。]
(319) 2020/05/20(Wed) 22:04:58

【人】 軍医 ルーク

[ 息をつめて、じっと様子を見守る。
 四角い金属――通信機を探しているようではあった。]
 

  “あの怪物の作りなら、きっと”…?


[ その言い回しに引っ掛かりを覚える。
 聞きようによっては、まるで、
 『機獣の構造を知っている』ように聞こえてしまう言葉だ。

 歩き出したその後を追ってゆく。
 真っ直ぐに向かった先、瓦礫片の影。
 そこには、まるで彼を待ち構えてでもいたかのように、
 しっかりとした造りの金属製の箱が、瓦礫に埋もれていた。
 作業員の回収の折には、此処まで調べていなかったのだろう。
 少し距離があり、物陰になっている。
 
 ――作業員が見逃しているような、そんな場所。
 
 こちらを振り返った表情は、いつものあの笑顔。
 いましがたの様子が、何かの錯覚であったかのように。]
(320) 2020/05/20(Wed) 22:05:56

【人】 軍医 ルーク

  具合は?
  何か違和感があったり、
  副作用の症状が強く出ていたりはしないか?


[ 箱の事よりも先に、そのようなことが口をついて出た。
 もし、何の事か分からないという様子だとしたら、
 こう話しはするだろう。
 さっき、頭痛があったように見えたから――と。

 連れ出してよい状態だったのだろうかという迷い。
 “知っていた”かのように箱を見つけたことへの疑問。
 二つの思考は縺れて、ピアノ線はまた、おかしな音を立てる。]


  わたしが、持ってく。
  帰ったら休むといい。
  それ、貸して。


[ 箱に手を伸べて受け取ろうとして力を籠めれば、
 自分の腕力では難儀しそうな重みにうっとなる。
 フードの下、滅多にその存在を主張しない耳が
 ふるりと震える。
 青白い顔を赤くして暫くの間頑張ろうとしたのだけれど、
 物理的に無理だった。
 なお、足場を確保して下に降りて、ぴょんぴょんはねて
 “おてつだい”しようとしているぺんぎんにも、
 やっぱり物理的に無理だった。]
(321) 2020/05/20(Wed) 22:07:57

【人】 軍医 ルーク

[ その箱は、結局持ってもらうことになったか。
 あるいは持ち帰るには重く、戻ったらすぐに回収班に
 声をかけることになったかは、そのうさぎの腕力次第。
 帰りの道すがら、ぽつり、口を開いた。]


  今更の話を蒸し返して悪いけど。
  ……言ってなかった。
  医務室でのこととか、飴とか。


[ ゆっくりとした足取りで、瓦礫の中を歩く。
 ぺんぎんを抱えたまま。
 がらがらに崩れ去ってしまった、
 けれど、嘗ての形を未だとどめている、そんな瓦礫たちが、
 『月』と光る草木の下、ひっそりと物言わずそこにある。]


  ありがとう。


[ きっと、言いたいことはそれだけではない。
 それだけじゃないはずなのに、分からない。
 ざわめきがある、痛みがある。
 それなのに、どうしてなのかが、
 ――… わたしには、わからない。]*
(322) 2020/05/20(Wed) 22:10:26
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a28) 2020/05/20(Wed) 22:13:44



 [ おんならしく整えた茶髪に、
  歩きづらいヒールを纏って、
  腰を締め上げるよなドレスで身を守る、

  危ない銀は、遊ばないように、隠されて。
  貧民街も知らず、薔薇以外の赤色も知らず、
  
  餓鬼を分別するためにつけられたような名ですら無い、
  そういう わたし であるならば、 ]


 



 [ 羨望じゃあ ない。もしかしての話だ。
  地位だけならまだしもその生活はやめてほしい。

  それに、そこまで考えて、思うのは、
  " だったら此処には居ないのだろう "だけ。

  今だって"運悪く"転がり落ちていなければ、
  ひとつのパンをずぅっと
  食いつないでいたような生き様だったのだし。 ]


 



    ( ……何で此処にいるんだっけ、 )

  [ 己の価値も 好き嫌いも 言うまでも無い。
   月のまあるい 夜、己の赤に塗れた姿から
   そんなこと どうせ、察せよう。 ]


 

[またノートには、五ページ目が追加されていた。
律儀に、日付から始まるあたりで。
今回も、タブレットの所有者の日記から
記述は始まるのだと予想できただろう。
 兎は、自分がこの日記を書いているとばれないよう
 細心の注意を払っていたつもりではあった。
 でも、確定的ではないにせよ―――少しずつ。
 書き手に迫る手掛かりが、零れている。

〇月□日
  誰かが後で見るのだと思うと
  少し気恥ずかしい気もするが、
  僕の残した記録を誰かが見てくれるのなら
  僕は、とても嬉しい。
  
  また、昨日、不思議な夢を見た。
  そこは、真っ白な大地だった。
  白い何かが天から降ってくる。
  伸ばした右手の上に落ちたそれに目を近づける。
  粒は小さく、一見わかりにくいが
  よく見たら、それは六角形の精巧な結晶だった。
  左手で触ったら、熱に弱いのか消えてしまった。

  僕は、どこかへ向かって歩いていた。
  真っ白に見える大地は、白い物が積もっているようで
  ふかぶかと足跡をつけながら、進んでいるようだった。

  やがて、前に何かが見えてくる。
  白いものに半分以上埋もれていたもの。
  見たこともない材質の、不思議な、建築物だった。
  窓だったらしい個所は割れ、
  中まで、白い物で満たされていた。
  
  覗いてみれば、夢特有の靄が晴れて、
  中が良く見えるようになっていく。
  中にある家具らしいものは、
  見たこともない物も多かったけれど
  本や、机など。僕の知る物も多かった。
  見たこともないものの、ほとんどは
  僕が想像もしたことのない、
  遺失技術ぐらい精巧な、機械類だった。
  
  僕は、建築物の中にある白い物から
  人の腕らしきものが突き出たまま
  動かなくなっているのを確認した後。
  腰に下げていた機械に映る数値を見て、
  持っていた"何か"を口元に当て。
  「地点B243、―――汚染は僅か。
   以前の記録よりも極寒。生物の生存不可能。」
  誰かへ、報告をしたみたいだった。

[日記の後に、間を空けて。
前と同じように、日記に比べ丁寧な文章が綴られている。]

僕の日記を読んでくれている誰かへ。

 お返事、ありがとうございます。
 ご両親の話も、色々想像しながら読みました。
 お母上に苦労を掛けてばかりだったそうですが
 あなたがこのタブレットを開いてくれて
 僕の話を読んでもらうことができたのは、
 あなたのお父上のおかげです。
 
 僕が本当に優しい人かは、僕にはわかりません。
 僕は、僕に、遺失技術のことやこの端末のことなど
 色々と教えてくれて、これからも使っていいと
 言ってくれるあなたの方が、優しいと思います。
 
 こんな場所を保管場所にしておいて
 何か言える立場ではないかもしれませんが
 せめて大事に、使っていきたいです。
 
 ずっと、変な夢を見続けているもので。
 今回も変な日記になってしまい、すみません。
 誰かから聞いた話、伝えられた話、と言われても
 お恥ずかしながら、僕は自分から
 遺失技術を学ぼうと思ったことはなく
 夢の心当たりは、どこにもないのです。

 でも、"夢を見た人の心を映し出すもの"、ですか。
 その言葉は、よく覚えておきます。
 何かの手掛かりに、なる気がするので。
 
 そういえば、今まで見た夢はどれも
 夢の舞台には、僕一人しかいませんでした。
 居たとしても、もう動かなくなってしまっていたり。
 遠くの誰かと通信をしていたり、です。
 もし、現実に、夢で見た場所がどこかにあったとしたら
 そこに行く機会が、これから先あるとしたら。
 僕も、一人では行きたくはない。
 僕は、一人残されるのが怖い、臆病者だから。
 あなたが居れば、きっと、先に進む勇気も出るでしょう。
 ……夢の中の、僕が見ている人物は。
 よく、あの光景を一人で居られると、思います。
 
 できれば、あなたのお話ももっと聞いてみたいです。
 あなた自身のお話でなくとも、
 意見……というか、僕の夢について気づいたことや、
 質問などあれば、なんでも聞きたくは、ありますが。
 これは僕の我儘なので、無視してくれて構いません。
 
 ……そもそも僕の話が、現実味の無い夢の話。
 だからといって、僕自身の話をしようとしても
 これは隠し事が多いという意味ではなく、
 話せることなどなにもないもので。
 もし何かあなた自身のお話を頂いたとしても、
 それに釣り合う話はできそうにないのですから。**

【人】 軍医 ルーク

[ 自分が持ち上げられなかった箱を、
 うさぎは軽々と持ち上げてみせる。
 医務室で義手を巡って部下たちと話していた内容を思い出す。
 恐らく、持って来た装備も、
 自分が持てるような重さのものではないのだろう。

 躊躇いはあったが、見たところいまは不調もなさそうだし、
 不承不承頷き、手を離した。
 代わりに、来るときには持ってもらっていたランタンを
 受けとることにする。
 道すがら、投げかけられた言葉に顔を上げた。]


  ……“心配”?


[ 困惑しているような、理解できずにいるような、
 その声はきっと、以前医務室で盛大に“怒りながら”、
 “怒る”が分からずに問い返したときと同じもの。>>0:242 ]
(397) 2020/05/21(Thu) 2:12:11

【人】 軍医 ルーク

[ けれど、今はそのときとは違い、じっくりと思案を重ね、
 ひとつ、ゆっくり瞬きをした。]


  ――ああ、それだったんだ。
  そうか。


[ 外から言われて、初めて気づいたように。
 途切れた糸を、不格好に一先ずは、結んでしまうように。
 味の分からない飴を、甘い、と教えてもらうように――
 そんな風に、呟いた。
 きっと、それだけではない、心配だけではない。
 けれど、“心配”していることに、間違いないのだろう。

 義手を使うなと言っても、頷かない。
 副作用は『いつものこと』と言う。
 いつもの副作用なら、ずっと痛い――
 痛みに強い体質で、それでも強く感じるほどの痛み。]
(398) 2020/05/21(Thu) 2:13:16

【人】 軍医 ルーク

[ 先ほどの出来事を思い出す。

 『通信機は攻撃されにくい場所、
  背中の後ろから飛んだはず』>>348

 それは、いかに間近で戦っていたとしても
 知りようがない情報。
 元よりどこかで知っていたとしか思えない知識だ。

 あの時の様子は明らかに、普段の彼のものではなかった。
 そもそもここに来るときの会話では、
 通信機の話すら、初めて聞いた様子だったのに。

 だとしたら――忘れていた、記憶?
 機獣の知識なんて、どこで得たのか。
 彼らの来襲が繰り返されるいま、自分と同じように、
 機会は何処かにあるのかもしれない。
 けれど、記憶が失われたのは最初の襲撃のとき。
 戦闘中に、機獣から通信機が飛ぶのを見ていた?
 それもどこか、違和感があった。

 ――ああ、まただ。
 先ほど過りかけた“何か”が、
 再びちりちりと思考を焙る。>>141

 思考に沈みながら、ひどく難しい顔で、
 ぐしゃりと自身の首元を、服ごと掴んだ。
 呼吸の苦しさを、痛みで紛らわせるように。]
(399) 2020/05/21(Thu) 2:15:10

【人】 軍医 ルーク

[ “噂のようなひとじゃない”

 その言葉に、痛みが増した。
 そうだ、噂自体は愚にもつかないカムフラージュ。
 けれど、事実はそれよりも遥かに許し難い。
 いまはない両脚が強く痛む。
 どくどくと、血を流すように。
 立ち止まらないように片方ずつ前へと踏み出す。]


  噂、か。
  あれはもう、話してる連中が
  どれだけ面白いことを言えるか
  ゲームみたいになってるんじゃないかな?
  けど、本当か嘘かは、さあどうだろう?
  採点して医務室に張り出してやろうか。


[ いつものように、人の悪いことを言ってやろうと思っても、
 どうしてか、それ以上は続かなかった。
 “ルークの頼みなら”と、その言葉の意味が、
 どうしたって、伝わってきてしまったから。]


  ――… うん。
  頼みというなら、今はひとつだ。
  帰ったら休むことと、
  頭痛があったときは時間外でも医務室に来て。
  
(400) 2020/05/21(Thu) 2:16:50

【人】 軍医 ルーク

[ 回収された箱は、研究棟へと持ち込むことにした。
 勝手に探しに行く、とは言ったものの、
 特に問題がある行動をしたわけでもない。
 そこのところは、探索に付き合わせてしまった以上、
 説明しておこう。]


  勝手に探しに行くことにしたのは、
  殆ど根拠もない憶測だったから。
  上が取り合ってくれるか分からなかったし、
  手続きがまどろっこしかったんだ。
  でも、実物を見つけたなら、あとは引き渡せばいい。
  小言の一つも食らうかもしれないけれど、
  わたし、そういうの聞き流すの得意なんだ。
  それに多分、今日担当してる連中は気にしない。


[ 後ろ暗いことをしているわけではないのだから、
 持って行っても問題はない。
 見つけるまでの手続きを簡略化しただけさ、と嘯く。]
(401) 2020/05/21(Thu) 2:18:09

【人】 軍医 ルーク

[ 果たして、未回収の部品が運び込まれた研究班の夜組は、
 金属の箱を囲んで色めき立った。

 自分が前にいた研究所で、
 通信機ではないかと推定されていた部品に似ている。
 今回の襲撃でこの部品が回収されなかったことが
 気になって探しに行った。

 特に隠すこともない成り行きをそのままに話せば、
 経緯に疑念を抱くものもいなかったようだ。

 ――話さなかったことがあるとすれば、
 同行を頼んだ第一攻撃部隊の部隊長が、
 あまりにも的確に、その部品を見つけた出したということ。

 技術班の連中は案の定、細かいことにはこだわらなかった。
 抑々、研究の事ばかり考えている連中で、
 特にこの班は各方面の才能ある人材を集めてきた
 研究畑の遊撃班という色合いが濃く、
 その手の連中がまともであったためしがない。
 まともに世渡りできるなら研究者なんてやってねえよ、と
 記憶の中の父が笑った。

 普段交流があるわけではないが、
 非正規の手順で回収した箱を持ち込むならこの班だな――
 という目算くらいはあった。]
(402) 2020/05/21(Thu) 2:19:31

【人】 軍医 ルーク

[ ――というか、]


 『えーと、キミ誰だっけ、ルート? 
  じゃあこの部品は責任もって
  我々技術班が預からせてもらおう!
  機獣がどこかと通信していたとして、
  その記録が残されているなら、重要な手がかりだ。
  というか、正直手掛かりとかそういうのより、さ!
  おまえらー!! 新しいパーツが! 来た!!!
  今夜は徹夜だ!! 栄養剤持ってこい!!!
  ふわあああ!!
  謎の怪獣の未知の通信機を解析できる機会! とか!!
  ひゃっほう!!
  あ、そこの兎君もありがとね、
  そういえばキミだれ?
  まあいいか! 今日は祭りだ―!!!』
  

[ 細かいところに拘るどころの話ではなかった。]
(403) 2020/05/21(Thu) 2:21:13

【人】 軍医 ルーク

[ 技術班長のジルベールは、
 ぎょろりとした目を益々大きく見開き、
 箱を持ってきてくれたうさぎの両手を無理矢理とって
 ぶんぶんと振り回すように握手した。
 そうして、机の上の箱に抱き着かんばかりの勢いで、
 矯めつ眇めつ観察している。

 基地内の噂話だの人間関係だの、何なら戦況に至るまで、
 聞いても頭をすり抜けて、
 日がな一日研究に明け暮れているような女性である。
 自分のことを忌避しない珍しい人物ともいえるが、
 単に頭の中に数式と螺子が詰まっているだけだ。
 何なら総司令の名前すら覚えていないかもしれない。]


  『あ、ルーディには話を聞かせてもらいたいかも。
   別に今でなくてもいいけどさ。
   いや、これは建前で、
   出来れば今がいいなあ、今すぐがいいなあ。
   キミが前いた研究所って爆発した所だろ?
   それなら、似たパーツの現物は
   取り寄せられないだろうけど、
   キミが見てたなら、見解を聞きたい』


[ そもそも、まともに識別されてすらいない。
 適当に、おー、と頷き、
 直ぐに戻ると言って部屋の出口へと。
 技術班の連中は、此方には見向きもせずに箱を取り囲んで、
 何やら議論を始めていた。]
(404) 2020/05/21(Thu) 2:25:11

【人】 軍医 ルーク

[ 立ち去り際の兎が、飴の包み紙を取り出す。
 自分が貰った分の包み紙は、ポケットに入れてある。
 くしゃりと丸めてしまうことはせずに、そのまま。]


  確認したいこと? 
  それなら今でも――
  いや、無理だねこの調子じゃ。


[ 今ではだめだろうか、と思ったのだけれど。
 背後で盛り上がる議論が否が応でも耳に飛び込んできて、
 この後暫く捕獲されることは間違いないか、と諦めた。
 抑々自分も、機獣の謎に迫るために此処に来た。
 そう考えるに至った動機は、ひとつ、ふたつではないけれど。
 通信機の内容が気になるのは、事実だった。

 “お返し”の方は――
 うん、そうだな、このうさぎの表情を見ていると、
 既に何かの直感で、
 甘いものの気配を嗅ぎついているような気がする。]
(405) 2020/05/21(Thu) 2:26:42

【人】 軍医 ルーク


  ――じゃあ、待ってる。
  わたしがいるとき、か。
  医務室から悲鳴上げて飛び出してくる新兵がいたら、
  そのときの担当はわたしだろうな。


[ にやりと笑って脅すような顔をしてみせたけれど。
 自分の部屋へと帰っていったうさぎの後姿は、
 実に機嫌が良さそうだった。
 ぺんぎんもその後姿に、跳ねながら手を振っている。
 後ろを向くと尻尾が見えるなあ、と、
 さっきと同じようなことを、どこか違う感覚で考えながら。
 その後姿が角を曲がって消えるのを見届けて、扉を閉めた。

 待っている、
 そんな風に言葉にしたときに感じた感覚は、
 飴を貰ったときの不思議なそれと、どこか、似たもの。]**
(406) 2020/05/21(Thu) 2:30:48
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a30) 2020/05/21(Thu) 2:36:54

 




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