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【人】 水の魔騎士 ユスターシュ屋上にて仲間へ連絡を取ろうとしていた少女。 長い黒髪、ハッキリした目鼻立ち。きらびやかな衣裳。 見覚えはない。 が、彼女は名を呼んだのだ、確かに。ユスターシュの名を。 「何を言っている?」 ズキリ、と頭の片隅が痛む。彼女の話では、ユスターシュと彼女は顔見知り所か仲間のようではないか。 だが、ユスターシュにそんな記憶はない。 そう、記憶はーー記憶? 思い出そうとすると、霞がかかったような状態になる。 顔をしかめて頭を押さえる。 敵の罠だろうか。 「俺は、お前の仲間など ではない。 ーー宝石の在処を知ってる なら、力付くでも聞き出す。 出でよ、ウンディーネ。」 (12) 2023/10/12(Thu) 23:11:20 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ彼女の目線が鋭くなり、指先に魔力のオーラが強くなる。 ユスターシュも対抗するために念を込めて精霊を召喚した。 空気がピリピリと張り詰めて。 気流が渦を巻きーー 水のうねりが発生する。 それは半透明の女性を象り、ユスターシュの背後に控えた。 「俺に敵うと? ーー小娘。 命を無駄にするな。」 ゆっくり、鞘から剣を抜く。魔力を秘めた宝石が埋め込まれた刀身が不気味に輝いた。* (13) 2023/10/12(Thu) 23:12:46 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ一対一では負ける気がしない。 先に捉えた鍵盤使いも中々の手練れではあったが、所詮は幼き少女。 水の精霊の加護を受けているユスターシュの敵ではない。 そも、ユスターシュは精霊の力を借りずとも剣の達人なのだから。 切っ先に捉えた相手はほとんどが地に伏す。 じり、と間合いを詰めようとした時、もう一人の魔法少女が屋上に躍り出た。 あれはーー。 ユスターシュには、彼女が先程教室にて話をしていた姫宮千秋であるとは全くわからない。 同じように、彼女もユスターシュと教師が同一人物とは気付いていないようだ。 彼女はユスターシュの名を呼ぶ。 その悲痛な叫びと表情はーー。 「……忘れる?」 まただ。彼女たちは何を訴えているのか? 考えようとすると、頭痛が強くなる。剣の束を握りしめて耐え。 「知らない…お前たち等、 知らんッ!!」 (24) 2023/10/13(Fri) 14:54:14 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ吐き棄てると前に出た姫と呼ばれる魔法少女を切り捨てようとする。 彼女は武器を構えていない。 このまま突っ込めば一刀両断にするのは容易いだろう。 敵は捉え情報を聞き出す。 そうベアトリスと決めていたのに、先程のやり取りのせいでユスターシュは頭に血が上っていた。 訳のわからない事を叫ぶ少女を黙らせてやるーー! が、後一歩の所。ユスターシュの剣が少女を貫く寸前、その身体は引っ張られ剣先は空を切る。 踏み込んだ右足を止め、すぐ体勢を立て直すために後方へジャンプ、再び距離が開いた。 「姫ーー… ミュジークの姫か。」 危ない危ない。姫ならば捉えれば人質でもなんでも使いようがある。ユスターシュはカッとなっていたのに気付いて頭を振る。 二人を捉えるべきだ。 問題は二人同時に相手をするのは面倒だ、という点だがーー。 「ウンディーネ、水の泡を。」 女の姿をした精霊が両手から野球のボールの形をした水の塊をいくつか生成する。 この水の泡がもし身体に当たれば傷つけずにその部分の動きを封じる事が出来るだろう。 (25) 2023/10/13(Fri) 14:54:59 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ 「くらえッ!」 いくつもの泡がハイスピードで二人の少女を真っ直ぐに狙った。 飛んで避けるか、または何かしらの手段で破壊するかーー。* (26) 2023/10/13(Fri) 14:55:33 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ ーー揺らめく焔。 赤い唇が囁く。 『忘れなさい。』 ーー忘れる?何を。 『そして思い出すのよ。』 ーー思い出す?それは。 記憶が入り雑じる。 幼い姫の笑顔に手を伸ばした。 しかしそれは闇に飲まれてーー。 (38) 2023/10/13(Fri) 22:17:39 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ水の泡はまるでシャボン玉のように四方に散らばる。 既に闇深くなりつつある空を覆うように広がり、二人の少女に襲い掛かった。 姫と呼ばれた少女が武器であろうバチを構えた。 何か可笑しな事を騒いでユスターシュを惑わすのを止め、戦う気になったのだろうか。 「かわせるならば、 かわしてみろッ!」 ミュジーク王国には精霊の扱いに長けた者が少ない。つまり、精霊の力を借りた攻撃には弱いはずである。 姫が張ったシールドに頼れば良いものの、迂闊にも黒髪の少女が前に飛び出た。 「たかが泡、と油断したかッ それはーー…」 泡は分裂し飛沫となる。そして少女の武器である楽器に絡み付いた。まるで生きているかのように。 体勢を崩した少女にユスターシュが追撃を仕掛ける。 更に幾つもの泡を放ち、その四肢を捉えたのだ。 リッコと呼ばれた少女が両手足を屋上の床に付く。 捕縛の為の泡だが、締め付けられて彼女は苦しいかもしれない。 (39) 2023/10/13(Fri) 22:18:18 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ 「大人しくしていろ。」 一人を封じれば一対一だ。しかも姫の方は先程シールドを張った様子から前衛ではない。 ひらり、とユスターシュは軽やかに飛び、彼女がバチを構えドラムを叩く前に間合いを詰める。 「さあ、従者の身動きは 封じたぞ。 ーーどうする、姫。 ……なんならさっきの戯言の 続きを話してみるか? 俺が仲間だとか、どうとか。」 シールドがあるのでその前に立ち。片手を前に差し出して煽るような手招きをしてみせる。 その背後で階段を駆け上がってくる足音が近付いていた。* (40) 2023/10/13(Fri) 22:19:04 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ仲間を捕らえた男が目の前に迫っているのだ。その攻撃を少女が恐れぬはずがない。たとえシールドに護られていようと。 しかし、返ってきたのは射抜くような真っ直ぐな視線と言葉。 姿勢を伸ばす姿には風格、気品を感じる。そう、王族ならではのーー 「チアキ、ローズ…… 婚約者……ウッ、……」 まただ。脳を抉られるような激痛に襲われて。 婚約者なんか覚えていないのに。 ミュジークの姫など、会ったこともないはずなのに。 (48) 2023/10/14(Sat) 9:06:21 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシューー…旋律が脳内に響く。 明るく軽やかで、ワルツのような。 そう、目の前の少女の手を取り、踊り出したくなるような。 ーー光輝く光景が、映画のワンシーンのように過る。 煌びやかなシャンデリア、豪華な装飾。ドローイグ帝国の宮廷とは似て否なるーー広いダンスフロア。 美しいドレスの裾をつまむ少女。 俺は彼女の差し出した手を恭しく取る。 そのまま身をひたりと寄せ、優雅にステップを刻むーー なんだ、これは? 俺が踊っている? 俺は魔騎士だ、闘うだけの機械であるはずなのにーー。 が、その光景を映したフィルムはいきなり端から焦げて溶ける。 激しい焔が舐め尽くし、消していく。 ーー焔の中心に、もう1つ何かが見えた。 燃え盛る木造の家。小屋と言う方が正しいか。 その中にはまだーー 「姉さんッ!」 俺は手を伸ばして叫ぶ。あの中には家族がいるんだ、俺のたった一人の血を分けた、大切なーー。 (50) 2023/10/14(Sat) 9:07:57 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ気が付けば、少女はシールドを解除している。 見えた二つの光景はどちらも記憶なのか? 自分自身である実感は、ない。 「チアキ、ローズ…様…」 震える声で呟き手を伸ばす。 彼女の前に跪きたい。そしてあの手の甲に唇をーー。 フラフラ近寄り、手と手が触れ合う瞬間。 屋上に乱入者が現れた。男子生徒だ。まだ居残りがいたとは。 化学の授業の際に見た記憶がある。 「チッ…!」 一歩引いてマントで顔を隠す。 普段は変身し過ごしているから教師とばれることはないだろうが。 滝沢、と囚われの少女が名を呼んでいる。顔見知りか。 少年は教師を呼ぶと騒いでいる。 ーー教師はここにいるのだが。 (51) 2023/10/14(Sat) 9:08:36 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュユスターシュは舌打ちした。 「ウンディーネ! あの少年を気絶させろッ!」 水の泡の1つを少年に向けて飛ばす。それは膨張し、少年の顔面にて弾けた。 がくり、その場に倒れる少年。 気を失ったはずである。記憶は残るだろうが、こんな光景を他人に話したところで、信じる者はいないだろう。 「今日の所は引いてやろう。 しかし、お前たちの仲間は 捕らえてある。 宝石を手にするのは 俺達だッ!」 高らかに宣言し、水の泡を全て呼び寄せる。それを防御の為に身に纏うとふわり、床を蹴り屋上の手摺の上に立った。 そのまま背中から後ろに身を躍らせてダイブ。自殺のように見えるかもしれないが、纏った水がクッションとなり、ユスターシュは校庭へと華麗に着地を果たす。 そしてーー校舎に姿を消したのであった。** (52) 2023/10/14(Sat) 9:09:05 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ校舎に飛び込むのと同時に変身を解く。 纏っていた水も、女性の姿をした精霊ウンディーネも同時に霧のように消えた。 入口付近は生徒たちの下駄箱置き場だ。 いくつもの下駄箱が並んでいる。 サッと下駄箱の影に身を隠すと追手があるかどうかを確認しよう。 もし魔法少女が追ってくるならこのまま隠れてやり過ごすもよし。 居残る生徒はもういないと思われるが、生徒に出くわすなら教師として振る舞えばいい。* (61) 2023/10/14(Sat) 15:43:00 |
【人】 水の魔騎士 ユスターシュ>>56 暫く身を潜め、誰も姿を現さないと油断した矢先。 一人の女生徒が玄関口からやってきた。 もう下校時間はとっくに過ぎているはずだ。 先程の男子生徒といい、居残りが随分いるのは何故だろう。 これでは、学校での宝石の捜索も難しいそ、変身や戦闘も気をつけなくては。 譲、つまりユスターシュが一時的に共闘関係を結んでいる焔の魔術師ベアトリスは、一般人や器物の破損をあまりに気にしていないようだが、譲は出来るだけそうした被害は控えたいと考えている。 ーーさて。生徒をやり過ごすか。 いやしかし、もし何かを目撃されたら面倒か。 譲はさも廊下の向こうから歩いてきたように、姿を見せる。生徒に声を掛けた。 「おや。まだ下校していないのですか。 もう暗くなりますよ。」 (62) 2023/10/14(Sat) 19:20:34 |
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