227 【身内RP】une jeune sorcière【R18】
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光があれば闇が生まれるのか。
それても、色濃い闇があるからこそ光が際立ち存在するのか。
チアキローズは光そのものだった。
ゲオルグから強いられた厳しい修行の毎日に、ユスターシュは闇しか見いだせなかったのだがーー彼女との出逢いがまさに光明となり。
生きる希望、意欲、目的を得た。
彼女を護ると。
だが、今のユスターシュはその記憶を全て失い闇の中をさ迷っている。
たまに差す木漏れ日のような光の記憶の意味に気付けたら。
譲として、姫宮千秋に感じた庇護欲を思い出せたら。
この悲劇を回避できたろうか?
後ろから無理やりの体勢を取ろうとしたのは彼女の抵抗を封じるため。
しかし、ユスターシュが血を吐くように訴えた言葉にその態度が変わった。
まるで争いは無意味とでも言うように。
慈愛に満ちた様子で受け入れ体勢を取る。
ーー諦めたのか。
どのみち抗った所で余計に怪我をするだけと考えたか?
憐れな子羊は祭壇の上にて屠られるのを待つ。
ユスターシュは猛り狂った男性自身を露出した。それは硬く雄々しくそそり勃っている。
開かれた股の中央にあてがう。
愛のない行為だからこそ、復讐だ。
迷うな、迷う必要などないーー。
ーーやめろッ!
濡れてもいない入口は、ユスターシュの分身を拒んだ。しかし上から体重を掛ければメリ、という音と共に裂ける。
初々しい花弁が無惨に散った。
奥まで一気に侵入した為、それは彼女にとっては剣で貫かれるに等しかったであろう。
「……ッ、狭い……」
ぎち、と食いちぎられそうなほどの締め付けに呻く。
男を知らない可憐を真っ向から穢す獰猛。ぬら、と光るのは内部にはあった潤滑の為か。
彼女は悲鳴を上げたが、ユスターシュにはそれが何処か遠くに聴こえた。
見えたからだ、ついに。
大切な人が。愛しい人が。
美しいドレスを身に纏うかの人と、ユスターシュは踊っている。
夢が叶った。
従者と主人という身分から、婚約者になれたから。
微笑む彼女が映った鏡にヒビが入り無惨に割れた。
甦った記憶に呆然とする。ユスターシュの身体は記憶に反して、組み敷いた" "を更に深く串刺しにした。
まあもや大きな叫びをあげ、身をしならせる" "。
引き抜いた男性自身は血塗られている。処女を奪ったからだ。
「チアキローズ、姫ーー…」
違う。
いや、彼女だ。
護りたかった人。
最愛の、憧れの。
敵だ、この報復は当然だ。
今まで我慢してきた、堪えてきたんだーー。
" "は涙を流して口を押さえている。痛みを堪えているのか、恐怖に身を震わせているのか。
ユスターシュの心と身体は引き裂かれる。
泣いている" "と、記憶の中で微笑む姫は1つにならない。
そして飢え乾いた身体は求めた。
ーー"オンナ"を。
流れた血は律動の潤滑となる。
ユスターシュは"オトコ"と成り果て"オンナ"を機械的に貪った。
繰り返し穿つ事で。
「はぁ、はぁ…、出るッ…!」
欲求の高まりを彼女の内部に放つ。憎み、恨み、全てが入り交じったものを。*
私はこの行為の意味を理解しかねていました。
硬く雄々しく聳り立つそれを目にしなかったからでしょう。
そこに何があったのかを理解し目にするより、ユスターシュへの謝罪を口にしていたのですから。
それはあまりに熱く。
私はそう、貫かれたのだと理解しました。
だから死を覚悟したのです。
ただ、死を覚悟したからでしょうか。
私を貫くものをぎちりと締め付けた体が少し緩まり、私との知らないところでこれ以上身体を傷つけない為にと蜜が湧いたのです。
ず…っ、と熱い剣が引き抜かれて、血が噴き出るかと思いました。
けれどそんな事はなくて。
「──…?」
今、姫と呼んでくださった…?
いいえ。彼の方でなくても私をそう呼ぶ事は不自然ではありません。
でも。あそこまで私を恨んだその人が、私に敬称を付けるのでしょうか?
さまざまに浮かぶ疑問。
それを解決する前に。
「んぐっ!? うっ! あっ、うああっ!?」
再び剣が…いえ、彼の体の一部が私の中に突き入れられ揺さぶられました。
身体の内側がヒリヒリと痛みます。
ズキズキと鈍い痛みも同時に襲ってきました。
ああ。でも。もしかしたら。
どれも真実ではないのかしら、と私は考えました。
もしユスターシュ様が本当はミュジークの貴族では無いのなら。
ドローイグから攫われてきたのなら。
そして、ミュジークの貴族として育てられて、再びその記憶を消されたなら。
それらが一本の線で繋がっていたなら。
だってそうでなければ、魔力までにているのは説明がつかないではありませんか。
もし、こうして肌を重ねる事でより治癒の力が働き、幼い頃から順番に彼の記憶が取り戻されていたのなら──。
「んあっ! ゆす、たーしゅ、さ、ま…っ
ゆす、たーっ、しゅ、…っ!!!」
揺さぶられながら必死に彼の名前を呼びました。
穿たれる度に痛みに言葉が途切れてしまいます。
でも、泣きながらでも笑って。
次第に血と蜜とでその動きは滑らかになるでしょう。
それでも、私に心地よさを齎すには至りませんでしたが。
「私は、こ、こに、います…。
ゆすた、しゅ、さま…っ!?」
私の中で何かが爆ぜました。
そして注がれていく感覚に目を見開きます。
…ああ。これは。もしかしたら。
私はそれを悟りながら、彼に両腕を伸ばし抱きしめました。
「…貴方の悲しみも苦しみも全て受け止めさせてください。
私は貴方を愛しています。
ユスターシュ様。
貴方がミュジークのものでなくても
私は貴方を…貴方だけを。」
貴方を抱き寄せる事はできたでしょうか?
癒しの力で心を癒す事はできません。
それでも。
貴方の心が必要以上に壊れたりしませんように。
私はそう祈るのです。
だって。
貴方はやっぱり、私のユスターシュ様…なのでしょう?**
交わりの中に見えたもの。
初めて謁見した際の高貴な装い。
日々警護の折りに垣間見た御姿。
ダンスを踊り寄り添う細身。
一番鮮烈だったのは嵐の夜の記憶だ。
洞窟で怪我をしたユスターシュを助けようとーー彼女は抱き締めてくれた。
その癒しの波動に傷がみるみる治ったのだ。
チアキローズ・ピゥロイド・ミュジーク。
恋い焦がれた人の名を何故忘れていたのかーー
「は、……、俺、は。
何てこと、を……。」
精を放つことにより、ユスターシュはすべての負の感情を彼女にぶつけた。
人格から目を背け、オンナとして見ることで。自身の狂った人生に対する恨みを。
しかしそれは、逆恨みでしかない。確かに彼女はミュジークの姫だが、ユスターシュを浚い人生を狂わせたのはその従者でしかないはず。
ドローイグに産まれた自分。
姉と引き裂かれて拐われ、
ミュジークにて育てられた。
過去が繋がっていく、一本に。
道筋として。
ーー私はここにいると言った彼女。
涙に濡れながら苦痛に堪える姿は聖母のように全てを受け入れ赦している。
「姫……姫ッ!」
まだ身体は繋がったままだ。彼女は下から両腕を伸ばしユスターシュを抱き締めた。
その暖かみに、優しさに氷のように冷えていた心が溶ける。
「チアキローズ姫……俺も、貴女を
愛してる、心から。
誰よりも何よりも大切に思っている。
……なのに、俺は。」
こんな形で彼女の花を散らしてしまうなど。
こんな場所で。ベッドでもない硬いコンクリートの上で。
今すぐ離れるべきだ。しかし、ユスターシュの分身はまだ精を放っても熱く滾ったままで、彼女の体内に息づいている。*
どうしても呼吸が荒くなってしまいます。
それでも、彼の瞳に理性の光が戻ったようで安心しました。
ホッと肩の力が抜けます。
ああ。やっぱりユスターシュ様だったのですね。
「良かった…、ユスターシュ様。
お会いできて本当に良かった…!」
ほろほろと溢れるのは嬉し涙でした。
はしたない格好になり、身体の奥底を貫かれてはいますが命に別状はありません。
私の中にあるのは武器ではなく、ユスターシュ様の一部だったのですから。
彼を抱きしめ、手を伸ばして頭を撫でました。
そっと頬に唇を寄せます。
「──記憶を失っていたのです。
仕方がない事でしたし、…ミュジークの民も
許されないことをしていたようですから
ユスターシュ様は何も悪くは、…。」
何も。本当に、何もでしょうか?
少し言葉を途切らせて視線を伏せました。
無理やり暴かれた体は痛みを伴っていますし、何より婚約者ではないと思った時に肌をさらされた事は恐怖と羞恥の極みでした。
それは変わりませんし、私の中でまだユスターシュ様の剣が埋まったままなのです。
流石にここまでされたなら、──その、本来夜伽と言われるものなのだろう事は、想像が尽きました。
それが、こんなに痛みを伴うものなのだとは。
…あのメイドの言っていたこととは大分違います。
「…本当に、私を愛してくださっていますか?
ミュジークの姫だからではなく。
婚約者にされたからではなく。
先ほど、記憶が失われていた時のように
今でも私を"欲しい"と思ってくださいますか?」
──あのメイドの方が良いと言いませんか。
甘く熱く激しい夜は他の女性が良いと。
「…わ、たし、
ユスターシュ様が求めてくださるのなら
痛くても、たえ、ますけど、
──私では子供すぎて、メイドたちと違って
物足りないかもしれませんが、
どうか、どうか今度は優しく──。」
脚先を彼に絡ませ、彼の腰の後ろで交差させ引き寄せました。
ほんの少しだけ拗ねた眼差しを向けたのは。
…年相応の、ヤキモチというものかもしれません。
こんなふうに強請ることは、それこそはしたないことかもしれませんもの。**
真珠のような大粒の涙が彼女の頬を伝う。
婚約した時は、決して泣かせまいと誓ったのに。
愚かな自分は自ら彼女を傷つけた。
ユスターシュは自身に憤りすら感じる。
何故こんな事にーー。
いくら記憶を失ったからとて。
失う?そうだ。何故記憶を失ったり、思い出したりしたのか。
その犯人は。
だがそれを考えるのは後だ。
今はただ、姫との再会に浸りたい。
彼女を抱き締め、髪を撫でる。
涙に濡れた頬を唇で拭った。
二人はまだ口付けすらしていなかったのに、身体だけ早まってしまうなんて。
「姫…愛しい姫よ。
俺がどれだけ貴女に逢いたかったか。
大切に思っていたか。
こんな乱暴をしてしまった今、
赦されなくとも当然だが、
俺は本当に、貴女だけを。」
愛しさが溢れて。ユスターシュもはらはらと涙を溢す。
「ーー勿論だ。婚約前から俺は
貴女に惹かれていた。
そうでなければ、いくら使命でも
命がけで貴女を護りはしない。 貴女を愛していたからだ。
ーー恥ずかしい話だが、その気持ちには
肉欲も伴っていた。
俺はずっと貴女が欲しかった。
心の奥底では、貴女を抱きたいと
思っていたから……。」
だから、身体が求めたのだ。
復讐に駆られたのなら、殺しても良かったはずなのに。
「貴女が欲しい。チアキローズ。
貴女に痛みを与えたくなかったが、どうか。
俺の花となってくれ。
もう一生離さないから。
ーーその、だ。俺の分身はまだ、
貴女を求めている。
このままもう少しだけーー
貴女の中にいたいのだが。
御許しを頂けるか。」*
ユスターシュ様の唇が私の涙を拭ってくれました。
その優しさにわたしは余計泣きたくなってしまうのです。
そして彼自身も涙を流していましたから、私は彼の涙をそっと親指で拭いました。
愛しい方の頬に触れながら。
「本当に…それは、本当ですか?
良かった…。
私はもう、身も心も貴方のものです。
貴方の花であり、貴方に心を寄せるただの乙女。
その、肉欲、とはよく分かりませんが…。」
こんな裸の状態で、下半身でつながり合っている──これが肉欲なのでしょうか?
抱きたい。その言葉も、抱きしめてくださっていたと理解はできますが。
改めて自分の格好を考えるとなんてはしたないのでしょう。
恥ずかしい。けれど、今彼から離れたいとは思えませんでした。
「少しだけ…お待ちください。」
けれど、私の内側は確かに引き裂かれました。
目を閉じて魔力を意識します。彼にしがみつけば丸い胸が彼の胸板で潰れましたが、温もりを感じ意識を集中させる事で癒しの波動が自分にも巡ってきたのを感じました。
これで、少しは痛みも耐えられるでしょう。
魔力の循環を彼も感じたでしょうか。
そうして傷を癒した後。
「お待たせ致しました。
──私の全てを差し上げます。
愛しております、ユスターシュ様。」
彼に微笑みを向けました。
そして、そっと瞳を閉じて口付けを求めたのです。**
清らかな乙女の精神をずっと持ち続ける彼女に男性生理を説明するのは恥ずかしいことだ。
メイドとの初めての経験は無我夢中、それから何度か回数をこなし、女体から得る快楽が素晴らしい事をユスターシュの身体は覚えていた。
乱暴に押し入ったのは本意ではない。愛する姫と知れば後悔が過るもそれでも。
男として欲していたのも事実。
誰もが開いたことがなかった花はきつく狭く、今極上の快楽をユスターシュに与え続けていた。
「気持ちが重なるだけでも幸せと、
俺も考えていた。
婚約だけでも身に余る光栄だし、
貴女がそんな風にずっと、
想いを寄せてくれていたなんて。
……俺と同じように。
でも、こうして得た貴女はーー
貴女の身体は余りに魅惑的だ。
俺を蕩けさせる。」
彼女を一心に思うからこそ離れがたく。もっと欲しいと焦がれる。
魔力による癒しにて、彼女が自身の痛みを軽減してくれたならユスターシュは微笑む。
「すまない、姫。ーー愛している。
今だけは男として…貪らせてくれ。」
そっと唇を合わせた。本来なら誓いの場で初めて交わすものであったろうが…想いは重なった。
まだ血は流れ続けているだろう。彼女の愛液、ユスターシュが放った白濁と交じり。
そのまま動き始める。腰を浮かせては沈め。また繰り返す。
より深く、より激しく。
段々と込み上げる快楽にユスターシュは荒い呼吸を吐いた。
メイドを抱いた時はここまで溺れはしなかったのに。
「姫、チアキローズ姫ッ…」
豊満な乳房に手を伸ばす。柔らかを手で包み揉みしだく。
それに合わせて奥まで分身を侵入させる。
そこに入りたいと切望するのは性だ。*
ユスターシュ様との初めての口付けは、とても甘いものになりました。
それだけで心が震えます。
愛しさが込み上げてきて、ああ、こちらに来ることができて良かったとここらから思えたからです。
触れ合わせるだけの口付け。
それに、きゅん、と身体が疼いた気がしました。
「そ、んな…。今だけではなく。
私、何度も求められたい…です。」
今だけなんて寂しいですもの。
裸になることは恥ずかしく、痛みを伴う行為は苦しいかもしれませんが、これが男女の営みそのものなら。
彼が望んでくれることならと、恥じらいながら呟きます。
それだけ彼との口付けは魅力的で、それだけで頭の芯がジンと痺れて幸せな気持ちになりましたから。
でも。
「えっ? あっ、んあっ!?」
ゆさりと彼が私を揺らすとゾクゾクっと体の奥側から痺れが走りました。
それは甘く、先ほどまでの感覚と全く違うのです。
ぬちゅっ、ぐちゅっ、と鳴っているのは彼から迸った何かと私の血が混ざっているのでしょう。
それが潤滑剤になって彼の動きは滑らかになり、傷を癒した後の私の内側は驚くほどに心地よさを訴えてきていました。
彼が私の内側を擦るたび、甘くはしたない声が上がってしまいます。
「えっ? んんんっ! アッ、これ、は…っ!?
ふああっ! あっ、アッ、ユスターシュ…ああんっ!?」
私の声が艶めきます。
かれがごちゅごちゅと私の最奥を突く度にキュンっと無意識に彼を締め付けました。
彼を締め付けると同時に甘く吸い付いて、先ほどまでとは違った反応を私の内側も見せています。
揺さぶられると豊かな胸も揺れて、彼に柔らかな果実に触れられると白い喉を反らせて甘えてしまいました。
「あ──! な、何か変、です、ユスターシュ…っ!
ひゃうっ♡ さ、さっきまでとは、んんうっ♡
全然、違あっ♡
あっあっ、ゃっ、──んんうっ!!!」
膝を跳ねさせつま先がクンと反りました。
一足早く達してしまった事に、この時点の私は気づきません。それを知らなかったのですもの。
だから自身の身に起きた変化に戸惑いながら、必死に彼にしがみ付きます。
彼のするのとなら私にとって悪いことでは無いはずですから。
「あああああ…っ♡♡♡」
びく、びく、と体を跳ねさせて。
トロンとしたどこか呆けたようにも見える眼差しで彼を見上げたのです。**
二人はまだ婚約の段階であった。
ユスターシュはまだ、その後に何故記憶を失ったか思い出していない。
気が付くとベアトリスと名乗る女が目の前にいて、二人は共闘する形に。
恐らくベアトリスが某かの魔法によりユスターシュの記憶を奪った、つまり拐かしたのではなかろうか。
騙されていた。
しかしだからとて、一国の姫に刃を向け、凌辱した罪が赦されるかといえばーー。
再会を姫は全身で喜んでいた。苦痛を与えたにも関わらず、今だけでなくと行為をも望む。
そのいじらしさに心打たれる。
国に帰った時、ユスターシュが罰せられ断頭台に登ることになったとて。
最後は姫の笑顔を見れるだろうか。
いや、今は考えまい。
今だけはーー。
「……凄い締め付けだ、ッ、
身体が食いちぎられるッ…」
心が通じてからの彼女は明らかに反応が良くなり、声に艶が滲んだ。
痛みではなく快楽を感じ始めているのか。
女の感じる様は男を駆り立てる。
ユスターシュの男性自身も彼女の体内で膨張し、互いに圧を与え合う。
「この柔らか、俺の指に余る、ッ…」
たわわが指の隙間から溢れる。
弾力とすべすべの陶器のような感触に感嘆の息が漏れ出でて。
一際高く彼女が啼いて痙攣した際にぎち、と強く根元に締め付け、ユスターシュは再び精の高まりに達する。
「姫、俺の全てを…ああッ」
二度目であったが濃くて大量の精液が吐き出された。
彼女の腹が膨れてしまうほど中に満ちていっぱいになる。
「はあ、はあ……」
くらりと眩暈を感じて頭を垂れる。倒れそうになったが堪え、彼女に微笑みながら髪を撫でた。
「とても、良かった。
幸せだーー俺は貴女の全てを貰い受けた。
……もうこれ以上願うものは、ない。
俺の命も想いも全て、貴女に捧げよう。」
姉は焔に包まれて亡くなった。
大切な人は、チアキローズ姫であり思い出せた。
ならば、もう思い出したかった記憶はない。
つまりユスターシュ自身はイーリスを必要としてはいない。
「貴女の剣となる。貴女を護り、
貴女の為に闘い、イーリスを手にしよう。」
ーーその後は。処刑の運命を受け入れる。
彼女の汗ばんだ髪を何度も愛しげに撫で、額にもう一度口づけをした。これで最後でも思い残すことはない。*
「ひぅ…っ♡」
ひくん、と私の体が、内側から震えます。それは満たされた事による喜びのそれでした。
苦しくなるほどに、腹部が膨らむほどに愛を注がれて私はまたぴくりと震えます。
荒く呼吸を繰り返しながら──彼の言い方に少しだけ嫌な予感がしました。
これ以上願うものはないと。
それに、私は彼の愛を受け止めながら微笑むのです。
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