71 【R18】歪んだ愛の形【身内】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
村人:1名、共鳴者:2名、囁き狂人:1名、人狼:1名、童子龍:2名
| (0) 2021/04/28(Wed) 10:04:30 |
ごめんね、本当は仕事持ち込まないように
心がけてるんだけど、
朝から急に仕事が増えちゃって
早めに終わらせなきゃいけなくてさ。
[
彼女はすごく大人しくて、
仕事してるのかとか聞いてきたり、
名前を聞いてきたり、シャワーを浴びには
すぐに行かなかったけどそこも可愛い。
]
名前…おーじさまっていつも
ここに来る時は書いてるよ。
サクラちゃんかぁ…可愛い名前だね。
ここのバスタブ広くてゆっくり出来るから、
行っておいでよ。ぼくも仕事終わったら
入ろうかなって思ってるからさ。
[
そういってまた、シャワーを浴びることを
促して笑みを見せたことだろうに。
胡散臭いと思われた可能性も
なくはないだろう。
]*
うん!今日の授業眠らないか心配…
難しかったら、質問してもいい?
海斗くんアルバイト始めてるって
聞いてるから、むりにとは言わないけど…
[ まりんに合わせて、
ゆっくり歩いてくれる海斗くんは
とっても優しくって、みんなに好かれる人なんです。
それに、賢くて、運動もできて、
まりんはそんなに賢くないので
中学生の時も高校生の時も、
テスト前は分からないところをよく教えてもらいました。
でも大学生になってから、
もっと知らない人と出会うようになって
海斗くんは更に遠い存在のような気がしています。 ]
……まりんのことは、気にしなくて
全然大丈夫だから、ね?
*
[
ごめんね、と謝られてしまうと
どう返していいのかわからず、
いえ…と首を振るしかありません。
慣れてるのか結構気さくに話しかけてきます。
少しだけ緊張はとけました。
危ない人だったら…と来る前は考えていましたし、
本当に来てしまいました…と思っていたのです。
たぶん、きっと杞憂なのでしょう。
]
おーじ、さま…?
……おうじ、くん?
な、なら先にシャワー浴びて、きます…。
[
ここに来るときは書いてる。
彼はそう言いました。
私は桜子という名前をもじっただけですが
彼はどうなのでしょうか。
偽名…?
……偽名ならちょっと大胆なセンスですよね。
案外、本名だったり…するんでしょうか。
世の中いろんな名前の人がいますから。
さすがにおーじさまと呼ぶわけにもいかず
さん付けもさして変わらないと思った私は
おうじくん、と呼ぶことにしました。
相手がどう考えても年上なのは
この際気にしたら負けでしょう。
微笑みかけられて、ぎこちなく笑みを返しました。
]
[
荷物を適当に置いて、シャワーを浴びることにしました。
覗かれる可能性はあるのかもしれませんが、
どうせ身体を晒すことになるのですから関係ありません。
Vネックの白ブラウスにタイトなスカートが今日の服装。
胸が大きいせいで着る服には難儀するのですが、
今日は別の意味で悩みました。
胸を強調するようなセクシーな服を着た方が良いのか、と。
でも結局、普通の服を選んだのでした。
Vネックと言っても深いものではないのです。
首周りが詰まった服は逆に胸が強調されてしまうので、
Vネックのブラウスはよく着ます。
シャワーを浴び終わって、下着を身につけて。
…バスローブでいいのか迷いました。
肌を重ねるのなら、服を着る必要はないのかもしれません。
……あの様子だと乱暴にされるとも思いませんが、
万が一がないとも限りませんし。
着てきた服をだめにされたら帰れませんから…。
バスローブを着て、着てきた服を畳んで持ち、
荷物を置いてある方へと戻ったのです。
]
おまたせ、しました。
あの、そちらはお仕事終わりましたか?
今日までよくがんばったね。
大学生か………もう高校3年が終わるなんて
時が流れるのはとても早い。
そうだ、理子。
家に帰ったら伝えなければいけないことがある。
着替えたら、ダイニングホールに
降りてくるんだよ。
[ マニュアルを運転している彼は
そう簡単に手が空くわけではないけれど、
赤信号のたびに彼女と唇を重ねて。
彼女自身が求めずにはいられないように
その3年間で教え込まれているから、
彼はご褒美をたくさん与えているだけ。 ]
[ 暫く車を走らせて、
郊外に出て行くと彼の家が見えてきたか。
正しくは外門ではあるが。
彼は正面玄関に車を停めると、
彼女の座る助手席を開けて
手を差し伸べた。
玄関先奥に見えるホールには
屋敷に従事する使用人たちが一斉に
彼女たちのことを出迎えて。 ]
理子は無事に受かった。
用意をしてあげるんだ。
[ 1番近くにいた彼のメイドにそう告げ
また後でね、と彼は一足先に
自室に向かってしまった。
とは言っても、彼女が捨てられるわけではなく
ダイニングホールにてプロポーズされるため
湯浴みをして綺麗な状態に
なってきてほしいというだけの話。
さ、向かいましょう?とメイドが声をかけるが
何も知らない彼女の反応はどんなものだったか。 ]*
眠いの?俺代わりに聞いといてあげるから
寝てても……まあだめか。
その時は起こしてあげるから心配しなくても
だいじょーぶだって。
質問?俺でわかることなら勿論。
バイトの後になっちゃうけどさ。
[ 歩幅を合わせてゆっくりと歩く。
まりんは二人でいるときはこんなに可愛いのに
皆といるとどこか内気というか、おとなしくなる。
こんなにいい子なのに、なんでだろうな?
まりんに勉強を教える名目で傍にいるために
人の何倍も勉強したし、
“悪い虫”がついたら追い払えるように
ある程度体も鍛えたから運動もそこそこは出来る。
美術とか音楽はさすがに才能の壁を超えられなかったけどな。
とにかく、俺が文武両道を実現できているとしたら
それは全てまりんのためでまりんのおかげなんだ。 ]
気にしなくて…?
俺、なんかした……?
*
清玄さんがいたから頑張れたんです!
えへへ…大学に行けるなんて
嬉しいな…ぜんぶ、清玄さんのおかげですね!
ありがとうございます!
[ 赤信号で止まるたびにたくさんご褒美をもらいます。
いろんなことを教えてもらっているので
キスだけでは全然足りないのですが、
にこにこと微笑みながらお礼を言うのです。
伝えなければならないこと、と言われれば
首をかしげます。何かありましたっけ、と
思い返してみるのですが、思い浮かびません。 ]
……?わ、かりました…。
[ 清玄さんが言うのですから、きっと大事なお話なのでしょう。
何かなぁ?と少し気になりましたが
あっという間にお屋敷につくのです。
最初に来た時はその広さに
おっかなびっくり歩いていたものでした。
清玄さんに差し伸べられた手をそっと取ります。
出迎えにも今は慣れました。 ]
用意…?
[ 着替えたらダイニングホールに、とは
聞いていますが、他にも何かすることが……?
と困惑しているとメイドさんが声をかけてくれました。
湯汲みに、と促されれば、
促されるままについていくことでしょう。
終われば私服に着替えて、ダイニングホールへと
向かうことになるのです。 ]*
うん、おうじくんで全然大丈夫。
[
手をひらひらと振って、
ぎこちなく笑みを浮かべ、バスルームへ
歩みを進めた彼女を見送った。
年下だろうけれど、特に気にしない。
どんな子であれ、1日可愛がる権利を
あの人は与えてくれているから、
急いで仕事を終わらせる。
]
30分くらいで上がってくるかな……
[
そんなことを呟きながら、
仕事を駆け足で終わらせていると
いつの間にか時間が経ってしまったらしく
終わってメガネを外し天を仰ぐ頃には
サクラちゃんの声がして。
]
おかえり。今やっと終わったところ。
さ、おいでおいで?
[
パソコンを閉じれば、隣の席を叩いて
おいで、と彼女に声をかけ。
まだ慣れていないだろうから、
ゆっくりと話を聞こうと思って。
えっちなことをしたいだけなら
躊躇わずに襲ってくる人間も多いから、
多分彼女は違うんだろうなと。
]*
ううん、眠たくはないんだけど…
話聞いてると、だんだん眠たくなるの。
こっそり起こしてね…?
[ 海斗くんはしっかりアルバイトまでしていて
まりんとは雲泥の差です。
アルバイトの後、本当は疲れてるのに
分からないところを教えてくれるので
せめてものお礼にと、
手作りのお菓子を渡しているのですが
気に入ってくれているのか、
いつも分からなくてドキドキします。 ]
んん、…そ、そうじゃないんだけど…
海斗くん、みんなに好かれてるし
みんなとの時間も必要かな、なんて。
まりんはサークルとかも入ってないし
1人の時間が多いけど、
海斗くんはそうじゃないでしょう?
[ 海斗くんを独占してしまっていることは
まりん自身もよく分かっていて。
海斗くんが何も言わないでいてくれるので
それに甘えているまりんなのです。
でも、なんだか彼の声は
どこか焦っているようにも聞こえました。
どうしてなのでしょう…… ]*
そんなこと言ってくれるの?
いい子に育ってくれて、僕もとっても嬉しい。
…もっと、楽しい生活にしようね。
[ 彼女を児童保護施設から引き取って、
レディになってもらうように
色んなことをその華奢な体に教えていった。
その体は、彼を喜ばせるためだけにあって
他の誰にも触ることを許せない。
勿論、両親と彼女と同性は除くとしても。
首を傾げる姿がちらりと視界に入れば
彼は悪い話ではないよ、と呟いたことだろう。 ]
────────
お風呂は気持ちよかったかな?
[ 彼女がホールに来たのなら、
スーツに身を包んだ彼が彼女の視界に
入ってきたことだろう。
またどうして、と聞かれる前に
彼は彼女の目の前に片膝をつく。
それはまるで────── ]
理子。
大学を卒業する4年後、
[ 手の中には、彼女のために作らせた
ダイヤのエンゲージリングが
きらきらと輝くリングケースがあった。
そう、彼は元々彼女が大学に上がる時に
プロポーズをすることしか頭になかった。
だから早く合格がわかりたくてたまらなかったのは
彼の中だけの内緒話にしておこう。 ]*
[
おうじくんで大丈夫、と彼は言っていました。
気にしないとは決めたものの、
やはり少し気になってしまいます。
声をかけると、先ほどしていたメガネは
外しているようです。
見える範囲にメガネが置いてあるのなら
つい視線は其方へと向けられていたでしょうね。
]
終わったんですね、お疲れ様です。
……あ、の……?
[
抱かれるのかと思っていたので
隣に座るように言われて
その意図を汲みかねていました。
でも、断るのも変な話ですし
近づいていって隣の席に座るのです。
……恰好も相まって全然落ち着きませんけれど。
何か話をしなければ…?と思ったので
]
な、慣れてるんですね……
[
なんて捻りも何もない言葉を。
私はといえば机の下に隠れた手が
実は震えていたりするのですけど…
気づかれなければいいな、と思ったりするのです。
]*
[ こっそり起こして、と言われて
もちろん、と頷いて見せる。
だって、まりんに頼まれたことだから。
アルバイトは生活費とお小遣い稼ぎ。
自分のためだからそんなにすごいとは思わない。
頼られるのは嬉しいから、お礼なんてなくても
全然気にはしないんだけど、まりんはいい子だから
手作りのお菓子をくれる。
すごくおいしいし、もらえるだけで幸せ。
お礼と感想は欠かさず伝えているつもりだ。 ]
みんなに好かれてると
みんなとの時間が必要なの?
……俺は自分がしたいように過ごしてるだけ。
だから、まりんが気にすることはないんだけどな
俺はまりんとの時間は大事な時間だと思ってるし。
…………それでも気になる?
[ というか、それを言うならお互い様なんだけどな。
だって、俺はまりんの時間を奪って
まりんを独占してるわけで。
俺が傍にいなかったら友達との時間とか
もっと増えるかもしれないし、
独占してるのはむしろ俺の方だと思う。
俺の時間は……まりんのためにあるから、
独占されてるとは微塵も思わないしな。
だから、気にして離れられるのは
何より耐え難い。嫌われてしまうなら
諦めざるを得ないけど、でも、それも嫌だから。
焦りが声音に乗ったのをまりんはどう思うんだろう ]*
[ 親がいない私は、施設で育ちました。
施設で育っていたら、高校はともかく
大学に行くのは厳しかったでしょう。
だから、清玄さんにはとても感謝しているのです!
清玄さんに恩を返すために
教えられたことは何でも吸収しました。
マナーだったり、お料理も今では少しできるのです。
悪い話ではないと呟きが聞こえて
ほっとしました。 ]
はい、いいお湯でした…!
[ 問いかけにはにっこりと笑って返します。
……でも、スーツ姿には少し首をかしげるのです。
どこかへお出かけなのでしょうか?
何か聞く前に清玄さんは片膝をつきます。
……物語の騎士様みたいです。
紡がれた言葉は―――― ]
[ 清玄さんの手には、キラキラと輝く婚約指輪が。
……前から用意されていたみたいです。
すごくすごく驚いてしまって
しばらく言葉に詰まってしまいましたが、
お返事は、一つしかありません。 ]
[ 左足を斜め後ろに引いて、右足の膝を軽く曲げて、
背筋はのばして。カーテシーで返したのです。
清玄さんが騎士様なら、私はお姫様…
になれていたら嬉しいな、って思いました。
断る選択肢なんて、あるわけがありませんよね。
何故かって…?
私の身も心も、清玄さんのために在るのですから。
]*
メガネ、気になる?
ブルーライトカットメガネ。
ありがたいことに目はいいからさ。
[
彼女の視線はパソコンの上に置かれた
仕事道具に行っていた。
気になったんだろうと思って
わざわざかけなおしてみた。
声をかけた彼女はどうにも困っていて
何がそんなに困っているのか分からなかった。
]
話を聞こうかなと思って。
サクラちゃん、何かあった?
お兄さんに話してみなよ。
[
慣れているんですね、と言われると
そんなことないよ、なんて言いつつ
きゅっと手を握ってあげて
距離を詰めてみたけれど、
やっぱり緊張されている気がする。
意図が伝わっていないなら、
取って食ったりしないよ、なんて言って
緊張をほぐす努力をしてあげてみる。
話を少し聞いてからでも全然大丈夫だから。
]*
えへへっ、でも海斗くんといたら
起きていられるような気がするんだけど
先生のお話もちょっと子守唄なんだぁ…
[ いいよ、と頷いてくれる海斗くんが
まりんは大切に感じてしまうのです。
でも恋人でもなんでもないから、
いつかはお別れなのかななんて思っています。
まりんは、学校が終わり次第
おうちに帰る選択肢しかないので、
海斗くんがアルバイトの間にクッキーだったり
ワッフルだったりお菓子を何かしら作って
海斗くんのおうちにお邪魔しているのです。 ]
あ、ぅ…ご、ごめんなさいっ……
そんな、つもりなくて…
[ お友達がそんなにいないまりんと
お友達が多い海斗くんでは
みんなの反応もとっても違って。
だから、不安もあってまりんは
海斗くんにそんなことを言いましたが、
海斗くんの焦り混じりの声と表情に
少し感情が混ざってしまい
涙が瞳に溜まっていきました。 ]
ご、ごめん……
[ ハンカチを取り出して、
涙が落ちないように拭きながら
彼の方をちらりと見てしまうのです。 ]*
気になる、というか…
目が悪いのかと思った、だけです…
その、かけてほしかったわけじゃ……
[
目が悪いわけではなかったみたいです。
私もレポートを書くのにパソコンは使いますが
仕事で使う人より頻度は明らかに低いですし
そこまで考えは至りませんでした。
かけ直したのを見て、
慌てて、かけなくていいと付け加えました。
]
話を…?
でも、お兄さんはその…
気持ちいいこと、しに来たのでは…?
[
そんなことない、なんて言われて
手を握られました。
……これで慣れてないは無理があるのでは?
と思わなくもないですけれど。
でも、彼がなんとなく緊張を解こうと
してくれているのは伝わりました。
だから、話をすることにしたのです。
]
……つい先日。
初めてできた恋人に振られたんです。
しかも…理由もよくわからないまま……
相手から告白されて、付き合ってて、
私は彼のことが好きでした。
初めてだって彼にあげたんです。
恥ずかしいからって外のデートより
お部屋でデートすることのほうが多くて
でも、幸せだったんです。
……幸せだったの、私だけだったのかなとか
私、何か悪いことしたのかな、とか
よくわからなくて、くるしくて……
[
こんなこと、初対面の人に話されても困りますよね。
でも、話し出すと止まらなくなってしまうのです。
馴れ初めだったり、付き合っている頃の話を
かいつまんでしてしまいました。
話してみても、何故振られたのかわからなくて。
やっぱり、私が悪かったんでしょうか。
じわりと目に涙が滲みます。
泣いたら、困らせてしまうでしょうけれど
止めることも、難しそうなのです。
]
[ 彼が彼女を引き取ると決めたのは
どうしてだったか。
とりあえず、中学3年生になる子から
1人を選んだことだろう。
行きたい学校に行かせたくて、
彼が毎日送り迎えができる学校で
選択肢を与えた事が懐かしい。
彼の運転に最初らへんは慣れてもらえず、
そこから始まるとは、と
彼も少し考え込んでいた。
とりあえずこの話はここら辺にして。 ]
…………………
あぁ、よかった……
理子。もっと顔を見せて?
[ 彼が立ち上がって彼女の顔を見ることができれば
両頬に優しく手のひらを添えて
車の中よりももっと柔らかくて優しい口づけを。
車ではすることができなかった、
柔らかく何度も角度を変えて口づけを。 ]*
それ、教授が聞いたら怒るだろうから
ちゃんと聞こう、な?
[ 子守唄、なんていうまりんは可愛いし
起こすのも聞き逃したところを教えるのも
全く苦ではないけど、
本人が気にするかもしれないから一応念押しはしとく。
バイトがあるせいで帰りは一緒に帰れないけど
まりんはその間にクッキーとかワッフルとか
お菓子を作ってくれてるみたいだ。
正直、勉強を教える対価としては
貰いすぎな気がするんだけど、
美味しいし、欲には負ける。
というか好きな人の手作りお菓子を断るバカ、
この世にいるんだろうか。 ]
…………ごめん、俺もそんなつもりじゃなかった。
[ とりあえず深く息を吸って落ち着こう。
まりんが気にしてることを解決する方法は…
わかってはいる、けど今言うと……
大学には遅刻しそうだし
そもそも行きたくなくなる。
俺はいいけど、まりんは気にしそうだから。
ハンカチで目元を拭っているまりんと目があう。 ]
あのさ、まりん。
今日はバイトないから講義終わったら一緒に帰ろ?
……大事な話があるから。
[ 宥めるように言ってみた。
これでも泣き止まないなら、今日は大学休んでもいいな
なんて不真面目な選択肢も視野に入れつつ。 ]*
[ 施設に清玄さんが来たときは
何故来たのかよくわかっていませんでした。
“選ばれた”時も何故私なのかわからず
小間使いというか、お手伝いさんとして
呼ばれたのだと最初は思っていましたっけ。
まさか行きたい高校に行かせて貰えると知った時は
とても嬉しかった記憶が今も鮮明に思い出せます。
せいぜいバスに乗るくらいで
車にあまり乗ったことがなかったのと
運転してもらっているのに慣れなくて
そわそわとしていたのはもう前の事。 ]
嬉しいです、ずっと夢みてたんです…!
[ 顔を見せて、と言われればその通りに。
頬を手のひらで包まれて、優しく口づけをされて
それに応えるのです。少し吐息を漏らしてしまいましたが
心地よいので仕方ない…と思います。
清玄さんがダメ、というのなら我慢もしますけれど。
口づけの後は思わずぎゅうっと抱きついてしまいました。
嬉しくて、気持ちを抑えられないのです。
合格していただけでもうれしかったのに。
今日は本当に、運命の日みたいですね! ]*
あ、そんなにメガネ野郎は好みじゃない?
[
彼女の静止を聞けば、眼鏡をかけようとした
その手はぴたりと止まって。
手元のものはまたパソコンの上に戻され
彼女の方をまた見直した。
話をする体勢なのが不思議なのか、
結構ど直球に聞かれてしまったなら、
笑って大丈夫、と何度か言ったはず。
]
そんなの、追い追いでいいんだよ。
僕はその気じゃない人を抱くほど
飢えてるわけじゃないしね?
[
そんな話をして、漸く話してくれたのは
彼女の元カレとの話。
普通なら、彼氏いる女の人とはしないけど
彼女は別れてしまったらしい。
馴れ初めとか、データの内容とか、
聞けば聞くほど彼女が哀れに感じた。
使い捨てのラブドールのような扱い。
それが話を聞いていて浮かんだこと。
]
……頑張ったね?
酷いなぁ…こんなに好きになってくれてるのに。
そんな、綺麗な涙を流す必要なんて
どこにもないのに……
[
涙が溢れそうになっているなら、
握っていた片方の手を離して
溢れそうな液体を優しく親指の腹で
すくってあげた。
そして、自然と距離を詰めれば
頬に手を添え唇を優しく何度か重ね。
勿論、嫌がられたなら大人しくしたはず。
]*
やっぱり、怒られちゃうかなぁ……?
海斗くんと一緒に頑張る!
最近ね、お母さんにお菓子作りすぎって
言われちゃった…
[ 海斗くんにそれだけ分からないところを
まりんは聞いているようでして。
お母さんに、あんまり作りすぎちゃ
海斗くんにも迷惑がかかるかもだから
ダメって言われているのはまだ内緒です。
海斗くんに作ることを考えて、
たくさん色んなお菓子を覚えるように
そっちに時間を割くのがいけないのでしょうか。 ]
今日、アルバイトないの…?
うん!一緒に帰る!
[ アルバイトがないのであれば、
彼のおうちで沢山質問するのです!
でも彼は大事な話があるって。
まさか、まりんと別のクラスを……?
でも、履修登録は一緒にしましたし、
それは無いはずなのです。
涙は引いてしまって、まずは学校へ
遅刻しないけれどちょっとギリギリのタイミングで
最初の講義の席に座るのでした。
彼のお話の内容を早く聞きたくて
眠ってしまうことはなかったけれど
そわそわとしていたことは
並んで座る彼に伝わっていませんように。 ]*
本当に可愛い子になったね……
そうだ、記念に卒業式後に
3泊4日で行きたがってた夢の国、
スイートの予約取ったから……
一緒に行ってくれるよね?
[ ぎゅうっと抱きしめられるのなら、
よしよし、と彼女の柔らで手入れの行き届いた
その髪を撫でてあげた彼。
夢見ていた、という彼女にもうひとつ。
彼女を大御門の屋敷に引き取ってから、
彼女が行きたいと言ったところは
どんなところでも連れて行っていた。
今度の場所は更に彼女が熱望していた
夢と魔法の国。
スイートで3泊4日だから十分に満喫出来る。
食事も園内も部屋も、全部。
彼女が断らない性格だと言うことを
悪用した質問の仕方だと、誰かに言われそうだが
あまり気にしない方向で。 ]*
[
メガネは好みじゃない?と言われれば
ふるふると首を振ります
好みかどうかで言えばどちらでもないですから。
……この人には
あまり似合ってない気はしますけど、ね。
疑問をぶつければ笑われてしまいました。
直球過ぎたみたいです。
……でも、追い追いと言われるなら
引き下がるほかありません。
話をしている間、彼の顔はあまり見ていなかったのですが
話し終わってかけられた言葉は優しいものでした。
ひどいとか泣く必要はない、と言われても
その意味はよくわかっていません。
今にも溢れそうになっていた涙をそっと拭われて
思わず、彼のほうを見るのです。
]
あっ…ありがとう……
[
慰めようとしてくれているのでしょうか。
優しく唇を重ねられて、驚きでほんの少しの間
涙は確かに止まりました。
でも――
こんなキス、されたことあったかな、なんて
考えてしまったせいで、止まっていたはずの涙は
再びあふれてしまうんです。
……今日初めて会う人とのキスのほうがよほど
恋人らしいと思ってしまったのは……
錯覚でしょうか。
錯覚であってほしいです。
だってそうでなければ……
]
ごめんなさい……な、ないてばっかりで…
[
泣いてばかりで困らせているかもしれませんけど…
優しくしてくれるのに甘えたくなってしまうのです。
抱きしめて欲しい、ぬくもりが欲しい、と
目の前の人に抱きついてみました。
彼が嫌がるなら離れざるを得ませんけれど。
]*
ま、思ってても教授に言ったらダメだろーなー。
作りすぎ……?量は特に…ああ、頻度がってこと?
まりんが作りたいって思ってくれるなら
俺は喜んで食べるけど?
でも、作るのも大変だろうから
無理はしないで欲しい、かな。
[ 迷惑だとは微塵も思っていないけど
課題とかやる時間だってあるだろうし
お菓子作りって時間かかりそうだから、
無理はしてほしくない。
レパートリーが増えていってる気がするのは
俺のためかも?と思うと嬉しいけどな。 ]
今日は休み。
ほら、働きすぎても所得制限とか色々…
[ 体力とかは平気なんだけど。
まりんに話しても仕方ないことだし適当に流しつつ。
大事な話、に何か反応しているようなら
そんな深刻な話じゃないとは言っておこう。
色々話をしてたのもあって、
学校についたのは割とぎりぎり。
幸いなことに最前列とかいう
罰ゲームみたいな席だけは回避できた。
……真面目に聞いてはいるけど
圧を感じるからあんま好きじゃないってだけ。
隣に座るまりんはといえばそわそわしている様子が
なんとなく気配でもわかってしまう。
わかりやすくて可愛い。
講義が頭に入ってなくても大丈夫なように
しっかり聞いておこう。
]
そういえばさ、まりんはサークルとか
興味あるのなかったんだ?
[ 午前の講義が終わりお昼休みになって
二人で昼食を取っているときに
そんなことを聞いてみた。
ちょっと不思議だったんだよな。
何かしら興味を持ってもおかしくないかな?
とかこっそり心配していたから。
……サークルに入るなら同じところに
行くつもりでいたけどな、当然だろ。 ]*
夢の国…!
清玄さん、覚えていてくれたんですね!
もちろんです!楽しみですー!
[ 可愛いと言われると心がほわほわします。
この三年間、望まれるようにしてきたのですから
褒められるのは何よりうれしくて幸せなのです。
思わず抱きついてしまいましたが
優しく撫でてもらえて、
つい離れたくなくなってしまいます。
いい子でいないといけないのに、このままでは
悪い子になってしまうかもしれないですね。
しばらくしたらそっと離れて、
夢の国のお話をするのです。
お返事ですか?断る必要なんてどこにあるのでしょう? ]
私、ポップコーンとかチュロス食べたいです!
あっ、カチューシャもつけてみたいなぁ…!
………謝らなくていいよ?
泣きたいなら泣いていいんだから。
[
柔らかかった彼女の唇。
たのしもうと思っていたけれど、
涙が感じられたので一旦離れて
頬を撫で、涙を拭いてあげる。
謝る理由なんてないのに、
泣いているだけで謝る彼女は
相当滅入っているようにも思えた。
]
柔らかい体だね、サクラちゃんは。
……よし、このままベッドに移動しよーう。
[
ぎゅうっと抱きしめてあげれば
むにぃっと彼女の柔らかい体が
腕の中に入っていくのだけれど、
このままキスしたいなんて思ったから
彼女に場所移動を提案してみたり。
シャワー浴びてないな、なんて
一瞬思ったけれど、彼女と離れたくなくて
指摘されないならそのまま抱いてもいいかなと
頬に軽く口づけを落とした。
]*
[
頬を撫でられるのも、涙を拭かれるのも
…手付きがとても優しい気がします。
優しくされればされるだけ、
甘えたくなります。
縋りたくなります。
求めたくなります。
……今だけは、
そうしていてもいいんでしょうか?
]
でも…お兄さんが…
困って……
[
せっかく涙を拭ってもらっても
泣くのを止めることは出来ません。
初めての恋人に振られて、
滅入ってしまっていたのは事実です。
わすれさせてほしい、のです。
私は、そのために来たんです。
]
[
ベッドに、と言われたら
こくり、と頷きます。
離れたくなくて、場所を移した後も
彼の腕の中からは離れようとしなかったでしょう。
キスを求められるのなら、求められるままに。
]*
……いやなことぜんぶ わすれたい……
うー……頑張るよう…
まりんはね、
海斗くんと海斗くんのご両親に
沢山喜んでもらいたいの!
[ でも、両親に材料を買ってもらっているので
あまり作りすぎてはいけないような気も…
無理をしないで、と言われると
全然大丈夫!なんてまりんは言ってしまいます。
だって、新しいものを作って
喜んでもらえるのなら、全然大丈夫な話ですし!
少し先生からは遠い場所に座れたので
頑張って起きていましたが、
海斗くんをたまに見て先生の話に
耳を傾けると言うことをしてしまいました… ]
────────
へっ、……?
あ、う、うーん……
特に、なかったかなぁ……
まりん……人見知り、治せてなくて…
[ お昼ご飯は自分で作ったお弁当です。
もぐもぐとしていると、
サークルの話になってしまいました。
少しへんな声が出てしまいましたが、
食べるのを一旦やめて考えてしまうのです。
殆どのサークルがとても人数が多くて
まりんは上手く仲良くなれる気がしなくて
どこにも入りませんでした。
人見知りの話を出せば、
彼とは視線を逸らしてしまいました。 ]*
だって、テレビなんかで特集があるたび
行きたいって言ってたんだから。
それを忘れている方がおかしいでしょ?
……そうだ、左手出してごらん?
[ まだ彼のポケットの中にあるリングケースから
改めて彼女のためのリングを出した。
彼女が左手を差し出してくれるなら、
その薬指にリングを通して彼女と彼の繋がりを
強くすることになっただろう。
彼女がもし、彼の分はと聞いたなら
彼女の部屋のどこかにおいたよ、と
宝探しを後からしようと誘って。
でも、勿論夕食が先になるだろうが。 ]
ポップコーンにチュロス……
卒業式までまずはきちんとね?
卒業式の後そのまま行くから
きちんと準備を前の日までに済ませること。
……理子なら大丈夫だとは思ってる。
[ また後で、一緒に考えようね、とも
彼は多分伝えながら、夕食の準備をさせた。
マナー講座の確認ついでで
基本的にはコース料理になっているから、
それから暫く彼は彼女と2人の時間を
楽しむことになっただろう。 ]*
[ お菓子のおすそ分けは両親にも渡されている。
貰うたびに、まりんちゃんはいい子ね、と
親はべた褒めだったりする。
それには全力で同意するけど、
母親はともかく父親までお菓子を食べてるのは
若干納得がいかない。
……誰にも言わないけど。
講義中、たまに視線を感じた気がしたけど
ノートやメモをとっていたから
まりんのほうを気にかける余裕がなかった。 ]
ちょっと気になっただけだから。
特にないなら無理して入ることないし、
人見知りだって、気にすることないって。
それに全く話せないわけじゃないだろ?
話せる人が少しでもいたら困らないからさ。
俺だっているし、な?
[ お弁当も自分で作ってるなんて
偉いなあといつも思う。
何気ない問いかけだったけど、
まりんにとっては違ったみたいだ。
少人数のサークルもないことはないから
そういったところに興味を持っても…
みたいに思っただけだったけど、
考えさせてしまってちょっと申し訳ない。 ]
――――――
[ 物心ついたときから一緒だった彼女。
自分に向けられた笑みがすごくかわいくて
気づいたら好きになっていた。
登下校はずっと一緒だったし
隣に住んでるっていうのもあって、欠席したときに
連絡帳だったりプリントを届ける役目も大体自分に。
……ずっと一緒にいすぎていた自覚はある。
恋人でもないのに登下校や休み時間もいっしょで
彼女が人見知りなのは
自分のせいかも、と思いつつ
つきまとうのをやめることはしなかったけど。 ]*
今夜は僕が沢山可愛がってあげる。
サクラちゃんが好きなところ、
隅々まで教えてもらうからね?
[
彼女を抱きしめたままキングサイズの
ダブルベッドがある寝室へ向かうと
優しく彼女をその広いベッドへ寝かせた。
涙が止まっていなくても、
大丈夫と呟いてまた唇を重ねた。
柔らかい唇を堪能するように
何度も角度を変えて食む感覚で
唇を重ねながら、
両手を指をひとつひとつ絡めていって。
]
僕、今日ゴム1箱なんだけど、
5個しかないからさぁ……
全部使い切っちゃおうね?
[
それから先のことはなにも考えていない。
でも、使い切る時もあれば
逆もあるから彼女とは使い切る前提で
楽しんでいきたくなって漏らした。
軽く伝えると、彼はバスローブの紐を解き
彼女の内側を見せてもらおうと手をかけた。
]*
そ、そうでしたっけ…
小さい頃からずっと憧れだったんです!
それに大好きな清玄さんと行きたいなぁって
ずっとずっと思っていたんです…!
[ 左手を、と言われて勿論差し出します。
差し出した手の薬指に
先ほども見たリングを通してもらって
清玄さんの婚約者だと強く実感するのです。
……清玄さんの分はどこにあるのでしょう?
聞いてみたら私の部屋にあるそうです。
もちろんさがします!
夜ご飯の後が楽しみなのです。 ]
あっ…レディが食べるには
ポップコーンはお行儀が良くないでしょうか…
はいっ!わかりました…!
[ はしゃいでしまいましたが、いい子にしないといけません。
食べながら歩くことになる気がしますから、
もしかしたら良くないのかも?
と清玄さんの反応を見て心配になってしまうのです。
夕食の準備を促されて、用意をするのです。
前はよく分からなかったテーブルマナーも
今はばっちりなのです!
清玄さんにふさわしいレディになるためなので
たくさん努力したんです。
お食事中もさっきのプロポーズが頭から離れなくて
騎士様みたいでした…!なんて言ってしまいました。 ]*
隅々まで……
……っ、ん……
[
そんなことを言われると恥ずかしくて
頬が熱くなりました。
確かに見せることには違いないですけど…
広いベッドに寝かされて、
何度も何度も唇を重ねられます。
……気持ちいい、です。
キスの気持ち良さを知らなかった私の瞳は
どこか戸惑いの色を映していたかもしれません。
指を絡められているのに気づけば
少し胸がざわついた気がします。
……何故なのか、わからないですけれど。
でも、離してほしくなくて手をぎゅっと握りました。
]
5個……しか……?
[
さも当然のように言われて少し混乱しました。
でも嫌ではないことだけは伝えておきましょう。
だって、お互いそのために来ているはずですから。
するりとバスローブの紐を解かれても
少し身じろぎしただけでした。
目はさすがにそらしてしまいましたが。
薄いピンク色のレースの下着が
彼の目に映ったことでしょう。
人より大きい胸のサイズを聞かれるなら、
正直に、Fです…と小さい声で伝えるのです。
]*
[ 彼のお家にお邪魔する時、
偶に彼が帰ってきてなくてご両親とばったりに
なることもあるのです。
そんなときは、手持ちのお菓子を差し上げてから
お邪魔させてもらっています。
殆どの時は海斗くんのお母さんが
おうちにいらっしゃるのですが
稀に海斗くんのお父さんもいらっしゃって。
お菓子を食べながらおいしいねって
言ってくださると、ほっこりするんです。
でも、帰ってきた海斗くんは
それを見るとちょっとだけ不機嫌というか
納得していないような雰囲気になることもあって。 ]
[ 講義中に話をしては失礼なので
海斗くんがまりんのほうを向いてくれなくても
問題はないのですが、やっぱり寂しいです。
でも、講義が終わるたびに話してくれるので
それはそれでカバーできていると
まりんは思っていますよ! ]
そ、うかな……
大学生になってからも、
海斗くん以外の子とお話ししないし…
ちょっと不安ではある、かなぁ…
[ 気にすることないと言われると、
まりんはそう思えなくて少し下がったトーンで
海斗くんと話を続けてしまいます。
実際、入学してからまともにお話できる人が
数えるほどしかいなくて、不甲斐なく思うんです。
もぐもぐと改めてお弁当を食べ終われば
片付けをして午後のことを思い出します。
また講義を受けて、海斗くんと一緒に帰る。
早く講義終わらないかな、なんて
まりんは考えてしまうのでした。 ]*
…こんなキス、初めてだった?
[
一瞬離れたことで見えた彼女の困惑。
それを写したガラスのような瞳は
先程までの涙で潤み、困惑で時折色んな方向を
見てまわまっていたきがする。
不意に出たそんな言葉で、
彼女のこれまでのものが全て相手本意だったことに
気づかなければいいと心のどこかで思った。
]
5個使い切らない時もあるんだよ?
でも、サクラちゃんとなら使い切っちゃいそう。
偶に休憩挟んであげるから、
体がもつかどうかはあんまり考えないでね?
[
別に朝から使ってやってもいいんだし、とまでは
口にしなかったけれどホテルのチェックアウトまで
時間は十分と言っていいほどあるのだから
好きなようにやればいい。
視線は逸れてしまったけど、
こちらの視線は彼女の身につけている下着に。
薄ピンクなのかな。サクラ色で可愛い。
Fカップは、楽しみ甲斐があるな、と思いながら
まずは首筋から下の方にかけて口づけを。
首筋、肩、鎖骨、デコルテ、そして谷間に
ちゅ、っと軽く触れるだけのキスを。
]
すっごい柔らかいなぁ……
[
絡めていた両手を離せば、
谷間の方からむにっと指を入れてみるけど
ふんわり柔らかで上下にこれが動いていくと
考えるだけで血の気が下の方に進んでいく。
暫くは両手を使って下着の外側から
真ん中に寄せて谷間を作っては離し、を
繰り返してその柔らかさにハマっていった。
]*
……初めて、です。
気持ち良くて…
もっと……
[
視線が交わった時に頷きました。
もっとほしい、といいそうになって
口をつぐむのです。
言っていいのか、わからなかったから。
一夜の相手のはずなのに
何故、やさしいと感じてしまうんでしょうか。
……そう感じるのは気のせい
そうじゃないといけない、はずなんです……。
]
私となら…?
もっと慣れてていい人なんていそう、ですけど…
[
朝から、などと相手が考えているとは知る由もなく
そんな風に疑問に思うのです。
少し楽しそうに見えるので、
気にすることはないのかもしれませんが。
桜子、だから桜色は好きです。
単純ですけれど、小さい時からそうでした。
……小さい頃はさくらちゃんと呼ばれていたので
彼がそう呼ぶのは少しくすぐったい気持ちになります。
結局、おうじくんはおうじくん、なのでしょうか。
とりとめもなく考えていると
触れるだけの軽いキスが落とされていました。
本当の意味で可愛がられているような―――
]
そんなに好き、なんですか…?
[
直接胸を触られて少しびくっと反応してしまいましたが
下着越しに寄せては離すのを繰り返しています。
どうしたらいいのか迷った私は
彼の頬に手を伸ばして、
届くのなら撫でようとしたことでしょう。
]*
[ 講義中だとしても
まりんのほうを見ていたいのは確かだけど。
残念ながらあんまり器用じゃないから
しっかり講義を聞こうと思うと
それはなかなか難しい。
でもその代わり…というと変だけど
講義が終わったらすぐ話しかけてる。
嬉しそうにしてくれるまりんは
やっぱりすごくかわいい。 ]
んー…
まりんは俺とは話せてるわけだし、
話したいって思う人が現れたら
きっと話せるって。
だって、まりんはすごくいい子だから。
案外年上の先輩とかのほうが
まりんにとっては話しやすいかもな?
[ ま、話せる相手が男だったら引きはがすけどな。
まりんが話す異性は俺だけでいい。
そんなことしているから、
まりんの交友関係が狭くなる…と指摘されるなら
特に否定するつもりはないけど、
それの何が悪い?とも思ってる。
……彼女が嫌がるならやめるけど、さ。
午後の講義は、昼食後なこともあって
眠くなりがち。俺は寝ないけど
もしまりんがうとうとしていたなら、
起こしてあげたりしつつ。
講義が終わったら、帰ろうか、と
声をかけただろう。
どこか行きたいところがあるなら
付き合うなんて言ってみたりしつつ。 ]*
[ 彼がつける分は彼女の枕の下に。
メイドに任せておいたから大丈夫なはず。
毎日綺麗にベッドメイクをされるから
彼女も探しやすいはずだが
もし見つけられなくても
寝転んだときにわかるようにそこにした。
探している姿を見るかどうか考えつつ
彼女の薬指に光るダイヤが目に入れば
長かったな、と彼は感じる他ない。
何が長かったかは追い追い分かるかもしれないが
まずはひとつのことをクリアしたという事実を。 ]
いいや、その場所にはその場所の
楽しみ方があるから、
全く悪いことではないよ。
欲しいものはなんでも買ってあげる。
でも、ひとつずつ食べきってから、ね?
[ 彼女の食べ方をひとつひとつ確認して
いい子に育ったな、と感じて行く。
勿論、マナーも大切だけれど
そちらに気をとられて食事を楽しめていないのは
もっといけないことなので、
彼女にも最初の頃から楽しむことを
優先するように、と伝えている。 ]
理子だけの騎士でありたいから、
そばから離れないでね?
[ 騎士様、なんて言われたら
先程の彼女のカーテシーは……
あっていないかもしれないけれど、
可愛かったからそれでいい。
彼だってきちんとマナーについて
覚えているわけではないから。
ふふっと笑みを浮かべれば
最後のコーヒーまでしっかりと満喫して。 ]*
[ きちんと講義は聞くけど、
海斗くんほどしっかり
ノートを取るような人間ではなく
話が偶に「あの話ってどういうこと…?」って
講義の話になることもあるのですが、
それでも彼は優しく丁寧に教えてくれます。
まりんがお邪魔をしていないと良いのですが… ]
年上の、先輩……?
仲良くなれるのかな…
まりん、サークルにも入ってないのに…
[ まだ大学のことがよく分かっていないので
そんな年上の先輩とお話しするタイミングが
存在しているのか分かっていません。
もし海斗くんが方法を教えてくれたなら
すごーい!と返事をしてしまった方でしょう。
午後の講義は、日も当たってうとうと。
海斗くんがこっそり起こしてくれたなら、
ノートの端っこにありがとう、と
書いて彼にちらりと見せたのです。
講義終わりは背伸びから入りまして、
海斗くんに声をかけられると
おうちに帰る!と言いまして。 ]
歩きながらお話しする?
それとも、まりんのおうちに来る?
*
ほら、学年とか関係なく
受けられる講義、あるじゃん?
そういうところで案外知り合えたりとか…
ああ、あと困ってる人に声かけてみたら
その縁で仲良くなったりとか……
でもまあ、まりんがお話するの苦手なら
無理することもないと俺は思うけどな?
[ 縁なんて案外簡単に拾える、とは思う。
まりんはいい子だから、年上の女性とか
結構可愛がられそうな気がするし、
話せる人を増やしたいと思っているのなら
そういうタイミングはあると思うって
教えてみるのもいいかな、なんて。
日があたって暖かいのもあり
うとうとしていたまりんを起こすと
ノートの端にお礼の言葉が見えた。
伝え方とか、本当に可愛いと思う。 ]
ん、歩きながらするにはちょっとなー…。
まりんの家行っていい?
そうだ、折角お邪魔するし
何かケーキとか買っていく?
[ 歩きながらする話ではないというか。
別に聞かれて困ることはないけど、
まりんも同じかどうかはまた別問題だろうから。
家に、と言われるのならとくに断らない。
でも、手土産の一つくらい持っていった方が…
と、思ったからそんなことを言ってみたり。 ]*
[ リングを探すとき、
私は清玄さんも一緒に来るものだと思っていますが
忙しかったりするのなら無理強いは出来ません。
薬指に光るリングを見ると頬が緩みます。
このお屋敷に来たばかりの頃では
清玄さんの言葉を勘違いしてしまったせいで、
こうなるとは想像もつかなかったですから。 ]
ひとつずつ…わかりました!
でも色んなものを食べたいです……
食べきれるでしょうか……
[ ひとつずつ、という言葉にうーん、と
少し考えてしまいます。
清玄さんと半分こ…
とかしてもらえるでしょうか…?
マナーを習いたての頃は当然、
所作を完璧に、とはいきませんでした。
それでもめげずに頑張れたのは、
お食事を楽しむことを優先するようにと
清玄さんに言ってもらえたからなのです。 ]
もちろん離れません…!
ずーっと一緒にいますね!
[ 私は親の顔を知らないですし、
どんな血筋のもとに生まれたのかはわかりません。
でも、きっと良い家柄に生まれたわけでは
ないと思いますから、清玄さんにしたカーテシーは
間違いではないと思い込んでいるのです。
コーヒーカップをソーサーに戻して
お食事が終われば、お部屋に戻ります。
リングを見つけて清玄さんにも付けてもらうのです! ]*
……あっ!こ、このあいだね!
女の人に声かけたの!
[ 海斗くんがアルバイトだったので、
なんとなく行ってみたいと思って
いつでも参加できる講義に行きまして、
席を探すのに精一杯だったのですが
なんだか落ち込んでいる人が目に入って
ついつい声をかけたことがありました。
その女性は、あまり何も言われなかって…
とりあえず講義の間はお隣にお邪魔したけれど
特に何も聞くことができず……
ノートに書いたお礼は、また後で
きちんと言葉にしましたよ! ]
ケーキ、買うー!
あのねマリン、ガトーショコラがいい!
[ まりんと海斗くんのおうちの近くにある
ケーキ屋さんに寄りまして、
まりんはガトーショコラで、
海斗くんは何か買っていたでしょうか?
まりんはよく彼のおうちに行くけれど
海斗くんがお家に来てくれるのは
久しぶりな気がします!
おうちに帰ってきて、
まだお母さんもいないことを確認すると
海斗くんをケーキと共にお部屋に通しました。
まりんは何か飲み物をと思い
キッチンからオレンジジュースを
持って部屋に戻りました。 ]
おまたせー!
えっと、とりあえず乾杯?
[ へへへっと笑って、
オレンジジュースをグラスに注いで
部屋の真ん中にあるテーブルへ
彼の分と自分の分と置きました。
さ、ケーキと共にお話を聞く準備完了です! ]*
[ エンゲージリング探し。
彼女に一緒にしようとお願いされれば
二つ返事でいいよ、と彼は答えた。
答えを知っているから、適当にすると思うが。
彼女は日に日に大御門に染まっていった。
勿論、当たり前に大御門一家のひとりとして
接していったわけだから当然ではあるのだが。
でも初めの頃は少し誤解を
されていたこともあったらしい。 ]
シェアをしたら、ひとつでも多く
食べられるだろうけれど、
4日もいる予定だから計画立てよう。
[ 流石に4日もいたら大半は試すことができるはず。
ただし、部屋の外に出たなら、の話ではあるが。
全日程晴れていれば良いが、
もしかしたら晴れない可能性があるから。
それと、晴れていても出ない可能性はある。 ]
ふふ、いい返事だね。
理子の部屋の中以外には置いてないから、
部屋の中をゆっくり探そうね。
[ 2人とも食事が終わったので、
彼は彼女の手を取って彼の部屋近くにある
彼女の部屋にむかうことにした。
彼女の部屋もとても広いもので、
キングサイズのダブルベッドに加え
ウォーキングクローゼットもあり、
世の中の女性が夢見る『お嬢様』のそれだろう。 ]*
おー!まりんすごいじゃん!
もしまた会えたら
もっかい声かけてみてもいいんじゃない?
その人もまりんと同じで人見知りだったのかも。
[ 詳細を聞くことが出来たなら、
そんなことを言ってみた。
落ち込んでいたのなら
返す余裕がなかったのかもだし、折角の縁。
もう一度くらいはいいのでは?
なんて思ったりする。
ノートのお礼だけでも十分だったのに
律儀にもう一度お礼を言ってくれて
そんな気にしなくていいのにって笑顔で返した。 ]
ガトーショコラ?
じゃあ俺は……モンブランにしようかな。
[ 近所のケーキ屋でそんな会話をしつつ
自分の分とまりんの分、ご両親にも一つずつ買って
まりんの家へと向かった。
部屋に通されるのは久しぶり。
幼馴染とはいえ、男を無警戒で通すまりん、
警戒心的な何かが足りないような気は……
相手が俺だから、まあいいか。
待ってる間、手持ちぶさたで
ついきょろきょろとしてしまった。
部屋の内装というか、
趣味はあまり変わってなさそう。
可愛い女の子の部屋って感じで。 ]
ううん、持ってきてくれてありがとな。
じゃあ、乾杯!
[ グラスを持ち上げて、乾杯して。
ケーキに手を付けつつ、本題に入ろうか。 ]
まりんってさ、俺とずっと学校が一緒だったこと、
偶然だと思ってる?
もし……偶然じゃないって言ったら。
まりんがいるから高校も大学も選んだって言ったら…
どう思う?嫌なら嫌って言ってもいいからさ。
正直に答えて?
*
う、うん!もし、会えたら…声かける!
……海斗くんも、一緒に…いてくれる?
[ ひとりで講義が受けられるとはいえ、
やっぱり緊張してしまいそうで…
海斗くんがそばにいてくれたなら、
勇気を出して声をかけられそうな
そんな気がするのです。
でも、忙しかったらダメだろうなぁ、と
少し諦め半分に、
まりんはお尋ねをしてみるのでした。 ]
んー!美味しい……
[ 乾杯をして、ガトーショコラを一口。
口の中に広がる濃厚なチョコの味に
頬が落ちてしまうのではと思ってしまいました。
ふと、海斗くんが口を開くと
大学まで一緒だったことが偶然ではないと
言われたような気がします。
海斗くんが言っていることはつまり、
まりんが行く学校に一緒に受験をして
一緒に合格をしていたということです?
それが、嫌かどうか、…… ]
いやではないけど、ごめんなさい…
海斗くんならもっといいところ、
目指せたはずなのに……
海斗くんのお父さんたち、
嫌な顔しなかった……?
[ やっぱり、我が子ですし…
いいところに行ってほしい気持ちが
あったのではないかと思うと、
しゅんとした表情になってしまいます。
嬉しい気持ちがありつつも、
ごめんなさいの気持ちも沢山です… ]*
[ 大御門家の御屋敷にいる方たちは皆優しくて
右も左もわかっていない私の事も
家の一員として接してくださったんです!
初めのほうに誤解をしていたのは、
清玄さんの言葉をきちんと
理解できていなかったから、でした。
……“愛玩具”の意味なんて、知らなかったのです。 ]
清玄さんと半分こ出来るんですか?
嬉しいです!
食べたいもの、リストにまとめないとですねっ!
[ 三泊四日と言っていました。
そんなにいられるのなら、計画を立てれば
行きたい場所や食べ物は網羅出来そうな気がします!
それにしても…清玄さんとお泊りなのです。
別に初めての事ではありませんが……
今度こそ期待、していてもいいんでしょうか。 ]
[ 清玄さんと手をつないで、私の部屋へと向かいます。
エンゲージリングは私のお部屋だけにある、
とは言ってもとても広いのです。
ウォークインクローゼットの中から
見ていくことにしました。 ]
どこにあるのでしょう……
[ 思わずちらりと清玄さんを見てしまいますが
もちろん教えてもらえるはずもありません。
クローゼットの中にはなさそうです。
勉強のために使っている机と引き出しも
探してみてもなさそうです。
うーん?と首をひねってしまいます。
あとは……ベッドはまだ調べていません。
何気なく枕の下を調べて…… ]
……!見つけましたー!
[ にこにこと、清玄さんの分のリングを
差し出すのです。それとも私が
清玄さんの薬指に通したほうがいいのでしょうか? ]*
俺も…?もちろんいいよ。
でも、バイトと被った時はごめんな?
[ 講義の日はシフトずらしてもらえばいいかな
と思いつつ、今決まっている分は
そう簡単に変えてもらうわけにもいかないから。
一緒にいるだけで勇気が出せるのなら
喜んで傍にいるつもりだ。 ]
ほんと、美味しいな。
[ モンブランは栗のクリームがくどすぎず
適度に甘くて美味しい。
学校が同じだったのはなぜなのか、
まりんに言ってみれば彼女の顔は
少し曇ったような気がする。
もっといいところ、か…… ]
父さんたちは別になんも言ってないよ。
俺が行きたいところがいいところだろうって。
……ま、先生には微妙な顔されたけどな。
でも先生は進学率を気にしてるだけだろうし
俺は全然気にしなかったけど。
[ 両親は俺がしたいようにすればいいと
言ってくれた。
レベルを上げることは確かにできたけど、
まりんがいない大学に行きたくなかったし、
今の大学なら奨学生になれて、
学費を安く済ませられているから
親孝行も…しているつもりなんだけど。
それはそれとして…まりんが嫌じゃない、
と言ってくれたことが俺にとっては重要だった。 ]
まりんが気にすることは何もないよ?
だって、俺が行きたいって決めたから。
……確かにいいところ、行こうと思えば行けたとは思う。
でもさ、まりんがいないところに行くの、嫌だったから。
まりんと離れたくなかった。
大学も学部も、授業まで一緒にする理由なんて
それしかないだろ…?
*
ほ、ほらやっぱり……
[ やっぱり海斗くんは、
もっといいところに行けたみたいです。
まりんはどう言っていいか分からず
言葉尻が萎んでいくのでした。
もくもくと、ガトーショコラを
ひと口、ひと口と食べましたが、
海斗くんの言葉を聞いていると
彼の方に顔が向いていきました。 ]
海斗くん、どうして?
だってまりんと一緒にいても…
いいことなんて起きないかもしれないのに。
[ いい大学に入れば海斗くんに見合う
お友達だって沢山できたはずなのに、
なぜでしょうか。
まりんは、ガトーショコラの最後の一口を
はむっと食べると、体育座りをして
大人しく彼の方を見ることに。 ]*
[ 彼は初めの頃、彼女に対して
愛玩具という言葉を使ってしまった。
勿論、使って捨てるという為に使った言葉ではなく
これから先彼を筆頭にいろんな人に
愛されるためだけに存在する人、と
いいたくてそんな言葉を使ってしまった。
会話に齟齬があると思って
彼女ときちんと話すことができて
漸く壁が消えた気がした。 ]
勿論、気に入ったものがあれば
理子が沢山食べていいんだよ?
[ 彼女の輝く瞳に、彼はくすっと笑みをこぼして。
彼女は処女である。しかし、彼女の体は
3年という時間をかけて解されている。
だから、3年生として受験勉強に専念させるため
あまり手を出していなかった時は
“体調確認”のたびに可愛く反応して
早くその時が来ることを彼自身楽しみにしていた。 ]
頑張って見つけてごらん?
[ 彼女の部屋に一緒に行って、
探している様子を椅子に座って眺めていた。
探す気がないことは彼女にもわかっていたのか
ひとりで頑張って探していた。
広い部屋の中を沢山駆け巡って、
最後に行き着いたベッド。
枕を動かせば、さぁ。また可愛い顔が彼を見る。 ]
僕にもつけてくれるよね?
[ 彼はそう言って、左手を開き彼女に差し出す。
それはまるで結婚式の予行練習のよう。
左薬指に彼女のものと同じデザインが
添えられたなら、ふふっと笑って
彼女を優しく抱きしめただろう。 ]*
いいところって言ってもさ。
それは世間一般で言うところの
いいところ、だから。
俺にとってのいいところじゃないし、
俺は今の大学でよかったって思ってる。
[ ガトーショコラをもくもくと食べていたまりんは
自分の言葉を聞いてこっちを向いた。
いいことなんて起きない、か……。 ]
俺さ、まりんが思ってるほど
できた人間じゃない。
興味ない人に優しくするほど
余裕があるわけでもお人好しでもない。
好きだから、ずっと一緒にいたいし
勉強だって教える。
まりんが俺のために離れようとか思ってるなら
そんなことしなくていい。
ていうか、俺が、離すつもりないから。
[ モンブランは半分くらいまだ残ってるけど
すっと立ってまりんの横に座って、
まりんの方を見たけど…反応はどうだったかな。 ]*
慣れてる人を抱いても勃たないことは
よくある話。…だって、魅力ないし。
[
彼女の反応がいいからついつい口が滑る。
気持ちがいいなんて聞いたら、
調子にのって更に気持ち良くさせたくなる。
そんな気持ちが強かったのか、
頬を撫でる彼女の手は不思議と
嫌がることなく受け入れられた。
彼女の体はどことなく
未開発に近い気がして
気持ちよくさせるのに力が入る。
]
──────
はー……今つけてる奴、
5個目なんだけどわんこちゃん。
やっぱり凄いねぇ。
[
昼過ぎから彼女を抱いて、夜中になりそうな感じ。
既にゴム越しに4回中で出した。
離したくないしやめたくない気持ちが生まれる。
でも、彼の中ではひとまず5回目で
就寝時間になりそうだと冷静に考えていた。
ぺろりと舌なめずりをしながら
正常位で彼女の腰を支えてゆっくり突き上げて。
可愛く啼いていたか声を抑えていたか
定かではないけれど、彼は相手のことを
いつのまにかサクラちゃんからわんこちゃんへと
変わっていたのも何かの流れだったろう。
]*
[ 私は清玄さんに愛されるための存在なのです。
そう教えてもらってからは
清玄さんの言葉を特に疑うことは
すっかりなくなりました。
愛してもらえるなんて、
すごくすごく幸せですよね! ]
それでは清玄さんの分が
なくなってしまいますー!
[ 笑みを浮かべる清玄さんに
少し唇を尖らせて抗議するのです。
私の体には色々な事が教え込まれています。
いつしか教えられるたびに、いつ貰えるのかと
そわそわするようになっていました。
3年生の時はあまりそういうことは
なかったのです…なので、別の意味でも
今回のお泊りはとっても楽しみです! ]
[ 清玄さんは椅子に座って
こちらを眺めていました。
見つけて差し出せば、
つけてくれるよね?と言われるのです。 ]
もちろんです!
……結婚式みたいですね。
[ 自分でそういってしまって
少し緊張してしまうのです。
でも、上手くつけることが出来ました!
ご褒美なのか抱きしめられて
とっても幸せなのです。
しばらくそうしていたでしょうか。
離れたら、清玄さんの頬にキスを落とすのでした。 ]*
…そういう、ものですか…
[
頬を撫でる手は受け入れてもらえました。
嫌がられなかったので、
暫く撫でる手は止まらなかったでしょう。
彼は気持ちいいと言ったのに気をよくしたのか
更に気持ち良くさせようとしてきます。
丁寧に可愛がられて、
ただひたすら、初めての快感に
翻弄されていました。
……丁寧にされると勘違いしそうになります。
愛されている、と。
そんなわけあるはずがありません。
そんなはず……
それに……丁寧にされているせいで
どうしても以前と比べてしまいます。
こんなふうにされたこと、ない……。
]
――――――
おうじ、くん……
んんっ、きもち いい……
もっと、おくまで……
[
救いを求めるように彼のほうへと
両手を伸ばすのです。
昼過ぎから休憩はあれどずっと抱かれています。
もうすっかり、理性までぐずぐずにとかされてしまって
ただただ、快楽に溺れるのみ。
声こそ押さえているものの、
焦点がきちんと合わない目で彼を見ていたでしょう。
今だけは、いまだけは……
愛されている
と錯覚したままで―――
]*
[
運命の出会いというのは、
体の相性にも顕著に出ていた。
凄くフィットする中の収縮。
抱きしめ心地のいい体。
ため息を漏らさずにはいられなかった。
4回はすぐに終わってしまって
あっという間だったのが悔しいくらい。
あぁ、本能が求めている。
──────中に出したい。
彼女はぼくの。孕むならそれ。
拒むことはない。
]
あぁ、そんなこと言っていいの?
明日の朝も、沢山しよっか。
ぼくのわんこちゃん?
[
彼女の両手が伸びるなら、
体を密着させて抱き締められるように。
焦点が合わない瞳はもう彼女の大量の限界を
彷彿とさせていた。
中の締まりがいいなら耳元で優しく囁くし、
いい子だね、可愛いよ、って
ずっと言い聞かせてあげる。
離すつもりもないから、彼女が嫌がっても
このまま5回目も中で終わって行く。
彼女の裸体はこれからも沢山、
触らせてほしいくらいに勝手に気に入ったから。
]*
………わか、んない…
[ 今の大学は海斗くんの学力から
考えてみるとひとつくらい下。
でも、今の場所でいいって…
まりんは頭がおかしくなりそうでした。
泣いてしまわないように、
グッと堪えていたけれど、もしかしたら
涙が静かにぽたり、ぽたりとこぼれていたかも。 ]
ま、りんは……あ、の、…
え、と…はなさ、れない…?
[ 海斗くんは場所を移動して
まりんの横に腰を下ろしたのです。
だからまりんも、うぅと海斗くんが言うことに
反論ができずにいました。
それに海斗くんが近くに来てくれたから
きゅっと彼の手を取るのでした。 ]
まりん、一緒にいていいの…?
*
[
体の相性なんて考えたことなかったけれど。
きっと彼と私は相性がいいのでしょう。
そして、4回も抱かれていれば……
途中で気づいてしまうことになります。
元恋人には愛されてはいなかったのだと。
相手本位の、私の事など何も考えられていない
―――思いやりも愛もない行為だったのだ、と。
気づかなければいいと彼が思ってくれていたとは
知らず、私は気づいてしまったのです。
……幸せだと思っていたものはまやかしだったと。
]
する、もっと…
もっとする、からぁ……
おうじくんのに、なる、からぁ…!
だから――――
[
ぎゅうっと抱きしめられたなら、
思いっきり抱きつくのです。
自分が何を言っているのかもわからないまま
……言ってはいけないことを言ったと
気づきもせず。私はただひたすらに……
彼に溺れてしまったのです。
中はひくひくと彼のことを締め付けていて
離さないでと言っているかのよう。
可愛いと言われれば、その締め付けは
一瞬強くなったでしょうし、
それに反応して思わず声をあげてしまいます。
終わるころには意識を手放してしまうのでした。
]*
……奨学金貰えてるとか、
現実的なメリットでも言えば
まりんも納得してくれる?
[ 俺にとってはまあ、おまけみたいなものだけど
わかりやすいメリットもある、と伝える。
彼女はぽたり、と涙をこぼしていた。
……泣かせてばっかだな、俺。 ]
うん、離さないし、離れない。
まりん…、
俺の恋人になって。
[ まりんの手を握って、耳元に囁いた。
ずっと、ずっと言わなかったのは、
彼女が嫌がるなら、彼女自身に好きな人がいるなら
諦めるべきかどうか、迷っていたから。
でもやっぱり、離れたくない。
これ以上迷いながら一緒にいても
彼女を傷つけてしまうから。 ]
一緒にいる意味、これでも足りない?
*
う、うん……奨学金、もらえてるんだね…!
[ 奨学金をいただいていると言うことは、
やっぱり…まりんは、一度考え始めると
ぐるぐるとしてしまいます。
奨学金をいただけるほどに賢い人…
まりん、海斗くんのお邪魔して…
そんなことばっかり考えていたら、
彼との距離が一気に詰まります。
耳元に吹きかかるとおかしな声が… ]
はぅっ、!
か、いとくん…?………
まりん、ま、……まりん、今…
[ 海斗くんの顔を見れば、
とっても真面目なお顔でした。
恋人に、なって、と言われ……た?
まりんはどう答えていいのか悩むこともなく
とっても広角が上がり、笑顔になりました。 ]
はい!まりん、海斗くんの恋人になる!
[ でも、恋人になることと、今の生活と、
何か違うことはあるのでしょうか?
気になって、ぴったり海斗くんにくっつくと
軽い気持ちでまりんは質問をしてみるのでした。 ]*
ぼくのものに……
[
彼女は、禁断の言葉を口にした。
彼のものだから、と言ってしまったが最後。
彼女は嫌がるまで彼に付き纏われることになる。
連絡先を交換して、彼女が求めるとき、
そして彼が求めるときに会ってもらう。
でも、他のそれとは違って
多分彼女とはただの食事でも楽しくなりそう。
]
っふ………あぁあ、疲れちゃったかな。
[
最後の一個が、手仕舞いになった。
彼女の意識が遠のきかけた時には
既に彼の体は離れて、
整った呼吸をしている彼女の頬を
優しく撫でれば唇を重ねて。
]
……タバコ吸って寝るか。
[
喫煙者だから、口が恋しい。
彼女に布団をかけ、
適当に服を着るとカードキーと
タバコケース、それと携帯を持って
その部屋を出て行った。
このホテルは全部禁煙ルームだから。
]
──────
『おーじぃ、今から一発しよぉ』
あーごめん、今先約。
『もー……明日の昼とかは?』
気分が乗ってたらいいよ。
『む、なんかつまんなーい』
仕事に行き詰まってるからねぇ。
癒してくれるならまた別だけど?
『エッチしてんのに癒されないの?かわいそう…』
[
喫煙所で取った深夜の下世話なお誘い。
勿論、ふーっとタバコの煙を
部屋の中に充満させながら
彼はその誘いを断った。
大体、5回も出した後で種無しに近い。
それに今日の相手を1人にはできなかったから。
電話先の女性はすぐ切ってしまったので
彼はぽちっと連絡先を消した、電話帳から。
]
何人くらい、連絡先あんだろ…
[
彼のお友達は酷く多いから、
ひとつずつ、毎日消すか、と
彼は頭を冷静にして考えながら
部屋に戻り、彼女を抱きしめて眠った。
柔らかくて抱きしめがいのある体が
震えていないことを感じ取りながら。
]
──────
ふぁ………
わー、やば……
[
起きたら、下腹部も起きていた。
まぁ当たり前に柔らかい体を
独り占めして抱き締めていたのだから
否定することもないけれど。
彼はどうしようかな、と考えて
彼女の体勢をゆっくり整え
指を2本ほど出し入れし始めれば
朝の一髪の準備を進めていった。
彼女が起きるのなら、おはようと
声はかけるけれど、指は止めなかった。
]*
[ 現実的なメリットを言ってもまりんは
そこまで納得していない様子。
囁きかけると可愛い反応が返ってきた。
……まりん、全然俺の気持ち気づいてなかったの
逆にすごい気がする、なんて思うけど
まあそれはこの際気にしないでおこうか。
返事はすぐ聞けた。
まりんは全然悩んでる様子がないけど……
悩み損じゃん、俺。まあ、いいか。
ふっと笑みを浮かべて ]
……嬉しい。
恋人になったら変わること?
そうだな……
まりんが俺といていいのかとか
気にしなくてよくなるし。
ああ、あとは―――
[ ぴったりくっついているまりんを
ぎゅうっと抱きしめた。
柔らかくて、ずっとこうしてたい。
ふわっといい匂いがする…。離したくない。 ]
こういうこと、気兼ねなくできるかな。
[ モンブランを食べ残しているのを思い出せば
渋々離れて、残りを食べつつ。
講義でわからなかったところを
教えたりする時間になったかも。
それ以外の雑談も交えつつ。 ]
そういえばまりんって
一人暮らししてみようとかは思わなかった?
*
[
5回目で限界も近かった私は
上手く頭が働いていませんでした。
だから、まさか相手が私の言葉に反応するなんて
考え付きすらしませんでしたし、
そもそもここへ来た時も肌を重ねているときも
一夜の相手だと思っていました。
……思っていたくせにそんなことを言った私は
どうかしていたのでしょうね。
起きた頃にはそんなこと、忘れているのですが。
]
[
元恋人に振られたのは、本当につい先日。
3日前の話でした。
振られてから、何処か私は上の空で。
大学で声をかけてくれた可愛い子にも
上手く会話を返すことが出来ませんでした。
振られたショックで、上手く眠れなくて、
寝不足だったのも原因の一つかもしれません。
そんなありさまだったから、
普段ならしないような……
見ず知らずの人と肌を重ねるなんてことを
してしまうのです。普段なら絶対……。
振られてから、上手く眠れていなかったはずなのに
疲れからか、それとも別の何かなのか。
夢も見ないくらいにぐっすりと眠ったのです。
]
――――――
[
寝起きで頭が回らない、なんて言いますが。
今日に関しては違いました。
目を開けたときの景色がいつもと違うのは
明白でしたし、何より……
]
っあ、ふっ……な、にして……っ!
[
昨日一夜を共にした相手が、
ぐちゅっと音をたてながら中を弄っていました。
起きる前から私の体は反応していたようで、
既に蜜が溢れるような状態になっています。
昨日散々気持ち良くされた代償と言うべきか
弱いところを彼に知られてしまっているので、
このまま指が止まらなければ
簡単に達してしまいそうです…。
]
お うじ、くん……まっ…まってぇ……!
*
[ 施設で暮らしていたからなのか、
両親という存在がいなかったからなのか。
愛情に飢えていたが故なのか。
愛情というものはすぐに彼女を変えた。
今ではとても色艶の良いレディに
しっかりと成長していて、
彼としても誇らしい存在である。 ]
全部しっかり食べるつもりなの?
そんなに制限させてたつもりも
なかったんだけど、うちでもう少し
沢山食べたい?
[ なんて冗談を彼は口にしながら、
口を尖らせて抗議をする彼女が可愛くて
仕方がなかった。
彼女の同意があるのであれば
別に手を出しても良かったと思うけれど
そこの一線を越えたら
彼女をダメにしかねないと思って
しっかりと感情を抑え込んだ。
彼女も同じような感情を少しでも
持ってくれていれば、彼としても
旅行を計画した甲斐があるというもの。 ]
4年後にまた、しよう。
どこがいいかな?
この話もゆっくりしていこうね。
[ 少し緊張したせいか、
すんなりはつけてもらえなかったけれど
最終的にはきちんと指にはまった。
体の中にいるこの小さく守らなければいけない
存在が、彼にとっては大学を卒業し
父の会社の跡を継ぐための大きな理由になっている。
頬におちた唇に少しくすぐったげな反応を
彼がするのなら、歯を磨いてそろそろ、と
彼女に就寝を促すだろう。
もし、彼女がどうにかして彼を求めるなら
寸前までは沢山してあげただろうけれど。 ]
──────────
部屋だけ押さえたから、
ホテル内でも気になるレストランがあるなら
きちんと行きたい場所リストに
書かないといけないよ?
[ 次の日かまた別の日。
彼女を彼の部屋に呼んで、
大きめの1人がけソファに座る彼の上に
彼女を座らせて、少しおかしな体勢で
旅行の計画を立てていたことだろう。
彼女に彼の軽量ノートパソコンを貸して
彼女を抱きしめながら、
計画するのは楽しい。 ]*
[ 施設の暮らしが
すごく悪いものだったわけではないのです。
……でも、学校に行くと
孤独を感じてしまうのは確かでした。
それに、施設をいずれ離れることになれば、
居場所がどこにもなくなってしまうような
そんな気がしていました。
親からもらうことのできなかった愛情に
焦がれていたのも確かです。
清玄さんからはどちらも与えてくれたのです。
居場所も、愛情も。
だから私にできることは
何でもしたいと思うのです。 ]
あわわ、違いますー!
いつもお腹いっぱいになってますー!
[ 食べ足りていないと思われてしまうのです。
慌てて訂正しました。
もし体を求められるのであれば
拒否なんてするはずもないのです。
でも、清玄さんはとっても真面目なのです。
きっと私が高校生の間はだめなのだと、
そう気づいたのは二年生の終わりごろの
ことだった気がします。 ]
うーん……どこに……
ドレスも白無垢も着たいです…
[ 結婚式の場所の話も
いずれ決めないといけないですね!
ドレスも白無垢も女の子の憧れなのではないでしょうか?
私はどちらにも憧れていますから困ってしまいます。
頬に落としたキスに少しくすぐったそうな
反応を見せたかと思えば、
寝るようにと促されました。
もう少し一緒にいたいなと思って寝る前に
たくさんキスをせがんでしまったのでした。 ]
はーい!
あ、イチゴ味のチュロス…!気になります!
[ 他にもクマさんのぬいぐるみを買いたいなあとか
色んな味のポップコーンだとか、
コーヒーカップに乗りたいだとか。
行きたい場所や食べたいものを
リストアップしていくのです。
清玄さんの上に座るのは少し重くないかなど
思ってしまいますけれど、
清玄さんが楽しそうなので大丈夫そうなのです! ]*
[ 海斗くんの気持ちは全く
分かっていませんでした。
だって、まりんは海斗くんに彼女が
出来るまで、一緒にいてもらえると
思い込んでいましたので…
ふっと笑みを浮かべた彼はとっても
かっこいいとおもってしまいました。
海斗くんが、まりんの恋人…
まだやっぱり不思議な感じです。 ]
恋人なら、こうやって海斗くんに
抱きついて良いの?
……あの、手を握るのは…?
[ いつも、海斗くんとは
手を握られない分距離が横にありまして。
だから、聞いてしまったのですが、
彼は呆れたりしなかったでしょうか… ]
ひとりぐらし、…したいなぁって
思ったことは、ある。
大学生になるから、
相談したんだけど……
1人は、ダメだって…
[ 危ないからダメって言われているのです。
誰かと一緒にならいいのかな、と
思ったりもしましたが、
特にそういう相手もいないし…と
諦めもありながら、大学生になりました。 ]*
[
ぐっすり眠っていた彼女は、
暫くしてから目を覚ました。
頬は赤くて、ぐちゅぐちゅと音を立てる
その体は、もう準備ができている。
勝手に彼はそう捉えて、
彼女が達してしまう直前に指を抜いた。
]
何を待ってほしいの?
指なら抜いてるのに、待つものって…
あ、やだなぁわんこちゃんってば。
[
彼は下着をずらして
朝の熱を彼女の蜜に擦り付けた。
寝起きの彼女の中を、
遮るものはもう何もなくて。
先端を、自分の手で何度か擦れば
ゆっくりとそれは中を蹂躙していく。
]
朝のわんこちゃんやっば…
超締め付けるじゃん………
[
彼女の中を全て埋め尽くせば
静止を聞くことはなく、
腰を前後に動かし、朝の木漏れ日の中
白いベッドの上で朝の運動がはじまる。
とは言っても、彼も長く耐えられるわけでもなく
昨日の夜までよりも早めに彼女に
質問をしていたはず。
このまま、出して良いかどうか。
]
ね、いいよね?
可愛いわんこちゃんの中まで
ぼくで満たされたいでしょ?
[
本当なら、自分勝手な発言だと
拒否をされるのが妥当点だが、
彼女にはどう聞こえたのだろうか。
]*
[ やっとまりんと恋人になれた。
まあ気づかれてなかったのは
自分のせいでもあるから。
抱きしめていると、手を握るのは?
なんて可愛い質問が。
もちろんいいに決まってる。
ダメなわけないだろそんなもの…
とそのままいうと驚かせてしまうので。 ]
もちろん、好きなだけ握っていいよ。
[ 体を離して指を絡めながら手を握ってみせた。
可愛い、なんてつぶやいて
思わず頬にキスしてしまったけど
まりんは嫌がったりしなかったかな…? ]
ああ、やっぱ思ったことはあるんだ?
……まあ反対されるのはわかるけどな。
俺がまりんのご両親の立場でもたぶん
ダメって言うかな……
まりんは可愛すぎるから心配したくなる。
[ あとまあ、警戒心というか、
危なっかしい気がするから
一人にしたくないと思うご両親の気持ちは
俺にもよくわかる。
……一人は?誰かいたらいいってことか?
でも普通に考えて……
可愛い娘が男と暮らすの、許可しないような…。
頼んだら大丈夫だったり、するといいんだけど。 ]
一人はってことはさ、
誰かいたらいいんだ?
……俺と、なんて言ったら
まりんのママさん嫌がるかな?
*
[
脚がふるふると震えていて
明らかに余裕がなさそうな私の態度から
達しそうなのを察したのか、
すぅっと指が抜かれてしまいます。
―――もうすこし、のところだったのに。
行き場を失った熱が下腹部で
ぐるぐるとめぐっている気がします。
]
何をって……
おうじくんの、ばかぁ…
[
思わずそんな言葉をぶつけてしまいます。
息を整えようとしていると、
熱いものが擦り付けられていました。
昨日も散々中を蹂躙していたそれが触れると
こくり、と喉がなってしまいます。
彼の熱がゆっくりと入ってくると、、
体は正直に喜んでいました。
ぎゅうぎゅうと搾り取ろうとするかのように
中が収縮して、あっという間に
のぼりつめてしまいそうで……。
そんな余裕のない中で彼に問われます。
中に、出していいかどうか。
]
みたさ れる……?
[
彼の問いかけは本来、泣いてでも
拒否すべきものです。
昨日会ったばかりの人の子供を
孕む可能性があることなんて、
拒否すべきですし、拒否しないほうがおかしい。
―――それなのに
]
みたし、て…
おうじくんで、わたしをいっぱいにして……
なか、まで…いっぱいに、して……?
[
選んだ答えは
――女の子として最悪のもの。
みたされたくて
あいされたくて
きもちよくなりたくて
それが手に入るなら
中に出されてもいい、なんて。
どこまでも愚かな選択をしてしまうのでした。
そして、寸止めされていたこともあって、
彼より先に達してしまうことになるのです。
]*
やった!じゃぁ、手を握って…
学校に行っても怒らない……?
[ 出来るだけ距離を詰めたいのですが、
もし、汗をかくからと嫌だと言われたら
お家の中とか、彼が許してくれるところだけにして
おとなしくしようと思っています。
でも、指が絡まって頬に海斗くんが
チューをしてくれて、
まりんはとっても、とっても
嬉しい気持ちになっています! ]
まりん、そんなに心配されなくても!
きちんと生活できるよ!
[ 海斗くんは可愛いから、と
言ってくれましたが、まりんの両親は
生活力がないからダメ、といっていたのです。
むぅっと頬を膨らませていると、
海斗くんがまりんの考えていた提案を
聞かせたくれたのです。 ]
多分、海斗くんなら…
お母さんたちも許してくれると、
思うんだけど……
[ そう返していると、
お母さんが帰ってきた声がしました!
海斗くんが嫌がらなければ、
提案しよう?とリビングに2人で
お母さんに話をするために降りたことでしょう。 ]*
[
ばかぁ、なんて煽りは可愛いとしか言えず
抜いて正解だったと思った。
彼女と帰りを共にしないなら、
ここ最近会ってないセフレちゃんたちの
連絡先を一歩につき一件消していくか、と
彼だけはやけに冷静で。
彼女の反応に、中の熱は更に大きさを増し
彼女と離れるのを嫌がりはじめた。
]
そぉ。満たされる。
サクラちゃんも、体の底から
満たされてくよ?いいことだ。
[
それは一種の洗脳のようで、
彼女の同意は彼のスイッチを入れる。
彼女の中がキツく締め付けるなら、
その中で何往復かを繰り返し
白濁とした、熱い彼の欲求が
清廉潔白であるはずの彼女の中を
満たしていくその様は、
まるで発情した生き物のような感じさえ。
]
1回目……
記念に撮っちゃお。
[
少し落ち着けば、彼女の中から
一度彼は撤退し、
脚を開かせ代わりに中には指が侵入する。
愛液と精液の絡まったそれは
彼女の中からこぽっと吐き出されていく。
彼は気分良さげに動画を撮って
ふふんと鼻を鳴らした。
ちゅぷっと軽く秘裂に吸い付いたのち、
体勢を戻した彼は、またおはよう、と
彼女に声をかけた。
]
よーし、今から何回できるかなぁ。
お風呂と朝ご飯の時間まで
考えるなら、2回くらい?
[
有無を言わさず、彼女の手を使って
隆起させてしまえば、
今度は彼女を四つん這いにして
後ろから奥の方まで一気に突き上げただろう。
彼女が話ができるかどうかは分からないけれど
とりあえず、啼かされていれば
それでいいか、と彼は動くのだった。
]*
まりんがそうしたいなら勿論。
そんなに手つなぎたい?
[ くすっと笑って、
ついつい聞いてしまう。
まりんが恥ずかしがるのなら、
家の中だけにしようとか思っていたけど
どうやらそれは杞憂だったらしい。
頬にしたキスも嫌がるどころか嬉しそうだし
俺のまりんはどこまでも可愛い。 ]
あははっ、そんな顔すんなって、
まりんは料理も掃除も出来るもんな?
[ むぅっとしている彼女も可愛い。
まりんには申し訳ないけど、
こんなかわいい子を一人暮らしさせるとか
俺なら絶対嫌だな……。 ]
いや、俺ならって
そんなことある……?
[ そりゃ家族ぐるみで付き合いはあるし
信用されてないことはないかもだけど
……男だぞ俺?
そんなことを考えているとまりんのお母さんが
帰ってきたみたいだ。
提案しよう、と言われて
大丈夫か?なんて不安を内心に抱えつつ
リビングに二人で降りていった。 ]
こんにちは、お邪魔しています。
そのー…、少し提案というか
ご相談したいことがあるんですけど。
[ まりんの方をちらりと見つつ、
彼女のお母さんに話を振ることにした。 ]*
[ 高校には授業参観というものが
あったわけではないけれど、
家庭訪問というものならあった。
勿論、大御門ではなく、
宮内の苗字を使ったままの彼女だから
教師が大御門の屋敷に来た時は
申し訳ないが笑ってしまった。
彼の両親は基本家にいないので
彼が保護者として家庭訪問や
三者面談に行っていた。
しかし、彼女の存在が知れてからは
偶に両親のどちらかが三者面談に
行っていることもあったようだが。 ]
あの2人に言ったら、両方どうにかやって
やりそうな気がするな……
[ 溺愛されている彼女との結婚式なら、
2度やっても怒られることはない。
寧ろ、やれと言われそうな気がする。
彼女の希望は色々と聞くことにして、
卒業式まではおとなしくしようと思った。
寝かけに、彼女に口づけをせがまれれば
彼は沢山してあげていたし、
挿れる寸前まで彼女の体を可愛がった。 ]
────────
……色んなものがあるんだね、本当に。
[ 彼女が行きたいと言い出すまで、
彼は気に留めたこともなかった。
彼の友人ともこういうところに行こうと
なったことがないし、ここに行くくらいなら
海外に行く方が簡単だったから。
彼女を抱きしめ、偶にいたずらをしながら
リストアップされていくものを見て
どれだけ達成できるのかと考えていた。 ]*
[
強い締め付けに彼も興奮したのか
中で彼が大きくなった気がして
小さく声が漏れるのです。
満たされる、と彼にも言われて
私の思考はそこで止まってしまいました。
達してしまって敏感になっている中に
彼の欲が注ぎ込まれていくのは…
とても、きもちよくて
みたされていく。
たぶん私の思考は少しずつ
歪んでしまっているのでしょう。
]
あっ…あつ、い……
んぁっ……
[
中に出されてしばらく放心している間に
彼は、中に指を入れて、
秘裂を見ているようで、
ひくん、とそれだけで反応してしまいます。
……撮っているなんて知っても
静止は出来ないまま。
]
お、はよぉ……
ま、まだできる、の……?
[
さっき出したばかりではと思っていたのに、
強引に私の手に握らされたそれは
あっという間に硬さを取り戻しました。
目を丸くする暇すらなく、
四つん這いにされて、
後ろから勢いよく貫かれてしまえば
抵抗なんてできません。
]
くぅ、んっ…
ふぁ、もっと、たくさん……
[
子犬のように啼かされて、
快楽に屈服してしまった私は、
もっと、とねだってしまうのです。
ただでさえ、昨日も抱かれていますから
終わった後はもう動けず
お風呂どころではなくなっていたことでしょう。
]*
つなぎたい!だって、恋人って
そうするもの、じゃないの…?
[ まりんがよく読む漫画だったり、
よく見るドラマだったりは
恋人同士はよく手を繋いでいるようなので。
海斗くんならお母さんも信頼していますし、
まりんは大丈夫だと思いましたが、
海斗くんはそうでもないのでしょうか? ]
海斗くんと2人暮らしなら
お母さんたち許してくれる?
[ おかえりなさい、と言ってすぐに
海斗くんの言葉を聞いたまりんは
お茶を飲んでいたお母さんに
聞いてみることにしました。
お母さんは目を見開きながら、
お茶を飲み干した後にまりんたちと
対面するように椅子に座ります。 ]
『どういうこと?』
一人暮らしはダメって言ったから、
海斗くんとならいいかなって…
[ お母さんは、海斗くんの方を見て
まりんはそれ以上何もいえませんでした。
海斗くん、大丈夫かなぁ…
そんな思いで、ぎゅっと手を握るのです。 ]*
おはよ、まだまだ出来るよ。
可愛いお尻だねぇ。
[
彼女のお尻を撫でながら
肌の当たる音に耳を傾ける。
艶やかで、他の女子とは違う、
白い肌は彼の視線を独占している。
]
っふ、ぅ………
[
最初の一発に加えて、二発。
彼の予想に違わず、
3回目の中の蹂躙が終わる頃、
時刻は11時くらいになっていた。
ずぷっと音を立てる場所から楔を抜けば
白濁とした体液が溢れてきたので
中からそれをかき出すことを忘れずに。
彼女が動けなさそうなら、
バスローブをかけてあげて
お布団の中に寝かせてあげた。
]
タバコ吸ってくるね。
サンドイッチ、下のカフェで買ってくる。
ゆっくりしてて?
[
そう言って、彼はまた服を着ると
財布とタバコとルームキーを持って
部屋から出ていった。
優しく対応できていたか、ちょっとだけ
心配になったけど気にしすぎないようにして。
]*
うん、そういうもの、だけど。
まりんが恥ずかしいって思うなら
やめとこうかって思ってたから。
ま、心配なかったみたいでよかった。
[ 疑問を投げかけてくる彼女に応えつつ。
まりんは俺が反対されるかも、
と思ってる理由がわからないらしい。
信頼とかそういう問題でもない気がするけど
ひとまず話してみればわかること。 ]
まりんが一人暮らししてみたいって
言っていて、一人が心配なら二人ではどうか、
と思ったんですけど……。
もちろん、二人で住むからといって
学業をおろそかにしたりするつもりはないですし
家賃とかもバイトして出そうと思ってます。
[ しっかりと彼女のお母さんを見据えて
説得を試みるけど……
正直ダメって言われても俺は文句言えないな、
と内心では少し弱気だったりする。 ]*
[ 私が大御門家に住んでいるのは
先生にはもちろん知られていました。
……宮内のままなので、
どうするのかとちょっと思ってしまったのは
内緒の話なのです。
清玄さんが保護者として対応しているのは
嬉しくもありますが、先生に何か
言われていたらどうしましょう、なんて
少し心配したりもしていました。
もっとも、心配はしなくてよかったようです。
学校では、努力のかいあって
優等生と評価されていたみたいなのです。
清玄さんのお父様もお母様も私に
優しく接してくださるので
大好きなのです!
特にお母様にはたくさん甘えさせてもらいました! ]
……両方してしまうんですか!?
でもそうできたら、
清玄さんの和装も洋装も見られるんですねっ!
[ きっとかっこいいに違いないのです。
なので、私としても2度やるといざ言われるのなら
喜んで受け入れるのですよ!
キスだけをせがむつもりが、
いつの間にかそれ以上を求めてしまいました…
もしかしたらはしたないと
思われてしまったかもしれませんが、
とっても満足して眠りについたのでした。 ]
……清玄さんも行ったことないのですか?
それなら、2人とも初めてなんですね!
[ ポツリとこぼされた言葉に
そう返してみるのです。
行ったことがないのなら、お互いにとって
初めての場所なのです!
新鮮さを共有できるのはとっても素敵だと思って
ついはしゃいだ声をあげるのです。
たくさんリストアップしたものに
優先順位をつけながら
わくわくをおさえることができないのでした。 ]*
[ お母さんは、海斗くんの話を聞いてから
真面目な表情が解けて、
いつものお母さんになっていきました! ]
『家賃はこの子と折半ね。
後はそうね…最低ふた部屋あるところ。
大学から徒歩圏内、もしくは
海斗くんのアルバイト先から
徒歩圏内にある場所。
私からの条件はこんなもの。』
わーい!海斗くん!やったよ!
[ でも、そんなに広くないといけないのでしょうか?
だって、ふた部屋なんて勿体無いのでは?
2人で一緒に寝るんだろうし…
隣に座ってる海斗くんにぎゅっと抱きついて
一緒にお部屋探していい?と
お母さんに聞いたら、晩御飯出来るまでって
言われたような気がします。 ]
お母さん、
海斗くんうちでご飯食べちゃダメ?
[ 海斗くんが嫌じゃなければ、
お父さんも帰ってくるだろうから、
4人で食べたいなって思ったけど、
お隣なんだし海斗くんのご両親も
呼んだ方がよかったでしょうか?
ひとまず、お母さんはいいよって! ]*
おうじ、くん……
すごく、げんき…
[
お尻を見られるのは恥ずかしくて
可愛いと言われても返事は出来ませんでした。
今更ですけれど…
口に出されると恥ずかしいものなのです。
わかってて言っているのなら
相当、意地悪だと思います。
]
ひぁっ……
もぉ、むり……
[
3回目が終わったころには体力の限界でした。
中に出されたものをかき出されて
少し声はあげたものの、動けそうになくて。
されるがままです。
布団に寝かされて、ぼんやりと
彼のほうを見上げていますと、
どうやらご飯を買ってきてくれるようで、
ゆっくりしてて、と言い残して
部屋から出ていくのでした。
]
[
しばらく動けないでいましたが。
昨日の昼から見ていなかったスマホを
確認しておこうかと、
何とか這って荷物の方へ手を伸ばして、
中からスマホを出そうとして……
バタン!と鞄を倒してしまいました。
手にはスマホを握ることが出来たものの、
鞄が倒れるのをとっさには止められなくて
中のものが散乱してしまいます。
レジュメなんかも入っていましたので
『○○大学 工学部建築学科 葛葉桜子』なんて
書いてある紙も床に落ちてしまいましたが…
今拾う気力もなくて。
スマホを見てみれば何件か
メッセージアプリに通知が来ているようです。
]
『桜子ー!誕生日おめでとう!
どこかケーキでも食べに行こうよ!』
『桜子ちゃん、休んでたみたいだけど
大丈夫?話聞くよ?』
[
つぅっと頬を涙がつたっていきます。
自分の愚かしさに嫌気がさします。
所詮一夜の相手に過ぎないのに。
相手にとっては、
さぞかし都合の良い女だったのでしょう。
満たされた気になって
愛された気になって
そんなの、錯覚に決まってるじゃないですか。
何を、勘違いしていたのでしょう。
これでは前と同じ……
前よりひどいじゃないですか。
元恋人は、私の事を愛してこそいなかったけれど
避妊だけはしていましたから。
もう、どうすれば……。
]
[
どうすればいいのかも全然わからなくて
泣くしかできませんでした。
彼が帰ってくるのと、私が泣き止むのと
どっちが早かったか定かではありませんが、
どっちにしろ彼に泣いていたことは
ばれてしまうのでしょうね。
]*
[ 家庭訪問は入学したての頃に1回だけだったが、
当たり前に家にも、人にも、保護者にも、
担任教師は驚いていたと彼は記憶している。
入り口すぐにある応接間に
彼女と2人でその人を通して話をした時
少し高圧的になっていないかと
気にはしていたが、あまり何も考えずに
接したことだろう。
三者面談の時に彼女の評価を聞くと
優等生として評価されていて、
毎回ホッとしていたことを覚えている。
進路の話も、彼女の目指すところを
サポートするだけ、と話をして
三者面談は彼女の学校での生活を
教えてもらう場所にしていた彼。 ]
僕の服装なんて、興味を持たれない。
君の晴れ姿を、楽しみにしているんだよ。
……──────忘れてた。
理子、大学の入学式が終わったら
反物を見よう。成人式の準備だ。
[ 晴れ姿という言葉を口にして、
成人式のことを思い出してよかった。
成人式が終われば、しっかりと
結婚式の話に腰を据えられそうな気がする。
というよりも、母親に叱られるところだった。
十分に体力を使わせてしまったせいか
彼女は疲れてぐっすりと眠ってしまう。
彼のメイドに、彼女の体を拭いて
服を着せるように指示を出し、
彼も部屋に戻ってその夜は終わりを迎えた。 ]
────────────
直哉も行きたいって言わないから、
行ったことないね。
いつも休みは海外に行ってたし。
[ 直哉というのは、彼の友人にして
彼のメイドの嫁ぎ先になる場所。
メイドがずっとそばにいるのもあって
あんまり彼としても外に出る理由もなく。
外に出るくらいなら、
クレー射撃やテニスなどに
没頭している方が彼にとっては楽しかった。
はしゃいだ声が可愛くて、
彼はそっと彼女の髪を撫でながら
優先順位をつけていくのを眺めて。 ]*
あー…あの子アレルギーとかないかな。
[
タバコを吸い終わって、
忙しくなる前のカフェに食べ物を買いに来た。
あったら大変だな、と思いつつ
あまり何も考えずにチキンのサンドイッチと
たまごサンドイッチを買った彼。
ドリンクはミニバーのやつでいいか、と
体を少し動かして部屋に戻ると、
事件が起きていた、ようにみえた。
]
わんこちゃん?!
どうしたの、何かあった??
[
床に散らばっている資料のようなものを
回収して束ねれば、1番上には彼女の本名が。
なんて素敵な名前だろう。
彼の頭の中に浮かんだ最初の感想。
羨ましいとさえ思ってしまった。
彼女は泣いていて、サンドイッチを
潰さないようにテーブルに置けば
資料を渡して彼女を抱きしめ、
落ち着かせるように頭を撫でてあげる。
]
ワンコちゃん、名前素敵だね。
…ぼくとは大違いだ。
*
[ 真剣だという気持ちが伝わったのか
いつもの柔和そうな顔に戻っていくの見て
ほっと一安心した。
提示された条件を聞いていく。
全部妥当だな、と思えるものばかり。
二部屋って言われるのも当然だろう。
ベッドは別にするに決まってるし
てか別じゃないと色んな意味で
寝れなくなりそうで困る。 ]
ん、よかった。俺も嬉しい。
バイトの日は料理とか任せたいな。
[ 抱きついてきたまりんの髪をなでつつ
晩ご飯までは部屋を一緒に探すことに。
ひとまずスマホで検索しつつ、
まりんはどうやら
ご飯も食べていってほしいみたいだ。 ]
え、俺も??
急だと量の問題とかあるんじゃ……
[ なんて一応言ってみるものの、
さすがと言うべきか、
まりんのお母さんは問題ないらしい。
小さいころお世話になったこともあるし、
俺としては全然問題はない。 ]
母さんに連絡するから、
いいって言われたら、な?
[ まあ念のための確認だけどな。
たまに今日中に食べないといけないものがあるから
外食してくるな、なんて言われることあるし。
連絡したらすぐ返事は返ってきて
今日は問題ない、らしい。
まりんがうちの親を呼ぶなんて言いだすのなら
それはまた今度にしような?
となだめたことだろう。
流石に急に3人前作るご飯が増えるのは
大変だろうから。 ]*
[
余談ですが特にアレルギーとかはないのです。
買ってくると言われたときに、
伝えられれば良かったのでしょうけれど
そこまで頭を回すには疲れすぎていました。
泣いていると彼が帰ってきました。
少し、気まずいです……。
せめて泣いている理由だけは
悟られないようにしなければ、と
何があったのか聞かれても
首を振るだけで答えませんでした。
どうしても、と聞かれるのなら
前の恋人のせいにしてしまいましょう。
……目の前の彼のせいには
どうしてもしたくなかったから。
]
[
床に散らかしてしまったレジュメを
彼は拾って束ねてくれました。
……本名も所属大学も見られた、
なんて思っていたら、
抱きしめられるのです。
……どうして、優しくするんでしょう。
面倒だって突き放してくれれば
勘違いしなくて済むのに、
また、勘違いしそうになるのです。
でも、頭をなでられると
落ち着いていくのは確かです。
そうしてかけられた言葉は
予想通りで、予想外のもの。
名前を見られたのだから
何か言われるとは思いました。
名前をほめられるのは悪い気はしませんが…。
]
……おうじくんは
やっぱりおうじくんなんだ。
どういう字を書くの?
[
許されるのなら、そっと彼の頭を
さっきしてもらったようになでるのです。
吐き捨てるように小さく添えられた言葉が
苦しくて、心に引っかかってしまったから。
名前が嫌いなのが、伝わってしまったから。
好きに名乗れるネット上の仮名で
わざわざおーじさま、なんて名乗るなら
それは本名であってもおかしくない……
そう思っての言葉でしたが、
もし違うのなら謝らないといけないな
と私は考えていました。
]*
まりん、頑張って朝昼晩作るよ!
偶に一緒に…お買い物、行こうね?
[ 朝早起き、頑張ります!
お父さんが帰ってくるまで、
ひとまずリビングのソファに移動して
まりんたちの大学近くだったり、
海斗くんのあるバイト先の近くだったり
色々と探してみます!
海斗くんのご両親を呼ぶのは、
今回はダメって言われたので次回です! ]
[ ご飯ができる頃には、お父さんも帰ってきて
まりんが海斗くんと2人暮らしするって
報告したらうーんと唸られてしまいました。 ]
だ、だめかなぁ……
[ お父さんは、いいよ、と言って
お母さんと同様に条件を出しました。
お父さんのカードで家賃が引けるもの。
毎月家賃を2人で払いにくる。
これだけでした!
お母さんが言った条件を伝えたからでしょう!
お引っ越しの時期も早く決めたいので
まりんの両親を巻き込んで
沢山色んなお部屋を探しては
見せ合いをしたことでしょう。 ]*
[
前の恋人のことを思い出した、と
彼女が言ったならちょっとイラッとした。
忘れさせたかったのに。
でも、頭を撫でれば
彼女が落ち着いていくように
彼のその心も落ち着いてきた。
だから、彼女にどんな漢字なのか
聞かれるとすんなり携帯を見せてあげた。
]
こういう漢字書くの。
……あれ、ぼく慰められてる?
──────ありがとう、ワンコちゃん。
ついでだし、連絡先頂戴?
[
携帯開いて、犬の絵文字を名前欄に入れれば
彼女に電話番号を打たせようと
携帯を渡して、連絡先をもらうことに。
彼女とは今日だけで終わらせるつもりが微塵もなく。
初めて、名前を笑われずにいる、多分。
出会った人には大体笑われていたから
新鮮な感じがしたような気がする。
]*
[ 優等生と評価されていて、
進路にも問題がないと学校側からも
判断されていたので、三者面談は
私の学校生活を聞かれる場になっていました。
試験ではいつも上位から数えた方が早いこと
書道ではいつも作品展示に選ばれること
体育祭や文化祭のでも、
リーダーでこそないものの、
裏方としてきちんと活動していたことは
先生を通して清玄さんにも
伝わったことでしょう。
書道が得意なのは、
もちろん清玄さんのおかげなのです!
レディは綺麗な字も
書けないといけませんからね! ]
……私が興味を持つんです!
楽しみなんですー!!
反物……成人式!
はいっ!どんな色がいいでしょう…
赤や青は定番ですよね。
緑、とかもあるなら見てみたいのです!
[ 清玄さんが自分はどうでもいいかのように
言うのなら、私はあからさまにむっとして
しまうのでした。清玄さんのご両親も
きっと楽しみにされるはずなのです!
ここは譲りたくありません。
成人式の話になれば、膨らんでいた頬は
戻って、目を輝かせていたことでしょう。
綺麗な振袖を着るのも楽しみですから。
清玄さんにたくさん可愛がってもらって
そのまま寝てしまった私でしたが
メイドさんがお世話をしてくれたのでした。
起きてメイドさんに会った時に
お礼を言っておくのは忘れませんでした。 ]
――――――
直哉さんはデートなら行きたいって
言いそうな気がしますね。
海外……凄いです!
会話には困らないんですか……?
[ 英語は高校で必修で習いますが
会話をしなさいと言われると、
少し私には自信がないのです。
清玄さんがクレー射撃やテニスを好んで
しているのは知っています。
私もご一緒してみていたこともありますが
とってもかっこいいのです!
ぽわぽわと見惚れてしまったのを
今でも覚えているくらいなのですよ!
優先順位もつけ終わって
行きたいところはまとめられた気がします!
あとの準備は…荷造りだけでしょうか?
他にもしなければならないことがあるなら、
と思って清玄さんに聞いてみるのでした。 ]
朝昼晩?!
いや、無理は駄目だからな??
買い物はもちろん。
まりんが買いたいだけ買って、
荷物は俺が全部持つから。
[ 流石に三食は負担が大きそうだけど…
まあ俺が作るにしても
凝ったものは作れないし、
無理をしていないかどうか見ていれば
任せてもいいのかもしれない。
食事会は今度、まりんがしたがってたと
母さんにでも伝えておけばいいだろうか。 ]
[ 夕食ができる頃に帰ってきた彼女のお父さんは
二人暮らしに少し難色を示した。
……まりんはわかってないかもしれないけど
至極当然の反応だろう。
ダメと言われるのかと思ってたけど……
家賃絡みの条件を出されただけで
OKらしい。……いいのか??
って提案しておきながら思ったけど
了承が得られるのなら素直に喜ぼう。 ]
ありがとうございます。
[ と彼女のお父さんにも頭を下げて。
色んな部屋を見る時間になるのだった。
家具とかも必要になるから
休みの日にでも見に行こうか、
なんて提案もしつつ。 ]*
[
私の推測は当たっていたみたいです。
彼はおうじくんで…皇仁、と書くのだと
携帯を見せてもらって
教えてもらったのでした。
ついでに、と連絡先を聞かれて
少し戸惑いました。
また今度、があるのでしょうか……。
]
……私は人の名前聞いて笑ったりしないって
決めてるから。
笑われたことがあって、悲しかったから。
皇仁くん、素敵な名前だよ。
連絡先……?
ちゃっかりしてるなぁ、もう。
[ 多分、彼の両親が三者面談に行けば
彼が聞いた内容に似たことを
また担任は話していたかもしれない。
茶道、華道、書道、ピアノ、バイオリン。
過酷だったかもしれないけれど、
彼女の高校生活は
習い事ばっかりで埋め尽くされていた。
運が良かったのか、彼女は素質があった。 ]
そんな可愛い顔をしない。
……理子は、何色がい?
色さえ言ってくれたら、色々取り寄せるから。
[ 彼女が興味を持つらしく、
彼はクスッと笑ってごめん、と言う。
最近は可愛らしいモダン柄もあるから
彼女が好きなキャラクターなどがあれば
そう言うものがないかも
合わせて調べさせるだろうし。 ]
[ 話が変わるけれど彼のメイドは、
朝から彼女にお礼を言われると
“お風邪をひかれましては、
坊っちゃんにお叱りを受けますし…
お嬢様がぐっすりお休みになっている時間を
お邪魔してはいけないと思っておりましたので。”
と、深く頭を下げて感謝の言葉を受け取ったはず。 ]
[ 戸惑いつつ渡された携帯に番号を打つのです。
名前欄に桜の絵文字を付け足しましたが、
消されてしまうでしょうか?
どちらにしろ、彼の連絡先も
教えてもらう流れになったでしょう。
いつの間にか口調は砕けていました。
ありがとうって言われるとは思わなかったけど…
もう少しこの人のことを知りたい、なんて
そう思ってしまったのを後悔するのは
少しだけ未来の話。
]*
────────
そうだね、あいつなら言いそう。
会話には困らないよ。
僕は小さい頃から英語とフランス語を
学んでいたから、普通に話せるんだ。
[ 彼女とはまだ国内にしか旅行に行ったことがない。
多分、大学生になって長期休みがあるなら、
彼女を今度は海外に連れていくことになるはず。
彼はそろそろ彼女にゴルフでも、と
考えるだけ考えているが、
彼女はしない方がいいかもしれない。
彼のことをずっと見て、
固まってしまう可能性があるから。 ]
荷造りくらいかな。
事前に荷物は送るから、
早めにしておくんだよ?
あ、……いいや。
卒業式、見にいくからね。
[ 保護者として、勿論。
彼が彼女と家を空ける間は
彼のメイドも休みになるため、
彼の友人ももしかしたら
卒業式を一緒に観にくるかもしれないが。 ]*
ほ、本当に起きれそうにないときは、
前の日に…作る、ね?
[ お休みの前の日はそんな感じになりそうな
予感が今からまりんはしているのです。
無理はせずに、美味しい料理を
海斗くんにあげられたら良いなって。
海斗くんだけに荷物は全部持たせられないので
まりんも待つ!と軽く反抗をするのでした。
だって、重たくなるじゃないですか…… ]
わぁ、楽しみだなぁ………
[ それから、晩御飯を4人で食べて
今度のお休みにはベッドなどを
見にいこうということになりました!
帰り際にお父さんが、
海斗くんに家賃は折半で上限2万円と
言っていました。多分、あんまり
海斗くんが学業に集中できないと
いけないと思ったのでしょうか…? ]
────────
ベッド、ダブルのやつひとつで
大丈夫だと思うの!!
[ お休みの日。
まりんと海斗くんは珍しく喧嘩に
なりかけておりました。
まりんは海斗くんと一緒に寝たくて
ひとつでいいと言って譲りませんでしたが
海斗くんは海斗くんでダメ、と譲らないのです。
折角、2LDKのおうちが借りられそうなのに!
むぅっと頬を膨らませて、喧嘩です! ]*
ワンコちゃんの名前で…?
ひどいやつがいるんだ………
[
彼女が桜の絵文字を追加したなら、
そのまま連絡先を登録した。
今度空いてる時、デートしようね、なんて
彼女を抱きしめたまま囁いて。
勿論、彼の連絡先もすぐに教えて。
彼女がまだそんなに動けないなら、
サンドイッチを取ってきて
冷蔵庫の中のオレンジジュースでも
一緒に渡せば、先にシャワーを浴びに
バスルームへと行ったことだろう。
]
*
産婦人科、行く?
一緒に行きたくないなら、
これはもらって絶対。
[
それから午後になり、
チェックアウトの時間ギリギリまで
部屋から出なかっただろう。
彼は出る直前に彼女の手に
四つ折りにした二万円を渡して。
産婦人科にいくか聞いた理由は、
緊急避妊薬を貰いにいくため。
病院代と薬代で、これくらいかな、と
彼は躊躇うことなく渡した。
]
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