【人】 古寺 貴菜メニューに目を通す、写真を見る限りやはり所謂カフェ飯といった感じだが、ライスの量のオプションの値段が書いてある。 今食べたいのは部活帰りの高校球児どすこどすこいといったバカの量の丼物だが……、さすがにカフェにそんな物はない(あったらあったでリピ確定だが)、ここは大人しく大盛りのカフェ飯を受け入れよう。 「すみません」 店員を呼ぶ。 すぐに来た店員に、メニューを指さしながら注文を。 「エビピラフの大盛りと、Aセットのライスを1.5倍で。セットのドリンクはウーロン茶で……、と、それとチキンのドリアを」 厨房に向かう店員の背を見ながら思った。 うーん…ピラフとライスとドリアで米がダブってしまった と。 (30) 2022/10/13(Thu) 16:31:22 |
【人】 古寺 貴菜多分……自分のダメなところはこういうところなのだろう。 恋愛対象という括りではなく、男同士の話ができる女。 だからアドバイスを求められる、よく思われようとそれに答えるとどこかの見知らぬ女のものになる。 ……あれか?これはなんだ、保護猫の人馴れボランティアか何かなのか?いい感じに女心が少しわかるまでに慣らした男を、見ず知らずの女に譲渡する。 そういうボランティアか何かなのか? そういう結論にたどり着くたび、やはり自分は恋愛に向いていないと自覚し、かと言って人並みの恋愛に対する憧れが消えるわけでもない。 つまり、どうしようもないと、そうなるわけだ。** (31) 2022/10/13(Thu) 16:41:37 |
古寺 貴菜は、メモを貼った。 (a9) 2022/10/13(Thu) 16:47:14 |
【人】 古寺 貴菜頼んだものがほぼ同時に来たわけだが……。 「うわあ、なんだか凄いことになっちゃったぞ」 テーブルの上には 米が食いたい という強い意志が具現化している。頼んだ時点でこうなることはわかっていたのだが。 エビピラフにスプーンを入れる。 入っているのは小エビとみじん切りされたピーマン、ニンジン、玉ねぎ……それとマッシュルームと言ったところか。スタンダードな具なのが好感が持てる。 口に入れるとバターの香りが鼻に抜ける。 「うん、うん」 いいじゃないか、何の飾り気もない……エビピラフはこういうのでいいんだよ。 (51) 2022/10/13(Thu) 22:11:16 |
【人】 古寺 貴菜女なのによく食うな、そう言われることがある。 一体何が悪いというのであろう、食に性別など関係ない、本来食べるという行為は自由で、人にとって平等に与えられた権利なのだ。 その権利を行使することに文句を言われる筋合いなどないのである。 もっとも、この主張を受け入れる男性はこちらを見るときは男友達を見るときと変わらぬもので、それならば恋愛などいっそ諦めて、食の平等の権利を振り回す存在になった方が気分的に楽なのかもしれないが……。 残念ながらそこまで悟れてはいないのだった。 (52) 2022/10/13(Thu) 22:21:10 |
【人】 古寺 貴菜もし、注文したショコラバナナパフェが届いたとき、注文者の青年が落ち込んだようなそぶりを見せたら 「命短し恋せよ乙女だ。青年」 そんなことを思ったかもしれない。 (54) 2022/10/13(Thu) 22:29:10 |
(a14) 2022/10/13(Thu) 22:32:14 |