人狼物語 三日月国


36 【R18】海の上のひみつ【完全RP】

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視点:


【人】 天野 時雨

  
サンライズクイーン下船その後
  


[ 二泊三日の船旅を終え下船した途端、
 過度のアルコール摂取と睡眠不足がたたり
 完全に体調を崩して寝込むこと数日。

 大袈裟に言って浦島太郎のような感触で仕事に戻ったのは、
 船を降りてから1週間ほども経ってからだった。

 オーナーは、己が欠勤の謝罪をするより早く。
 顔を見るなり爆笑して肩に手を回してはボスボスと叩く。]


   『…なによ、えらいいい顔になっちまってよ。
    戦場でも見てきたか。』


[ 腹を抱えて笑うオーナーをギロリと一瞥して、
 そーっすねお陰様で、と返した。]
(36) 2020/07/20(Mon) 10:37:56

【人】 天野 時雨

  
下船後三カ月ほど先の未来
  


[ 三カ月ほど経ったある日。
 ようやく身体が元の生活に馴染んできた頃。

 まだ早い時間帯。
 一人店に来た女性客。
 いらっしゃいませの挨拶は最初の一音で途切れ、
 息を呑んで思わず天を仰いだ。]


   ぅ…


[ あの日、己がしでかした非道の数々を
 頭から消し去ることはどうしても出来ずにいて、
 それでいて時折夢にまで見ては酒に逃げて。

 もう彼女は店には来ないと、そう勝手に思っていた。

 ……なのに。]
(37) 2020/07/20(Mon) 10:41:02

【人】 天野 時雨


[ カウンターに座る彼女は何も話さず、ただ酒を飲む。
 形の良い口が動けばなにか食べ物をつまむだけ。
 こちらも何かを話さねばと言葉を探せど、
 何をどう話しかけていいものかと途方に暮れるのみ。

 あの日と変わらず可憐な彼女には、他の客が
 ちょいちょいと話しかけていたけれど、
 冷たくあしらうわけでもなく、
 ちょっと申し訳無さそうに全ての誘いを断っていた。

 そんな感じで小一時間。
 あっという間に真っ赤になった彼女を見て、
 これはそろそろ諫めようと重たい口を開きかけた
 その時、


 
  
オーダーされたのは、ワインクーラー。]
(38) 2020/07/20(Mon) 10:43:09

【人】 天野 時雨


   …吹雪ちゃん。
   飲み過ぎ。
   今日はそれくらいにしときなよ。


[ ようやく口から出たのは、あの日の謝罪でも、
 近況伺いでも、今日来てくれた感謝でもない、
 そんなつまらない、ありきたりの言葉で。

 それでも何も言わず、こちらの助言にも
 譲る様子も見えない彼女に小さく息を吐きながら、
 渋々オーダーに応えて、差し出せば。


 突き返される、グラス。


 驚いて、それを見て。
 オーダーされたカクテルに改めて気づけばはっとして、
 吹雪に視線を移す。


 …あの日と同じように煌く瞳が、そこにはあって。]
(39) 2020/07/20(Mon) 10:45:44

【人】 天野 時雨


[ そっと受け取り、一気に飲み干して。
 立ち上がろうとする彼女の手を、思わず掴んだ。]


   …吹雪ちゃん。
   あの、俺。


[ そのまま、軽くその手を引いて。
 もう一度腰をかけてもらえるように。
 再度向かい合えたなら、彼女が酔い潰れる前にと、
 手早く身体を動かす。]


   あと一杯だけ、付き合って。
   奢るから。


[ ブランデーはほんの少しにして、
 オレンジキュラソーとオレンジジュース。
 シェイクして、差し出して。]
(40) 2020/07/20(Mon) 10:48:27

【人】 天野 時雨


   これさ、オリンピック、って言う
   カクテルなんだけど。


[ 彼女の顔を、瞳を、見た。
 どうか自分の勝手な解釈ではないように、と祈りながら。]


   カクテル言葉が、
   【待ち焦がれた再会】…って。*
(41) 2020/07/20(Mon) 10:50:28

【人】 天野 時雨


[ 彼女の瞳は水を湛えて、薄暗い店内の照明が
 反射しては煌く。
 いつかのように、やっぱり綺麗だなぁと思った。

 カクテルグラスに触れた己の手に
 彼女の掌がふわり重なれば告げられる、
 オーダーの意味。]


   …あぁ。うん。


[ 知ってる、と頷けば、少しだけ彼女の顔が近付いて。
 キラキラと光る瞳から、今にも滴が溢れ落ちそうで
 あの日拭えなかった涙を思い出した。]


   …うん。
   まじか。
   あー、えっと、
(63) 2020/07/21(Tue) 11:38:29

【人】 天野 時雨

[ 聞こえた告白に予想はしていたけれど
 やはり改めて驚いて、心臓が小さく跳ねる。
 馬鹿みたいな返ししか出来ずに苦笑いが漏れた。]


   …びっくりした。
   もう会いたくないだろうなって思ってたし。
   いや、むちゃくちゃ嬉しいんですが。


[ わざと茶化して言えば、泣きそうな顔が見えて、
 それは本当に綺麗で。
 やっぱり彼女は、強くて、可憐で。
 あぁもうどうしたって敵わないと笑った。]


   …あの船でさ。
   俺…


[ 言いかけて、やめた。
 代わりに、白くて細い指を絡めとるように
 両手で包んで。]
(64) 2020/07/21(Tue) 11:43:02

【人】 天野 時雨

[ 彼女がもし知りたいと言うなら、
 あの船旅の全てを正直に話す覚悟は出来ていて。
 それでも尚、己を選んでくれるというのなら
  

 治りかけた指の咬み傷が例えば新しく増えたとて、
 それが今度は幸せの証になるのかもしれないと
 思えば胸の奥がギュッとなった。]


   オーナー!
   ちょっと俺抜けますんで
   あとよろしくお願いしまーす!


[ カウンターの端っこでニヤニヤしていたオーナーに
 ダスターをぽいと投げて、するりと彼女に近づいて。]


   送るよ。

[ と。
 手を握ったまま、店を出ようか。
 
  
あぁ、でも。
 ひとつだけ。
 もしも彼女が望んだとしても、
 …あの時、ドSなマダムに嬲られまくった話だけは
 伏せておこう、と思いながら。]*
(65) 2020/07/21(Tue) 11:48:20

【人】 天野 時雨


[ 目を閉じて、完璧な角度で上を向く彼女の仕草、
 …それは反則です…と心の中で唸る。

 自分も身体を傾けて、唇が触れる直前で止めた。
 愛しくて、嬉しくて、あふれ出る笑みが止まらなくて、
 笑ったまま一瞬だけ口付けて。
 そのまま彼女をふわりと抱き上げた。]


   ありがとね、吹雪ちゃん。
   
俺も、好きだよ。



[ 下から彼女を見上げて。
 ぎゅうと抱きしめて、また口付けを送る。]
(77) 2020/07/21(Tue) 22:56:57

【人】 天野 時雨


   …今度はさ、二人だけで、
   いちからやり直そうか。


[ 耳元で囁いた。
 彼女はどんな表情をしていただろうか。
 とりあえずオーナーには、
 今日はこのまま早退しまーす、
 とメッセージを送ろう、と決めた。]**
(78) 2020/07/21(Tue) 23:00:41