【人】 ツァカリ[悪い話ではない、それは確かだ。 普段からあまり遠出をする方ではない。ましてや国外。 地続きでもある隣国すら足を向けたのは数年前のこと。 だから、興味がないわけではないのだ。 実際、少し惹かれている。 ただ元来の気まぐれな性格が素直に頷くのを躊躇う。] そりゃそうなんだけどさぁ。 依頼自体もオレのペースで融通は効くっちゃ効くけど。 [小さな時計用のドライバーを手癖でくるくると回して、 相槌を返しながら、聞くなら今だという。 どうやらタイミングを測っていたが堪えきれなくなったのか、 他に急く理由でもあったのかもしれない。] (8) 2023/04/18(Tue) 0:56:52 |
【人】 ツァカリ[サプライズ、のつもりなら十分成功だ。驚いてはいる。 だが、余りの切り出しの唐突さに 驚く以上に冷静になってしまったのは事実。 『遊戯』以降、散り散りに元の生活へと戻っていった やつらの間でも、アルとだけ連絡を取っているのは。 あの時を予想以上に彼と密に過ごしてしまったから。 その点に関して、生活している場所が 思いの外近かったのは幸いしていた。 『遊戯』以降も本来の仕事に追われているらしいアルと こうして時間を過ごすのも今日が久しぶりではある訳で。 割りと素直なところがある彼が、性格通りに 共に過ごしたいと望んでくれることは、まあ。 ……正直、満更悪い気はしないのだけど。] (9) 2023/04/18(Tue) 0:57:08 |
【人】 ツァカリまあ、あんた普段も忙しそうだもんな。 周りを気にしない為に、海外ってのが。 なんかセレブの考えって感じもするけど。 [くつくつ肩を揺らして笑い、疲れるという声から今にも 溜息が漏れてきそうな声音で可笑しくて。 集中が途切れてしまったついでにドライバーを置いて、 机に肘を乗せて頬杖をついて隣を眺めやる。 そこまで旅行の話を持ちかけておいて、 だめかと様子を伺ってくる辺りが狡くて可愛らしい恋人だ。] (10) 2023/04/18(Tue) 0:57:33 |
【人】 ツァカリ……ま、行ってもいいけど? オレもニホン興味あるし。 オンセンって行ったことないからさ。 [空いた片手を伸ばして、 眼鏡に掛かる髪を軽く避けてやりながら目を細めた。**] (11) 2023/04/18(Tue) 0:58:13 |
【人】 ツァカリ[仕草の割にはあまり表情に出ないこと。 それでも少しだけ目が弧を描くのを見つければ、 言葉通りに喜んでいることは理解できる。 髪を横へと流して耳に掛けるようにしながら、 少し近づいた距離、赤い瞳と視線が交われば。 ン、と短く同意を示すように首を揺らして、手を下ろした。] 息抜きに旅行つっても、 それで国外選ぶやつは限られてるだろ? オレなら近場に飲みに行って終わるな。 [とはいえ、オレの質素な生活のほうがズレている。 ……という可能性もなくはないが。そこは棚に上げておく。 こいつがセレブであることには変わりはないのだし。 かと言って庶民に合わせろとは言わない。 そのズレがあるこそ楽しんでいる部分もあるというのは、 本人には言ってない部分である。] (15) 2023/04/18(Tue) 13:47:34 |
【人】 ツァカリ[ニホンの知識はテレビやネットで見た聞き齧り程度のもの。 四季があり、アニメ大国であり、独特の古い町並みがある ということぐらいしか知識は持ち合わせていない。 オンセンは、その時に知り得たものだ。 イタリアにも温泉文化はあるがプールのように広く、 水着で入るのがマナーになっているが、ニホンのオンセンは どうやら裸で身体を洗ったりするらしい。 そもそも男女も分かれて入るのが驚く場所でもある。] ははっ、いーよ。調べよう。 飯は美味いところがいいな。 あと何があんだろ? それと、いつ頃行くわけ? [カプチーノを勧められたなら、「飲む」と二つ返事で頷いて。 散らかったテーブルが崩れないように片し始めた。**] (16) 2023/04/18(Tue) 13:48:01 |
【人】 ツァカリ[住む世界が違う、というのは往々にして気づいていた。 それとなく身につけているものや、価値観から。 だが、このセレブ。時として気分で下町の小さな飲み屋に ひょいと顔を出してきたりもするので本当によく分からない。 普段の生活との違いに面白さでもあるのか、 または別の理由か。ただ、彼が足を運ばなければ、 こちらから彼の生活圏に向かうことはなかっただろう。 凹んでいることまでは察知できないながらも、 少し歯切れの悪い様子は、 すっきりとした感じではないように見えたから。] 悪かね―よ。 あんたらしいっちゃ、"らしい"。 [責めるでもなく個を尊重するつもりで促す。 価値観の違いでついていけないところもたまにはあるが、 今のところ、それで距離を置くというつもりは更々無い。] (20) 2023/04/18(Tue) 21:18:35 |
【人】 ツァカリ[アルから日本人がシエスタをしない、と聞いたなら。 きっと目を丸くしたことだろう。 正気か?と疑ったかもしれない。 日本人に知り合いはいないから確認することは出来ないが。 映像で見たニホンの風景は見慣れたイタリアの風景とは 違った趣があってそれはそれで興味を惹かれた。] 寿司、か。あんまり食ったことないんだよなー。 本場の味は気になるな? こっちにあるのと違うのかな? [商売道具を片付けて、机の上を綺麗にすれば席を立ち、 私室用の部屋へと向かっていく。 仕事場として使っている作業スペースは小部屋だが、 私室のほうはキッチンとリビングと寝室が一纏めに なっている作業スペースの二倍以上はある広さだ。] (21) 2023/04/18(Tue) 21:18:51 |
【人】 ツァカリ[すっかり人の家の物の場所を覚えたアル、……いや。 そもそもコーヒーマシンを持ち運んだのも彼本人だが。 手慣れた様子でマシンを扱うのを任せて私室へ向かい、 リビングに置かれた二人がけのソファに、ぽすんと 身をくつろがせて。] 明日ぁ? ははっ、さすがにジョークだろ。 支度品、全て現地で調達で、とかなら行けるかもな? [けらけらと笑い飛ばして本気にはしていない。 何せ旅行の話すら、先程耳にしたばかりなのだから。*] (22) 2023/04/18(Tue) 21:19:03 |
【人】 ツァカリ[垣間見えた表情の変化は手にとって分かるぐらいに 喜色が浮かんでいたからつられて笑ってしまう。 言葉一つで浮き沈みが分かるくらいの反応は、 可愛らしいもので、思いの外素直なところもある。 微細な部分までは気づけずとも、そういった部分を 少しずつ拾える機会が増えていっていることに、 楽しみを得ているのも自身の変化の一つ。 それは、まだ。口にすることはないけれど。 少なくとも仕事場を兼用しているプライベートな空間に 何度も足を運ぶのを許し、家電を持ち込まれても、 否と言わなくなってきている辺り、絆されているのかもしれない。] (27) 2023/04/19(Wed) 15:02:11 |
【人】 ツァカリ[彼が居心地がいいと思うぐらいには整えている私室。 その中にはコーヒーマシン以外にも、アルが持ち込んできた ものがいくつか増えてきている。 自身もその恩恵に預かることもあれば、アルが来たときだけ 活躍しているものもある。例えば、さっき彼が使っていた 作業スペースに増えたスツールだとか。 人をあまり呼び込むことのなかった場所に、自分以外の 存在を主張するものがあることに最初は戸惑いも覚えたりも したものだけれど。いつの間にか慣らされてしまった。 今回の旅行もその積み重ねの延長のようなものだ。] へえ、鮮度ね。 島国だもんな、海が近けりゃ鮮度も上がるか。 [家主だというのに飲み物の支度を任せ、彼が2つ手にして 運んできた小さなカップを一つ受け取る。 ふわりと薫る珈琲の匂いが、ほどよく腹を刺激した。] (28) 2023/04/19(Wed) 15:02:19 |
【人】 ツァカリ[立ち上る湯気に気をつけて、そっとカップの端に口をつける。 猫というものは猫舌で有名な通り、熱いものに弱い。 ほんの舐める程度、舌先を湿らせて。 まだ飲める程ではない熱さに眉を顰め、 もう少し、と、空気と触れ合わせていく。] ところで、グランって誰? [会話の端に出てきた名前に首を傾げつつ。 着替えなどはたまにその場で買うことは度々あるが、 小道具等は使い慣れたものがいいのでやはり準備は必要だ。 なので、ジョークの延長上、実際にするつもりはないのだが。] へえ、そんなにたくさんあるんだ。 どれ。 [肩口に掛かった重みに気づき、少しカップを持つ手を 意識しながら横から差し出されたスマホを覗き込む。 液晶に映し出されていく数々のラインナップが、 彼の指によってスクロールされていく。] (29) 2023/04/19(Wed) 15:02:32 |
【人】 ツァカリ……ヒノキ?木で出来た浴槽? へえ、あ、岩もある。こっちは露天か。 部屋付きだって。 本当にこっちのオンセンとは作りが違うな。 [興味深そうに手元を見下ろせば、ふわりと前髪が触れ合う。 ニホンのオンセンはイタリアのように大衆浴場というよりは、 個人や、十数人で楽しむものなのかもしれない。 個室風呂、面白そう。だなんて。 露天風呂が部屋に備えられているという旅館を、 トン、と指で指し示したりしながら、希望を告げて。*] (30) 2023/04/19(Wed) 15:02:49 |
【人】 ツァカリへぇ、あの人兄弟居たんだ。 [俺の家で、ということは。 仕立て屋の仕事も彼らの家に関するものだと知れる。 妙に素材の良さそうな服を着ているのはそのグランの オーダーメイドということか。 多芸ということは仕立て屋の限りではなさそうだが。 口振りからしてそれなりに仲は深いのだろう。 度々、口から出てきそうな名前に、 いつかは顔も見れる機会もあるかもしれないと考えながら。 今は目先のスマホに再び視線を落とした。 ……そういや、旅行って二人旅だよな。 ヴラドが着いてくるなんてこと、あるんだろうか。 それはまた、場所を決めてから聞くことにして。] (35) 2023/04/19(Wed) 21:01:09 |
【人】 ツァカリ[二人で顔を突き合わせて小さな液晶を眺める。 朱の映える景色も、白い雪が映える季節も美しいが、 今の時期のニホンはどちらでもないらしい。 強いていうならば新緑が綺麗な時期だろうか。 それでも富士の山や海辺を望むような場所は、 季節を選ぶことはなくその場に佇んでいるだろう。] 風呂入って後、動かなくていいなら最高じゃん。 アレだろ、『タタミ』っていうんだろ?確か。 [映像でいつか見た緑の座敷。靴を脱いで暮らす生活。 普段慣れない異文化に触れられるのかと思うと、 少しずつ気分が高揚していくような心地を覚えて、声も弾む。] (36) 2023/04/19(Wed) 21:01:20 |
【人】 ツァカリ[適当に選んだ割には見栄えも良さそうで、 タタミも経験できそうな環境。 アルもそれなりに目を惹いたのか、暫し無言になって 指し示した旅館のデータを読み込んでいる様子なので。 彼からの言葉を待ちながら、また少しだけ飲み物で唇を湿らせた。 二人っきりになれる場所。その点については彼の読み通り 無意識だったように思う。 言葉にして指摘されたなら、はぐらかしたかもしれないが。 ぽん、と頭に添えられた手に、自然と視線が上がる。 返答は同意を示してくれるようなものだったから目を細め、 すり、と掌に髪を擦り寄せるように、喉を鳴らして。] いいとこそうじゃん。 [手柄を得たとばかりに細まった眦は弧を描いている。] (37) 2023/04/19(Wed) 21:01:39 |
【人】 ツァカリ温泉街ってことは他にも温泉があるのか。 観光地もあるなら一石二鳥ってトコだな。 よし、決まり。そこにしようぜ。 [即断即決。宿取って。と予約は任せてご機嫌に鼻歌を刻む。 既に狼の策が水面下で動き始めているなど、 気紛れな猫は気づくこともなく、目先のカプチーノが ちょうどいい温度になってきたことに意識を奪われて、 こくこくと、カップを傾けていた。*] (38) 2023/04/19(Wed) 21:01:53 |
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