【人】 ボク師 エリオン『限界時間まで末節25…24…23…』 [哀しんでいるかのように模られていた水晶の横顔に、 軽薄な笑みが再度張り付く。 達成に伴い、徒《ボク》の役務も優先順位が更新されていた] あの射出品こそ、 優先順位を上げて対応すべきだと思うんですが──まあ、いいでしょう。 たしかに、現在は別に急務がございますか。 『限界時間まで末節11…10…9…』 [そして、徒《ボク》は露になった黄水晶の虹彩を、 かつて霊峰が在った先 へと向ける] (20) 2018/12/18(Tue) 12:44:59 |
【人】 ボク師 エリオン『警告』 『警告』 『限界時間超過。限界時間超過』 『警告』 『警告』 『 隠蔽機構《ビハイダル・クローク》 、過熱状態《オーバーヒート》。虚数軸潜航《ディラック・ダイブ》 、維持できません』『警告』 『警告』 『 裸晶子《バラスト》 放棄。緊急浮上』『現界地の大規模地形変動観測済みなれど反映未。地形同期による遮蔽効果、期待できず』 『警告』 『確実な現出《ふじょう》を最優先。晶体の露出を許容する──』 『警告』 『警告』 『警告』 『警告』 『警告』 (21) 2018/12/18(Tue) 12:49:05 |
【人】 ボク師 エリオン[宇宙皇湖《うつのみこ》に、波紋が走る。 最初は緩やかに、徐々にその紋間を狭めて。 やがて、只人でもわかるほどに大地が揺れ──] . (22) 2018/12/18(Tue) 12:49:23 |
【人】 ボク師 エリオン[しばし、石材が落ち、擦られ、泣くかのような音が場に響いたかと思えば。 ──宇宙皇湖《うつのみこ》、その湖面に巨大な影《シルエット》が映り込む] . (25) 2018/12/18(Tue) 12:52:01 |
【人】 ボク師 エリオン[それは、富嶽であった。 喪われたはずの、富嶽であった。 明るく、七色に 煌めく《プリズム》 巨大な水晶製の霊峰・富嶽であった] (26) 2018/12/18(Tue) 12:52:56 |
【人】 ボク師 エリオン『 原初の塔《アーク・オブ・アーカイブス》 、すなわち晶星の富嶽《スターマウント・タイランペディア》 。本星地平に復帰せり』. (27) 2018/12/18(Tue) 12:53:19 |
【人】 ボク師 エリオン『──なお、晶子力不足の模様』 そうなんですよねえ…… [本来なら、幽世《カクリヨ》に位相の半分をずらすことで、不可侵体《イモータル・オブジェクト》化するところだ。 しかし今や月のイシの塔からの供給も途絶え、どころか彼の地の維持にも相当の晶子力を費やしている現状である。 加えて、富嶽の地にありうべきはずの補助塔《バッテリー》は先の天変で消失。本来から考えれば到底認容できないほどに、原初の地の防禦は弱まってしまっているといえる] (28) 2018/12/18(Tue) 12:53:50 |
【人】 ボク師 エリオン ……前言を翻すことになりますが、直接手を下すわけではございませんし。 緊急避難と許容いただくしかございませんかね。 [ひとりごちる徒《ボク》の視線の先には、鈍色の地平を晒す 月 が、彼の地の塔 がある──**] (29) 2018/12/18(Tue) 12:54:26 |
ボク師 エリオンは、メモを貼った。 (a8) 2018/12/18(Tue) 12:56:12 |
ボク師 エリオンは、メモを貼った。 (a9) 2018/12/18(Tue) 13:01:03 |
【人】 ボク師 エリオン さて……それでは。 先代躯体《ムーンストーン》の後始末をすると致しましょう。 [30万Kmの彼方、流石にこの水晶の瞳越しにはつぶさに捉えることはできないが──観測《み》えている。 月に座す《管理者》の玉座── 星母神殿 。否、ボクの徒《ボク》として用があるのは星母神殿そのものではなく、しかしその建造物としての根幹とも言える、 かの塔 ] (48) 2018/12/18(Tue) 21:37:45 |
【人】 ボク師 エリオン ……せめて晶子伝送路だけでも保持されていれば、再励起だけで安定もしたのでしょうが。 [だが、月の巫女はもはや亡い。 月なるイシの塔《ストレージ オブ ムーンサイド》は、今や晶子を浪費するだけの毒物と成り果てた] (50) 2018/12/18(Tue) 21:38:26 |
【人】 ボク師 エリオン[ゆえに、この判断はもはや、運命《きめ》られていた] 最終確認段階《フェーズ・ファイブ》。中枢《ボク》へ判定確認…… 『富嶽《タイランペディア》、賛成。 母南《マリアナ》、大西旭《アトランティス》、赤蝕精《フアン・マルス》、損失時特殊事項に基づき富嶽が権限継承済み。代行賛成。 月輪《ガチ・リン》、拒否権を請求……特殊事項72項に基づき請求を却下。 ──中枢《ボク》判定、賛成4、反対1により可決。』 中枢《ボク》判定の可決を確認。 ボクの徒《ボク》による代行権を確認──完了。 [遠く、水晶の富嶽が明滅を始めている。 翻ってこちら、徒《ボク》は懐にしまい込んでいた黒表紙の本を中空に浮かべ、大きく両開きに広げる──] (51) 2018/12/18(Tue) 21:42:30 |
【人】 ボク師 エリオン ──執行段階《エグゼキュート・フェーズ》。 [開かれた本、その無地の白い頁に、左手を重ねる。 熱砂に削られた中でも何故か残っていた白手袋がうっすらと、透けていく──] 固有イシ、躯体印 Ali【ΦEnΦ】One ……直通回線、接続。 枢原器《マスターキー》 、正常稼働──月輪《ガチ・リン》 の上位権限確保確認。[もし、月に目を向けているものがいれば、きっと気づいたことだろう。彼の地、星母神殿にある月の塔が。 七彩 に──死を悟った者の悲鳴を上げるかの如くに輝いていることを] (53) 2018/12/18(Tue) 21:53:39 |
【人】 ボク師 エリオン 最終コマンド。 『提言! 提言! 更なる刻を、せめて節を! 我がイシの圧縮展開を──』 『無視せよ。原書の維持を最優先することこと役務なり』 富嶽《タイランペディア》の指示を確認。 ……最終コマンド。 【 goodbye-forever《sudo rm -rf /》 (54) 2018/12/18(Tue) 22:02:07 |
【人】 ボク師 エリオン『お……ぁああァァァあゝアァァヴォアアアアイイイイ11111111010001010101010101010...』 [月にあったイシの中枢《ボク》、月輪《ガチ・リン》。 最終コマンドの投入により、彼の主管制知能《イシ》は削除された。 ──最低限の管制すら完全に放棄された莫大な晶子の塊が辿る道は、個々のイシの暴走であり、過熱であり── 臨界 である] 天を見なさい。 ──月を見なさい。 [スピカのために保持していた全世界回線に、徒《ボク》の声が乗る。どの程度の面々が果たしてその通りにしたかは定かではないが、ほぼほぼ末節もおかずして──] (55) 2018/12/18(Tue) 22:11:25 |
【人】 ボク師 エリオンズガァァァァァァァァァァァァン!!!! [イシの塔を織り成す結晶《イシ群》、その尽くが起爆し── 星母神殿は最早土台すら残さず、 爆散 したのだった] (56) 2018/12/18(Tue) 22:14:26 |
【人】 ボク師 エリオン[月の輝きが消えると同時、黒の書は役務を終えて灰と化す。 そこまで見届けてから、遺された月の子《ムーンチルドレン》への指令] 現刻現節現末節を以て、 色彩群《カラーズ》 を除く全月の子《ムーンチルドレン》の役務を解除します。もはやあなた達は破壊後に再臨することも、中枢《ボク》に陳述することすら不自由な身となったのです。 あなた達はイシあるイシ、しかし今やヒトほどにも脆い。 ……移動は許可します。 幻影月《ファントム・ルナ》に逃げ込むのもよいでしょう。 さあ、カカレ。 [そうして、徒《ボク》は。 《世界柱》の手がかりを探さねばならない。 仮に、 富嶽《タイランペディア》 によほど脅威が迫るようならば呼び戻されるのだろうが**] (57) 2018/12/18(Tue) 22:19:00 |
ボク師 エリオンは、メモを貼った。 (a12) 2018/12/18(Tue) 22:22:40 |
【人】 ボク師 エリオン 世界は今、試練の時に晒されています。 災いの手は、月にすら届いているのです。 惑える羊の子らよ、急ぎ幻影月《ファントム・ルナ》へ向かうのです。 道すがらに、羽ある僕により試しの儀があろうとも、 信念以て進むのです…… [そう、 ..。o○☆○o。..:*゚スピカ*:..。o○☆○o。《スピカ·シャイニングスタァ·バーニングハート》 もまた試みた誘導を継いで、扇動《アジテート》を試みる。ボクの徒《ボク》としての優先度はともかく、将来の晶子源としても彼らは可能性である故に。 ──そんなまにまだ、 富嶽《タイランペディア》 からの悲鳴染みた召還命令が届いたのは] (66) 2018/12/18(Tue) 23:35:16 |
【人】 ボク師 エリオン『観測。接近する熱源、 2 。個体識別──固有イシよりの情報を適合。 熱源1、個体名: 双極星《デュアル·スティグマ》。 熱源2、個体名: 白の氷結姫《マシロ・ザ・ビューティペール》。 敵味方識別── 赤 。敵対イシ、敵対イシ』 [富嶽《タイランペディア》は明滅し、接近する物体が敵対者であることを認めるが──その頃には、思い切りのいい黒い方《シロスーツ》の行動は始まっていた] (67) 2018/12/18(Tue) 23:44:14 |
【人】 ボク師 エリオン『観測。 高密度エネルギー物質、多数。 双極星《デュアル·スティグマ》 の危険度を上方修正。 晶樹の雫《ジュエリオン》 に召喚命令。最優先発令──』 [単周波の緊急通信をボクの徒《ボク》へと送りながら、水晶山脈は虹色の防御幕を展開していく] 『緊急防禦──並びに収束追跡砲《ハンティング・レーザー》、応射開始』 [黒い刃のいくつかは富嶽《タイランペディア》の張った防御によりあるいは阻まれ、あるいは歪められ、四方へ──湖へ、空へ、そして攻撃の出元へと弾かれた。 しかし、星ほどのエネルギーを圧縮したそれを防ぎきれるはずもなく──いくつかは山脈の七彩に輝く皮膚に着弾する] (68) 2018/12/18(Tue) 23:55:29 |
【人】 ボク師 エリオン[着弾──爆発。 山肌の一角が抉れ、周辺に水晶片をまき散らしたかと思えば──周囲を強烈な念波《イシの聲》が襲う。 それはきっと、やってきた二人にも届く声で] 『いたぁぁぁぁい!』『なんでこんなことするのぉぉぉぉ』 『あぁぁァァァあぁぁァァァ』『たすけて、たすけて・タスケテ』 『こわいこわいいやだいやだたすけて』『敵、敵、てきてきてきてき』 『いたいいたいたいいたいのいたい』 『いたぁぁぁぁい!』『なんでこんなことするのぉぉぉぉ』『あぁぁァァァあぁぁァァァ』『たすけて、たすけて・タスケテ』『こわいこわいいやだいやだたすけて』『敵、敵、てきてきてきてき』『いたいいたいたいいたいのいたい』 『いたぁぁぁぁい!』『なんでこんなことするのぉぉぉぉ』『あぁぁァァァあぁぁァァァ』『たすけて、たすけて・タスケテ』『こわいこわいいやだいやだたすけて』『敵、敵、てきてきてきてき』『いたいいたいたいいたいのいたい』 [もしそんな声に足が止まれば、富嶽《タイランペディア》より放たれた極小の虹色光──しかも歪曲し、追跡する──が間髪入れず襲い掛かっただろうが、果たして*] (69) 2018/12/19(Wed) 0:00:55 |
【人】 ボク師 エリオン──そんな頃、やや離れた戦場地── 富嶽《タイランペディア》より緊急召喚命令を受諾。 緊急度を鑑みて、晶子間跳躍による瞬間移動《テレポート》を承認。 緊急跳躍まで、末節10、9、8、…… [命令に従い、ボクの徒《ボク》は本拠へと戻らんとしていた。 とはいえ、跳躍までの間にきっと、襲撃者の二の矢程度は許してしまうのだろうが**] (71) 2018/12/19(Wed) 0:06:44 |
ボク師 エリオンは、メモを貼った。 (a16) 2018/12/19(Wed) 0:09:09 |
【人】 ボク師 エリオン『双極星《デュアル·スティグマ》、脅威度を上方修正。 有史絶無たる悪《レジェンダリー・イーヴル》と認定。 排除せよ、排除せよ。 防衛機構展開許可、許可、許可──晶子量供給に深刻な問題。 虚数軸潜航《ディラック・ダイブ》による退避……不可、不可。 晶樹の雫《ジュエリオン》 へ、召還命令の速やかな履行を要求──』 [富嶽《タイランペディア》は恐怖していた。 初手破壊行動? 遠巻きに観測行為を行い、やがて臆病すぎるほどに慎重に調査部隊を送るのがこの地に住まうヒトの常ではないのか? 混乱。だが混乱しているうちにも、晶体は削られ、被害は深刻化している──原書《イシ》が、喪われていく] (82) 2018/12/19(Wed) 12:42:39 |
【人】 ボク師 エリオン[仮にもイシを束ねる中枢《ボク》である。 論戦ともなれば勝利の確信すらあった。 だが、これはそれ以前。イシ疎通が──通じない。 これな 双極星《デュアル·スティグマ》 は、イシ疎通の術を有しながらイシを介さぬ。イシ疎通を放棄した獣《ビースト》相手に、中枢《ボク》のこの巨体は──ただの目標《まと》ではないか] 『疾く戻れ、 晶樹の雫《ジュエリオン》。 戻り次第、防衛戦闘を開始せよ。 大規模破壊攻撃はならぬ、中枢《わが》晶体《み》にこれ以上の被害を出さず、排除するのだ』 [悲鳴の如き要請をあげる中枢《ボク》に対し、敵手の元では極光が満ち始めようとしている] (83) 2018/12/19(Wed) 12:46:08 |
【人】 ボク師 エリオン[富嶽《タイランペディア》の山頂が、雪を冠した山肌のように白と黒の光に塗り別れたかと思えば、その麓から天頂へと光が集積していく。 間もなく、頂点に満ちた白光は、やや黄色味を帯びて頂点の頭上、少女たちに相対するあたりに球となって浮かび──ヒトの形に姿を変える。 そう、それは転送処理が完了したことを示すもの。 ゆえに、ボクの徒《ボク》が転送《テレポート》から復帰した瞬間に目の当たりにしたのは、 双極星《デュアル·スティグマ》 の撃ち返した収束光線《ゴンブトビーム》──]──!? 回避行動── 『回避制限《ならぬ》』 [顕現《あらわ》れると同時、反らしたビームは天空の彼方へ散っていく。ボクの徒《ボク》の左腕をまた、根元から焼き切りながら] (84) 2018/12/19(Wed) 12:54:39 |
【人】 ボク師 エリオンボクの徒《ボク》、参りました。 ……中枢《ボク》よ、落ち着くべきです。 全力を以て相対せねば、諸共に砕け散りますよ? 『否、否! 防衛専守! 汝はボクの徒《ボク》、原書《ボク》の盾として散るべし!』 [恐怖と焦りとにによる、制約指令すら刻まれて。 しかし、徒《ボク》は少女たちに対峙する──] ……致し方ありませんか。制限戦闘を受諾。 イシの史《いのち》を殺戮《スローター》する獣《ビースト》たちを粛清します。 史歴より戦闘型《バトルアクション》更新──拳法戦闘を開始します。 [中枢《ボク》からの射撃はそのままに。 中空を、足場があるかの如く強く踏み込んで、徒《ボク》は貫手を切って、 双極星《デュアル·スティグマ》 に接近戦を挑む──**] (85) 2018/12/19(Wed) 13:03:52 |
ボク師 エリオンは、メモを貼った。 (a20) 2018/12/19(Wed) 13:06:19 |
【人】 ボク師 エリオン ……どちらかといえば、富嶽《タイランペディア》の方が前から在ったと思うんですけどねえ。 ヒトの感覚で例えるなら、歴史的建造物を非公認宗教団体が破壊しまわっている構図ですよ、これ。 [呆れ顔を模りながら突き出した右の貫手、向こうが退けば再度腰を落とす] ──緊急接合。復元、義肢化を── 『晶子消費量の抑制指示』 [生やそうとした、戦闘型《バトルアクション》に適合した義肢は富嶽により却下。 次善策は、先だって極光を防いだものと同じ、水晶の盾。 肩口から、据え付けるようにして左半身を守らせる] (107) 2018/12/19(Wed) 19:05:48 |
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