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【人】 図書館長 アザレア[客観的な『色気』とかいうものを酷く気にしていることは 何となく認識しているが理解はし難い。 きみの魅力を唯一理解していればいいわたしが そのままのきみに問題なく興奮するのだから 何を憂う必要があるのかはわからないし ……きみがその不安を抱く最大の要因が 二重の意味での わたしの手の遅さにあるなんて知りもしない。] こたつでアイスが最高みたいな原理だろうか。 寒いところに暖かいものがあれば より素晴らしく感じたり…… 人に見せられない無防備な姿になる場所をあえて 外に存在させることで得る開放感だとか……? [人に見せられない無防備な姿を少し恥じらいながらも 隠すことなく見せてもらえる間柄なんだよなぁと 改めて噛み締めることを『魅力を感じる』と呼ぶなら 特に否定する要素はない。 多分彼女の求めている魅力とは違うなんて わたしが正しく理解するはずもないが 勿体ぶるように随分と遅くなった着替えの速度に 見せつけられているような心地を覚えるのは 完全に欲目であることくらいはわかったし それは正しくきみの求める『惹かれている』ということで 相違ないのではないかと思う。……たぶん。] (0) 2021/01/07(Thu) 6:50:18 |
【人】 図書館長 アザレア[わりときみへ抱く興奮を隠しもしていないし 触れることにもこんなにも遠慮がないので 少し慎んだほうがいいだろうかと思っているくらいで わたしがきみに魅力を感じていないのではないかと 不安を覚えているきみとは全く噛み合っていない。 きみから求められているのか、或いは 未知の経験への恐怖をまだすこし抱かれているのか。 疑問に感じているわたしの感覚はそのまま 複雑なきみの心情なんだろうなぁと最近思う。 だから、或いはこのまま強引に求めても。 きみは恥じらい戸惑うだけで拒まないのだろうし なにもしなければ ほんの少しの不満を抱きつつも安堵するのだろう。 どちらが正しいのかわりといつも悩む。 自分がどちらを望んでいるのかも酷く複雑だった。 ぎりぎりのバランスを綱渡りしている感覚……… ……そこから、一歩。 踏み外しそうになっては、躊躇う。 安牌の『現状維持』はいつだって魅力的で 今度もまたその誘惑に負けた。 物足りなさを覚える現状に一番安堵しているのは きみよりもわたしの方であることは間違いない] (1) 2021/01/07(Thu) 6:50:57 |
【人】 図書館長 アザレアひとにみせるものではない肌着、が靴下で その下の肌が、素足だとか……そんな感覚かな? わたしに染み付いているものも酷く半端な習慣だから あまり定かではないのだけれどね。 [幼い頃の習慣は抜けにくい。 けれどきみはわたしの傍で随分変わったよね。 わたし好みに変わる必要はないと告げた舌の根も乾かぬうちに そんな言葉が零れそうになって飲み込んだ。] (2) 2021/01/07(Thu) 6:51:50 |
【人】 図書館長 アザレア[或いはそれこそが…… 相手の望む形に柔軟に変わってみせることこそが 彼女が幼い頃にその身に染み込ませた習慣なのかもしれない。 そうとなんとなく気付いている理性が寸でのところで 浮かれて滑りそうになる口を噤ませる。 わたしを喜ばせようと思ってくれるのは純粋にうれしい。 わたしもきみにそう思うからこそ、余計に。 同じ気持ちでいてくれる喜びが重なって、 幸せな気持ちにさせてくれる。 けれどべつに100%わたしの望むきみでなくたって きみに惹かれた事実は変わらないのだと 伝えることはわたしを喜ばせようとしてくれるきみの 努力を踏み躙ることになるのか…… 考えても答えを出すのは難しい。 わたしだって、きみをよろこばせようとしてしたことに対し 「そんなことはしなくていい」と言われるよりは 「うれしい」と喜ばれる方がいいに決まっているから難しい。 正解は今日もわからないままだった。] (3) 2021/01/07(Thu) 6:52:55 |
【人】 図書館長 アザレア[柔らかな胸元をあひる共が押しつぶしている。 無機物の分際でうらやましい限りだ。 膨らみが足りないときみはしきりに気にしているが 誰にも許さぬ場所に触れることを許される事にこそ 興奮するのだから質量が如何なんて些細な問題だ。 『誰にも』に子供たちが含まれていないことに 強い憤りを覚えるが今はその話ではないね、ない。 お湯に手で触れただけで何故だか 信じられないものを見る目を向けられた。 なぜだ。衛生面の問題だろうか。] 貴重かどうかよりもきみが安らげる温度であるかが 一番重要なんじゃないか。 心地よく寛げる温度が一番だ。が。 ここのお湯を例えば雪を放り込むでもして 温度を下げるわけにもいかないしなぁ…… [無理はしないように。心配のまなざしを向けるが 慣れてしまえば気持ちよさそうなので杞憂だったようだ。 かけ湯くらいは家でもやるだろう?しないのかい? それこそ子供の頃からの習い性なのだと思う、多分。 眼鏡?あれはほぼ老眼鏡なので。割と見えているよ。] (4) 2021/01/07(Thu) 6:54:47 |
【人】 図書館長 アザレア[割と見えているが鮮明ではない 雪化粧彩る絶景の庭よりも 目の前のきみの方が魅力的だったし なんなら鮮明に見えていたってきっと きみの方が変わらず魅力的なのだと思う。 きみがどんなに否定したってわたしにはそう思えることは 変え様のない真実である事はきみにはきっと理解されない。 けれどわたしだけが知っていれば これといって問題ないので別に構わない。 見るだけでも最高なのに触れるのだから まさに至高のひとときだ。 きみがなんの警戒もしないのがまた素晴らしい。 その無防備さが誰にでも振りまかれそうなことには 思わないことがないでもないが。 互いに築いた信頼が、信用が きみの身に染み込んでいる証なのだろう。 ……と、思いたい] (5) 2021/01/07(Thu) 6:58:10 |
【人】 宵闇 迅どこに需要があって作ってんだか知りませんけどね。 売ってるとこは見たことないね。 県内に果樹園があるらしいけど。 [ドラゴンフルーツ味、という単語に、>>3:94 ガキの頃みたくいたくウケた記憶を思い返しつつ頷く。 ライチだとか、マンゴーだとか、パイナップルとか。 南国フルーツなら、もっとメジャーなものがあるだろうに。 少なくとも自分たちの狭い世界では、 そんなにメジャーな需要があるとは知らなかった。 更にそれが、地元で栽培されていると知って更にウケた。 そのノリでふるさと納税をしなかったのは褒めてほしい。 箸が転がってもおかしいぐらい笑い転げた成人男性三人は、 かろうじてブレーキを踏めたのである] 言えるように帰っていくならね。 [真剣な顔を茶化すように応えて、 さて本当に無難であるのかは神のみぞ、というやつだ。 なにせ入り口が自室の以下略であったので、 下手したら妹ごと宿の扉を開いたら自室だった、が ありえないと言い切れないのだ。] (6) 2021/01/07(Thu) 22:22:48 |
【人】 宵闇 迅ふ、 足元が疎かになる"クセ"はまだ治らんの。 [珍しく雪が積もった時、>>3:95 暇潰しに庭で小さな雪だるまをこしらえていた兄に、 笑顔で駆け寄ってきたと思えば、 くつしたがぬれたと顔をしわしわにして戻っていった妹が 瞬時に思い出されて、思わず笑ってしまった。 まだ、"つくした"としか言えない頃だ。 妹は覚えていないかもしれない。] はいはい、のぼせるんじゃねぇですよ。 あと、沈んでてもわからないからね。 [さくっと立ち上がった姿を見送って、ひょっこりした口が 足湯、と言うのを聞けばひょいと片眉を上げる。 そのまま寝落ちそうだ、と内心で苦笑して、 いいから早く行きなさい、とばかりにそっと手を振った*] (7) 2021/01/07(Thu) 22:23:29 |
【人】 埋火 真里花 買う人がいるから、あるんだろうけど…… 果樹園があるんだ〜。 じゃあ遊びに行ったときに買いに行けるかな。 [ 可愛い妹に美味しいかわからないものに チャレンジさせるのは忍びなくとも、兄ならいい ――と思ってるわけではなくって。 おいしい、も、まずーいも、 一緒なら笑い話の思い出になるかなって 思えたから。 ] そっかあ そうだねえ [ 真剣な表情は兄の茶化すような言葉>>6に、 崩れていく。 来たときのことを思えば、寝て起きたら お部屋の天井が見える、の可能性があったし、 なんなら夢ならそのパターンが お決まりのやつで、起きたときには 夢の内容は忘れてしまっている、というのも よくある話。 ] (8) 2021/01/08(Fri) 12:14:47 |
【人】 埋火 真里花 ……油断してただけ、だもん 笑わないで、 [ クセ>>7と、そう言われて、 そう言えばと、あれやこれや思い出すも 兄が覚えている私、は幼稚園児の私であって 今の私よりずっとずっと子供だったから! それよりちいちゃいときの話は さすがに覚えていないし、 言い訳できないのは注意力散漫で あの頃と同じように靴下びしゃびしゃにしたから ですけども! ] はぁい 大丈夫、沈む前に助けてっていうから〜 [ 沈むなという話ではあるのだが、 ぷっくり膨らませた頬が、瞬時に笑みに変わっただろう。 今日の表情筋はいつもの何倍も忙しい。 たのしい、とうれしい、が列をなして やってくるものだから。 ] (9) 2021/01/08(Fri) 12:15:21 |
【人】 埋火 真里花―― 部屋付露天風呂 ―― ひゃー、さむっ [ 露天風呂は雪景色。 全裸でいつまでも眺めていたら凍死待ったなしである。 少し熱めのお湯を足からかけると、 ] えっ こっちはあつっ [ 少々冷えた体には大変熱く感じて、右往左往。 源泉の出てくる場所を避けて、足先だけで ちょい、ちょいと、お湯を蹴る。 よし、いける。と覚悟を決めて体をお湯へ沈めた。 ] (10) 2021/01/08(Fri) 12:15:47 |
【人】 埋火 真里花 あぁぁ………最、高、…… [ 畳んだフェイルタオルを頭の上へちょいと乗せて 肩まで沈み込むと、体の芯からぽかぽかと 温まってくる。 小さな庭といった様子の露天の景色、 木造りの屋根がかかっているから、直接雪が 落っこちてくることはないけど、舞い込んでくることは あるみたい。 ちらつく雪は、私の指に落ちると消える。 私が動くと、お湯もちゃぷんと音を立てる。 じっと動かないでいると、降る雪の音が聞こえるんじゃないか と思うほど、静か。 振り返っても、部屋の中の様子は見えなくって お湯がちゃぷん、と言うだけ。 ] (11) 2021/01/08(Fri) 12:16:16 |
【人】 埋火 真里花 ……はなしたいこと、いっぱいあるのに [ 部屋の中では兄が、待ってくれているだろう。 十年、それも子供の十年、離れて暮らしている方が 長くなってしまっても。兄の記憶も、面影も 消えることがないままで、いつも私の頭の少し上にいる。 してほしいことも、してあげたいことも、 みせてほしいものも、みせたいものも、 たくさんたくさんあった。 手紙に書いて、電話で声を聞いても、 触ることは、できなかった。 今なら触ることもできるけど、 今度はなんだか照れくさくて、子供みたいなこと 言って、と言われるかなって思ってしまって。 なかなか自分からは触りにいけないけれど。 兄が先回りして、頭をなでてくれたものだから。 それが、嬉しくて。 ] (12) 2021/01/08(Fri) 12:16:41 |
【人】 埋火 真里花うぅぅ…… [ ぱしゃり。 両手で顔を洗うようにお湯をすくい上げる。 ――当然ながら結構熱いけど。 それでも何度も、お湯をかけた。 これはお湯だから。お湯。 自分に言い訳して、 ] 覚めなきゃいいのに、 [ ばかなことを、口にする。 覚めないと困る。外泊するなんて言ってないから 父母も妹も心配するだろうし、兄も困るだろう。 それでも、 ] もう少しだけ、おねがいかみさま、 もうすこしだけ、一緒にいさせて [ 願ってしまう。 ごめんね、かみさま。 ごめんね、おにいちゃん。 真里花は今日だけ、悪い子になります――。 ] (13) 2021/01/08(Fri) 12:17:17 |
【人】 埋火 真里花―― 露天風呂→部屋 ―― [ ゆっくりお湯に浸かって、 頭と顔、体を洗ってから浴室を出て、洗面所兼脱衣所で 髪の毛を乾かして、部屋へと戻る。 着替えはせっかくだから浴衣を借りることにした。 黒地に金魚がちょっとだけ泳いでいる柄のものを。 少し地味だけれど、お祭りに行くわけじゃないし。 帯もちゃんとしたやつじゃなくって、結ぶだけの 細いのを選び取った。 ] きもちかった…… ぽかぽか [ リラックス効果は抜群にあって。 そのせいかな、きっとそのせい。 十分に温まった両手を兄の頬へ当て。 ] ね?あったかいでしょ お兄ちゃんも入って来ていいよ いちばん、譲ってくれてありがと。 [ にぱ、と笑って、ありがとうを言った。* ] (14) 2021/01/08(Fri) 12:17:42 |
【人】 きっと教育係 キネレト[最初は、恋愛偏差値幼稚園児レベルの僕に 君が足並みを揃えてくれているのだと思っていた。 一年前の今頃は君にただ抱き締められただけで 僕は軽く数時間は意識を失っていたし、 唇なんか寄せられようものなら過呼吸に陥って お迎えの天使を何度となく呼び出していた。 名前を呼ばれるだけで嬉しい。 隣に居させてもらえるだけで嬉しい。 手を繋いで添い寝を許されるだけで満たされていた。 それは今でも変わらないが、以前よりも それでは物足りないと感じることが増えたように思う。 焦れったさを覚えたり 自分に魅力がないのではなんて悩んだりするのは、 君自身の気持ちも考えずに 君に愛でて欲しがってしまっている証左だ。 自分でも最近思う。 君の傍に長く居ることで、 きっと僕は随分と贅沢になってしまった。] (15) 2021/01/08(Fri) 14:10:17 |
【人】 きっと教育係 キネレト[物心付き文字を覚え始めた頃から君のことは知っていた。 図書館でたまに見かけるお兄さん。 いつもカウンターに居るわけではなくて でも優しそうな雰囲気を纏っていて、 僕の周りの子達は皆『アザレアくん』と呼んでいたから 僕も自然とそう呼ぶようになった。 歳はわからないけれどたぶんずっと歳上だ。 でもそんなの全然気にしなかった。 目上に対して正しく敬意を払えるほどの楽や教養を 幼かった僕は修めていなかった。 ただ、他の司書さん達がみんな彼にお辞儀をして 彼のことを『館長』と呼ぶから、 きっと偉い人なんだろう、と。 そんな彼が、不意に子供みたいに見えた。 何時どこでそう感じたのかの記憶はもう定かではないし 別に頼りないとか当てにならないとか思ったわけでもない。 それなのに何故か、休み時間に教室に 独り残されて俯く子供みたいに見えた気がして。 そんな印象に反して君自身は 自分を甘やかそうとする人間などもう居ないと 達観して何かを諦めたような物言いをしていた。 そんな意固地な君を甘やかしてみたいだなんて 傲慢かつ分不相応にも負けん気を抱いたのが、 君に惹かれ始めた切っ掛けだったような気がする。] (16) 2021/01/08(Fri) 14:10:30 |
【人】 きっと教育係 キネレト[どんな時に君は僕に大切にされていると感じるのか。 そう尋ねたのはどうにも君に 僕の気持ちが伝わりきっていないような気がしたからだ。 生きて来た環境が違う。年数もたぶん大分違う。 愛情と名の付くものの定義も、受け取り方も 僕と同じとは限らない。 加えて僕自身が、愛情に限らず 自分の想いを人に伝えるのが極端に下手くそだ。 君が何らかの不安を抱いてしまうなら 原因は僕にあるのだろうと考えた。 僕本人が微塵も思っていないような推測を立てて 発言を疑っては試すように言動を重ねていた君だ。 言葉で想いを囁くことは無駄ではなかろうけれど それだけでは足りないのかもしれない。 それなら何か行動を伴わせれば? 僕の思う愛情を示す行為が 君の思うそれと同じとも限らない。 だから僕が君へと贈る愛情表現は、大体が 君が僕にくれて嬉しかったことの見様見真似だ。 触れ方も唇の寄せ方も想いの伝え方も真似っこでしかない。 僕自身の感情としては弱く映るのかもしれない。 君と離れている間も僕はずっと君を想っているけれど それだって、敢えて伝えることはしないものだから 君にとってはないのと同じだろうしね。] (17) 2021/01/08(Fri) 14:10:41 |
【人】 きっと教育係 キネレト[君に選び続けてもらえる僕で在る為には どうすれば良いんだろう。 僕にとっては君は不動の一番だけれども 君にとっても僕がずっとそうとは限らないだろう? 人の心は脆くて移ろいやすいものだ。 君の一番の座を誰にも譲りたくはないけれど、 君の幸せは僕の目の届かない場所にもあるかもしれない。 それでも僕は、君を想う。 そして君なら本当に命ある限りずっと、 僕の傍に居てくれるんだろうな、とも思う。] 寒さを和らげるために生み出された炬燵で 敢えて冷たいものを食べることで、 暖かさを享受できる幸せを噛み締めるんだろうね。 温泉は……抑圧された日常からの脱却かな? 屋外で生まれたままの姿を曝け出しても 何者にも傷付けられず居られる幸せに、 解放感を覚えるのかもしれないね。 [教会の子供たちをお風呂に入れる時には 無防備な姿になることに特に抵抗はないのに、 君の前だと恥じらいを覚えるのは何故だろうな。 注がれる熱い視線をじりじりと感じながら 脱ぎ終えた服は君に倣って丁寧に畳んで重ねた。] (18) 2021/01/08(Fri) 14:11:03 |
【人】 きっと教育係 キネレト[こうして見つめられるのも初めてではないはずだが 君を惹き付けられている気もちっともしないのは、 単に僕自身の元々持つコンプレックス故だ。 願えば君は拒まず受け入れてくれるのだろう。 僕に合わせてくれてしまいそうで怖い。 ……そう思っていたんだが、 口にせずとも察して欲しいだなんて思うことの方が 傲慢だと最近は思うようになってきた。 君に触れたいとは常々思っているし、 君が佇んで居るだけで日々感動を覚えている。 それでもいつも、君に触れようとするたびに躊躇う。 自分の欲求だけで君を消費するような真似はしたくない。 頬に触れても構わないかな。唇を寄せても怒らないかな。 嫌では、ないか。きもちわるくはないか…… 喜んでくれるか。触れたら、……君も触れてくれるかい? 尋ねずともきっと君は許してくれるのだろうし 尋ねれば「そんなこと一々訊かなくとも」なんて 言われそうだ。知っている。君はきっと僕を拒まない。 ならば何を躊躇うのかと考えれば、 その行動を起こすことで君が僕に抱くだろう感情を 悪い方に予想して一人勝手に凹むからだろう。 君は君で、想像していた以上に慎重だ。 僕は僕で、石橋を叩きすぎて割る系の臆病者だ。 ある意味似たもの夫婦なのかもしれないね。] (19) 2021/01/08(Fri) 14:11:20 |
【人】 きっと教育係 キネレト……君も、僕の前で裸になるのは 恥ずかしかったりするのかい? [ふと浮かんだ素朴な疑問をぶつけてみる。 あまり全裸を恥じらう印象がなかった。 自分だけが恥じらっているなら余計に恥ずかしいが、 他の誰かには見せたくないものを 君は僕には見せてくれているのだと改めて思えば 仄暗い優越感が芽生えてしまう。 普段の君は、顔と首元と両手以外を全て 布地でかっちりと覆い尽くしているから余計に。 対する己の胸元をふと見下ろす。 酷い時には男性と間違えられる程度になだらかな胸に 安らぎの類は微塵も感じられないように思う。 思うのだが、気のせいかつ欲目でなければ君の視線は 胸元のあひるちゃんに嫉妬をして見える。何故だ。 もっとふかふかな柔らかい胸が僕にあれば。 同僚シスターの豊満な胸を見て何度そう思ったか。 けれどあれはあれで色々と大変そうなので 休日はタンクトップ一枚で過ごしたい僕には 扱いきれないだろう。きっと。 下着もよくわからないし大きいのは物凄く高いって聞いた。 故に僕は今日も、 この断崖絶壁を君に押し付けてやろうと思う。] (20) 2021/01/08(Fri) 14:11:44 |
【人】 きっと教育係 キネレト自分一人で入るならそれも良いけれど、 君も一緒に入るのだし…… 加減を誤って冷たくなってしまったら悲しいしなぁ。 折角雪を使うならお湯に溶かすより 雪だるまや雪うさぎを作って遊んでみたいな。 [おっと湯船に浸からずシャワーで済ますことが多いのが 今の会話でばれてしまった気がするぞ! 僕の馬鹿!! 掛け湯というか大事な場所を洗う習性しかなかったな。 後は湯船にぶっつけ本番スタイルだ。 眼鏡を外している君の様子を窺っていると どうやら普通に見えているらしかった。 見えているのに滑って転んで溺れてしまいそうなのは、 寧ろ僕の方だったかもしれない。 白に覆われた風情溢れる絶景そっちのけで 眩しい銀の光の元に曝された君の素肌に視線を泳がせる。 隊列を崩して湯船の縁へと追いやられるあひるちゃんたちに 注意を払う余裕は既にない。 君がどんな想いを抱いて僕に触れているか知らない。 心は読めないから、意地悪く笑う君を見ても 大袈裟に心臓が飛び跳ねるだけだ。] (21) 2021/01/08(Fri) 14:12:30 |
【人】 宵闇 迅[露天風呂へ向かった妹を見送って、 背の後ろについていた腕を、 だらしなく座卓に投げ出して肘をついた。 頭を支えているのも億劫で、曲げた肘に挟まるように 座卓に凭れて目元を覆うと、そっと目を閉じる。 雪の降っている場所は静かだ。 そっと耳を澄ませれば、ひとの気配と、 遠い水音さえ聴こえそうなほど、 穏やかな時間が横たわっている。 電話で声を聞いていても、 記憶の中の声は、いつだって幼かった。 おにいちゃん、と舌足らずに呼ぶ、つたない声色。 突拍子もないことをしては兄の肝を冷やし、 心を温め、飾らない笑顔を連れてきてくれる] (24) 2021/01/08(Fri) 22:15:08 |
【人】 宵闇 迅[ふと気を抜いた時にやってくる追想はいつだって涙で終わる。 痺れを切らした母親に抱えられて遠ざかっていく、 肩越しに目一杯手を伸ばして、くしゃくしゃの泣き顔で。 彼女に笑顔を覚えておいてほしかったぶんだけ、 自分はあの顔を覚えておこうと思っていた。 無力だったこと。 恩知らずと言われようが、背を蹴り飛ばしてでも、 腕の中に引っ張り込んでやらなかったこと。 あの子のヒーローで、いてやれなかったこと。 ――けれど。 成長した面差しが重なる。 泣いてはいなかった。 相変わらず、くるくるとよく変わる表情と、 未だに突拍子もないことをしかねないあやうさと、 変わらないあたたかさと、掛け値なしの笑顔を連れて。] (25) 2021/01/08(Fri) 22:15:18 |
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