【人】 piacere ラウラ【マウロの部屋】 >>23 リカルド様 貴方の言葉に何かを答えようと顔を覆うままに口を開くけれど、喉が震えて上手く言葉を紡げない。 己の中でここまで大きな存在があることに初めて、気付いてしまった。 そう、これはきっと── 喪失感 。女にはまだその名前を理解出来ていないけれど、いつかにも感じたもので……忘れてしまったもの。 一度袖で涙を拭い、差し出されたハンカチを受け取る。 そこで見えた表情はいつも通り ではない だろう。貴方はベッドに腰かけているから、視線はやや下に向かうのだろうか。 であれば 涙は床へとポロポロと零れ落ちて、拭ったはずのそれもあまり意味が無くなってしまった。 ラウラは、知りませんでした。 マウロ様がラウラのために何かを残してくれようとしたこと。 知りませんでした。こんなにも考えてくださっていたこと。 知りませんでした。……マウロ様、ラウラは。…ラウラ は、 「マウロ 様……、………どう、して。 ……どうし て、…ずるい、です…………」 いたい、 くるしい。 かなしい。 置いていかれる事がこんなにも辛いことだと、わたしはまた 理解するのです。 受け取ったハンカチは、直ぐに涙で濡れてしまった。 声を上げることは無いけれど、貴方に迷惑をかけてしまうのではないかと思考するけれど。 どうすればこの涙が止まるのか、本当に分からないのだ。 「……ごめん、なさい………………………」 (29) 2022/08/19(Fri) 2:40:27 |
【人】 ショウダウン ヴィオレッタ【賭博場】 今日も今日とてカジノの門は開く。 祭りの喧噪に負けない歓声と悲鳴の坩堝は今日も盛況のようだ。 であるならば、この勤勉なディーラーが居ない訳もなく。 「いらっしゃいませ、お客様。 本日はどの遊戯になさいますか?」 今日も笑顔で客を出迎える。 (31) 2022/08/19(Fri) 8:41:20 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【マウロの部屋】>>29 ラウラ 「……謝らないで良い」 こんな泣き方をされたことは今までになかった。 女の涙を見たことがないなんてそんな事は言わないし、冷たくして泣かせたことなら何度もあるくらいだが。 それでも、幼馴染を思って泣いている女をどうすればいいかなんて、俺にはわからない。 これがツィオなら、歯の浮くようなセリフを吐いて慰めるのだろうけど。 そんな言葉を操る自分は最早自分ではない。 だから、自分ができることと言えばそんなに多くはなくて、腰掛けていたベッドから立ち上がると貴方に一歩近づいて、手を伸ばした。 子供にやるようにできるだけ優しくその頭をぽんぽんと撫でて、少しだけ思案を重ねて、ゆっくりとその耳元に顔を近づけて―― ―――紡ぐ言葉をその耳に溶かしていく。 (32) 2022/08/19(Fri) 8:53:46 |
コルヴォは、一度、二度、乾いた銃声を路地裏に響かせて。 (a28) 2022/08/19(Fri) 10:34:22 |
コルヴォは、そうしてまた死に損なった。 いつかの時の事。 (a29) 2022/08/19(Fri) 10:34:29 |
コルヴォは、どうしようもない死にたがりだ。 (a30) 2022/08/19(Fri) 10:34:37 |
レヴィアは、血に濡れたリボンを捨てて、新たなリボンを買った。いつもの黒色だった。 (a31) 2022/08/19(Fri) 11:27:23 |
【人】 piacere ラウラ【待ち合わせ場所】 >>28 ツィオ様 今来たとこ、なんてことは嘘に決まっている。 断定するのはいいことでは無いが貴方だから、と。 それを指摘することは勿論、ないのだけれど。 漂う香りに少しだけ目を細めて、ゴミ箱に捨てる流れまでを菫色に映す。 やっぱり何だか、似合わない。そう感じてしまった。 続く言葉には目をぱちぱちと瞬かせた。 「……ツィオ様も、ですか?」 そこはどうやら、予想外だったらしい。 スラスラと紡がれるいつもの言葉よりもそちらに反応して。 返事を考えている間に道を促されたから、黙って頷く。 ▽ (33) 2022/08/19(Fri) 11:49:53 |
【人】 piacere ラウラ【どこかのバー】 >>33 ツィオ様 ここに辿り着くまでに、以前訪れたことのあるとあるバーの存在を思い出して。 叶わなかった"また"に胸が痛くなる。明日が来ることが当たり前だなんて、そんなことあるはずもないと知っていたのに。 少しだけバーの中を見回して特に指定がなければ端の席に向かう。 開いたメニュー表は一般的なものが載せられているのかもしれない。 「…ツィオ様は、どうされますか?」 問いかけながら、女はサザンオレンジsakeを頼むことに決める。 何でも構わないとは言えないが、適当に目に付いたものを選んだ。 伝えたいことを口にするのは、頼んだものが届いてからだろう。 それを貴方に告げる必要は無いのかもしれない。 それでもなんとなく、口にしておくべきだと考えた。 (34) 2022/08/19(Fri) 11:51:09 |
【人】 piacere ラウラ【マウロの部屋】 >>32 リカルド様 涙で濡れていくハンカチを握りしめながら、ゆっくりと頷く。 優しい声だと、そう感じました。 この間も涙は止まらなくて、胸が苦しくて。 締め付けられるような痛みに、悲鳴をあげそうになりました。 泣いたところで何も変わりはしないのに。 忘れてしまった──閉じ込めた感情が溢れて止まらない。 きっかけがあればいつだって零れてしまうような、そんな状態で。 ともすれば、壊れていくことも有り得たことで。 貴方についてここへ来たことは正解だったのだと、いつかに知る。 いつも通りであることが本当に何も問題ないと言える、訳もない。 ベッドの軋む音が僅かに響き、近づいた気配を感じた瞬間。 優しくて、大きな手が己の頭を撫でる。 その感触に強ばっていた体の力が抜けるような心地がして、小さな吐息が零れた。 だから自然と、囁かれる言葉も耳に届いて。 ▽ (35) 2022/08/19(Fri) 13:18:20 |
【人】 piacere ラウラ【マウロの部屋】 >>35 リカルド様 暫くはそうして、泣き続けていたけれど。 落ち着きを少しずつ取り戻し、最後にもう一度目元を拭う。 謝罪はきっと、また謝らなくていいと言われてしまうだけ。 感謝は……今日はずっと、貴方にそれを伝えている気がする。 だから代わりに。 「………お任せ、ください」 今度は言葉にして、真っ直ぐに貴方を見つめた。 泣き腫らした目は情けないものがあるけれど。 託されたものを確かな決意で受け止めたことが伝わるように。 それがきっと、貴方への感謝に繋がるのだから。 (36) 2022/08/19(Fri) 13:21:47 |
ラウラは、サイドテーブル上の写真立てに手を伸ばし。 (a32) 2022/08/19(Fri) 13:22:31 |
ラウラは、もう一度それを大切に。大切に、腕に抱いた。 (a33) 2022/08/19(Fri) 13:23:59 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>30 ソニー 「むしろ休業中に仕事の話をしてるだけ あたいは十二分に丁寧な対応をしてるんだけど?」 苛烈。街における評判そのまま、これは全く容赦がない。 コーヒーをもう一度口に、肩を竦めて立ち上がる。 「言ったろ、休業中だって。 仕事でなら脂ぎったオッサンだろうが 棺桶に両足突っ込んだジジイだろうが 顔合わせる度誘ってくる野郎だろうが クソレズだろうがサイコだろうが付き合ってやるが、 そうじゃないなら付き合う理由がない。 あたいを誘いたきゃ、濁してないで本題から言うんだね。 最低限、それが人の時間を貰う礼儀ってモンだ。 ……うわ、5分半経ってるし」 迷彩カーゴパンツのポケットから取り出した 無骨な腕時計を見て顔を顰める。 扱うモノと同じくらい冷たく硬い女。 「そうだね、あと20秒だけ話を聞いてやろう。 19、18……」 残された猶予はそれだけ、それが終われば女は消える。 追跡も出来ない程、巧妙に。 時計しか見ていない相手に何を言うのも自由だ。 (37) 2022/08/19(Fri) 14:35:56 |
【人】 暗殺屋 レヴィア【花屋】 女は花屋にて。 ヒヤシンスを一本買った。 紫のそれを包装してもらい、店を後にする。 女の瞳と同じ色。 それを胸に抱えながら、またどこかへと歩いていく。 黒の日傘が今日も女に日を当てないように広げられていた。 (38) 2022/08/19(Fri) 16:20:46 |
【墓】 家族愛 サルヴァトーレ>>+11 アベラルド 「五日目は最終日だから忙しそうだね。四日目あたりにどう?」 ナンパにも冗談にも、けれど本気にも聞こえるような誘いをかける。勿論断ってもいいし、受けてもいい。ここでの二人はただの店員と馴染みの客であって、それ以上でも以下でもないのだ。どんな答えを返したって誰も気にしない。 手を出して商品を受け取る。小さな袋を大切に提げて、一歩下がった。 「それじゃあね。本当にありがとう。直にまた来るよ」 「楽しみにしていて」 (+12) 2022/08/19(Fri) 17:49:22 |
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