枠のなか 卯波(匿名)は、メモを貼った。 2021/08/15(Sun) 18:10:14 |
【人】 少年 編笠>>+12 卯波 楽し気にカメラを持つ卯波に少しだけ違和感を覚える。 何かが、決定的に変わった様なそんな違和感。 焦燥に後押しされるように口を開く。 「俺は……。 そういや、昔からあんまり祭り得意じゃねーらしい、実は」 ポケットに手を突っ込んだまま、言う。 「別に嫌いってわけでもないし、好きなんだけど。 それでも、苦手なんだよ。 祭りは必ず終わりを迎えて、 終わった後の日常は始まる前より寂しいから。 なあ卯波、祭りの最中に、この祭りが ずっと続けばいいなって思ったことねーか?」 薄暗くなってきた周辺の真ん中に立ち、 静かにそう尋ねた。表情は何も変わらない。 (18) 2021/08/15(Sun) 18:10:18 |
枠のなか 卯波(匿名)は、メモを貼った。 2021/08/15(Sun) 18:11:37 |
【墓】 現実に背を向けて 竹村茜夕凪姉に着付けを手伝ってもらって。 薄い水の色に白の葉が踊る浴衣を身に纏った少女は祭りに繰り出した。 少女に合うサイズの浴衣が用意されているなんて有り得ないのに。 ちょこんと頭の後ろに括られた髪が、走るたびに揺れる。 「シュンー!アキラー!うーなーみー!遊ぼーっ!」 そして、一目散に幼馴染の元へ駆けて行くのだ。 (+13) 2021/08/15(Sun) 18:15:24 |
【墓】 枠のなか 卯波傾いた日の、光が当たる地面に立ち、 ほんの少しだけ首を傾げて。 あなたを木陰に残して、 一歩、二歩と早足で歩き、 振り返ると、微笑んでみせる。 「あるよ」 誰かにも見せた。今まで誰にも見せなかった、 恋焦がれるような、悪戯を思いついたような、 ほんのちょっぴりだけ蠱惑さを煮詰めた笑み。 「お祭りが終わった後の日々は、 切なくて、つまらないことばかりだもの。 帰りたくないなって何度思ったことか」 それは変わらないあなたの表情と対照的だ。 違和感は違和感だけでは終わらず、 確かに、何かの変化を齎そうとしている。 ▼ (+14) 2021/08/15(Sun) 18:19:29 |
【墓】 枠のなか 卯波▲ >>18 編笠 「でもね。楽しいからこそ切なくなるんです。 お祭りも、その先の味気ない日常も、 俺は全部ひっくるめて好きで居たい。 ずっと同じ風景ばかりの写真じゃ──飽きるでしょ?」 俺に勝負を吹っかけた晶兄だから分かるでしょうけど、と続けて──また、昨日のように手を伸ばす。 遠くから聞こえてくる彼女の声も、また同じようなシチュエーション。きっと、映るものも似たような四角い枠の中だ。 「ね、はやくいこ? 俺、今日は沢山みんなを撮って、遊んで、楽しむんですから」 夕焼けが後ろ髪に透けて、縁に淡い光を含む。 陰の差す顔の表情は、それでも晴れやかで、あなたを見ている。 (+15) 2021/08/15(Sun) 18:26:32 |
【人】 影法師 宵闇遠くから聞こえる祭囃子、遊びへと誘う声 ──お祭りの気配がする。 「……なあ、母さん。浴衣ってあったっけ。 祭りに行くなら雰囲気ってのは大事だろ?」 今の自分に合うサイズが実家にあるのはおかしかったが なんの疑問ももつことはなくて。 或いは気づかないふりをして。 まるで思い通りの夢みたいにそれは不思議とそこにある。 どこまでも黒い、夜に溶けそうな黒地の浴衣を纏う。 履きなれない下駄をからころと鳴らして 帰りたくない (22) 2021/08/15(Sun) 18:39:08 |
【置】 おかえり 御山洗帰ってきてよかった。 帰ってこなければよかった。 それはどちらも嘘偽りのない心だ。 楽しかった思い出を、暖かかった思い出を。 子供の自分が守ろうとしたものを、掻き回しているのは俺だ。 誰にも暴かれることのなかった不発弾を、揺り動かしてせせら笑うのが俺だ。 ずっと、いつからだっただろう。もう遠くなった夏の頃からずっと抱えている。 恐れ、怯え、震えている。誰にも悟られなければいいと思った。 まだ保身ばかりを考えていた頃の自分はもう少しだけ演技が上手かったのに。 優しい風と暖かい日差しが、懐かしさで腕を降ろさせる。 どうせ、抱えていても意味のないものなら、捨ててしまえればいいのに。 (L9) 2021/08/15(Sun) 18:48:01 公開: 2021/08/15(Sun) 18:45:00 |
竹村茜は、屋台をみんなと回っている。金魚掬いはあまり上手にできなかった。 (c11) 2021/08/15(Sun) 18:54:43 |
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