【人】 [『 力 』 フォルス―――回想:いつか、皆で食べたメルロン [ 正直に言えば。 この箱庭に売店が必要には見えなかった ヴェルトが言ったから―― そんなものをいくら免罪符にした所で あの時頷いたのは結局の所、未練でしかない 誰からも相手にされず 誰にも見向きもされず 俺が居る事で価値は消え 汚物の如く唾棄される 彼らを冒涜しているのは他でもない俺だった それはあまりにも、致命的だった ] (617) 2022/12/13(Tue) 21:46:16 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ だというのに。 目の前ちらつかされた糸に なんとも女々しくぶら下がった 売店の品揃えは職員向けのもの 慰め程度の嗜好品と、各地のささやかな娯楽 必要も無いだろうに「 買いに行くよ 」などと それはあまりに残酷な優しさを孕んでいた ] (618) 2022/12/13(Tue) 21:46:37 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ 笑っていたつもりだった 笑えていたつもりだった 実際笑っていた 恵まれた人生だ 元々笑顔で居る事は多かった でもシンが笑っていたからもっと笑っていた 作り笑いなんてする暇も無いほど楽しいが溢れていた シンが居て、ヴェルトが居て、タナトスが居て シャルが居た。 笑顔が浮かばない理由も浮かべない訳も無かった ] (619) 2022/12/13(Tue) 21:48:12 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ けれど親友の目は、 誤魔化せなかったのかもしれない 俺でさえわかっていなかったかもしれない違いを きっとシンは見抜いていた>>369>>370 だから。 ほんの少しこぼしていたのかもしれない この館に住む事にした訳 途方も無い夢を見ていた 現実を見ているつもりで見ないフリをした ただの愚物が夢破れるに至った決定打を。 でも、最後には二人笑ったのを覚えている シンが笑ってくれていたからだ。 ] (620) 2022/12/13(Tue) 21:50:47 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ 職員に取り寄せてもらった品物達を 棚にテーブルにせっせと並べるひととき かけられた声に、手を止めれば>>371 シンの視線の先にはメルロン ――隣りのわたあめだった可能性には蓋をする ] これ小さい頃に初めて食べてさ ホント、ほんの数秒なんだけど 世界にはこんなに幸せになれるお菓子があるのか! って感銘を受けたんだ。 だからコレは絶対に置こうって決めてた。 ……食う? [ メルロンの入ったケースを取って。 頷いたなら。頷いたな。オーケー頷いた。 「 よーし今から一緒に稼ぐぞー! 」って部屋を出た ] (621) 2022/12/13(Tue) 21:52:31 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― 玄関口で ―― そうなんだ、シャルレーヌも! なら、きっと綺麗なハーモニーになるねっ。 カルクドラの伴奏もついてるなら、 アリスもいっぱい喜んでくれるだろうなぁ! [名前を挙げた人たちはまだ参加意思が見えないらしい。>>418 それでも、他の名前が挙がればはしゃいでしまう。 シャルレーヌの細い清らかな声は、 きっと音楽に乗ればより澄み渡るだろう。 カルクドラは音楽室で何度か姿を見かけたことがある。 楽器を奏でられない私からすれば、 チェレスタもカルクドラも雲の上の人だ。 一緒に演奏できない代わりに、 私は彼らの隣で足でステップを踏み、手を叩く。 まるで自身の身体が、楽器であるかのように。] (622) 2022/12/13(Tue) 21:52:46 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ 四つ入りのメルロン400エム、さしあたって一人100エム ] 貰った金で食うのもいいけど 働いた金で食うご褒美は格別なんだよ [ 準備の様子を入り口で見守っていたヴェルトが 声をかける前に穏やかに笑って消えたから シャルとタナトスも巻き込んで 掃除をしたり、並べたり、扉を外したり そうして買ったメルロンをみんなで分けて食べた ――ヴェルト? 終わった頃にまた穏やかな笑顔で現れた。野郎。 仕方ないから俺のを半分分けといたさ ] * (623) 2022/12/13(Tue) 21:53:19 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[誕生会、というものをすると知ったのは、 この洋館に来てからだった。 私を棄てた実の両親は 私が生まれたことを祝うはずもなく。 代わりに養ってくれた老夫婦の家での暮らしは、 裕福と言える暮らしではなかった。 それ以前に誕生日というものを私は知らなかったから。 老夫婦にそのことを聞かれた時は、 何も知らずに首だけを傾げたものだ。 だから誕生日がない私は、誕生日を祝ったことはない。 代わりに老夫婦は神様の誕生日である日を、 ささやかなお祝いにしてくれた。 その時も、笑えない私は。 ]うまく、喜ぶことすら出来なかったのだけれど。 (624) 2022/12/13(Tue) 21:53:54 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[洋館に訪れてから、自身の誕生日がないことを 誰かに話したことはあるかもしれない。 そうして、私は祝われる誰かを見て。 『……いいなぁ』 と、心の底から羨む声を、出したかもしれない。] (625) 2022/12/13(Tue) 21:55:47 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[二度見までしてしまった私の反応で、 アリアの後ろに隠れてしまったシトラに>>588、 あはは、と笑いながら謝罪を向ける。] ごめん、ごめんっ。 ちょっと意外だったから。 [アリアの後ろに隠れてしまう辺り、 やっぱりシトラには引っ込み思案の印象があるけれど。 そんな彼女が人前で歌を歌うこと。 練習をすると、がんばると、 呟く様を見れば目を細めてしまう。] ……うん、素敵だね。 アリスもきっと喜ぶよ! [素敵の裏には称賛の意味を込めた。 そんな彼女も全員で歌うことに賛同してくれる。>>590 本当に、全員で歌えたら、きっと"素敵"だろうな。] (626) 2022/12/13(Tue) 21:56:10 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[そんな仄かな期待が潰えることは>>533、 今はまだ知らないまま、くふくふと笑う。 きっと、彼の顔を見たら、 『どうしてぇ〜〜〜〜!!??』 と、地団駄を踏んで、諦めない心意気で彼を揺さぶるだろう。] (627) 2022/12/13(Tue) 21:56:56 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[隠れてしまったシトラの代わりに、 食堂を指定するアリアに二つ返事で頷いて。>>427 チェレスタだけではなく、 私にも歌の指導をというアリアに『まる』っと 親指と人差指をくっつけて合意の意をを表す。] おっけー、任せて!! じゃあ、後でね〜〜! [……と、言っても。 私も歌を教えてもらったのはチェレスタにだから、 彼女と同じことを沿うだけになるかもしれないけれど。 広告塔という職業柄、 人前で歌うことには慣れているから、 技法はともかく、緊張しない方法や、 うっかり歌詞を忘れちゃった時にどうするか、 なんていう抜け道みたいなことは教えられるかも。 実際にどうするのかって? ぺろって舌を出して笑っちゃえば、 大抵のことは許してもらえるよ!! (628) 2022/12/13(Tue) 21:57:59 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[二人と分かれて、両手に抱えたドラムセット。 腕力はと尋ねられたら、100点満点中38点ってところ。 チェレスタが大丈夫って言ってもね。 私が手伝いたいからね!! 思っていたよりずしっと手にくるけれど、 心配するチェレスタの声には、] んっと……! チェレスタも一人で持ってきたんでしょ? だったら私でも行けるはずぅ……、 って、あっ! そうやってまた重い方持とうとする!! だめだよ!チェレスタはおつかれなんだからっ、 人の好意には甘えるのっ! [慌てているチェレスタの顔は可愛いけれど、 それはお天道様が許しません!と、 いやいやをするように荷物は渡さなかった。] (629) 2022/12/13(Tue) 21:58:30 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[荷物はやっぱりちょっぴり、重かったから、 階段を登っていく足が少しよろめいたりもしたけれど。 心配するチェレスタをよそに、ふんっ!と、 力を振り絞ってゆっくりと登っていく。 こうして荷物を持つ度に、彼女の『大丈夫』も、 少しずつ減っていけばいいのにな。 それは、単なるお節介かもしれないけれど。 私が叶えたいことの一つでもある。 彼女の口から聞く世界の話は好きだ。>>472 だから私も世界をどんどん好きになっていく。 広告塔の仕事をするようになったことも、 思えば、まだその時は洋館に住んでいなかった彼女が、 洋館に遊びに来る度に、外での話をしてくれたから。] ……うんっ! [だから、いつも私は彼女の声に耳を傾ける。 彼女の声が、音が、私と世界を結びつけるのだ。*] (630) 2022/12/13(Tue) 22:05:39 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ――売店を離れて―― [さて、死神先生とささやかな茶会の席を設ける前に、アリスに果実を渡してしまいたい。 茶会に手土産でもない甘味を持ち込むのは、少しばかりナンセンスだ。 ゆるく廊下を行きながら、幼い笑い声を探して歩く。 ホールに行こうか、庭園を覗こうか。 売店に行く前、入り口のほうが賑やかだったから、そちらにいるかもしれない。] ――あの。アリスを見ませんでした? [誰かとすれ違えば、そんなふうに声をかけたりして*] (631) 2022/12/13(Tue) 22:11:36 |
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。 (a94) 2022/12/13(Tue) 22:14:01 |
【人】 IX『隠者』 アリア―― 現在:食堂 [ チェレスタとヒナギクに一時の別れを告げ、 シトラと共に先に食堂へ向かう。 そこに先客はいただろうか? いたのであれば挨拶を交わしつつ、 勝手知ったるその場で目的のものを探した。 ] ―― あった。カルクのスペシャルブレンド [ 共用のものが置いてある場所か、 あるいは私が個人的に使っている置き場か。 (あると思うんだよね、それぞれになんかそういうの) 取り出したそれはふわりと微かに良い香りを漂わせた ] (632) 2022/12/13(Tue) 22:16:11 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ カルク――『教皇』の彼は、 新顔の証持ちにはまず一度声を掛けているらしい>>119 無論、私も例に漏れず。 「どう、ですか? ええと… ここは賑やかですね。 あまり慣れてないものですから、 正直なところ少し戸惑っていますが …… 居心地は悪くありません」 新しい環境に気遣われた時は、たしかそう答えた。 森とは違ってここには人が多い。 それは私には新鮮で、けれど悪い気はしなかった。 心配は要らないとすぐに伝わっただろうけど、 最初の一年は祈祷室にもよく足を運んだ。 特別用事があったわけではなく、 単に、彼の用意する紅茶の数々が私は好きだった。>>25 シトラとユグが来て、祈祷室で過ごす数こそ減ったけれど こうして、彼のブレンドした茶葉はたびたび頂いている。 自分でできないこともないのだけれど、 自分でやると… 不本意ながら、どこか薬っぽくなるので… ] (633) 2022/12/13(Tue) 22:16:30 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 閑話休題。 目当ての茶葉を見つけた私は、それを手にシトラを見る。 この四年の間に彼女が挑戦してみようと思ったことに 「紅茶を淹れる」があったなら、 私は今だってこれをシトラに任せようと思うだろう。 ] お茶を淹れるならお菓子も必要だよね シトラ、ちょうどお菓子を作った残りが…とか あったりしない? [ って、ほんの少し冗談めいた笑みを浮かべ。 もしかしたら彼女が作った焼き菓子とか>>587 ちょうどよく残っていたりするのかもしれない。 そう思ったのは事実だけど、ダメ元というやつだ。 なければないで、 「じゃあ売店に何かないか見てみよっか」となるだけ。 さて、実際のところはどうだろう? *] (634) 2022/12/13(Tue) 22:16:48 |
IX『隠者』 アリアは、メモを貼った。 (a95) 2022/12/13(Tue) 22:22:25 |
【人】 XIV『節制』 シトラ ──回想・三年前の誕生日 [ 誕生日を祝う歌は、わたしの村にはなかった。 贈り物をする風習は、一応はあった。 毎年じゃなくて、5歳の誕生日にだけ その歳まで生きられたことを祝って 親から子へと、ぬいぐるみをひとつ贈る風習。 洋館まで持ってきた数少ない手荷物の中 鞄のほとんどを埋めていた白い犬は 5歳のわたしが両親から受け取ったもの。 わたしの村では誕生日は、幸運の訪れる日で その人個人の持つ力が 一年で最も増幅される一日だと信じられていた。 新しく始めたい物事、 どうしても成功させたい挑戦は特に 誕生日に行うのが最良とされていた。 だから、だったのでしょう。 わたしにとって誕生日は一年で一番 村のみんなを不必要に警戒させてしまう日で、 そうと判っていたからこそ 特別なことは一切せずに、 普段と変わらず過ごそうと努める日だった。] (635) 2022/12/13(Tue) 22:23:21 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ だから、洋館に来て驚いたの。 誕生日が毎年当たり前に祝われていたことに。 一年目は、一方的に受け取るばかりで 二年目になって職員さんを頼れるようになり 三年目になって初めて 唯一の特技を生かせるようになった。 事前に欲しいものが尋ねられていたならそれを、 尋ねられていなかったなら 消耗品やお菓子を小さな箱に詰めて。 拒絶されたり、遠慮されたりしない限りは 誰にでもおずおずと。 誕生日のわからないひとには、年の初めに贈ろうとした。 ──けれど、 あのひとの誕生日だけは あのひとが来た一年目は、お祝いできなかった。 前日まで悩んで、悩んで、悩み続けて 肝心の誕生日当日に、わたしは ひどい高熱を出して寝込んでしまったのだ。] (636) 2022/12/13(Tue) 22:24:21 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 紙製の品を贈れば 肌を傷つけてしまうかもしれない 筆記具を贈れば 滑り落ちたそれが目を突くかもしれない 毛糸を紡いだ品を贈れば 絡まって首を絞めてしまうかもしれない ぬいぐるみを縫って贈れば 内から針が出てきてしまうかもしれない お茶やお菓子を手作りして贈れば 混入した毒に気付けないかもしれない 植物や動物を贈り物とすれば それが原因で病気に罹ってしまうかもしれない ガラス、陶器? もってのほか。] (637) 2022/12/13(Tue) 22:24:46 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 何を選んでも、わたしが彼に贈ろうとするものを わたし自身が誰より信用できなくて、 すっかり熱が引いた頃には 渡す機会を完全に見失ってしまった。 初めて彼の姿を見たとき、 わたしを見るその表情に心臓が跳ねた。 わたしが少しでも彼に近付いてしまえば 取り返しのつかない災いが起こる、 そんな怖ろしい予感がした。 ごめんなさい。ごめんなさい。 どれほど謝っても償えるものではない。 たとえ故意ではなく 混乱の中で起こした過失だとしても、 わたしがあなたを この手で殺めたのは 紛うことなき事実なのだから! わたしを見て笑顔を失った彼と時を同じくして わたしも、すっと血の気が引いてゆくのを感じた。] (638) 2022/12/13(Tue) 22:25:12 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 自己紹介もそこそこにその場から走り去って 得体の知れない恐怖と寒気に襲われること一週間、 漸く落ち着いて部屋を出られるようになったとき わたしの方から彼に近付く勇気はもうなかった。 姿が見えれば、自然と距離を取った。 わたしたち、きっと、離れて暮らした方がいい。 彼が──クロさんがどう思っているかはさておき わたしの方はそう思っていたものだから、 他のみんなに贈られるのと同様 わたしの元へとやってきた羊のぬいぐるみに>>529 わたしは驚きを隠せなかった。 まるくて、白くて、 可愛らしく掌に乗るもふもふのひつじ。 ただただ愛らしさを振りまくそれは純粋に贈り物で、 『誕生日祝い』以上も以下もないのでしょう。 ひょっとすると、 わたしにだけ贈らないわけにもいかなくて やむを得ず贈ってくれたのかもしれない。] (639) 2022/12/13(Tue) 22:25:47 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ けれど、どんな気持ちで彼が贈ってくれたのかも 直に訊くのは怖くて尋ねられなかった。] ぅ、あ……っ、あり、がと……ござい、ます 大切に…………しま……す、ね [ 歓喜と恐怖、驚嘆と自戒 相反する二つの感情が押し寄せて勝手に声が震えた。 やっとのことでお礼を述べて受け取ったその子は 部屋の隅、チェストの上で 今日に至るまでずっと、わたしを見張っている。] (640) 2022/12/13(Tue) 22:27:46 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 彼が洋館にやってきて二年目の誕生日 わたしは、贈り物に一冊のノートを選んだ。 考え抜いた末、それが一番実用的で かつ安全なように思えたの。 ただ、わたしの手で直接渡すのは やっぱり怖くて、こわくて。 彼の師でもあるフォルスさんに、 わたしの代わりに手渡してもらえるよう お願いさせてもらったのだった。 接客もお茶の用意も、わたしには難しいけれど 棚出しや陳列やお掃除ならきっと、できます ]** (641) 2022/12/13(Tue) 22:28:18 |
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。 (a96) 2022/12/13(Tue) 22:34:14 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル── 回想:洋館での一幕・壱 ── [ 洋館に来てすぐにゼロと名乗った彼>>549に なんとなく夜は秘密なのだと察したつもりで その後ゼロと呼びかけたならどんな顔をしたでしょうか? それからは誰にも聞こえない時にだけ、 大事に大事にその名を呼ぶのです。 わたしたちだけのナハト、なんて内緒話をするように。 屋敷を離れてすぐの生活には難儀しました。 世話役の執事やメイドがいるとはいっても、 一人の世話に何人もといったものではなく、 自分で判断して行動しなければいけないことも多くて。 でも何が当たり前でそうでないのか、生活全てをお膳立て され過ごした生粋の箱入りにはちょっとした試練でした。 その点、生きる為に磨かれたであろうナハトの順応性には 目を見張るものがありました。 きっと彼に教わることも多かったでしょう。 ] (642) 2022/12/13(Tue) 22:37:48 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ 困ったことがあればいつでも手を差し伸べてくれたし、 とはいえ年中一緒じゃなくて、心地よく過ごせる距離を 手探りしてくれているようでもありました。>>547 目に見える気配りだけではなく、きっと知らずに配慮して くれていたことも沢山あったのでしょう。 ナハトの誘いを受けた時は、外なんて煩わしくて、 自由なんてどうでもいいと思ったけれど、 彼の親愛をより深く感じられる今は、くすぐったくなる くらいあたたかなものでした。 だから、優しさを貰ってばかりじゃいけないからと、 生活に慣れ彼の背中をちまちま追いかけることもなくなる 頃、ふと日頃の御礼をしようと思い立ちます。 ささやかに誕生日を祝った焼き菓子をとても美味しそうに 食べてくれたから、きっとあれをわたしたちだけで作って あげたら喜んでくれるんじゃないかと思いました。 紅茶も淹れたこともない身としては高いハードルでしたが それからナハトにも秘密の挑戦が始まるのでした。 ] (643) 2022/12/13(Tue) 22:38:12 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ 夜な夜な厨房で廃棄物を錬成していたのを、 見兼ねた誰かが手助けしてくれたかもしれませんが、 どうにかこうにか人に食べて貰える出来映えのものが 完成します。 時間は明け方。 夜通し付き合わせた誰か(コックさんか、或いは証持ちの 誰かだったかも知れません)に感謝を告げて部屋に見送る と、貝殻型で焼き上げたマドレーヌをお皿に乗せて 迷惑にも部屋の前でそわそわと待ってみたりするのです。 いっそそっと部屋の中に置いたら、甘い香りで目覚める というのも素敵かもしれない、なんて企みをしたり。 こんな風変わりで楽しい経験も、彼がくれたものでした。 有り体に言えば、幸せな時間でした。 * ] (644) 2022/12/13(Tue) 22:38:30 |
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