人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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【人】 Cucciolo アジダル



 [ 点々と道を作るように並べられたパンや果物を
  今日は気に入ってくれるだろうか。
  身の丈に合わない良物の腕時計を眺め、
  そわそわと落ち着きなく様子を伺う。

  同じ場所を使っているというのにごった返さないあたり
  あの子がこの施しを口外してはいないのだろう。
  それでいい、自分の手の届く範囲だけ助けられれば。


  自分にはには路地裏暮らしの経験はなく
  一つの林檎を投げ込めば殺し合いが起こるほど
  飢えたり追い詰められた世界の存在は
  未だ納得することができない。

  けれど改めるには力も金も足りないことをよく知っている。
  定期的に行っていても酔狂と気紛れの域を出ない行為、
  余った食材や用意した医療キットを浮浪児の為に置くことは
  それでもやめようとは思わなかった。
  実際嬉しかったと言ってくれたし。


  誰が、だったか。 ]

  
  
(21) 2020/10/04(Sun) 8:18:41

【人】 Cucciolo アジダル



 [ 男は──少しばかり傷の青年は、
  ふと背中越しに見えた影が道に伸びるのを見て振り返る。
  そこに立っていた人物を、観測者を確かめれば
  慌てて手を伸ばしたことだろう。 ]


   あー、待ってお兄さん、
   今ちょっと取り込んでるからこの道行かないで!


 [ 焦燥を滲ませながら自分の後ろだか死角だかに導くように
  かくれてかくれて、と腕を引く。
  彼が何かしゃべろうとすればその唇に立てた指を近づけ
  しぃっと沈黙を要求しよう。

  風景に似つかわしくない素材の良いスーツの襟を開き、
  肩を埃っぽい壁に押し付けるまでしている事態だというのに
  妙に呑気な高揚を讃えた笑みは、
  大人びた子供のようにも見えたことだろう。

  実際ワクワクしている。 ]

 
(22) 2020/10/04(Sun) 8:19:00

【人】 Cucciolo アジダル



 [ ほどなくして裸足の足音が聞こえてくる。
  待ちかねたように道の方へ意識を向けると、
  いつものように小さな人影が歩いてきていた。

  手入れの施されていない襤褸切れのようなものを着た、
  これまた手入れされていない長い髪の浮浪児だ。
  金色の毛虫みたいに見える少年は周囲を気にしながら
  並べられた物資に飛びつくように近づいていく。

  土で汚れた手で拾ったピカピカの林檎に笑顔が映り、
  それを大切そうに抱き締めてから
  纏っていたぼろに包んで他のものも集めていった。 ]


   可愛いでしょ。
   他に人がいると警戒して持ってってくんないんだよね


 [ その様子を楽しそうに眺めていた青年は
  乗り出しそうになるのを堪えるように
  側頭部を石壁に押し付ける。
  傾いた体の腰に吊るしていたガンホルダーが
  こつりと音を立ててぶつかった。 ]

  
(23) 2020/10/04(Sun) 8:19:25

【人】 Cucciolo アジダル



   公的機関が馬鹿になってるから仕方ないけど
   やっぱ子供は笑ってんのが一番だよ。


 [ そうは思わない? と振り返った顔は
  同じように柔らかく綻んでいた。 ]*

 
(24) 2020/10/04(Sun) 8:19:44
Cucciolo アジダルは、メモを貼った。
(a8) 2020/10/04(Sun) 8:28:40

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[書きかけた言葉は、心の中にしまったまま。
 口やSNSだと勢いで言ってしまっても、
 手書きの文字だと考えこめる。

 勢いで、伝えちゃえればよかったのに。]
(+15) 2020/10/04(Sun) 9:57:53

【墓】 二年生 早乙女 菜月



 クラスメイトに声をかけたの、頑張ったね……


[聞こえないのは分かっていても、自分の声も使う。


 多分、私は友君にとって、苦手な人種。

 クラスに一人や二人いる、物静かな子たち。
 そういう子から、私は怖がられる。
 話しかけても目を逸らされて、
 一刻も早く会話を切り上げたい、
 そんな意志をひしひしと感じる。

 だから、友君がクラスメイトに話しかけるとき、
 どれだけ勇気を振り絞ったかは、
 想像できる気がした。]
(+16) 2020/10/04(Sun) 10:23:20

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[友君の言葉は、どんなに温かい言葉も、
 消
えてしまう。
 
 フリクションのコバルトブルーを、
 黒板みたいに書いては消してを繰り返したから、
 紙面はすっかり毛羽だって、よれよれで、
 青いインクは染み込んで、少しずつ消えなくなっていく。

 SNSだったら履歴が残るのに。
 便箋がたくさんあったら、本だってできるのに。
 神様が与えてくれたのは、たった一枚のダサい便箋で、
 友君からもらった言葉がどんなにうれしくても、
 形には残らない。

 せめて黒板みたいに頑丈だったら、
 ずっとやりとりができたのに、

 本当に、神様は残酷だ。

 それでも、限られた条件の中でも、
 私が臨む景色を、見せてあげられてたかな。]
(+17) 2020/10/04(Sun) 10:26:02

【墓】 二年生 早乙女 菜月



 ── あはっ!
 なあにそれ、

 
(+18) 2020/10/04(Sun) 10:26:42

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[私はわざと大げさに口元を抑えて、
 笑顔を伝えようとする。
 表情が見えなくたって、ボディランゲージなら見えるよね。]
(+19) 2020/10/04(Sun) 10:28:20

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[私たちも夜に塗られて、
 一つの大きな闇になった。]
(+20) 2020/10/04(Sun) 10:30:49

【置】 二年生 早乙女 菜月




   それから後も、やさしい星だけは、
   下の世界をずっと見守っていました。

 
── 「ある夜の星たちの話」   


  
(L2) 2020/10/04(Sun) 10:32:20
公開: 2020/10/04(Sun) 10:35:00

【人】 二年生 早乙女 菜月



「うわ!?」

[パチっと音がして、図書室の中が明るくなる。
 文庫本を胸に抱いたまま振り返ると、ドン引きした司書の先生と目が合う。
「電気もつけずに何してんだ早乙女。もう下校時刻過ぎてるぞ、帰れ帰れ。あとそこ座るの禁止の椅子だから」]


 あ……はい


[感染症対策で、座れる場所はかなり減った。椅子の半分には赤いテープでバッテンが貼られているし、机も同じ。
 さっきまでこんなのなかったのに。

 延長手続きを済ませて廊下に出る。
 廊下から外を見たら、チア部の横断幕>>0:23がはためいていた。
 中庭の明かりに照らされて、かろうじて読める。
 銅賞の文字が一瞬霞んで、優賞、と書かれているように見えたのは>>1:43、暗さで目がバグったんだろう。]*
(25) 2020/10/04(Sun) 10:33:58

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[次の日も、その次の日も、私は図書室へ通い詰めた。
 少しずつ、私たちの世界の差に目を向ける。
 目をそらしていた溝の、絶望的な深さを知る。]
(+21) 2020/10/04(Sun) 10:36:50

【人】 二年生 早乙女 菜月



「ナツキ、」

[と心配そうに友達が言う。]
「どうしたのここんとこ。図書室で見かけた時、ずっとぼうっと壁を眺めてたから、怖すぎて声かけられなかったよ。しかも、次の瞬間ふらっと消えちゃったし……どこ行ってたの?」


 どこ? ……デートかな〜〜〜〜?
 あんま無粋なこと聞かないでよね!


[私は笑ってごまかす。

 紙はすっかり傷んでしまったから、裏面を丁寧に補強した。
 一面に、縦にも横にも張り付けたセロハンテープ。
 パッと見ると市松模様みたいで、ああ、そういえば、オリンピックもどうなるんだろう。
 あれだけ大騒ぎしてたのに、今年もどうなるか怪しいや。

 筋トレとランニングの時間が減って、少し、体重が落ちた。]**
(26) 2020/10/04(Sun) 10:39:03
二年生 早乙女 菜月は、メモを貼った。
(a9) 2020/10/04(Sun) 10:40:16

【墓】 二年生 小林 友

[卵60個食べて筋骨隆々になったのは
 確か町一番の変わり者に恋した力持ちだっけ?
 本ばかり読む変わり者には
 ぴったりかもしれないけれど、それはさておき。

 滑るペン先を見つめる瞳が
 じっと紙に注がれているのを感じながら
 俺はくるりとペンを回す。]


  嘘なのかよ。


[聞こえてないだろうけどノリツッコミ。]
(+22) 2020/10/04(Sun) 15:21:20

【墓】 二年生 小林 友

[でも、ほら。
 俺なりのプロポーズに
 隣の影が大仰に驚いてみせて。

 
(そういう反応が女の子なんだよ)


 心の中で語り掛ける。
 しばらく待っていると、
 震える黒炭の筆跡が、ゆっくり、ゆっくり
 菜月の気持ちを表してくれる。

 強くて、背が高くて、女子っぽくない菜月の
 やわらかくて、繊細な心の中を。]
(+23) 2020/10/04(Sun) 15:21:46

【墓】 二年生 小林 友

[窓の外が暗くなっていく。
 星も見えない真っ暗闇が、
 図書館の中を満たしていく。

 紙が、もう見えない。
 シャーペンの軌跡も、ブルーのボールペンも
 ダサい天使の描かれたピンクの便箋も
 全部全部、黒一色に染め上げられて。]
(+24) 2020/10/04(Sun) 15:24:08

【墓】 二年生 小林 友

[その一瞬、隣に座る影の手に
 俺は自分の手を重ねた。

 結局その手は何にも触れないまま
 すとん、と木の机に受け止められたけど
 心做しか、辺りを包む暗闇は
 とくり、脈打つような温かさだった。]*
(+25) 2020/10/04(Sun) 15:24:27

【置】 二年生 小林 友

  

  「その子供が、かわいそうじゃないか。
   だれか、どうかしてやったらいいに。」
   といいました。
   「私は、その子が、目をさまさないほどに、
   揺り起こしました。
   そして、それが夢であることを
   知らしてやりました。
   それから子供は、やすやすと
   平和に眠っています。」
   と、やさしい星は答えました。

  ─────『ある夜の星たちの話』
            小川 未明*

 
(L3) 2020/10/04(Sun) 15:26:53
公開: 2020/10/04(Sun) 15:25:00

【人】 二年生 小林 友

[気がついた時には暮れなずむ図書館に
 一人っきりで机に突っ伏していた。

 暖かな影は、もう何処にもなくて
 冷たい秋の風がふんわり、頬を撫でていく。
 幸せな夢から醒めたら、
 色褪せた現実が横たわっている。

 ……今ならマッチ売りの少女の気持ちが分かる。
 何度も何度も、マッチを擦っては
 同じ夢を見たがるの。

 残された本と、ボロボロの便箋。
 便箋には、菜月からのメッセージが
 しっかり残されていた。]*
(27) 2020/10/04(Sun) 18:25:07

【墓】 二年生 小林 友



[だから、何度でも俺は菜月に逢いに行く。]

 
(+26) 2020/10/04(Sun) 18:25:24

【墓】 二年生 小林 友

[「大事にね。」の文字が掠れた。
 黒や赤より使わないから、と選んだ青いインクが
 もうすぐ無くなりそうになっている。

 別に違う色のインクを使っても
 菜月は何も言わないだろうけれど
 ─────何となく。]
(+27) 2020/10/04(Sun) 18:28:18

【人】 二年生 小林 友



  「……ともちゃん、変わったね」


[ある日、図書館に行こうとした俺に
 青柳はそう言った。
 振り向くと、青柳はその端正な顔をそっと
 あらぬ方向へ向けて、笑う。]


  「なんか、彼女出来たのかなって。
   ……それは喜ばしいことだけど
   ともちゃん、なんか消えそうで、怖い」


[それぞれが部活や委員会に向かおうとする
 騒がしい教室内に、消え入りそうな声を出す。
 俺は青柳のそんな顔、初めて見た。
 もっと明るく何も考えない奴だと思ってた。
 “陽キャ”ってそんな生き物だって。

 俺はそんな青柳にそっと笑いかけて
 肩を叩いて、言った。]
(28) 2020/10/04(Sun) 18:36:15

【人】 二年生 小林 友



  ……なんだよ、それ。
  別な世界に飛んでいきそうって?
  そんな方法、どこにも無いよ。


[何処にもない。
 影に触れて、体温を分かつ方法も。
 俺は知らない。

 そう笑うと、俺は踵を返して
 図書館へと向かうだろう。
 大好きなあの子に逢いに行くために。]*
(29) 2020/10/04(Sun) 18:39:17

【人】 志隈

[此方は比較的に夢を見るのは少ない方だ。>>17
見たとしても忘れている、がより正しいだろうか。
見解を聞いても理解が及ばない顔をした。
自分は同一ではあるが、アジダルには異変があるらしい。]

あの口の悪いのは、やっぱりあんただったのか。
記憶も年齢に合わせて変化した?

[腰を叩く姿に何をしているのかと見て、
ガンホルダーを見て現実ではなさそうだと再確認。
不思議と此方は何かを作り出せる気はしなかったが。

アジダルの頭で作られたかどうかの否定要素は満たない。
自己認識は普段の自分でしかないと言うだけで、
言ってみてよと問われれば眉を顰め。
知らないことは沢山あるだろうが、
昔話をする程の時間もなく。]

さっき、寝た時、
物音がすぐにすれば起きるくらいには警戒して目を閉じた。
だから、あの部屋からは出てないだろうと考える。
…“練習”にならなかったな。

[自己申告の是非を図る手段があるとは思えなかったが、
状況の補足ついでに言う。

理由は寝る前に言った通りだから、
警戒して寝ていたと気付いたなら、
知らない事にはならなかったか。]
(30) 2020/10/04(Sun) 19:47:38

【人】 志隈

[薄暗闇に歩くのも慣れていて足取りは確りとしている。
迷っても逸れても目が覚めれば元通りだろうと、疑ってもなく。
そんな話をしながら、暫くは探索。
近づいた扉は閉まっていた。]

情が深い方に見えるし、大事なものであれば、
あんたは躊躇なく、助けたんじゃないか。

[まるでそうならなかった様な物言いには疑問を持ったが、
誰かが不特定多数であり、続く言葉には数瞬考え込み。]

目の前で倒れていれば手を差し伸べたいと思う人もいるだろうな。
戦争は自分の国を守る為に、他国と戦うし、
俺は正義のヒーローに憧れた事が無いから、
在り方はわからないが、
…あんたに助けられてる人間も多そうだ。

[今、正義の味方になりたいようには見えてなかったが、
そんなに外れた事もしてなさそうだとは言っておく。
全部を救う事は土台無理な話だ。
傷付ける事がいけない事だとは言わない。
幼き頃、異国を受け入れられなかった親戚達に
怒りを覚えた事は一度もない。


声に応ずる様に薄く開く扉に視線を向け。
背中から止める言葉が無いのなら踏み入れた。]
(31) 2020/10/04(Sun) 19:47:46

【人】 志隈

[踏み入れれば明るい路地裏に行き渡る。
少し先に人の姿が見える。
髪の色も同じだし男もアジダルなのだろうかと、
後ろに気配が無いのを確認して、
青い青年より更に若くなったか年を取ったか、
確かめようと男へと近づく。

先程地面を染めたのは乾ききってない鮮血に見えた。
今はこびりついているだけで、まだ平和に見える。


一歩、二歩、近付いていくと、男が振り返る。
1度目と照らし合わせれば面影のある顔だ。
目が合えば、何かを止められて、手を引かれた。>>22
口を開こうとすれば、指を立てる仕草。

大人しく沈黙する事にしたのは、
見たことのない様な顔をしていたから。
高揚を讃えた笑みは、先程の表情より余程普段から遠く。

高そうなスーツを着るのは昔からなのか、と服を見て、
点々と並べられた物を見て。

明るい青年の待つものを、此方も待ち。]
(32) 2020/10/04(Sun) 19:47:54

【人】 志隈

 
……可愛い?

[吐き出した声は思うより低い。
地面に落ちてる物を拾わなければ生きていけない事、
施しを有り難く思う小さな子供は理解出来たが、
可愛いと称した男は無性に気味悪く思えた。

警戒して持っていくのは奪われる事や、
盗んだと疑われて叩かれるのを恐れるからだろうか。

子供が笑っている方がいいのも
食物を施す事も間違ってはいない、
悪気もないのだろう。]

あの様子だと家もろくな所じゃないだろうな。
そのお高い時計を売って、養ってやったらどうだ?

[腕を指差して、提案をする。
何度かあの子供に渡してるのなら、
あの子供だけ特別なのだろうか。
他にも与えてるからそんな事出来ないって回答でもいい。

ただ、ほんの少し意地の悪い質問をしたくなった。]*
(33) 2020/10/04(Sun) 19:48:02
志隈は、メモを貼った。
(a10) 2020/10/04(Sun) 19:51:41

【人】 Marguerite シャーリエ

―― 船をこぐ ――

 お姉さま お怪我ですか?

[花壇の前に立ったお姉さまが右腕を押さえている。
バラの手入れでトゲに割かれたのだろうか。
血の色はバラよりも赤く痛々しい。]


 <いたいのいたいの とんでいけ>

[昔お姉さまがしてくれたように、
傷に手をかざして撫でて、空に放つ。
子供じゃないんだからって笑われてもやめない。]

 いたいと悲しくなるでしょう。
 お茶も美味しくないもの。

 <いたいのいたいの とんでいけ>
 <かなしいのかなしいの とんでいけ>

[とんでけって見上げた空は作り物めいた真っ青な空。
とばした痛みや悲しみは空に浮かんで雲になる。
雲を見つけたラッコが寄ってきて、
気持ちよさそうに泳いでから、雲を両手に抱えて齧っていた*]
(34) 2020/10/04(Sun) 22:42:47

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[友君が私の手を取ろうとする。>>+25
 重ねられる瞬間に、私は手のひらを上に向けた。

 絡めたかった五本の指が、空を掴む。

 ああ、私、
 友君がどんな声で「菜月」って呼ぶかさえ、
 知らないんだ。]*
(+28) 2020/10/05(Mon) 5:58:32