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【墓】 迷彩掃除屋 ノアベルト昔、もう十数年も前の話。 ***としての暮らしを思い出すことで平静を保つ。 今響き渡る煩い心臓の音も、 目に滲む涙も、存在しないかのように。 ここでの話は見るに堪えない。 だから、昔の思い出に浸ることにする。 歳にして15。 幼い頃から 従者 幾つもの厳しい訓練を超え、一族の優等生となっていました。 しかし、影の中に潜む一族、彼らを敵視する存在もおり、 幼い芽は早めに摘むべしと、哀れ人さらいの餌食となってしまいました。 (+7) 2021/12/13(Mon) 10:39:43 |
【墓】 迷彩掃除屋 ノアベルト青年が薄く目を開くと、シャツとズボンだけという 心もとない格好で拘束されていた。 口は汚らしい布で封じられ、ブーツに包まれた足は柱に固定されていたが、 痛んだり折れても居ないのが幸いだった。 『お前の持っている秘術が邪魔なんだ、ここで消えるか配下になって貰おう』 青年を襲った男はもうどんな名前だったか忘れられてしまったが、 気持ち悪く髪を伸ばしていて、それに隠されていた片目に傷があり。 成人しきっていない子供を捉え、愉しそうに笑っているそのドブのような瞳はどろりと濁っていた。 (冗談じゃ無い、誰がこんな小物の言いなりになるか。 そんなことになるのなら、死んだ方がマシだ) 青年は、はじめは意識が無い振りをしようとした。だが、相手も上手だった。 気づかれているなら、大人しくしててもいいことなんてない。 少しでも縛られている縄が緩まないかと体をひねってたりを試した。 しかし、この首の輪が有ると力が抜けてしまう。 ああ、腕一本ぐらい折れてもいい。 せめて何とか抜けること、あるいは立ち上がることさえできたら。 逃げられる、そう思ったときだった。 (+8) 2021/12/13(Mon) 10:41:35 |
【墓】 迷彩掃除屋 ノアベルト「ぎっ、あ”……ッ! うぁあああっ!!」 左の太ももに鋭く冷たい感覚、次いで我慢できない熱さが迸った。 噛み合わない歯の間から悲鳴が上がって、 声が途切れる前に次の熱が襲いかかってくる。 『いつまで意地をはっていられるか見物だな』 見えない人影から囁かれる言葉が頭に入ってくるこない。 ただ、この苦しみを感じないために必死で彼は意識を自ら切り取った。 (はやく、師の元に帰りたい。主人に会いたい) この口を開かないために、死なないために、 そして――己を保つために。 片足の感覚が無い、片腕が捻られて歪んでいる。 背中がしびれて、どこの皮が残っているかも定かでは無い。 中身は無事だ、呼吸は出来る。 喉が詰まっている、泡のようで口の中が気持ち悪い。 何度打たれたか、腰が酷く重い。 このままじゃ走って逃げることも叶わない。 頬を、顎を、太ももを伝った体液も乾ききり、 文字通りに目に光が差し込まなくなった頃。 彼の耳元に、地から湧くような声がした。 (+9) 2021/12/13(Mon) 10:44:50 |
【墓】 迷彩掃除屋 ノアベルトそれは、目の前に居た厭らしい男の影であったが。 それは、気まぐれな祝福という名の呪いであったが。 影は青年に話しかけた。 ―――世界の影に、闇に潜む者にならないか。 (この状況から逃れることができるのなら。) ―――見合う対価は、お前自身。 (***の?) ―――髪でも、爪でも、渡した対価は二度と戻らない。 (それならば、***の命以外の全部をあげます。) 目に入る世界の半分、片方の瞳を奪われた青年は姿を溶かす。 彼を探す慌てる声に耳も傾けず、腕を外し、 おぼつかない足取りで外へと出ればまぶしい薄暗い朝日が迎えた。 ここまでは、見事な生還劇と言えたのではないでしょうか。 青年は影を操りさえは出来ないものの、 見えない姿で悪さをしながら生き延びることが出来ました。 彼を襲った男の姿が見えたことから、 封じ込める魔術があると知り、アクセサリー、衣類を試し、最終的に帽子に影をいれることで落ち着いたそうです。 (+10) 2021/12/13(Mon) 10:46:47 |
【墓】 迷彩掃除屋 ノアベルトさて、そんなノアベルト、と 掃除屋を名乗るようになった彼は。 その頃からうまく表情が作れなくなっていました。 辛いと嘘でも思えず、苦しげな表情も演技すらすることができません。 そんな男にとって尋問は、 後遺症もなく過ごしたかった環境に不都合であり、結果。 見るにも耐えない姿になるまで、―――というのは嘘であり。 そういう、ことにした 噂 を流しました。実際、オーウェンの部屋の前に、 いつかの予告通りの大量の血痕と、何故か猫じゃらし。 ノアベルトが借りていた酒場の一室の私物はなくなり、 どうしてか贈り物にしか見えない花の籠が置かれていたことから、 彼が大怪我を負い、 人前に出られない姿である噂が蔓延りました。 それは半分本当であり、半分偽りの噂でした。 男が尋問を免れたことも。 他の彼らと同じ拷問に合わなかったことも。 ほとんどの人物の耳には入らないことでしょう。 (+11) 2021/12/13(Mon) 10:48:13 |
ノアベルトは、外れた手錠を壁に投げつけた。 (c5) 2021/12/14(Tue) 20:47:30 |
ノアベルトは、その夕方に『いる』。たしかにそこにいて鈴の音を鳴らしている。だが姿を現さない。 (c8) 2021/12/15(Wed) 14:05:23 |
ノアベルトは、姿を現したくない。 (c9) 2021/12/15(Wed) 14:05:34 |
ノアベルトは、「なんですか……」そのへんから声が聞こえる。 (c10) 2021/12/15(Wed) 17:02:26 |
【墓】 迷彩掃除屋 ノアベルト>>39 エドゥアルト 「……あ〜、エドゥアルトは目がいいですね〜……。 敵にしたくもなりたくもありません。 これでもモンスターにはほぼ見つからない奇襲100%の姿なんですよ」 気配がするから見ていただけだ、とすぐに判断すれば気が抜けたように机にへばりつく。 やってきたチキンの皿が手に当たり、おもむろに手を伸ばせば、握った手元からその肉が周りには見えなくなっていく。 あとから投げられたのはきれいにしゃぶり尽くされた骨だけだ。 カラン。 「ありがたいことに足と腕、その上首までつながっています。嬉しい温情ですね本当に……」 声が小さい。 見るからに、見えないが、元気がない。 (+17) 2021/12/15(Wed) 20:19:09 |
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