【人】 純真アンサンブル リッコ ──大切な人がいた。 かつての私は、その方に仕えて 支え、護り、命を捧げられる事を 無上の喜びとしていたはずだった。 貴女の為に。貴女と共に。 闘えることは他の誰かにできないから。 けれどただ至上の主人を得た喜びは ひどく形を歪ませ色を変えてしまった。 欲という名の絵の具を塗り付け 変えられてしまった壁画のように。 残るのはただ、主人のために 焦がれ耐え続ける魂だけ。 (15) 2023/10/12(Thu) 19:39:41 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「…はあ。」 私、何やってんだろ。 チアキローズ様が行方知らずとなった婚約者様のことを未だ恋慕っているのは知っている。 そもそも身分違いの恋。 それも同性同士であるというのに。 婚約者様だけならばまだしも、仲間となったサアヤまでこの数日行方が知れず連絡が取れないでいる。 だからこそ、チアキローズ様はそれを憂えていた。 不安を抱いていた。 それを解消して欲しくて優しく抱きしめた。 柔らかくて、良い香りがして、──キス、したくなって。 あの時困惑した音を伴って名前を呼んでくれなかったら、そのまま唇を重ねていたかも知れない。 想いを、遂げてしまっていたかも知れない。 それでも何もなかったかのように振る舞ってくれるチアキローズ様に感謝半分、寂しさ半分。 (16) 2023/10/12(Thu) 19:40:03 |
【人】 純真アンサンブル リッコ──やはりこの想いは届かないのだと思う。 私は、彼の人の心を奪ったままのアイツが憎い。 けれども。 今は、それどころではないのだ。 サアヤ。 彼女は任務中、どこに消えた? (17) 2023/10/12(Thu) 19:40:23 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「…。」 屋上にて目を閉じる。 姿を戦士の姿へと変え、弦をピィン…と静かに弾いた。 反応はあるだろうか。あるとしたなら、どこに? 目を閉じたまま音波の行方を事細かに感じ取ろうとしていた。* (18) 2023/10/12(Thu) 19:40:51 |
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