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【見】 不良少年 滝沢啓介里津子を助けようとしたのにむしろ足手まといになった。 彼女が駆け付けて助けてくれなかったら、啓介も囚われの身になっていただろう。 「悪ィ!!…わかった!」 彼女の指示に頷いて、泣き叫ぶ子供の手を引いて避難誘導を始める。 一人闘いの場に彼女を残したくないが仕方ない。 凶暴化した枝はライオンの檻に向かい、今度は檻を壊そうとする。 一体何が目的なのか? まるで人間に恨みでもあるような暴れぶりだ。 (@0) 2023/10/25(Wed) 12:19:50 |
【見】 不良少年 滝沢啓介恐らくあの樹木を操る奴がいるのだろう。里津子は探しているが、一向に見つからない様子。 それも、そのはずだ。樹木を操っていた精霊使いは、とっくに乗っ取られていたのだから。精霊に。 一体化した精霊は、精霊の力が強ければ人を支配し暴れることが出来る。 ドローイグの人間はこの世界の住民を傷つけることに今までもあまり躊躇いはなかったが、ここまで派手にやるのは、精霊の意志が働いているからだ。 反逆という。 精霊は高笑いをしていた。魔法少女が居もしない術者を探しているから。 (@1) 2023/10/25(Wed) 12:20:13 |
【見】 不良少年 滝沢啓介『馬鹿め。探しても誰もいない。 ーーそんなもんはとっくに 喰ってしまったよ。 次はお前だーー。 今までよくも好きに使役してくれたなッ 精霊の力の頂点であるイーリスは、 精霊たちのものだッ それを手に入れて人間たちを 滅ぼしてやるッ』 樹木は樹洞を目鼻のようにし、高らかに宣言した。* (@2) 2023/10/25(Wed) 12:22:32 |
【見】 不良少年 滝沢啓介動物園には子供たちが沢山いたから、避難誘導は困難を極めていた。それでも啓介は必死に尽力する。 里津子を信じて。 すると、彼女が此方にやってきた。 「里津子、どうしたーーんがっ」 間抜けな声がでたが、キスを受け入れる。柔らかな唇が離れるまでポカンとし。 「え、闘う?!いや闘えるなら 闘うが足手まといになるんじゃ ねえのか?無防備? おいッ?!」 彼女の説明は短く不十分だが、敵は待ってなどくれないから仕方ない。 楽器を鳴らして集中する姿に、ごくりと唾を飲んだ。 (@3) 2023/10/25(Wed) 21:38:31 |
【見】 不良少年 滝沢啓介啓介が飛び出した。その姿は一瞬で変貌する。魔法戦士として。 里津子から与えられた魔力の力だ。 「え、わッ!なんだこれ… て、くそッ!おいやめろッ!」 自身の変身に驚いている暇はない。持っている盾で枝を叩くが間に合うかーー。* (@5) 2023/10/25(Wed) 21:39:27 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 「無茶しねえよッ!それよりこいつ、 どうしたら倒せるんだ!? キリがねえぞッ!」 盾なんか使った事がない。なんとなく振り回すだけでどこまで対応出来るのか。 その間に彼女は仲間と連絡を取ったようだ。 これでなんとかなるのか? そんな油断から気が弛んだ。 枝が子供の一人にヒュッと飛ぶ。 「あぶねえッ!」 盾では間に合わない。啓介は飛び出して、子供の前に立ちはだかる。 その腹部に向かって太い枝は一直線に向かいーー ぐさり、と。 身体ががくんと揺れた。焼けるような痛みが走る。貫かれて啓介は呻く。 鮮血が飛び散った。 「ぐあッ…!」* (@6) 2023/10/25(Wed) 23:01:12 |
【見】 不良少年 滝沢啓介枝は深々と刺さり背中まで貫通、啓介を深く傷つける。 だがそれでも、啓介は必死に里津子を護ろうとした。 「里津子、頑張れ…ッ!」 歌声が音楽に重なる。 それは緩やかな川のように流れ、満ちていった。 逃げ惑い、恐怖に震えていた人々はその美しい音色に聞き入り立ち尽くす。 共に歌いだしたのは小さな少女であったかーー 歌声は集まり大きくなっていく。 (@7) 2023/10/26(Thu) 7:52:22 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 ーー産めよ、増えよ、地に満ちよ。 奇跡がそれに応えた。 突然広がる青空。雲は真っ白、清々しいほど澄み渡った空に巨大な虹が出現する。 イーリスの力が発動したのだ。 七大精霊の威厳を示すような虹に、精霊たちは戦きながら思い出す。 人との穏やかな暮らしを。 元は、一方的に使役されるのではなく共存していたことを。 ピタリ、と海の荒れが、暴風が、地鳴りが止まった。 チアキローズたち降り注いでいた 雹もなくなった。 動物園で人々を襲っていた樹木は、しおしおと枯れてしまった。 歌に寄せられた沢山の人の願いが叶えられたのだ。 まさに奇跡。 まさに祝福。 だがーー大いなる見返りは、それに見合う犠牲を伴う。 かつて願いを叶えたドローイグの人間はそのまま破滅した。 猫が日々の平穏を願う程度なら犠牲も少ない。だが、精霊たちを鎮めるほどの力はきっと、何か大きなものを欲するだろう。 例えば、人の命。 (@8) 2023/10/26(Thu) 7:53:02 |
【見】 不良少年 滝沢啓介青空に驚いたのは人間だけではなかっただろう。檻の中の動物たちも、巨大な虹に見入る。 そして啓介は。 変身が解ける。腹の傷を手で抑えるも、出血が激しい。 そのまま膝を地に着いた。 暴れていた樹木が枯れていくのにホッとするが、視界はぼやける。 「里津子?どこだ、なんか スゲエ寒い、身体が寒い… りつ、ーー…」 うつ伏せに倒れる。その真下の地面は啓介の血を吸って赤く、赤く染まっていく。* (@9) 2023/10/26(Thu) 7:55:10 |
【見】 不良少年 滝沢啓介やべー死んだ。 啓介は失われつつある体温と、自身の身体から抜けていく血にそう思った。 意識も遠退いていく。 家族の顔が脳裏に過った。弟は無事だろうか。両親は。 この騒動に巻き込まれたりしていないか。 友達たちは。不良グループは素行こそ悪いが情に厚い者ばかりだ。 啓介が死んだら悲しむだろう。 そして、漸く恋人になれた里津子は。 彼女の笑顔が浮かんでは消えた。 まだキスしかしてない。 何も出来ずに死ぬのか。 でも。人間はちっぽけだ。 どんなに力を尽くしても、小さな切っ掛けで死ぬ時は死ぬ。 とても呆気なく、悪戯に。 どんなにそれを誰かが嫌だと思っても。 それが自然の摂理。 つまりーーそれを覆す程の力が働かなければ啓介は、死ぬ。 死んでいたのだ。 (@10) 2023/10/26(Thu) 16:28:52 |
【見】 不良少年 滝沢啓介誰かに抱き締められる。柔らかく温かい。 誰?もう、目も見えない。 ーー体温が戻る。 次第に啓介に生気が戻る。腹の傷はみるみると塞がった。 ハッと目を覚ます。 「俺はーー里津子、里津子ッ!」 啓介を抱き締めている彼女はーー。* (@11) 2023/10/26(Thu) 16:29:10 |
【見】 不良少年 滝沢啓介 「おい里津子、しっかりしろ里津子ッ!」 啓介が起き上がるのと入れ替わるように、彼女は崩れ落ちる。 まさか自分に命を与えるような事をしたなどわからないから、ただ混乱して啓介は青ざめた。 顔色も悪くて息も浅い。今にも命が消えてしまいそうだ。 「死なせるか…死なせるかよッ!」 彼女を抱き上げる。その細身は驚くほど軽かった。 「病院だッ…!」 もう走るしかない。絶対彼女を救うという強い決意で啓介は動物園を後にし、近くの病院まで急いだ。 果たして間に合うのか。 (@12) 2023/10/26(Thu) 22:29:23 |
【見】 不良少年 滝沢啓介走りながら、めちゃくちゃになった街を目の当たりにする。 地割れが起こったせいでアスファルトが陥没、幾つもの車が飲み込まれていた。 怪我人があまり居ないのはおかしいレベル。 それがイーリスの力だなんて啓介にはわからない。 総合病院に駆け込むと、里津子はすぐストレッチャーに乗せられて手術室へと運ばれた。 その間もずっと啓介は語りかける。 「俺を残して逝くな、里津子!!」 手術室の扉が閉じる。赤いランプの点灯を目にし、啓介はただ祈るしかない。* (@13) 2023/10/26(Thu) 22:30:00 |
【見】 不良少年 滝沢啓介気が動転してストレッチャーで手術室に運ばれたのは里津子だと思い、必死に声を掛けていたが、看護婦から「岸咲さんなら向こうの病室ですよ」と言われて啓介はその場にヘナヘナ座り込んだ。 とはいえ、彼女の状態は万全ではなく入院が必要との事。 家族や近親者の方は、と聞かれた啓介は困ってしまった。 異世界の人ですとも言えずに。 それなら学生なので、学校の先生を呼んで下さい、と言われる。 里津子と啓介は同じクラスで、担任は熊切先生だ。 啓介は熊切先生に連絡を取った。 ーー後で保護者として病院に来てくれると言われたので、電話を切る。 (@14) 2023/10/27(Fri) 10:14:46 |
【見】 不良少年 滝沢啓介それにしても、何がどうなっているのか。 樹木が暴れたのは敵の攻撃? 里津子が言っていたドロ?なんとか国の仕業か。 屋上ではドロ?の敵であるマント姿の男を目撃したがーー。 里津子はまだ目を覚まさない。 覚ましたら話が聞けるだろう。 啓介は自分の家族の安否を確かめてから、病院にて待つことにした。* (@15) 2023/10/27(Fri) 10:15:00 |
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