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【墓】 エウロパ果たして本当にそう、だろうか。 私には技が足りない。 君には力が足りない。 どちらにも足りないものがあるなら 私達に差なんて……。 そう、思ってしまうのは所詮、 私に足りないのが技、だから? 力不足じゃない者の言い分では 君を納得させることなんて出来ないのかな。 (+2) 2023/09/30(Sat) 3:39:49 |
【墓】 エウロパ 技を身に着けられずに落ちこぼれていく人だって この学園にはいるのだから。 君がしていることは 決して凡人の為せることではないのに。 (+3) 2023/09/30(Sat) 3:40:17 |
【墓】 エウロパ一緒に食べよう、って誘いに 一瞬口籠った理由が分からずに首をかしげて。 でも、どうやら誘い自体は駄目じゃないみたい。 ちなみに。 ユスティの予感した未来は当たってる。 別に私はごちそうになる未来でもよかったけど。 何か君には不都合があるのかな、わかんないな。 (+5) 2023/09/30(Sat) 3:41:07 |
【墓】 エウロパ 謝られながら手が離れていく。 私と手を繋ぐの、嫌なんだ。 …………他の人もそうだ。 私に触れるのを嫌がる。 それはきっと魔法使いとしての本能。 必要以上の魔力が流れ込めば器が壊れる。 自身の命に関わるから。 私と仲良くしてくれる数少ない友人も 私には決して触れようとはしない。 W魔力が流れてくるのは危ないからW ってその子は教えてくれた。 流してるつもりはないのに。 制御しようにも私には技がない。 魔力を渡す方ならできるけれど それも、必要以上に渡し過ぎてしまうんだろうな。 (+7) 2023/09/30(Sat) 3:42:19 |
【墓】 エウロパ「一緒に来てくれるんだ、やったー!」 さみしそうな顔を見せたのは一瞬。 すぐに笑顔を取り繕った。 ……隠せてなかったかもしれないけれど 暗いし、もし何か言われても見間違いだよって 誤魔化してしまうつもりで。 (+9) 2023/09/30(Sat) 3:43:16 |
【墓】 エウロパ足を止めてしてしまった質問には 予想してなかった言葉が当然のように返ってきて。 え、もしかして私女の子として見られてない……? あまりにも平然と言われてしまって 嬉しいより先に疑問が浮かんでしまうんだ。 私だけだったらいい、とは 確かに思ってたし、嬉しいことのはずなのにね。 (+10) 2023/09/30(Sat) 3:43:52 |
【墓】 エウロパ 成績トップの優等生。 ユスティのことをいいな、って目で見てる女子は いっぱいいるはずだし、 私は何人かそういう子を知ってる。 ユスティにその気がないのに もし、処置だと言って抱きしめられたら 女の子はきっと勘違いしてしまう。 私以外に魔力を抑えられない人は そうそういないんだと思うし、 君に言われれば納得する話ではある。 だから、私が心配することじゃないんだろうけれど 気になってしまうから、つい。 (+13) 2023/09/30(Sat) 3:45:00 |
【墓】 エウロパ立ち話の間に売り切れたのか それとも単に運がなかったのか。 売り切れにがっかりしてると 君は他の物でも、って勧めてくれる。 ……ホットドッグを買うつもりで来たし 代わりの物って言っても咄嗟には決められない。 「うん……それはそう、なんだけど……。 私のホットドッグ……。」 がっかりしてる間に 君は最後の一個になっていたコロッケを買ってた。 ちゃっかりしてるなぁ、って思ってたら。 (+14) 2023/09/30(Sat) 3:45:27 |
【墓】 エウロパ「……いいの?」 差し出されたコロッケを立ち上がりながら見つつ。 ユスティのだし……と思ってた遠慮は 数秒で消えてしまった。 だって美味しそうなんだもん! (+15) 2023/09/30(Sat) 3:45:51 |
【墓】 エウロパ「じゃあ……お言葉に甘えて…… いただきまーす!」 受け取って、一口食べればさくっとした衣と とろとろのカニクリームが口いっぱいに広がって。 (+16) 2023/09/30(Sat) 3:46:15 |
【墓】 エウロパ「おいしいー!しあわせー!!!」 にこにこしながらあっという間に 貰った分を食べ終えた頃には 目当ての物がなかったショックからは すっかり立ち直っていた。 ホットドッグはないけどホットサンドなら…… とお店の人が元気になった私に声をかけてくれた。 もっと食べたくなっちゃった私は 迷わずそれを買って。 半分に切られている三角のホットサンドを 君の方へと差し出して。 (+17) 2023/09/30(Sat) 3:47:17 |
【墓】 エウロパ「あげる!さっきのお礼!」 にこにこしながら言った。 この瞬間だけ見ればデートみたいだと 思われてしまうかもだけど、 当の私はそんなことは気にも留めていなかった。* (+18) 2023/09/30(Sat) 3:47:37 |
【墓】 ユスティどうしようもない事実に空気が淀む。 沈黙を最初に打ち破ったのは 一瞬だけ寂しさを滲ませたエウロパの方。 どうしてそんな顔をするのかと 聞いてもきっと教えてはくれないだろう。 亀裂のその向こう側に飛び越えることさえしないなら こちらにはその心を聞く資格もない。 (+20) 2023/10/01(Sun) 8:53:23 |
【墓】 ユスティ「勘違いか。 仮にされてしまったら 謝りはするけど断るよ。 ボクもあまり暇じゃないから。 きっと寂しい思いをさせてしまう。」 (+22) 2023/10/01(Sun) 8:54:32 |
【墓】 ユスティその意図を知ってしまえば 断るのも違うような気がして 素直にホットサンドを受け取る。 周りに誤解されるかもしれないが どうせ誰もいやしないだろう。 ホットサンドの暖かな味わいが 口の中に広がっていく。 これを食べ終わったら今度こそ寮へと帰ろう。 食べながら思い出したように指先を振り カバンの中に入っていた紙とペンを中に浮かせると すらすらと遠隔で文字を書き始める。 しばらくして書き終えた紙に魔法をかけると まるで生きた鳥のようになって空へと飛んでいく。 (+28) 2023/10/01(Sun) 8:57:43 |
【墓】 ユスティこればっかりは分からないが 扱いが問題児ということもあって 他人の宿題を丸写ししたとか そういう中傷を受けても不思議じゃない。 しかし今回に関しては彼女の努力は本物だ。 努力は笑われずに報われるべき 彼は己の信条にいつも従っていた。* (+30) 2023/10/01(Sun) 8:59:48 |
【人】 教師 モモイエウロパの悲鳴が上がるその頃 先生のモモイは生徒の名簿を見て眉をひそめた。 まさか自分のスカウトした少女が 魔力の制御を困難としていたなどと。 持って生まれてしまった彼女を 力を正しく扱えるように導くことが 私の責任であり役割なのだと ずっとそう信じていたのに 適任がいることを知ってしまったのだ。 (1) 2023/10/01(Sun) 23:51:09 |
【人】 教師 モモイユスティとエウロパの推薦は 学内でも大きな話題となっていた。 ユスティの磨かれた腕を評し 彼を推薦すべきだと主張する派閥と 魔力がある者こそ相応しいと エウロパを推薦すべきだと主張する派閥。 結局のところ学園長や理事達の圧力により 力を秘めたエウロパの推薦が決まった。 (2) 2023/10/01(Sun) 23:52:51 |
【人】 教師 モモイ彼女にも、彼にも、罪はない。 だが私はどうだろうか。 今の私は本人たちの意思と無関係に 上の指示に従うだけの傀儡人だ。 いつか向き合わなければならない。 そんなことを考えているときだ。 その問題が起きてしまったのは。 (3) 2023/10/01(Sun) 23:54:43 |
【人】 教師 モモイ恐れていたことが起きた。 エウロパの魔力の暴走とは 実態を知る者にとってはそれ程に重い。 モモイは走り出した。 彼女を守らねばならない、と。 しかしそこでモモイが見たものは……。 (4) 2023/10/01(Sun) 23:55:15 |
【人】 教師 モモイ「皆さん、ここは私が処理します。 皆さんはこの事が他生徒の不安を煽らぬように 各位、クラスの子たちへの配慮をお願いします。」 (5) 2023/10/01(Sun) 23:56:12 |
【人】 教師 モモイ集まっていた教師たちも モモイなら大丈夫だろうと ぞろぞろとその場を後にする。 そして教室には三人。 エウロパとユスティとモモイのみ。 しかしエウロパまでもがその場を離れてしまった。 ユスティがエウロパをその場から 離そうとするのはきっと そっとしてあげるべきだと分かっているからだろう。 言い方がやけに刺々しいのは頂けないけども。 (6) 2023/10/01(Sun) 23:57:31 |
【墓】 エウロパ そして。 君が私から距離を置き続ける限り。 私が過去の成功を失敗だったと思い続ける限り。 魔力制御を覚えることはできない。 (+32) 2023/10/02(Mon) 0:39:44 |
【墓】 エウロパ勘違いさせてしまったら断る、って聞いて。 安心してしまったんだ。 そうだよね、ユスティならそうするよね。 ……仮に勘違いされたって相手は選ぶよね。 どんな子を選ぶのかは…… その先は考えたく、ない。 (+33) 2023/10/02(Mon) 0:45:53 |
【墓】 エウロパ 友達はほとんどいないし 先生には多分あまりよく思われてない。 同級生には基本関わりあいになりたくないと そう思われている私だけれど。 購買にいる店員さんは優しい。 私の境遇を知ってか知らずか。 時々これもどうぞ、ってサービスしてくれる。 その言葉に甘えて、よく買い食いしてるんだ。 むしろ人望なんてない方なんだけどな。 嫉妬されてるとも知らずに 無邪気に差し出したホットサンドの意図は ちゃんと伝わったのか、受け取ってもらえて。 受け取るまで私は引かないけどね? (+35) 2023/10/02(Mon) 0:48:14 |
【墓】 エウロパ「コロッケも貰っちゃったし、 宿題はユスティのおかげでばっちりだし! ここのホットサンド美味しいんだよー!」 にこにこしながらユスティが食べるのを見つつ 自分も一口二口と食べて。 あっという間になくなった。 (+36) 2023/10/02(Mon) 0:49:23 |
【墓】 エウロパユスティが食べ終わるのを見ていよう、 そんなつもりでいたら。 宙に浮く紙とペン。 何を書いてるのかな、って首をかしげていれば 答えをすぐに教えてくれた。 (+37) 2023/10/02(Mon) 0:49:42 |
【墓】 エウロパユスティの想像は起こりうることだと思う。 普段の私は、宿題も遅延提出が多い問題児。 誰かの宿題を写させてもらった、程度なら まだいいけれど、盗んで写したんじゃないかとか。 それくらい言われても不思議じゃないと思ってる。 私の努力かと言われると かなり手伝ってもらったから ちょっと自信はないんだけど。 ズルを疑われないように、という ユスティの優しさが嬉しかったんだ。 (+39) 2023/10/02(Mon) 0:51:10 |
【墓】 ユスティいつか聞いてみてもいいかもしれない。 なにか魔法を扱うことに抵抗があるのか それともなにか心残りがあるのか。 やや踏み込んだことかもしれないけれど エウロパのために必要かもしれないから。 (+42) 2023/10/03(Tue) 1:03:54 |
【墓】 ユスティ飛んでいく鳥を眺めながら ユスティはエウロパに答える。 意図して彼女に優しくするなど とうの昔に過去の氷花として砕け散った。 エウロパにとっては今も優しさに見えるのだろうか 自分の信条に従っただけで自分の為でしかないが 解釈の違いを正すことに意味などない事は知っている。 「ただボクは正しくあろうと 努力した人は報われるべきだと思う。 それだけのことだ。」 ユスティはホットサンドを食べる傍ら 汚すまいホットサンドを持っていなかった手を エウロパへと伸ばすと、優しく頭を撫でた。 (+45) 2023/10/03(Tue) 1:06:50 |
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