人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

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視点:人


【人】 鬼 紅鉄坊




千太郎。お前は──……

そのように、思わされてしまったのか
(391) 2021/06/19(Sat) 1:19:15

【人】 鬼 紅鉄坊

[

 芽の内に踏み躙られ、歪み伸びた枯れかけの植物が
 もしも正しく育まれていたのなら
 どんな色の蕾をどのように美しく開かせたのかなど。

 躙った者は思い描きもしないだろう。
 己の行いも忘れ、醜いと容易に引き抜こうとするだけだ。


 つまりはそういうことなのだと、鬼は考える。 ]
(392) 2021/06/19(Sat) 1:20:56

【人】 鬼 紅鉄坊


同族に虐げられる人間を村から救いたいと、
山の鬼が思うことが厚顔無恥だと感じているのなら、
不快に感じたのなら謝ろう

[ 反応を愉しもうとするような皮肉の棘にも、鬼は真っ直ぐに返す。
 それでいて改めてはいない。 ]

私はかつて、お前の母をよく知っていた
どんな夢を抱き、どんな苦しみで胸を痛めたのかも
恋い慕った男、つまりお前の父親への想いもまた

選び救おうとした理由はそこにあるのだ……

[ 続けようとした言葉は音に乗らず、僅かな話の間が空いた。
 これ以上母親について語り聞かせても
 きっと興味を示さないだろう、示せないのだろうから。 ]
(393) 2021/06/19(Sat) 1:21:15

【人】 鬼 紅鉄坊



千太郎がどのように思わされていても、
ここにいるのが人の子を救う権利のない物怪だとしても

お前を牢の中で飼い殺すことが正しいとは、私には思えん

[ 表情も感情も覗い難い顔の人外であったが、
 そう言い切る声は穏やかにも力強く。揺らぎなく。
 想いに隠すものは一つもなく、歪んだ花嫁に全てを伝えきった。 ]
(394) 2021/06/19(Sat) 1:21:31

【人】 鬼 紅鉄坊


……さて。一つ、聞いてもいいか
花嫁と扱われる生活に、男児として思うことはないのだな

[ 男であると知った時からの疑問。
 今まで問わなかったのは、振る舞いを見れば答えは明白だからだ。
 故に口調にも既に理解していることは表れている。 ]

ならば、望むままに扱おう。私の花嫁よ

[ 「選んだ」
    「役目」
       「相応に」

 哀しい花嫁たちを妖怪達の元に送り届ける役目の鬼が、
 人里で穏やかに暮らし、家庭を築く夫婦のことなどを
 その言葉から想起する筈はない。していい訳がない。

 何を言われているのか理解しながら、態と口にした。
 花嫁という肩書きの元に、「せん」を選び求める。
 そんなものは助け出す為の口実でしかなかったが──

 少しばかり身を引いて、立ち上がる。 ]
(395) 2021/06/19(Sat) 1:21:47

【人】 鬼 紅鉄坊



まずは共に散歩にでも行くとするか
千太郎の身体では敷地の外は難しいが……
気分が変わるかも知れないぞ

[ 未だその言葉は役目を終えてはいないのかもしれない。

 屈みながら手を差し出しつつ、鬼はそう考えていた。 ]
(396) 2021/06/19(Sat) 1:22:17

【人】 鬼 紅鉄坊

── 外へ ──

昨夜は雨が降っていたから
止んだ時にはきっと、強く香っていただろうな
……ほら、六枚の弁のこの花のことだ

毎年、決まってこの時期に咲く

[ 差し出した手に重なるものがあっても、拒まれても。
 今繋いではいないことに変わりはない。

 気遣ってしようとしたことだが、身の丈が違いすぎた。
 腕を持ち上げられ続けるのは、筋肉の無い身には辛かろう。
 行き過ぎては止まり、また繰り返し。共に歩くことも難儀だ。

 時間を掛けて近づいたのは
 昨日暮れ始めた空の下で白く咲き誇っていた花々。
 あの美しい純白は、今は薄く黄色を混ぜたように色を変えていた。 ]
(397) 2021/06/19(Sat) 1:22:38

【人】 鬼 紅鉄坊



秋の終わりに実を結ぶ、それは薬の材料になる
私は実を、門の前までやって来る村の薬屋と取り引きして……

[ 語り聞かせる話がはたと止まる。

 薬屋の娘を昨日、同胞の寝蔵へ届けたことを思い出したのだ。
 その姉もまた昨年、花嫁となりもういないことも。 ]

……傷薬を得ているから、怪我をしたら隠さずに言うといい

[ 何事も無かったように続きを語る。

 あの薬屋の主には、千太郎を会わせないほうがいいだろう。
 きっと辛い思いをしているから。 ]**
(398) 2021/06/19(Sat) 1:22:52