人狼物語 三日月国


215 灰色うさぎと紫うさぎの雨宿り

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視点:人


到着: オルテイシア

【人】 オルテイシア

 
  ♪〜


[くるり、くるり。傘を回して夜道を歩く。

 仕事が終わった後、一度家に帰宅し、
 家事を終えた後に窓の向こうを見れば、
 雨がちらついていた。

 その日、雨が降るなんて朝は話題にも出ていなくて、
 自身よりも少し遅れて家を出た彼のことを思った。

 きっと、傘を持って行っていないだろうから。
 季節は温い温度になってきたとはいえ、
 雨に降られたら体調を崩してしまうかも。]
(4) 2023/06/16(Fri) 21:03:17

【人】 オルテイシア

[そう思ってお風呂から上がった後だというのに、
 薄付きのメイクをし直してから、傘を持って
 閉店間際を狙ってSASANKAまでの道を行く。

 雨だとしても、くつろいだ後だとしても、
 愛しいあの人を迎えに行くのだと思えば、
 苦になんて全然ならない。

 寧ろ、突然お邪魔して働いているところを
 覗いて驚かせようなんて魂胆も、少し。

 店の窓は雨に濡れていて少し見づらかったか。
 中は少し分かりづらかった。
 扉を開いたら、カランとドアベルが鳴る。]

 
  こんばんは〜?


[この時間帯にお客はさすがに来ないだろう。
 けれど、中にはまだちらほらと来客があるようだ。]
(5) 2023/06/16(Fri) 21:04:21

【人】 オルテイシア

[入ってすぐ一番に、あの人の姿を探してしまう。
 背も高い人だから、フロアに居ればすぐに分かる。

 姿を見つけて、接客中だということに気づいたら、
 今はすぐには声をかけずに。
 そうしていたら、すぐに顔見知りのスタッフが
 気づいてくれただろう。]

 
  フーくん、こんばんは。
  もうすぐ、お店終わりそう?


[唯一年下であるスタッフの姿が見えたら、
 ひらひらと手を振って挨拶を。……しながらも。

 今日は、なんだか、女性客多くないですか?
 と、気になる質問は飲み込んで。*]
(6) 2023/06/16(Fri) 21:04:50

【人】 オルテイシア

[接客中の彼の視線が、一瞬此方に向いたような気がした。
 元ホール担当だけあってドアベルの音には
 敏感なのかもしれない。
 それが自身への意識が向いているものだとまでは気づかない。
 けれど彼はいつも、すぐに私のことを見つけてくれる。

 話し終えた彼が近づいてくるのが見えたら、
 自然と表情は糸が瞬く間に解けるみたいに綻んだ。
 
 おつかれさまです、と労いの言葉を添えてから。]


  わ、電車も止まりそうなんですね。
  確かに、すごく降ってて、
  レインブーツじゃないと足元も濡れちゃってたかも。


[足元を見せるようにスカートを少し持ち上げれば膝が見える。
 その下はベージュのレインブーツだ。
 歩けばキュ、とイルカみたいに鳴く。]
(9) 2023/06/16(Fri) 21:59:11

【人】 オルテイシア

[潜められた声には、ゆるく首を振った。]


  ……ううん、迎えに来たかったから。


[こちらも声を少し潜めて、笑う。
 電車も止まる程の雨なら店じまいにもなるだろう。
 
 こんな雨の中、こんな時間に店に訪れる客に、
 先程、彼と話していた客の視線が刺さる。

 なんだか、視線が鋭いような。
 少し居た堪れないながらも、
 気になるのはこちらも同じで。
 彼の背中越しに見える人影に時々視線を向けながら。]


  えっと、店じまい、だったら。
  もうすぐ終わりそうですか?

  何か飲み物頼んで、
  閉店まで、ここで待ってますね。


[閉店まではお店に居て、眺めていたいなんて。
 言ってもいいのかな?*]
(10) 2023/06/16(Fri) 22:00:02

【人】 オルテイシア

[足元に落ちていく視線が濡れたレインブーツを捉える。
 顔を上げた瞬間、レンズの奥で瞳が緩んで弧を描く。
 その不意の微笑みにどきりとした。

 お付き合いしてからも、同棲してからも。
 それなりに月日は経ったというのに、
 未だにそんな一瞬、一秒に心を奪われる。

 褒め言葉にはにかんで、此処が店内でなく家ならば、
 お披露目するみたいにくるりと回ってみせたかもしれない。]


  ……えへ、実は使い所を考えてました。


[ちょん、と舌を出して悪びれずに笑う。
 もちろん、迎えに来たかったのが一番の理由。
 プラスアルファ、着道楽故にあまり出番のない
 レインブーツを履いて見てほしかったのも理由の一つ。

 彼の前ではいつでも愛らしくありたいから。
 そう、思わず手を伸ばしてしまいたくなるくらいに。
 ……なんて。
(14) 2023/06/16(Fri) 22:50:21

【人】 オルテイシア

[足元のお洒落は彼も拘っているのを知っている。
 愛用のウィングチップの革靴は、生憎の雨だと
 濡れてしまうだろうから、
 帰った後は念入りに乾かさないといけない。
 また、彼と一緒にこの店で活躍してもらう為に。

 返ってきた呟く声に、首を竦めてくすりと笑う。
 素直にそう告げられたら、緩む表情は解けたまま
 カウンターのスツールに腰を下ろした。

 向いていた視線の間に彼の身体が割り込めば、
 彼にしか目は映らなくなってしまうから不思議だ。

 彼には私特有の吸引力でもあるのかもしれない。]


  ふふ、そうですね。
  かといって無理に急かさないところも、
  SASANKAらしいです。


[居心地のいい店だということは、いつしか常連を
 名乗れるようになった自身からも口に出る。]
(15) 2023/06/16(Fri) 22:50:33

【人】 オルテイシア


 
  んー……温かいの。
  じゃあ、リンゴジュースの温かいのってありますか?


[猫舌気味なのはすでに知られているから。
 冷ましたものをもらえるのなら重宝してしまう。

 ちなみに今夜の食事は、常夜鍋を用意している。
 食事は別々に取ることもあるけれど、
 休みの前の日などは、いくら遅くなっても。
 彼とともに食卓を囲むことを優先している。

 その分、身体を動かす必要も増えたのだけど。
 幸せを噛み締めることに比べれば些細なものだ。*]
(16) 2023/06/16(Fri) 22:50:48

【人】 オルテイシア

[光に少し弱い彼の瞳を覆うレンズ。
 外に出るときは当たり前のように其処にあったけれど、
 お店でも掛けるようになったのはいつからだったか。
 一緒に暮らし始める頃には、掛けていただろうか。

 もし、その理由を本人から聞く機会があるならば、
 両手で顔を抑えて卒倒してしまいそうだけれど、
 残念ながら、今のところは耳にしていない。

 代わりに毎日のように送られる、可愛い、は。
 少しずつ、ほんの少しずつ笑う余裕が出てきたものの、
 未だに照れてしまうから困る。

 ほら、今だって。そんな些細な一言に。]


  あ、……ありがとうございます。


[そう応えて、仄かに汗ばんだような気がした
 頬を手扇で仰いで見せたりも、した。]
(21) 2023/06/16(Fri) 23:58:41

【人】 オルテイシア

[すっと翳る影に改めて身体の大きさを感じながら、
 座席に座った分だけ、見上げる角度もいつもより高い。
 
 ほんのちょっとだけ近づいたせいで、香る彼の匂い。
 自宅で洗濯物を干した時と同じそれにまた、どきりとした。


 邪な考えを振り払うように声に意識を傾ける。]


  はい、だから通いたくなるんですよね。
  ついつい居座っちゃう。


[くすくすと笑って誤魔化した後、一瞬の間。

 
ちら
、と上目遣いに覗く瞳にほんの少しだけ。
 触れたくなって、触れられたくて。
 おねだりする色が混じってしまったかもしれない。



  ……はい、お願いします。


[伝わらずに問いかけられたなら、なんでもない。
 と、知らない素振りをしてまた誤魔化しただろう。]
(22) 2023/06/16(Fri) 23:59:40

【人】 オルテイシア

[SASANKAはドリンク一つにも手を抜かない。
 カウンターの向こうへと渡った彼の手元を、
 いつものように眺めて出来上がりを楽しみに待つ。

 少し、やっぱり少しだけ気になって。
 先程向けられていた視線を辿れば、彼女も
 また同じように彼の姿を見ていただろうか。
 
 モテることは知っている、知っているけれど。
 改めて意識している女性がいることを知れば、
 共感めいた気持ちと、少しだけもやもやが募る。

 大事にしてくれていることは、十分に。
 十二分に分かっているけれど。

 あの子が彼を見つめることすら、
 もやもやしてしまうこの感情は、
 独占欲、というものなのだろうか。] 
(23) 2023/06/17(Sat) 0:00:17

【人】 オルテイシア

[まとまらない思考を回転させている間に、
 ことことと煮込まれる甘い蜜のような色。

 ことりと温めに作られたジュースが眼の前に
 置かれたら傍にはかわいいうさぎが鎮座していた。]


  わぁ……、かわいい。
  ここにもうさぎさん!

  写真撮っても良いですか?


[返事を待ちながらスマートフォンを取り出す。
 付き合う前からフォルダに埋まり始めている、
 店内の内装やお皿に隠されたうさぎたち。

 今やうさぎの姿を見かけるたびに、
 写真を撮るようになってしまって、
 それは店内に留まらなくなり始めていた。

 うさぎに気を取られてしまって、
 彼の心に潜んだ、運動のことは
 この後、身をもって体感することになる。*]
(24) 2023/06/17(Sat) 0:01:12
オルテイシアは、メモを貼った。
(a0) 2023/06/17(Sat) 1:17:00

【人】 オルテイシア

[彼の陰に覆われる感覚が好きで。
 その時、どうしても。
 手を伸ばしたくなる衝動を抑えてしまう。
 
 彼も同じならばいいのに。と、考えてしまう程。
 頭の中はいつも彼のことばかり。

 だから微かな匂いすら感じ取ってしまうのかもしれない。
 洗濯物の香りが知らないあの子を牽制していればいい。
 自身からも香り立つシャンプーの花の匂いが、
 彼を惹きつけていることに気づけていれば、
 そんなわがままな考えも思いつかなかっただろうけれど。]


  ……うん。



[待て、をされたのはジュースの話だろうか。
 それとも。
 返せた言葉は、つい敬語を忘れてしまうものだった。]
(27) 2023/06/17(Sat) 17:50:28

【人】 オルテイシア

[写真の許可を貰えたら、カメラアプリを起動する。
 美人と評されるクッキーにくすくすと笑って、]


  はい、可愛くしちゃいますね。


[昨今のカメラアプリは写真に撮るだけでなく、加工も立派だ。
 カシャリと音を立てて温まっているリンゴジュースと、
 傍らに潜む二匹のうさぎを画面に収める。
 角度を変えて、何枚か撮った後。
 フォルダを確認してちゃんと撮れているかを確認する。
 
 保存されたうさぎフォルダとは別に、
 ネクタイのマークだけが記されているフォルダには、
 こっそりと集めてきた彼の写真と、もう一つ。

 画面は天井を映し出したまま、音声だけが流れ続ける、
 いつかの二人がベッドで過ごしたデータが、
 消せない状態のままで残っている。
(28) 2023/06/17(Sat) 17:51:45
オルテイシアは、メモを貼った。
(a2) 2023/06/17(Sat) 17:57:16

【人】 オルテイシア


[聞こえるような大きさで響いた言葉。
 その声に意識を向ければ一瞬視線が絡まった。
 温度の高い鋭さに、

 ああ、やっぱり。
 彼女も好きなのかな。

 と察せるくらいには、鈍くはなかったけれど。
 お店にメーワクなのは確かなので、
 まだ残っているリンゴジュースを見つめて俯いた。]
(32) 2023/06/19(Mon) 22:05:34

【人】 オルテイシア

[気遣うように掛けられる声が、
 そんな落ちた視線を持ち上げる。]


  ……ううん、大丈夫。


[少しもやもやがない訳じゃないけれど。
 まだ幾人か残るお客様と、お世話になっているスタッフと、
 それに彼の立ち位置を悪くはしたくないから、
 その場では良識のある女性の素振りをして、笑ってみせた。

 残りのリンゴジュースを飲み干して、
 空になったカップを置いてスツールを降りる。]


  じゃあ、ちょっとだけ、
  待たせてもらいますね。


[そうして、閉店準備に取り掛かり始める
 スタッフの間を、挨拶を交わしながら抜けて、バックヤードへと。*]
(33) 2023/06/19(Mon) 22:06:07
 




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