人狼物語 三日月国


174 完全RP村【crush apple〜誰の林檎が砕けたの?】

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【人】 3年生 黒崎 柚樹


―― 武藤の病室 ――


[あの世界で、二度目の魔法が青空と緑の木々を彩って。
そして、あの世界には飛ぶはずのない鳥が9羽、飛んで行くシルエットが見えた。]

 ………………さようなら、小泉さん。


[言いたくないと散々駄々こねていた言葉を小さく口にすると、それに応えるようにあの世界の全てが溶けるように砕けるように消えて行った。]

 ────………………。

 ……武藤?

[揺れるカーテン、低い場所から射してくる明るい日射し。

ああ、そうだった。
ここは、病院で、武藤の病室で。
繋いだ手の先には、共に生還できた好きな人が居る。

全部が"終わった"わけではないけれど、一つの区切りは確実に終わったのだと。
日常の歯車がカチカチと動き出す感覚があった。

武藤、また泣いてたでしょ、なんて言っている自分の側も涙の跡がばっちりで、お互いそれを誤魔化すように、少しばかり苦笑しながら口付けた。]
(11) 2022/09/16(Fri) 14:25:24

【人】 3年生 黒崎 柚樹


―― 津崎の病室 ――


 ────…………うわ……。

[思わず剣呑な声が出てしまう。

回診の先生から聞いてはいたものの、その日のうちに見舞った津崎は、圧倒的軽症者(というかほぼ無傷)な私や武藤と違って、文字通りに"ぼろぼろ"だった。

なるほど、最後の最後まであの夢に残されていただけはある、と、納得したくもなる怪我人具合。

それでも青い瞳の輝きは、あの美術館の中でひととき見ていた昏い色のものではなかったから、"良く生きてたね"なんて軽口叩けるくらいには、私は安堵していた。

武藤も似た気持ちだったのかな、津崎の髪をわしゃわしゃとかき混ぜていて。 >>6

  ん………………?


私は、微かな違和感に首を傾げる。]
(12) 2022/09/16(Fri) 14:26:32

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 津崎って、……そんな顔してたっけ?

["そんな顔"とは甚だ不躾だけど、そうとしか言いようがない。

なんか、肌の色とか、瞼の線とか……あと睫毛や眉毛も?
というか、顔のパーツほぼ全部?
記憶のものとなんだか微妙に違っている。

羨ましい髪質だよね、なんて思っていた、サラツヤピカーな髪も、なんだかこう、くすんだ風になっていて。

聞けば、メイク、してたんだそうで。
髪はと言えば、毎朝30分かけて(!)の力作だったそうで。]

 ────え。…………まじ…?

[顔と髪の手入れになんて1日10分もかければ多い方だった私は絶句する。

とりあえずその髪、私も思う存分わしゃわしゃさせてもらってもいいかなぁ?
(わしゃわしゃしました)(それはもう)*]
(13) 2022/09/16(Fri) 14:28:06

【人】 3年生 黒崎 柚樹


―― 黒崎さんは変わりたい・その1 ――


[武藤は服選び、いくらでも付き合ってくれると言ってくれたけれど、さすがに下着選びまで付き合わせるわけにはいかなくて。

それにトップス買うなら、先に下着をなんとかしなきゃとか……思うわけで。

意を決して大学最寄りのターミナル駅隣接のショッピングモールに一人足を向けてみたものの、早々に心折れそうになった。

やっぱりどこから見ても、若い男が女性もの下着を物色している風にしか見えないようで、店員さんやお客さんからの、訝しげな視線が突き刺さる。]

 通販に、しようかなあ……。

[でも正確なサイズとか解らないと買いようが無いんだよなあ……とぼやきつつ、元々多くは備わっていない気力を更にすり減らしながら居心地の悪い女性服売り場を歩いていたら、視界の端、目に留まる色があった。]
(14) 2022/09/16(Fri) 14:44:58

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[あの美術館で、一番に良いなと思った絵 >>0:178 のジャングルの緑のような、深い色合いの半袖シャツ。うっすらと、葉の陰影模様がついていて。

なんとなく近付いて眺めていたら、
 「ご試着してみます?」
と声がかかった。]

 あ、いえ、私、は。

[口籠もってしまい、逃げるように立ち去ろうとしたら、
 「お客様は暖色系もお似合いだと思いますよ」
と重ねて声がかかり、逃げかけた足がぴたりと止まる。]

 あの……。

["女に見えますか?"すら言い淀んでいる私に、
「お客様のようなモデル体型の方は、とろみツヤ系の素材がお似合いかなと思いますよー」
と、おそらくは母の年に近いだろう彼女はにっこりと微笑んだのだった。]
(15) 2022/09/16(Fri) 14:46:27

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[  は?モデル体型?
  っていうか、"とろみツヤ"って、料理の表現?
  角煮的な??

硬直して顔中にハテナを浮かべたまま状況を咀嚼する私に、でもその店員さんは色々と相談に乗ってくれた。

なんでも、彼女の娘さんはバスケットボールをしていて、私と似た悩みを抱えているのだそう。
だから、女の子だって見てすぐ解ったわと、微笑まれた。

 「せっかく肩や背中の線が綺麗で姿勢も良いんだから、
  堂々と見せれば良いのよ」

なんて言われ、それには苦笑しか返せなかったのだけど。

なにしろ知識の浅いファッション用語、何がなんだかだったけど、親身になって服を選んでくれたから、そこで1枚、シャツを買ってきた。

見惚れたシャツと同じ柄だけど違う型。
 「深めVネックかドレーピングシャツがおすすめ」
などと言われても、ほぼほぼ呪文だ。]
(16) 2022/09/16(Fri) 14:51:04

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[嬉しいことに、サイズも測ってくれ、下着はこのサイズを買えば大丈夫と、そんな事も教えてくれた。娘はここのを愛用してるわね、と、通販サイトの情報も。

お店のタブレットで見せてくれたそのサイトにはおそろしく多様に、"寄せて上げて"を通り過ぎて"詰めて盛って"的なものが盛り沢山に並んでいた。]

 …………これは……詐欺では……?

[思わず呟いた私に、

 「これが詐欺なら、お化粧だって充分詐欺よ」

と店員さんは笑っていた。

ああ、確かに……って、別に津崎の顔を思い出したりはしてないけどね?*]
(19) 2022/09/16(Fri) 14:53:32
黒崎 柚樹は、津崎は多分、すっぴんだと多少男らしくなる(でも美形は美形)なんだと思っている……
(a9) 2022/09/16(Fri) 15:15:22

【人】 3年生 黒崎 柚樹

―― 黒崎さんは変わりたい・その2 ――


  『髪と顔の弄り方教えて欲しい』

[津崎はどこに出しても恥ずかしくない重傷人(医療的定義では軽傷の範疇らしいけど、とてもそうは見えない)筆頭だし、他にも骨折とか内障とか、あの事故の傷が皆なかなか癒えない中、私と武藤は拍子抜けするくらい簡単に"日常"に放流された。

まあ、意識が戻れば、切り傷掠り傷程度で入院している意味は全く無いものだしね。

そして数日後。

"マブダチ"とはいえ入院中の相手に頼むことでもないかなと多少は悩みつつ、まあいくらか暇にはしてるかなと、津崎にそんなLINEを送ってみたのだった。

そうしたら、"これ持ってこい"的なリストが返ってきて。]

 ……ストレートアイロンなんて、持ってないんだが……?

[などと困惑しつつ、更には生まれて初めて見る文字列("ビューラー"って、何!?)などもあって、あいつはどれだけ顔面改造しているのかと目眩がした。

────かくして。]
(26) 2022/09/16(Fri) 15:45:39

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 ────ッッッッ!!!!!!
 いったいなあ!もう!!!


[え、なんなの、メイクってこんな地獄的行為なの。

津崎の病室で雄叫びを挙げてしまって、慌てて口を噤む私がいる。

眉を整えろ、と言われた。
どころか、こうするんだよと毛抜きで引っこ抜かれた。
瞼の上側の、とんでもなく痛いところを。

そんな荒療治ではあったものの、でも、ガチ女性的メイクじゃなく、とりあえず津崎みたいなところからはじめてみたいと教えを乞うた私に、津崎はちゃんと教えてくれたと思う。]

 ……このクリーム、さあ……。
 皮膚呼吸できなくなるみたいな感じで、きもちわるい……。

["BBクリーム"なるものに顰め面したら、お前は両生類かという視線が飛んできたけれど。

いっそ両生類になれたら、こんな努力しないで済むのになと深い深い溜息を吐いた。*]
(27) 2022/09/16(Fri) 15:46:26

【人】 3年生 黒崎 柚樹


>>37 >>38

[津崎を見舞った病室で、小泉さんのパン屋の話になって、私は静かに眼を伏せた。

猫ちゃんパン、美味しかった。
結局あれが、小泉さんのパンを口にした最初で最後になってしまったけれど。

あれと同じパンが売られているお店に行っても、それは、"小泉さんのあのパン"ではなくて、でも、お店には行かなきゃと思った。
虎型のパン、買わなきゃだしね。

だから津崎がその店を知っていたことは幸いだったし、それが最後の話題になって帰ろうとした……んだけど。]
(39) 2022/09/16(Fri) 19:46:52

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[別に、手を握ったりしていたわけじゃない。
普通に2人で部屋を出ようとしただけ。

ていうか、そも、津崎へは私がとうに報告していた >>4:251 はずなのに、わざわざ聞いてくる >>31 とか、本当、こういうところ、津崎は津崎だよね。]

 ………………。

[まあ、問われたのは私じゃないから口を噤んでいたんだけど。

隣の男ときたら、"無事に落とした"って。
私、射的の景品でもなければビリヤードの球でもないんだけど。

少し憮然としてしまう。]

 ……おかげさまで、無事に落とされたよ。

[だから口を尖らせながらそう被せてやった。*]
(40) 2022/09/16(Fri) 19:47:48

【人】 3年生 黒崎 柚樹

>>42 >>43

[まあ、割と、怒っていた。

私は武藤が落とそうとした結果の、"落ちた"なのか?って。

好きな人に好きと言われた。
それだけでもう充分と、それ以上は踏み出す勇気を持てなかった私に、踏み出させてくれたあの優しい言葉が、"落とす"手段だったってこと?

心の中に積もり積もってた怯えを全部押し退けて、それでもこの人の傍に居たいんだって、私が決めたのに、それを落とした落ちたの一言で片付けられたのは、悔しかったし、悲しかった。]
(44) 2022/09/16(Fri) 20:48:38

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[だから、津崎が気遣う風な視線と言葉をかけてくれたのに >>41 何も返せなかったし、病室を出て歩き出した武藤の言葉 >>43 にも背を向けて。]

 ……………………。

[まあ、頭ではわかってる。
男同士ならではの軽口みたいなものだって。

でも、やっぱり腹立たしくて、つい、拳に力が入る。
ビンタじゃ生温い。腹パンだ。鳩尾抉ってやる────なんて。

……でも、それじゃ何にも解決しないから。]

 ……うん。嫌だった。ああいう言い方されたの。

[何がどう嫌だったか話すから、聞いてくれるかな。

目縁を赤くして傍らの武藤を睨め付けたら、まあ、嫌とはいわないだろう、と思う。*]
(45) 2022/09/16(Fri) 20:49:55

【人】 3年生 黒崎 柚樹

>>51

[真剣な顔で謝ってくる武藤を見て、こんな顔させたいわけじゃないのにな……なんて、考える。

好きな人には笑っていて欲しい。
きっと武藤も私にそう望んでいてくれるのに違いなくて。

だからこのモヤモヤは蓋して笑って、はい元通りでも良かったのだけど、小泉さんの言葉が耳奥に蘇る。

────これからの人生の一瞬たりとも無駄にするな >>6:22


言葉にしなきゃ伝わらないことは、ちゃんと伝えなきゃ。

私はぽつぽつと、思ったところを口にした。

武藤が返してきた言葉 >>52 も、静かに聞いた。]
(59) 2022/09/16(Fri) 22:12:57

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 …………なんか、嫌、だった。

 武藤、だから。
 武藤の事が好きだから、
 嫌だったことに向き合おうと思ったし、
 変わろう、変わってみよう、って、努力してみることにした。

 そういう、思い……っていうか。

 私がどれだけ武藤のこと好きなのかとか、
 ちゃんとは伝わってないのかな、って。

[ぼろぼろ泣いていたわけじゃないけど。
薄く水膜が張っていたらしい眦を指で辿られながら私もぽつぽつ言葉を紡ぐ。

わかってるよ。
多分、お互い、色々必死で、まだあんまり余裕もなくて。

でも、おかしなすれ違いで終わらせることなんてしたくないから、伸ばした手の先がちゃんと相手の手に触れているのか、こうして確かめ続けるのが必要なんだって。]
(60) 2022/09/16(Fri) 22:13:59

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[許すとか、許さないじゃないって、わかっているけどね。]

 ────帰ったら、"スーパーモンブラン"。
 奢ってくれたら許す。

[濡れた犬みたいにしおしおになっている武藤に、あえてそんなことを告げながら、微かに笑ってみせた。

これで手打ちだよ、次に同じこと言ったら許さない、って言外に込めながら。

ちなみに1個4000円くらいするみたいだけど。
よろしくね。*]
(61) 2022/09/16(Fri) 22:15:20

【人】 3年生 黒崎 柚樹


―― 病室 ――


[夢の世界が壊れた後。

武藤の病室で目覚めた私は、自分の病室に戻って回診を受けたり、朝食のトレイを持って再び武藤の部屋を訪れたり、津崎の容体を知った後にじゃあ2人で見舞いに行こうとなったり、まあまあ慌ただしかった。

いつの間にか窓辺に置かれていた、空を切り取ったみたいな綺麗な色の封筒 >>6:106 に気付いたのは、だから、いくらか時間が経ってからのこと。

いかにも几帳面に並んだ文字は、小泉さんからのメッセージだった。]

 ……どこまでも丁寧語なところが、小泉さんらしいな……。

[思わず小さく笑ってしまう。

謝罪と感謝と祈り。
どこまでも真面目で誠実で、でも文中に"ずっと生きたいと思っていませんでした"の文字を認めて眼を伏せる。]

 全然、そんな事、言ってくれなかったじゃないですか。

[それはきっと方便ではなく、こちらの心を軽くしようという気遣いでもなく、本音なんだろうなとは思った。並ぶ文字はどこまでも淡々としていて、激情を思わせるものは何もなく。]
(87) 2022/09/17(Sat) 8:57:23

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 でも私、もう小泉さんからは"遺言"、貰ってましたよ?

[聞こうと思って聞いたわけではないけれど。

たまたま耳にしてしまった、小泉さんの独り言。 >>6:22

あれは自意識過剰などではなく、前日に吐露した私の思いへの返答に違いなくて、文字通りに"遺した言葉"で。

あの時の言葉をそのまま手紙にしてくれても良かったのになあ、なんて、思ってしまった。

私にとっては、この便箋に綺麗な並んだ言葉よりも、あの時の声の方が、ずっと小泉さんの真実に近かったと思うから。*]
(88) 2022/09/17(Sat) 8:57:47

【人】 3年生 黒崎 柚樹


―― 退院から少し後 ――


[あれだけ一緒に居たのだから、いざ"日常"に戻って離れてしまうと寂しいもので。

今度いつ会えるかと尋ねてきた武藤からのLINEには、"日曜午後なら"と直近の週末を伝えてあった。
当然ながら、じゃあ会おう、ってなって。]

 …………なに、着ていく、べき……?

[午前中にトレーニング終えて、シャワー浴びて、そして私はベッドの上で2つの選択肢を睨み付けていた。

1つはいつものスポーツブラで、もう1つは、届いたばかりの、寄せてあげてのワイヤー入りの、でも詐欺的要素は皆無なもの。

うっかり出来心で詐欺的要素入りのも一緒に通販してみたものの、試着で「無理ぃ!」ってなってしまった。だって、この顔にそのパーツって、絶対、なんか、違う気しかしない。

一応、もそもそと、後者を身につけてみて、次なる睨み付けのターゲットは、これまた新品のシャツブラウスだったわけだけど。
ごめん、まだちょっと難易度高い……と、結局いつもの七分袖黒Tに腕を通したのだった。

結局、服はと言えば、いつもと変わったのはごくごく小さい布きれ(ただしワイヤー入り)だけ。]
(93) 2022/09/17(Sat) 10:39:05

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[それでも一応、髪と顔は、少しだけ、それなりに、病床の怪我人に教えを乞うた >>26 内容をいくらかは実践してみた。

髪、いくらか整えて耳の後ろに流してみたくらいだけど。

あと、眉抜いて(抜かれた、とも言う)、なんか、描いて、あと、リップも少しだけ色つきのにして、あと、なんだっけ、睫毛もなんちゃら……名前忘れた、まあいいや……とか、そんな感じ。

なんとかクリームとやらはほんとに皮膚呼吸無理以下略だったから、"せめてじゃあこういう粉はたいとけ"とかなんとか、言われたものをぱふぱふした。程度がわからなくて、盛大に咽せたけど。]
(94) 2022/09/17(Sat) 10:40:53

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 …………ねえ。
 へん、じゃない…………?

[おずおずと家に居た弟に聞いてみたら、少し驚いた顔をされたけど、"全然変じゃない"とは言ってもらえたから、そのまま、出かけてみた。

だってさ。

会うとは言ってたけど、手打ちと言うには贅沢すぎると我ながら思っていた、あのケーキをきっちり早々買って来てるとか >>92 、さすがに思わないし。

なんか、こう、こっちもそれなりの成果……というか、努力を?見せないと、と、思って。

────ああもう。
武藤に会う前から顔が熱いよ。]
(95) 2022/09/17(Sat) 10:42:05

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 …………あ、の。
 やっぱり、へん……?

[教えてもらった、武藤の部屋の最寄り駅。
私の家からは私鉄1本、そんなに離れてはいなかった。

手の中、くしゃくしゃになっているのは、電車に乗る直前に手渡された、美容院のチラシ。
普段の格好で歩いている時には、そんなもの、渡されたこともなかった。

え、そんなに私、浮いてますかおかしい格好ですか、なんて狼狽えたまま、電車に乗ってる間中、その憐れなチラシは捨てられるタイミングも失して握られ続け、くしゃくしゃになっていっていた次第。

せっかく数日ぶりに会えたのに、武藤の顔をなんとなく見ていられなくて、俯きがちになってしまう。]

 津崎、に。

 顔面改造のやり方教えてもらって……。
 その、やってみた。

 少し、だけ。

["メイク"と言うのも気恥ずかしくて、ぽそもそと、そんな台詞を。*]
(96) 2022/09/17(Sat) 10:43:50

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[これでいいのか、とか、これで良かったのか、とか、これ、やっぱり仮装レベルなんじゃないの、とか。

頭の中ぐるぐるしていて、"見せて"と乞われて >>100 ようやく上げた顔も、でも視線は泳いで一瞬絡ませるくらいしかできなかった。

"かわいい"も"きれい"も嬉しいけど。
それは私を過分に評価してくれる武藤だからそう思うのかもしれないし、あるいはいくらかの世辞も入っているのかもしれないし……と、どうしてもどうしても疑心暗鬼気味にはなってしまう。

口に出して「そんなことない」って言わなくなっただけ大前進なのだと思って欲しい。

だから、手を差し出されて素直に繋ぐのだって、相当に躊躇した。

男同士に見えたところで、大騒ぎする世の中でも、もうないけれど。
でも、大学からそう遠くないこの地域、特に"知り合い"の多い武藤はこの界隈に住んでいる人も居るだろうに、と。

困惑を心の隅に置いたままロータリーを歩き抜ける直前、また美容院のチラシを渡されてしまい、小さく首を傾げた。

なんだろう、新規開店のラッシュ時期なのかな。]
(102) 2022/09/17(Sat) 12:28:53

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 ……?
 ううん、大丈夫。

 あ、母さんの実家から梨届いたから持ってきた。
 包丁くらいはあるよね?

[寄りたいところはあるかと問われ、包丁とまな板があるなら、他に買うものはないなあとそのまま住宅街を歩いて──まさか包丁すら無いようだったら売っていそうな店に寄らせて貰ったけれど──、辿り着いたのは、いかにもな感じの学生御用達的造りのアパート。

玄関入ってすぐの廊下が小さなキッチンがくっついているみたいな、そんな感じの部屋。

あの美術館のレストランで、武藤は料理は全然しない風なことを言っていた >>2:27 けれど、なるほど、これは料理がしたくてもしづらい環境ではあるなあ、なんて思った。

鍋1個置いてお湯を沸かすのが精々って感じだもの。]
(103) 2022/09/17(Sat) 12:31:04

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 おじゃまします。

 …………ふふ、なんか、弟の部屋と似た匂いがする。

[正直なところ、私はさほど気負ってなくて。

なにしろ弟がいるし、漫画や雑誌の貸し借りだとか(なんなら服も一部貸し合っている)で互いの部屋に入るのは割と日常茶飯事のこと。

綺麗だよ?弟の部屋なんて堆積物が地層になってるよ、なんて示されるまま、クッション借りて座り込む。

ほら、今日の主目的はケーキ、ですので。

ぽつぽつと、大学に顔を出した時に周囲に言われたや事務手続きについてのことなどを報告し合いながら、待ちかねるのは4000円の、あれ。それしかないでしょ。]
(104) 2022/09/17(Sat) 12:32:45

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 ぅわ…………おい、し…………っ!

[ありがとうございます想像以上ですべらぼうにおいしいですなんだこれってくらいにおいしいです……と、悶える私。

栗が栗なのに栗じゃないみたいだ。甘さも香りも最高なのに口の中でほろりと解けていくようで。]

 武藤もどうぞ。

 一緒に食べよう?

[値段が値段だからサイズもそれなりだったわけで、野球ボールより大きいな?っていうくらいのケーキは、そもそもが2人で食べることを想定しているんじゃないかと思えるくらい。

最初から分けようとしたけど、それは強行に固辞されたから、まずは一人で抱え込んでいたわけだけど。]

 …………あーん、しようか……?

[津崎と3人でパフェ食べたり、おにぎり1個でぎこちなくなってしまったり、そんなこともあったなあとは密かに振り返りつつ、まあ、今は多分、こういうことしても許されるのじゃないかな?と、他意なく思った。

キスはしてしまったのだし、今更食べ物分け合うとか、武藤相手なら私の側に抵抗があるはずもなく。

御機嫌な私は、はいどうぞと一口分のスーパーなフォークを差し出したのだった。*]
(105) 2022/09/17(Sat) 12:34:31

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[そういえば、武藤の家に向かう途中、私は繋いだ手の方ばかりが気になってしまって、口数少なに、俯きがちに歩いていたのだけど。

なんとなく、武藤が片腕を上げてる気配とか……あと、なんか、声が。
「デートか」って。 >>106

いや、まさか、自分たち(というか武藤)にかけられた言葉とは思わなかったし──むしろそこに揶揄いの色があったなら、それを察してここからダッシュで逃げ出すくらいの事はしていたかもしれないけれど──、なんだかごく当たり前のような自然なやりとりをしている風な声音だったから、全然、自分とは無関係の事とばかり、思っていた。]
(110) 2022/09/17(Sat) 14:35:11

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[別に、例の"落とした落とされた"事件からずっとぎこちなかったわけじゃない。

けれど、"手打ちのケーキ"を目の当たりにすると居たたまれなさがあるものなのか、今日の武藤はなんとなく口数少なげで……というか、なんか、緊張している風な。

別にもう怒ってないよ、本当だよ?なんて、私は思っていた。]

 ……ね。

 すごく美味しい。

[それでも、差し出したフォークに顔を寄せてくれたから、安心してふにゃりと笑み崩れる。

手打ちの品じゃなかったら、4000円のケーキ1個食べるなら400円のケーキ10個食べた方が幸せと思ってしまうところだけれど、お高いケーキはお高いだけの理由があることを今日初めて思い知ったのだった。

武藤にもけっこうあげたよ?
恋人、なのだし。美味しいものは分かち合わなきゃ。]
(111) 2022/09/17(Sat) 14:36:18

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 ………………ぇ?

[梨、剥こうか?さすがに早いか、なんて。

一度皿を下げに立ち上がった武藤に自問自答の声を掛けようとしたら、ベッドの縁を背もたれ代わりにさせてもらっていた私の隣に座ってきた。

うん、こっちの方が座りやすいもんね?なんて、思ってた……んだけど。]

 えー…………そんな、たいして、かわってな、

["もっかい"なんて、言われても。

世辞抜きで"かわいい"って思って貰えたなら、それは勿論嬉しいけれど、自信なんて全然ない。

津崎の顔面改造歴(なんて表現したら非常に嫌な顔されそうだけど)に比べれば、家で練習してみていたとはいえ、近くで見たらアラが目立つだけし……とか、困惑の文句を脳内で垂れ流しているうちに、当たり前の流れみたいにキスされた。

なんだかケーキの続きを食べてるみたいに、栗と、あと少しだけ、ケーキに入ってた洋酒の香りが吐息に混ざっているようで、くら、と世界が回る感じがする。]

 ぇ、と…………。

[嫌じゃない、少しも。けど。]

 私……"警戒"した方が良かった……?

[事ここに至って思い出したのは、あのレストランで、すごくすごく困った風に武藤が零していた一言 >>2:237 だった。*]
(112) 2022/09/17(Sat) 14:40:26

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[言い訳させてもらえば、"回路がまっすぐに繋がってなかった"としか言いようがない。

警戒がとか注意喚起がとか、武藤への"謎の信頼"がとかじゃなくて、"ここでする"という頭が、そもそも、すっぽり抜けてしまっていた……というか。

今は取り戻した現実で、日常で。
傍らには好きな人が居て、その人も私を好きと言ってくれていて。

────までは理解できていても、どこか、あの夢の世界の一件と一直線には繋がってはいない感じがしていた。病院で過ごしたいくらかの時間もまた非日常に過ぎていて、"夢の世界の続き"のような区分に押し込められてしまっていた。

馴染みの通学路、見知った街並み、家族の顔。
太陽が沈んで月が天空に上る、あたりまえの日常。

細かな悩みはあれど、その悩みはむしろ現実みを加速させるばかりで、そしてもう、あの半ば腐ったような甘ったるい林檎の香が鼻に届くこともなくて。]
(131) 2022/09/17(Sat) 20:40:41
 




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