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【人】 ヴィルヘルム( 身を灼く熱情の炎が執着に依るものと知ってしまえば、 抱く願いなど唯一つ。 遺言を放棄し、死の運命を秘密として守り通し、 剰え醜く足掻き、苦痛を増やす道を選ぶ程度には こい ────如何しようもない程に 愛 (50) 2020/12/12(Sat) 4:43:00 |
【人】 ヴィルヘルム( 死を目前にしてやっと気付いたのは、 おまえを何処にだってやってしまいたくないという事。 ずっと満たされなかった奇妙な心地の正体は、 同じ死の苦しみを味わう事になったとしても 共に在り続けたいと叫ぶ秘めた想いだった。 蓋をし続けたのは己だったのだ。 だから、どうか…………どうか。 ) (51) 2020/12/12(Sat) 4:51:29 |
【人】 ヴィルヘルム────……傍に居てくれ、リヴ。 ( Egal was kommt, ich werde dich nie verlassen ) [ 凍える身体が全身で紡いだ、たった九文字の願い。 ずっと痛んでいた、空白ばかりが胸を占めた、 <利己>に限らぬ想いの応えを導き出した。 ] (52) 2020/12/12(Sat) 4:55:23 |
【人】 ヴィルヘルム[ 互いの唇を結んだのは泡を含んだ赤い糸。 伏せていた瞳が揺らぎながら愛しい貌を見詰めては、 散々血に穢した口許を歪めて、弱々しく笑った。 其れを最後に、とうとう全身の膂力を失い 首元に回した両腕さえ零れ落ちて、躰は沈んで行く。 抱き留めてくれると言うのなら、其の温もりの傍で。 唯独り、死後でさえ離れたくはないと望んだ者の元にて。 空気を喘ぎ求める事もなく、痛みに喚く事もせず、 死を受け入れる支度が調えばいっそ穏やかに、 かんばせを見上げ続けていた瞳を閉じた。 ] (53) 2020/12/12(Sat) 4:55:43 |
【人】 ヴィルヘルム[ 生涯の最後に浴びる雨がこんなにも暖かいものだとは 想像だにしなかった。 返答の代わりに降ったのは、獲物を仕留める様な愛咬。 獣化の兆候が色濃く残る其れは鋭い痛みを齎して。 吸い込んだ息は終ぞ言葉にはならず、 痛覚に呻くこともなかった。但し…… ] 人間として見ていてくれた ( 俺をヒトの儘終わらせてくれるおまえは、 向こうでも必ず俺を見つけるのだろう。 ) (71) 2020/12/12(Sat) 9:59:43 |
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