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【人】 教会住みの娘 エヴィ[ その方のお返事はどうであったか、 もし頷いてくださっていたなら有難く ご一緒させて頂いたでしょう。 宮廷内の舞台は、それはそれは広くて>>0。 もしも子どもたちが走り回って はぐれてしまえばもう二度と会えないのでは と思うくらい。 見たこともない程大きなシャンデリアが いくつも天井を彩って>>0、その天井には 国にちなんだ伝説が描かれた絵が、 あぁ、素晴らしくって。 息を飲んでそのまま呼吸を忘れてしまいそう。 身体の痛みもその時は一瞬忘れて、 うっとりと見上げていた視線を下ろして、 何気なく、見渡した、人混みの中、 (217) 2020/09/26(Sat) 16:34:18 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 案じ続けていたその方のお顔を目にして。 近くだったか、離れていたか、どちらにしても もう、矢も盾も堪らず、駆け寄ったことでしょう。] ……本当に、良かった [ 安堵でぼやける視界の先。 私の言葉を遮るように差し出されたのは、 いつかと同じ、傷薬 ] (219) 2020/09/26(Sat) 16:39:04 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ あの日と異なるのは、 手向けられる、 言葉 胸の奥から、激流のように湧き上がり、 押し寄せる感情を堪えたつもりでした。 けれどやっぱり双眸から滴となって流れ出て 結局なにも言えずに嗚咽が漏れるだけ。 なにも聞けず、なにも知らず、 問う勇気もないままに。 ヨシュア様の瞳を見上げればそれは、 私の知っているものとは少し、 色を変えていて その奥にあるこの方の、胸の内を 推し量れたらとどれほど願ったでしょうか。 おずおずと、薬を受け取る際、 微かに指が触れました。 その手を、ぎゅっと握りしめて、 行かないでください と、言えればどんなに (220) 2020/09/26(Sat) 16:42:49 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ さようなら と 告げるヨシュア様は 確かに 笑んでいて、 それは、今まで見た中で 一番美しい笑みだ、 と思いました (221) 2020/09/26(Sat) 16:45:54 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ いつの前にか、音楽祭は終わりが 近づいていました。 人混みの中消え行くヨシュア様の背中を 思い出しては、やはり今からでも あとを追わねばと心は騒ぐのに、 反して身体は鉛のような重さを増し、 ぐらりと眩む頭に時折吐き気すら 覚える為体。 すっかり音楽祭に夢中の子どもたちを見れば 心には少し、穏やかな気持ちが蘇ります。 ヨシュア様を追うため、場を離れることを この子たちになんと説明するべきかと 思案しつつ目線を彷徨わせた先に、 ] (222) 2020/09/26(Sat) 17:14:24 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 陶器よりも白くなったお顔、 強く噛みしめ過ぎたせいで血が滲む唇。>>@40 今にも手折れそうな花のようでいて、 けれど凛と立つ意思をを纏う、その姿は 私を、好きだと言ってくださった、 ただ一人の (224) 2020/09/26(Sat) 17:18:38 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 声は、手は、届くでしょうか。 近くに寄ることが叶うならば、 その身体を抱きとめて。 私がアメリア様のお身体の具合を伺うより ずっと早く、 今にも倒れてしまいそうなご様子なのに それでも案じる方 の行先を知らぬかと問われれば、ぐ、と息を詰めて。 今、伝えるべきは、お身体の心配ではなく。 ] …先程、こちらでお会いしました。 まだ、遠くには、行かれていないと思います。 [ そう、伝えたでしょう。 ]* (226) 2020/09/26(Sat) 17:22:25 |
教会住みの娘 エヴィは、メモを貼った。 (a55) 2020/09/26(Sat) 17:24:36 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 手を取り合い、抱き合っていて尚、 迷い子のような途方に暮れた声がぽつり、 と聞こえました>>@43。 嗚呼やはり、ヨシュア様のご覚悟は、 そうだったのでしょう… 不思議と、驚きはありませんでした。 先程の、別れの挨拶とともに 送られた言葉、 込められた、思い、 美しい、笑み いいえ。 このままではいけない。 絶対に。 (272) 2020/09/26(Sat) 23:56:17 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ やはりどうしてもヨシュア様を追わなければ、 と顔を上げた私に、力のこもった声。>>@44 は、と振り返れば、ここまで共に来て くださったあの方>>241に、アメリア様が 芯のある瞳で尋ねていらっしゃいました。 ] アメリア様… [ 先程から緩みっぱなしの涙腺がまた 視界を滲ませます。 それでも、エヴィは、とこちらを ちらり見るアメリア様の視線は>>@47、 僅かに不安に揺れていて。 告げられる言葉は、その揺れとは正反対の、 私の身を案じて下さるもの。 けれど。 ] (273) 2020/09/26(Sat) 23:57:53 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ…アメリア様の、お顔の色と比べれば 私のほうがまだマシです。 [ そう言って、にやりと笑えば、 アメリア様はどんなお顔をされたでしょう。 ぐい、と身体を寄せて、 私はアメリア様に続こうとするのでした。 ]* (274) 2020/09/26(Sat) 23:58:32 |
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