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![]() | 【人】 凍土 リヴァイだから、 ……お前の傍にずっといるさ、ヴィル。 お前が私を求める限り、 私を拒んだりしない限り ……永遠に。 (呪いが解けた御伽噺の人物のように、 甘ったるい言葉を……らしくもなく吐き出す様は、 怪物の性から解放された、普通の少女のままで。) (65) 2020/12/12(Sat) 9:50:15 |
![]() | 【人】 凍土 リヴァイ[思い返せば彼の名前を呼んだことがなかった。 甘味の取りすぎを咎めるときも、口喧嘩をするときも。 ……身体を重ねたあの夜の時だって。 卒業時に形式めいて叫んだフルネームは呪文のようなもので 相手のことを思って発したことなんて一度たりとも。 お前は私を置いていくのだと思って その身に縋り付くような恥を晒して お前に何れ来る暗い未来をおもって どす黒く回る心を抑えられぬ時も。 孤独に震える末路は自分だけの秘密で 感じていた体温も何れは離れていくものだと…… 毒薬を与えたくらいで何も変わりやしないのだと、勘違いしていたのかもしれない。] (66) 2020/12/12(Sat) 9:50:36 |
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![]() | 【人】 リヴァイ[それきり、女の唇が開かれることはなかった。 魔性を失った朝焼けも間近な空の中、宵闇が手を招いている。 初雪が2人の上を白いシーツのように覆って仕舞えば、まるで互いに寄り添い眠っているように見えるのかもしれない。 苦痛に顔を歪ませ、喉をかきむしった痕跡こそあれど、 その表情は憑き物が取れたように穏やかで、少々上品な笑みを讃えてこそいた。] (69) 2020/12/12(Sat) 9:52:04 |
![]() | 【人】 リヴァイ[……もう、辛いことは何も感じなくなった。 冬の到来を知らせる新雪も、美しさを感じるばかりで気にならなくなった。 だけれど今はやっぱりひどく寒いから、最後まで寄り添っていても許されるだろうか。] “ もう2人、何もかも分け合えるから ” (この冬の寒さでさえも、2人だけの秘密にしよう。)** (70) 2020/12/12(Sat) 9:53:24 |
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