人狼物語 三日月国


238 【身内】幽谷廊へようこそ

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【人】 看護婦 清水 花枝


うーん、と小さく唸って。
 
 
「平和に、幸せに、生きられたら良いかなあ…。
 人並みに恋をして、結婚できたら
 さらに良いかもしれないけど…。」
 
 
ふ、と小さく吐いた息が白く染まる。
そして彼を見つめて小さく笑った。
 
 
「好きな人には。
 私より先に逝ってほしく無いくらいかな。」**
 
(19) 2023/12/24(Sun) 19:10:57

【人】 春山宮 霞

そう…色々と頑張らなければいけなかった、というところですかね。
ここにいる間はゆっくりしていくと良いと思います。
本来は、人の子はそうそう来られる場所ではないですから。

[まあ、猿が普通にいるのは御愛嬌か。
とはいえ、あれもさる名のある神の使いみたいなものなのだ。
微笑ましく通り過ぎる。]

私は…想像通り藤の花の神です。
山に霞みたなびく春には藤の花を咲かせ、厄、病、魔の類から人を守る加護を与える。
まあ、最近は社も少なくなり…あまり信仰されることも少なくなりましたけど。
お姉さんが住んでいた辺りに確か一つ、後はまばらに。
祀っていた村も、多くは廃村になってしまいましたけれどね。
(20) 2023/12/24(Sun) 21:27:32

【人】 春山宮 霞

すみません、消えるとか言ってしまっては…気になりますよね。
お姉さんが私の名前をずっと覚えてくれていたら、それは間違いなく信仰の一部ですよ。

こんな風にお話したいというのは、それも大きな理由です。
誰かに覚えてもらえているうちは、私も『在る』事ができますからね。
…まあでも、もう一つ…お姉さんのような人と話してみたかったのもあります。

今の人が何を考えて、どう生きているのか。
まあ、お姉さんのことをもっと知りたいってことですね。

[趣味のこともその一つだ。まあ、でもその辺りはお互いの興味のままに。後で折り紙を用意しておこうかな、と頭に留めておいた。]
(21) 2023/12/24(Sun) 21:42:45

【人】 春山宮 霞

[何気ないように尋ねた質問の答>>18に、ふっと笑みが浮かぶ。]

……そうですか。これと言って特には、ですか。
うん、…それならそれでいいんです。
つい、人の子というのはとにかく何かあれば神様に願うものだと耳にしたりするもので。

[そのあたりは百花がとにかく詳しいのだ。聞けば喜んで教えてくれるだろうけれど。
ただ、小さく唸ってから改めて口にした願い>>19に、目を瞬かせて]
(22) 2023/12/24(Sun) 21:49:05

【人】 春山宮 霞

あっ………。

[何とはなし、しばらくその顔を見つめてから]

それはとてもいい願いですね。
うん、すごくいい。素敵です。

一生分続く願いだから、叶うまでには長い時間を見ないといけないでしょうが。
でも、お姉さんは素敵な人だから…
うん、少しの力添えがあればきっと大丈夫ですよ。
私ならそのためにできること、あると思います。

[ふふ、とその名にある、春のような柔らかな笑みで笑った。]
(23) 2023/12/24(Sun) 21:57:26

【人】 春山宮 霞

[湯煙の上る桟道を歩いていくと、遠くに見えていた洞穴が近づいてくる。
近づいてみれば、見た目より随分大きい鍾乳洞のような地下へと続く洞窟とわかるだろう。
入口には鳥居のような朱塗りの柱が立ち、奥へと続く桟道の先は回廊のようになっていて、天井から下がる釣燈籠が奥への道を照らしている。]

ここです。ここを降りていった奥の方が洞窟ごと露天風呂になってるんですよ。ここに来た客は大体必ず訪れるとっておきです。

行ってみますか?

[話の傍ら、そう問いかけた*]
(24) 2023/12/24(Sun) 22:04:56

【人】 看護婦 清水 花枝


「藤の花の神…素敵。って、私の?
 じゃあ子供の頃お詣りした場所かもね。」
 
 
>>20今住んでいる場所の近くにもあるかもしれない。けど、小さな神社なら行った事がなく、あえて私の存在を知っているなら…なんて思った。
神様にとっては今の私も過去の私も似たり寄ったりに見えるのかもしれないからね。
もちろん今住んでる場所の近くにもあるかもしれない。
>>21それにしてももっと私のことを知りたいだなんて。
ちょっとドキッとしてまったわ。
男性から告白されたこともない私は、恋愛もした事がないからそう言う体制は薄い。やらしい目を受けての防御はできるけど。
だけどそうよね、私は人間。神様とは違う。
霞くんは人間を知りたいだけなんだと思うのよ。
>>23だから、私がせめてもの願いを口にするとそんなことを言うのね。
素敵な人だと言いながら、その願いは人間と叶えるべきだと。それはそうよね、確かにそう。
花のように綻ぶ笑顔にきゅんとしながら、ちくり、となにかが胸に刺さる。
でもそれは当然、当たり前のこと。
神様と人間だもの。──。
 
(25) 2023/12/24(Sun) 22:34:30

【人】 看護婦 清水 花枝

 
(神隠しで帰らなかった人たちは
 何をしてるのかしら。
 生きてるのかしら、それとも…?)
 
 
不意に頭に疑問が浮かぶ。
けれど、改めて洞窟の奥が露天風呂になっている場所に辿り着くとそちらを見た。
>>24吊り下げられた灯籠の灯りがほのかに辺りを照らしていて、ここから見るだけでも神秘的だ。
 
(26) 2023/12/24(Sun) 22:34:47

【人】 看護婦 清水 花枝

 
「そうね、…でも、まさかお湯にも入るの?
 流石にその用意は持ってきてないし
 …その、恥ずかしいけれど?」
 
 
単純に中を覗くだけなら入りたい。
けれど、お湯に浸かるのなら遠慮したいと言うか…それもお付き合いならば仕方がないけれど。
 
(27) 2023/12/24(Sun) 22:35:03

【人】 看護婦 清水 花枝

 
「…それとも、それをご所望ですか? 霞くん。」
 
 
こそ、と囁きながら頬が赤くなる。
何となく彼の方を見れずに、それでも手を離さずにいた。
一度は一緒に入った仲だ。それに、混浴がメインらしいし、お湯に浸かるというのなら別に彼の場合はお湯自体が良いからと誘ってくれてるのだと思う。
でも、まさかそんなことありませんよね…と。
誘うような、確認するような。
笑い飛ばしたいような、…よく分からない気分。
かみさまに不敬かしら、
でも、…お風呂に向かうってそう言うことかなと警戒する気持ちも知ってほしいのよ?**
 
(28) 2023/12/24(Sun) 22:35:19

【人】 春山宮 霞

ええ、お姉さんの住んでいた辺りに。
小さいころお参りした… そうかもしれないですね。
どちらにしても… こうしてお会いできるのも間違いなく何かの縁ってことです。

[華奈村の近くの事か、小さい頃の話か…
どちらにも社はあるにはある。けれど、そこは少しぼかしておいた。
人の子の姿は変わるものだが、神が取る姿だって不変ではないし、むしろ伝聞一つでいくらでも変わっていってしまうものでもある。

確かなのは、今こうして再び顔を合わせている、という事だ。
その彼女の複雑な内心>>25を推し量るには、
今少し人の子との関りは少なすぎたともいえるけれど。]
(29) 2023/12/24(Sun) 23:05:48

【人】 春山宮 霞

[ともあれ、そうして洞穴の入り口から下へと続く階段の前に立ち、傍らの花枝に視線を向ける。
彼女の懸念>>27はもっともなものだろう。
発せられた言葉は、こちらに多少とも気を遣っているようだ、
というぐらいはさすがに推し量れたけれど。]

いえ、幽谷廊の周りを案内するという事でお声がけしたので。
用意はしてきていませんよね。
…わかってます。
いえ、一度は入っていってほしいというのはその通り、
そのぐらいいい場所なんですが…

[入浴の用意なら、少し宿の者に声掛けすればなんとでもなる…が、そういう事を言いたいのではないはずだ。
実際、彼女の頬は紅潮している>>28。湯気に当てられたか寒さにさらされたせいか、
という感じではない。]
(30) 2023/12/24(Sun) 23:14:00

【人】 春山宮 霞

…宿の者は色々言ったと思いますし、私も「戯れ」などと言いましたけど…
私がお姉さんとこうしてお話ししたいというのは、今お話しした理由ですから。

そこに他意はないです。
確かに、ここで直接人の子の願いを聞き届ける代わりに色々ある事はありますが…
お姉さんの願いはそういう叶え方をする類のものではありませんし。

だから、まあ…

[入らなくていい、と言う言い方が適切なのだろうが、少しだけ考えて]


……いえ、もし、お姉さんがお嫌でなければ、というだけで。

[もう少し持って回った言い方で尋ねた。
握った手に少しだけ力がこもるけれど、傍らの顔はなんとなく見づらく、
言い方は少し自信なさげになってしまったのは否めない**]
(31) 2023/12/24(Sun) 23:22:02

【人】 看護婦 清水 花枝

 
>>31そうよね。そう思う。
私の願いは何かの代償に叶えてもらうような、そんな願いとは違った。
>>30この辺りを案内すると言う気持ちも、純粋な新設心だったのではないかと考えている。
──でも。
なら、なぜ私に願い事や叶えたい事の有無を聞いたのかしら。
神々の戯れがあるかも知れず。
代償に──何を求めていたと言うのかしら。
何の代償もなく、ただ願うだけでそれが叶うとは思えない。
対価に努力や何某かの価値のあるものは不可欠で、なのに彼がそれを聞いた理由は?
そう思い至れば…繋がれた手の力が少し強くなったのも、何となく察しがつく。
たとえそれが不敬なものであったとしても。
 
(32) 2023/12/25(Mon) 21:24:57

【人】 看護婦 清水 花枝

 
「…嫌じゃないよ。」
 
 
私からも手を少しだけ強く握る。
視線は合わせない。頬が染まり、繋いだ手のぬくもりがやたらと熱く感じて。
 
 
「ただ、私はさっきも言ったように
 恋愛経験とかないからね。
 そう言うのは知識としてしかないし、
 出来れば

 …恋人みたいに接してくれたら嬉しいかな。
 お姉さん、じゃなくて、花枝、みたいに。」
 
 
神様相手に恋人になれるとは思わないけど。
羞恥心は人並みにあるし、恋愛はそう言うものじゃないとも思う。けど。
もしそう言うものを求められるのなら。
(33) 2023/12/25(Mon) 21:25:15

【人】 看護婦 清水 花枝


それこそ戯れに。なんて言うのも烏滸がましいかな?
でも試しにそんなことを言ってみる。
嫌じゃない。嫌じゃないけれど──。
 
 
「…この世界でも一人きりは寂しいし。
 霞くんは優しい、から。」
 
 
少なくともそう思えた。
人に優しい彼なら、と。
それは誰に対してもかも知れないけれど。
わざわざ叶える必要もない願いことを私に聞くくらいには、私のことが気になるのなら。
 
 
それは、自惚れかも知れない。
でも。
視線を彼に向け直して、ほのかにわらった。**
 
(34) 2023/12/25(Mon) 21:25:36

【人】 春山宮 霞

そう、なんですか……?

[さっきより強めに握り返された手に>>33、少し驚いてその横顔を見つめた。
顔を見られていなくてよかった。あまり神らしからぬ間抜けな面だったかもしれないから。
それでも、彼女の望むことは確かに聞いていた。
その、内に秘めていたものの大きさに少し驚いたのは否めない…が、
それを理解できないわけでもない。]

…はい、そうでしたね。
私も似たようなものでしょうが…

…いえ。わかりました。
お姉さんではなくて花枝… ですね。

[私の方が年下だが、それは構わないだろう。
それよりも、案じる事は他にある。]
(35) 2023/12/25(Mon) 22:18:10

【人】 春山宮 霞

はい。……そうですね。一人きりは寂しい。
…寂しいんですか?花枝、…あなたも。

[そうだったら、確かに理由にはなるだろう。
あるいは、私もそうなのかもしれない。ただ…]

……でも、困ったな。
私は代わりに花枝に手向けられるものがない。
………いや、ああ。…そうか。

[人の子の機微には疎いけれど、口に出してみて、ようやくわかった。
ほのかに笑みを向ける花枝に視線を向け、笑って返す。]

いい笑顔ですね。…春霞のように柔らかくて。
ついてきてください。
(36) 2023/12/25(Mon) 22:31:20

【人】 春山宮 霞

[手を取ったまま、洞穴の中に向け歩いていく。
通路は両側の朱塗りの柱と釣り灯篭がずっと続きながら下っていく。
ここに来るときに見た無限に連なる鳥居のように。
中に入れば外のような寒さはなく、やがて道は平らになって、時々道別れしつつさらに奥の方へ。]

…着きました。ここですよ。

[やがて隣の花枝に視線を向けて告げる。
高い天井に岩肌そのままの壁、桟敷床と、その先の磨かれた石床に洗い場、
仄かに岩壁に点る灯りに照らされた、地底湖を思わせる広い湯舟。
自分達以外には誰の気配もない。]

他にもいくつかありますが、ここは一番の穴場です。
使うなら、貸切る事もできますし。
どうですか?

[傍らに目を向け、笑ってみせた*]
(37) 2023/12/25(Mon) 22:31:26

【人】 看護婦 清水 花枝


「そうね、一人きりは寂しいわ。私
。」
 
 
>>36あっさりその言葉を肯定して、気付く。
霞くんも寂しいのかな。
神様は、人間と違って悠久の時を生きるのだろうけど。
寂しいのかな。──だから人の子との関わりを求めてる?
それだけだと寂しさを癒やしあうだけのような気がするけれど、…それ以上を望むのは分不相応、かな。
ただ穏やかな声と言葉でやんわり褒められると悪い気はしない。
笑顔を褒められて少し気恥ずかしくなりながら、私は彼に手を引かれて奥へと向かっていく。
 
(38) 2023/12/25(Mon) 23:11:35

【人】 看護婦 清水 花枝

 
そこは、釣り灯籠がある事で決して暗くはなく、けど明るくはない。
薄闇の中に照らし出される灯籠、灯りのうちにある朱色がどこか神秘的で。
言葉少なに一歩一歩降りていく。
少しだけ不安になって、霞くんに寄り添うようにしながら。

そして辿り着いたその先は──。
 
 
「わぁ…!」
 
 
とても広いそこは湖のようで。
灯籠の灯りが岩肌や湖面を照らし、自然の荘厳さと共に整備された美しさもまた兼ね備えていて。
そんな場所に二人きり。
>>37ましてや使うなら、なんて言われると…美しさに圧倒されていたのに、ポッと頬が赤く染まってしまった。
 
気になって、誘いをかけてみたのは私。
普段ならそんなことはしない。する余裕もなかったし、むしろそうした視線は避けてきていたけど。
赤く熟れた頬のまま霞くんを見上げる。
(39) 2023/12/25(Mon) 23:11:57

【人】 看護婦 清水 花枝


はく、と唇を動かして何か言おうとして──躊躇って。
 
 
「…。」


こくんと頷いた後。
そっと瞼を下ろして顎を軽く上げてみた。
数秒待って、求める感覚がなければ瞼を上げて苦笑いするだけだけど。
もし求めた感覚が得られたなら。
 
きっと私はそのまま、未知の感覚に身を委ねるだろう。**
 
(40) 2023/12/25(Mon) 23:12:29

【人】 春山宮 霞

[花枝からの答えを受けて、彼女が求めているものと、自分が求めていたものが少し分かったような気がした。
それに名前をつけるにはまだ少しかかるかもしれないし、求められ求めているものがお互いに噛み合うものなのか、食い違いがないのか、それはまだわからない部分もある。

それでも、大きく異なるわけではないだろうという思いもあった。

そうして歩みを進めてたどり着いた先の湯殿で、彼女が思わず声を上げて見入ってくれるのを見て、安堵し、温かい喜びを覚えた。]
(41) 2023/12/26(Tue) 12:50:31

【人】 春山宮 霞

花枝。………さん。

[呼び方はどちらがいいか…自然だろうか。迷いつつ、紅く頬を熟らした彼女に視線を向ける。と、瞼を下ろして顎を上向ける姿に息を漏らした。

自分の胸のうちに、そういう思いが湧き出てくるとは思わなかった。]

………

[少しだけ間があって、彼女が目を開いてしまわないうちに自分も顔を近づける。
うまく触れ合えるように肩を両手でしっかり抱いて唇を落とすと、小さな音と共に柔らかく触れ合った。

そのまま、じっと唇を合わせ、やがてゆっくりと離してその顔を見つめる。]

……かわいい人ですね。本当に…

[そのまま胸のうちにその身を抱き留める。]
(42) 2023/12/26(Tue) 12:58:31

【人】 春山宮 霞

[花枝が拒んでいなければ、その身に感じるのは温かさと柔らかさだけだろうか。少しして、肩を抱いたまま体を離し見つめた。]

なんだか、言いたいことと聞きたいことと…
求めるものや思いや色々が溢れてきそうなのですが。

ひとまず、冷えていませんか?

それで、私は…いつもは先に湯につかっているんですが。
花枝…さんは?

[体を洗うかどうか、聞き方に少々迷ってからそう尋ねた。
きっと、私の頬も紅い*]
(43) 2023/12/26(Tue) 13:52:24

【人】 看護婦 清水 花枝


呼ばれ方に"さん"がついても私は構わない。
呼び捨てでもどちらでも、好きに呼んで欲しいと思う。
>>42それより、目を閉じていると肩を掴まれてどきりとした。
咄嗟に動けなくなって、そのまま春の訪れを待つ。
柔らかな感覚が唇に触れるのは私にとっては初めてのことで…ゆっくり離れていくと私も薄ら瞼を上げた。
真正面に霞くんの顔。当たり前だけど、見つめられ抱きしめられてより顔が赤くなる気がした。
多分彼は初めてではないと思う。私より長く生きているはずだし、私よりさまざまな経験をしていると、思う。
 
でも私は人間。
人の子で、これが私にとっての初めてだから。
きっと私はこれで良いと思えたの。
 
…可愛いなんて言われて嬉しくなってしまうから。
 
(44) 2023/12/26(Tue) 22:04:03

【人】 看護婦 清水 花枝

 
「冷え…てるかもしれないけど…。」
 
 
>>43私の方こそ、想いが溢れそうと言うかいっぱいいっぱいで。
唇を重ねて抱きしめられて。それだけで頬も胸も熱くなっていたから、冷えてるかな?なんて聞き返しそうになった。
でも、そんなふうに聞いてくる霞くんの頬も赤い。
と言うことは、…霞くんもきっと、本当に冷え切ってるわけじゃなくて。
こくんと息を呑む。
──彼の手を取り、そっと私の熱い頬に添えた。
そのまま手首に近いところに唇を寄せる。
じっと、潤む瞳で見上げたまま。
 
(45) 2023/12/26(Tue) 22:04:18

【人】 看護婦 清水 花枝

 
「お湯…浸かっていきましょうか。
 せっかくだものね。
 ──貸切にする連絡は、霞くんがしてくれる?」
 
 
他の人に、神に、肌を晒すのは忍びない。
況してや擬似的?契約的?仮にも恋人のような振る舞いなのなら尚更だ。
恋人みたいに、と私は言った。
──本当の恋人になれるかは、分からない。でも今は、そのように接して欲しいと望んだから。
 
 
「ここで脱いで良いのかしら…?」
 
 
尋ねてから、帯をしゅるりと解いていく。
羽織を脱いで、帯をたたんで。
彼に背を向け浴衣を脱ぐ直前。肩越しに振り返って。
 
(46) 2023/12/26(Tue) 22:04:34

【人】 春山宮 霞

[初めてかどうかと言えば多分初めてではないのだと思う。
ただ、そうだとしても遥かずっと、神代の昔の話なのだろう。
春先の靄の中のように、語り伝えられるうちに朧気になってしまった
遠い、言い伝えのような昔の事、だと思えばいい。]

うん、冷えている気がします。
来る途中はそんなに寒くなかったですけど、それでも。

[湯煙の立ち込める中だから、凍えるような冷え方ではなかったけれど。
でも、よく見れば花枝の肌は紅く染まっているのだし、自分も似たようなものだ。
だから、これは口実でしかないのだと思う。
手が導かれた先の頬は、それを裏付けるみたいに、ほのかに熱かった。
手首に添えられる唇はやっぱり柔らかくて、見つめ合う。
春霞のように柔らかい笑顔の奥、春の雨のような慈しむ潤いの瞳。]
(47) 2023/12/26(Tue) 22:37:27

【人】 春山宮 霞

わかりました、それなら、ちょっと待ってくださいね。

[奥まっていても、誰かが来る可能性はある。
チリン、と一つ呼び鈴を鳴らせば青い釣瓶火が現れる。]

しばらくここを使う。貸切の連絡を宿に入れておいてくれ。

[そう伝えれば、釣瓶火はぼうっと燃え上がって消える。
そうして、回廊のうちこの場所へと続く道は幻のように見えなくなる。
貸切っていることが明らかなら、たとえ見えてもそうと知って入ってくる者はないだろう。]

お待たせしました。
いいですか、……花枝。

[少し迷って、花枝さん、ではなく花枝、と呼ぶ事にした。
見かけの歳は下でも、この方が自然に思えたから。
帯を解いて、羽織を脱いでいく姿が目に入れば、自然とそちらに視線は吸い込まれる。

背を向けて問われたことに、一つ頷いた。]
(48) 2023/12/26(Tue) 22:44:19
 




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