人狼物語 三日月国


119 【身内RP】夜空を駆ける年越し汽車【R15】

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石鹸商 ニコは、メモを貼った。
(a5) 2021/12/29(Wed) 17:59:10

【人】 石鹸商 ニコ

─現在・食堂車─



[どうやらご歓談の最中にお邪魔したかと思えば
幸いにも帽子のご婦人は>>8
気にも留めていないようなご様子でしたので、
恐縮ですと再び頭を下げたのですが]


 (やっぱり、似てますねえ……)


[むしろ瓜二つでは?と思いましたが
お食事に対するお気遣いに]


  ありがとうございます、
  先程までデッキに居たのですが
  そろそろ暗くなってきましたのでね。

  入れ違いかもしれませんが
  少々失礼いたしますよ。


[
既に食べてきたとは少々言いづらく>>0:404

無難に言葉を選んで居たところへ
キュリア様がお声を掛けてくださいました。>>0:447]
(51) 2021/12/29(Wed) 22:58:19

【人】 石鹸商 ニコ

[キュリア様曰く、既にお食事を召し上がられたようで
パエリアはお嬢様のお気に召したようです。>>0:447]


  おや、早速ですか。
  そうでしょうそうでしょう……
  あの魚介達が織りなす旨味と
  焼き上げるように炊く米の火加減は
  もっと知られても可笑しく無いのにと思いますよ。


[自分としても気に入りの品であったため
自身は何も関係していないとは言え、
感想は素直に嬉しいものでありました。

お嬢様方の間で繰り広げられた
グルメ堪能大作戦のことなど
話に聞き及ばずの私でございますが>>0:441>>4
Penguin Expressが帰路に着いた時には
どれほどの長さと内容になっているのでしょうねえ?
未来の乗客諸氏の感性に期待したい今日この頃です。
]
(52) 2021/12/29(Wed) 22:58:41

【人】 石鹸商 ニコ

[ですが、次のお言葉には>>0:450]


  ────天使?


[思わず帽子のご婦人に再度目をやり、しばし思案。
そっくりなご婦人だとはおもいましたが……まさか。
>0:416>>8]


  ……アンジェ、様?
  まさか、彼の歌の御国の歌姫様で?


[まさかまさか、ご本人ですって!?
もしお名前を伺える機会があれば]
(53) 2021/12/29(Wed) 22:59:00

【人】 石鹸商 ニコ

  いやはや、大変失礼いたしました。
  そっくりなご婦人がいらっしゃるなと
  思ってはいたのですが
  まさかご本人だったとは!

  失礼、名乗らず大変申し訳ございません
  アリアニコ・ベルジュラックと申します。
  商談でかの御国に伺いました時
  お名前とお声を耳にいたしました。


[思わずアンジェ様に対し名刺を差し出し
気付かぬ非礼を詫びたのでありました。
これは誠、誠に申し訳ないことをいたしました。


勿体無いこと>>0:450というお言葉にも合点がいき
「いやはや、こればっかりは時の運です」と
「またご縁があれば
 その歌声を拝聴出来る時を心待ちにしております」と
お二人に告げたのでございます。]
(54) 2021/12/29(Wed) 22:59:38

【人】 石鹸商 ニコ

[そんなお話をしたのち、
キュリア様が外の風にと仰って>>0:450]

  
  ありがとうございます。
  特別便の効果で寒さは感じにくいかと思いますが
  どうかお気をつけて、キュリア様。
  

[その場を後にするキュリア様を見送り、
アンジェ様もまた退出されようとしたご様子でしたので]


  お話ありがとうございました。
  アンジェ様、どうぞ良き旅を。


[穏やかに笑い、退出されるお二人を
脱帽し頭を下げてお見送りするのでありました。]
(56) 2021/12/29(Wed) 22:59:58

【人】 石鹸商 ニコ

 (はて、直感が外れましたかね?)


[もしかしたら>>0:387>>0:388>>0:450
先程の直感は歌のことだったのでしょうか?
でしたら確かに勿体無いことでした。

ですが、それ以外にも何かあるような気がして]



 (もしくは体の調子でも崩したか)


[その割には寒気を感じたけど体はいつも通り。]
(57) 2021/12/29(Wed) 23:00:19

【人】 石鹸商 ニコ

   (……ベルジュラックの体質は
    そう
なものでは無いはず、なのですがね。)




[ベルジュラック家の一族の中でも
の右目と
の左目を持つものは>>0:236


莫大な体力と持久力・耐久力及び
平均より強い回復力を持ち
常人では死ぬような傷や病であっても
生き延びることが多い特異体質。


彩度が高い者ほどその性質は強く
世界から世界、支部から支部へと飛び回り
精力的に活動できるのもこの体質のおかげ。]
(58) 2021/12/29(Wed) 23:01:26

【人】 石鹸商 ニコ

[ただし、体質のせいでほろ酔いまでは行けども
酩酊状態になりにくく>>0:340>>0:395
単純にタフで死ににくいというだけなので、
毒や不治の病だと苦しむ時間が長引きやすい欠点もあるのですが。
大食漢?私の単なる性質です
]



 (うーん、直感頼りで来ましたからねえ。
  何食べるか考えてなかったですよ。)


[けれどもせっかく来たので何か温まるものでも食べようと
お抹茶>>0:7だけいただき一人の時間を満喫して
自室に戻ったのでありました。
お前何しに来たんだって?返す言葉もございません……
]
(59) 2021/12/29(Wed) 23:01:50

【人】 石鹸商 ニコ

[なお、練り切りの上品な甘さが口一杯に広がったところへ
泡立てた抹茶の苦味が舌をスッキリさせてくれる心地は
目も意識も気分を切り替えてくれるかのようで、
ホッと一息ついた瞬間、胃の腑から五臓六腑が温まり
肩の力が下りるような、そんな心地が致しました


アリアニコ・ベルジュラック
あなかしこ。]**
(60) 2021/12/29(Wed) 23:02:35
石鹸商 ニコは、メモを貼った。
(a11) 2021/12/29(Wed) 23:06:55

【人】 石鹸商 ニコ

─回想・食堂車にいた頃─



[まさかと思いお尋ねした結果、
まさかまさかのご本人!>>53>>88
キュリア様がご想像の通り
ご本人のお会いするのは初めてのこと。>>99

しかし己が商会の名前を出されれば>>88]


  左様、アンジェ様の仰る通りです。
  石鹸を始め油脂に精油・蜜蝋などなど
  石鹸に纏わるものを各種取り揃えました
  石鹸店ベルジュラック商会の者にございます。

  かの音楽の御国のお得意様の商談で
  劇場などに足を運んでいたのでございますよ。


[商品購入の旨をお伝えいただければ
「それはそれは、お買い上げいただきありがとうございます。
 お気に召したら是非またお越しくださいませ。
 年明けには従来のものよりも保湿感が向上した
 新製品を売り出しますので。」と。]
(157) 2021/12/30(Thu) 19:07:25

【人】 石鹸商 ニコ

[
そうですねえ、幾ら世界中を飛び回っていようと
世界すべての人間を把握出来るわけでなく……

むしろ把握出来る方がいらっしゃったら

末恐ろしくありません?などと胸中存じ上げませんので

お伝え出来ぬ悲しみ>>99
]


  左様でございますか。
  タカノさん、年末最後に
  強運を発揮されたのですねえ……。


[
まさかその後、もし私がその場に居れば
顔面蒼白もの
の展開が
タカノさんを待ち受けていたなどと一切知らぬのでありますから。
>>0:400>>0:428>>0:429>>0:430>>0:435


思わぬところで私、選択肢の増加という>>98
思わぬトラップを仕掛けるところでしたか、
危ない危ない。
胸中知れていたら
「キュリア様それ最終回の告知のようでは!?」

横で突っ込めたかも知れませんのに。

しかし我々が目指すのは察するにお互い別のことでありましょう。
決して、決してツッコミとボケによる漫才コンビ成立では無い筈。
ええ、ええ、恐らくは。恐らくは……


こうしてお二人を見送り、私は自室へ]
(158) 2021/12/30(Thu) 19:08:36

【人】 石鹸商 ニコ

─現在・自室─



  うーん、まさか本当に風邪引いたんでしょうか……?


[乗車前の北風に>>0:81やられましたかねえ?
可笑しいですね、風邪など滅多に引かぬのに。
風邪という感覚がわからないものですから
冬の寒さか風邪なのか分かりません。]
(159) 2021/12/30(Thu) 19:08:54

【人】 石鹸商 ニコ

  (とりあえず、お風呂でも入って
   体温めましょう。
   これでダメなら風邪決定、
   大人しく休みましょう。)


[旅の道中で風邪とあっては一大事。
人様に感染す訳にも参りませんから。]


  ペンギンさんペンギンさん、
  温かい紅茶をストレートでいただけますか?


[私の故郷では緑茶は体を冷やし
紅茶は温めると言われていますのでね。>>0:6
寒さを感じるならまずは紅茶で体を温めましょう。]
(160) 2021/12/30(Thu) 19:09:08

【人】 石鹸商 ニコ

[風呂場に向かい、いつものように魔石に触れると>>0:n5
適温の湯が湯船に張られていくのを
見慣れているのに思わず感心しながら眺めてしまいます。]


  お湯や水を足して温度を調節しなくて済むのは
  やはり利点ですよねえ、
  こういうタイプのお風呂って。


[まるで実家のような安心感。]


  (至れり尽くせりですよねえ、いつもいつも。)


[うーーーーーん、実家。(※違います)]
(161) 2021/12/30(Thu) 19:09:27

【人】 石鹸商 ニコ

[やがて紅茶が運ばれ、一口喉を潤し三口顔を火照らせ
一息に五臓六腑を温めてカップを返せば
トランクから取りいだしたるは試作品の石鹸。


これは従来の釜炊きによる鹸化法ではなく>>0:42>>0:43>>0:44
コールドプロセス製法で作られたもの。



<gray>私が知ること知らぬことは数多くありますが
有難いことにベルジュラック石鹸が
日常使い等だけでなくバスタイムのお供と知れば
それはそれは有り難さを噛み締めていたことでしょうに。


お土産や普段使いに贈答用、転売>>0:55>>0:101
香り付きの石鹸やハンドクリーム>>0:262>>0:263>>0:421
近頃発売し始めたシアバター石鹸も売れ行きは好調のようで、
年明け後の増量生産も決定済み。>>0:422
ええ、本当に、本当に有難い限り。]
(162) 2021/12/30(Thu) 19:10:06

【人】 石鹸商 ニコ

[特別便に持ち込んだ石鹸は特別製。
試作品などでまだ世には出回っておりません。
オリーブとローレルオイルにクレイを混ぜた
美白と美容に特化した石鹸。


コールドプロセス製法石鹸は
まだ商会で販売しておりません。
本来であれば、所持しているのは
制作する商会支部と私だけのはずでした。


ですが…材料の違いはあれど
同じ製法の石鹸を所有する方が
この列車には、いらっしゃるのです。>>0:394
列車で使用された石鹸が
同じものかは定かではありませんが>>80
]
(163) 2021/12/30(Thu) 19:10:38

【人】 石鹸商 ニコ

[あの石鹸作りは中々の難儀でありましたよ?>>0:394

ルキアス王子殿下大地の君



ですが、一世一代の大仕事とも言えたこの石鹸作りは
間違いなく私が関わった仕事の中で
五本の指に入る過酷度合ではありましたねえ。
何度阿鼻叫喚の事態に陥ったことか。


しかし作り手側の手間暇と使い手側の評価は
必ずしも報われるとは限りません。
その石鹸がお眼鏡に叶ったかどうかは

ルキアス王子殿下大地の君

旅人殿空の君

委ねるといたしましょうか。


そのお話も、今は表に出るまでもうしばしお待ちを。
]
(164) 2021/12/30(Thu) 19:11:05

【人】 石鹸商 ニコ

[恩人が奇しくも私と同じく
チップをお支払いだった頃>>107
(食べ合わせ?>>106私が見れば苦笑していたでしょうし
 父であれば机に突っ伏して笑い堪えてるかも知れません。
 あの人案外ゲラなので、ええ。光景見ておりませんので
 存在せぬ景色ではありますが)



私もチップにコインを支払って。
そういえば、父は己の故郷の風習として
チップの支払いを話したこともありましたっけね。
先生が覚えているかまでは存じ上げてはいませんが。>>0:283


喜ぶペンギンさんに目を細めて微笑みながら>>109
「貴方は本当に賢いペンギンさんですね」と
褒め言葉をかけて見送ったのでありました。]
(165) 2021/12/30(Thu) 19:11:20

【人】 石鹸商 ニコ

[確かに父は面倒見が良い方かも知れませんね。


事務所の調度品や、礼服等必要な際は手配し
事件や依頼が解決したと聞けば
何かしらの好物や美味を贈り
直接会えるときは食事に誘ったりしていたのだとか。


父に関する他のお話もどこか、
どこかでお話いたしましょう。
それまで今は、お湯の中。
]**
(166) 2021/12/30(Thu) 19:11:57
石鹸商 ニコは、メモを貼った。
(a29) 2021/12/30(Thu) 19:21:56

【人】 石鹸商 ニコ

─回想・
“空の君”ルキこと旅人殿
“大地の君”ルキアス殿下
と『至高の香り』─



[ええ、ええ、今でも覚えておりますとも。>>0:394
『至高の香り』とオーダーされた石鹸のこと。



      ジャスミンとローズを使い、金額をも厭わず
      ご満足のいくものを、と。


この御注文をお伺いした時は
思わず商会が石鹸作りに関している課題について
見透かされたような心地になりましたよ。
心の臓が、血が、見る間に凍っていくようで。]
(185) 2021/12/30(Thu) 21:56:11

【人】 石鹸商 ニコ

[普段ベルジュラック商会が取り扱う石鹸は
油脂とアルカリを大釜で炊き上げて
熟成する“鹸化法”を用います。


比較的多くの量を作れますので、
当地の支部を筆頭に
油脂の生産量次第では
各支部でも取り扱える利点が大きい製法。


ですが、この製法には欠点も存在するのです。
まず製造過程で固定石鹸とするため
炊き上げた石鹸の元に塩を加え石鹸分と
余分なアルカリ(甘水)を分離させる
「塩析」という工程があるのですが


分離の際、アルカリ成分と共に水・塩
そして
保湿成分
も幾らか分離されてしまうのです。
幾ら油脂の質と保湿力が高くとも
多少の保湿成分損失は避けられぬ事柄。


しかも加熱工程の中で
熱に弱い成分が壊れてしまったり
熱で揮発しやすい精油を用いれない欠点もあるのです。]
(186) 2021/12/30(Thu) 21:56:48

【人】 石鹸商 ニコ

  ……失礼ながら。
  お時間に関しましても
  頂戴することは可能でしょうか?


[背筋の硬直を気取られぬように
表情は落ち着きを携えたまま、以下。
私は恐れ多くも申し上げました。

石鹸には熟成期間が必要なこと>>0:43
作り上げるには1から素材を検討する必要があること。
下手すれば数年掛の仕事となる可能性があること。

お応えはどうであったのでありましょうか。
何にせよ、我々は指定された内容をもとに
この御注文をお受けすることになったのです。]
(187) 2021/12/30(Thu) 21:57:04

【人】 石鹸商 ニコ

[指定はジャスミンとローズ。
商会でも人気のある香りの一つ。
どちらも1kgの精油を得るのであれば
t単位での花が必要な貴重なもの。


  ですが、この2つの花のブレンドとなると
  作れる石鹸は限られます。


油脂の問題。
油脂には独特の匂い成分があり
幾ら商会が除去技術を開発したとはいえ>>0:42


双方の香りを損なうことなく、
品を保ったまま作れる油脂となれば
アーモンドオイル、シアバター、ひまわり油などと
五本の指で足りるか足りないかといった難易度なのです。]
(188) 2021/12/30(Thu) 21:57:29

【人】 石鹸商 ニコ

[さらに難易度として高まったのは精油の問題。
『至高の香り』を表現するとなると、
調香師が勧めてきたのは商会の中でも
一番希少なジャスミン“ジャスミン・ハープ・プラネット”


ジャスミン・プラネットやジャスミン・オフィキナレ、
ジャスミン・クランディフロルムに比べれば
花は小柄でありますが、芳香の気品は随一。
甘く華やかでありながら、決して主張しすぎない品格は
至高の香りに相応しいと感じさせるものでした。


ですが生息地は「迷いの森」より少し離れた
フムス村というごく小さな村にしかありません。>>0:325
其処はヤマネの耳を生やしたヤマネ獣人の方々が
魔法を使わずひっそりと生活する桃源郷のような場所。
それ以外にも気品ある芳香の花を咲かす品種が自生する楽園。


それ以外にも、表皮は緑で中は真っ赤なイクリ桃が
甘酸っぱく果汁も滴る初夏の美味として
近辺では細々と評判があったのではありますが。
リエブル族の方々とももしかしたら
交流があったかも知れませんね。]
(189) 2021/12/30(Thu) 21:57:48

【人】 石鹸商 ニコ

[一方ローズの精油となると、
砂漠の国シタールの原種たるダマスクローズに加え
華やかでありながらも栽培品種には無い力強さを持った
野生の野茨の精油もブレンドすることに。


試作と実験を重ね、ジャスミンとローズ精油配合の
黄金地を導き出せたまでは良いのですが……
課題はジャスミン精油の性質。


ジャスミン・ハープ・プラネットの精油は少々特殊で
60℃以上の高温に晒されると
その芳香成分が揮発してしまう性質。
これでは煮立たせる釜炊き鹸化法では使えません。]
(190) 2021/12/30(Thu) 21:58:10

【人】 石鹸商 ニコ

  困りましたね……


[つまり石鹸と仕上げるなら、
ジャスミンの精油を変えるか
もう1つのハイリスクな製法を取るか。
制作チームにも緊張が走ります。]
(191) 2021/12/30(Thu) 21:58:28

【人】 石鹸商 ニコ

[悩むこと数日───
妥協か、挑戦か。

出した 答えは]


  会頭として各制作支部担当に命じます。
  南方プシュラのシアバターとアーモンドオイル、
  油ヤシとその種の油脂に
  アプリコットカーネルオイルを配合した石鹸。

  精油はジャスミン・ハープ・プラネット、
  ダマスクローズに野茨のブレンド。
  

[……長い沈黙。
迷いが、恐怖が、襲います。
それでも周囲の気遣わしげな視線を感じれば
意を決して──重い口を開けました。]
(192) 2021/12/30(Thu) 21:58:53

【人】 石鹸商 ニコ

  ────それらを、
コールドプロセス製法で作ること。

  ……宜しいですね。




[異例の命令にざわつく現場の方々。
そうでしょう、コールドプロセス製法は
ハイリスクハイリターンな製法。


何せ花の栽培地と蒸留支部は共に魔法は未発達、
輸送コストも跳ね上がりただでさえ
シアバターを使用した石鹸は他より高価。
使用する花の自生地は人が滅多に入らぬ奥地の村。


諸々の経費を換算すれば、
富裕層の別宅など軽く一軒建てられてしまう金額です。
失敗すれば、それだけの費用をかけた材料全てが
全て使い物にならなくなり
また一から材料を確保しなくてはならない製法。]
(193) 2021/12/30(Thu) 21:59:21

【人】 石鹸商 ニコ

[その前に、コールドプロセス製法についてお話ししましょう。


コールドプロセス製法とは、油脂とアルカリが反応し
鹸化する“鹸化価”というものが油脂にはございます。
その計算法は、そうですね……1000g作るのであれば


鹸化価÷56.1×40÷10000で
1gの該当油脂を固形石鹸にするための
アルカリ使用量を計算する訳であります。
(これ以上は数学のお話になる為
 此処では割愛いたしましょうか)


製法としては、油脂とアルカリを45℃〜55℃に温め
それぞれを保温したまま丸1日と少しの時間撹拌します。
すると油脂とアルカリの熱反応で鹸化が始まっていくのです。


それを型に流したまま保温し、数日後固まれば
型から出して60~90日程熟成。
釜炊きに回せる燃料が少ない地域でも作れますが
全てが温度に左右されるので気温・湿度・環境等で
温度が狂えば全てがお終いというハイリスクハイリターン。]
(194) 2021/12/30(Thu) 22:00:09

【人】 石鹸商 ニコ

[それでも、この製法を選んだのは。
塩析の過程がない為グリセリン・スクワレン等の
油脂に含まれる保湿成分が損なわれることなく、
熱で壊れ、揮発しやすい成分も保持したまま。


しかも今回の油脂配合で作り上げれば
その泡はきめ細かく、まるで上等な絹を纏ったかのよう。


『至高の香り』
に相応しい仕上がりとしては
最も理に叶った製法と言えるかも知れません。


ですが、先に述べたリスクもあるので
失敗の恐怖か、或いは困惑か。
場の空気が重く葬列のようなものに沈んでいきます。
ざわめきも、呻きも、沈黙も


──まるで鉛のようではないですか。]
(195) 2021/12/30(Thu) 22:00:55