人狼物語 三日月国


181 忘却の前奏曲、消失の1ページ

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視点:


【人】 惜別ハツナ



[ つっかえたり声が震えたりはしなかった。
  でも、手の震えは止められなくて
  それを隠すように、後ろで手を組んで。

  怖かった。君との時間が楽しかったからこそ。
  だって、何も言わずに、
  友達のまま、君と話し続けることだって
  きっとできたはずだから。 ]


  
(162) 2022/10/23(Sun) 22:12:55

【人】 惜別ハツナ



[ それでもそれをしなかったのは
  友達じゃ知り得ないことまで
  君のことを知りたいって思ったから。

  誰よりも君の近くにいたかったから。 ]


  
(163) 2022/10/23(Sun) 22:13:18

【人】 惜別ハツナ



[ いいよね、って一応聞く素振りだけは見せたけど
  
君がダメって言っても行くつもりだった。


  だって、口約束で言ったって
  たぶん君は自炊しないんだろうし、
  ちゃんと食べて欲しいって思うし、
  私がしたいって思ってすることなら
  別にいいよね?って思ってたんだ。

  まさか君の脳内にも似たようなこと言ってる
  私がいるとは思いもしなかったけどね。   ]


  
(164) 2022/10/23(Sun) 23:21:48

【人】 惜別ハツナ



   「……うん、そうだね。
    でもダメって言われないよ。>>148

           
聞かなくても、わかる。」


 
(165) 2022/10/23(Sun) 23:22:10

【人】 惜別ハツナ



[ 勿論、聞いてみたし、 
  案の定、ダメとは言われなかった。
 
  多分普通ならダメって言われるんだと思う。
  両親がダメって言わないのは
  きっと私を一人にしていることが
  後ろめたくて、代わりに自由をくれてるんだ。


  自由より何より、
  私は大切な人との温かい時間が欲しかったのに。 ]

  
(166) 2022/10/23(Sun) 23:22:44

【人】 惜別ハツナ



[ だから、私が一般論から遠い場所にいるって。
  それを知られて、君が何も言わなくなったら
  私はもとからあまりなかった遠慮が
  全くなくなっていくんだよ。    ]

  
(167) 2022/10/23(Sun) 23:23:28

【人】 惜別ハツナ



[ 翌日が休日の日とか
  泊ってもいいかなって、聞くことすらあったよね。
  
  それが叶うかは君次第だけど、
  夜ご飯をいっしょに食べて
  君に家まで送り届けてもらうことも
  日常の一部になっていくんだ。


  だから、君の家のキッチン、
  いつの間にか私が使いやすいような
  調味料の配置になってたりとかさ。
  そんな変化だってあったかもしれないね。 ]


  
(168) 2022/10/23(Sun) 23:24:11

【人】 惜別ハツナ



[ 誰も祝福しない道でも
  私と君が幸せなら、それでいいんじゃないかな。

  私は、そう思っていたんだ。


  どうせ君以外の他の人には
  太陽の孤独なんてわからないんだから。 ]


  
(177) 2022/10/25(Tue) 16:39:44

【人】 惜別ハツナ



[ 冷凍食品っぽい唐揚げと、卵焼きが入った
  簡素なお弁当に、何も思わなかったわけじゃない。

  でも、その時は忙しかったのかな、とかさ。
  いい方に理由付けして、突っ込まなかった。>>170
  そこまで聞けるほどの関係じゃなかったし。

  君に分けたサンドイッチが
  君の心を少しでも温かくしたのなら
  それだけで私は嬉しくなるんだ。  ]


 
(178) 2022/10/25(Tue) 16:40:19

【人】 惜別ハツナ



[ これが普通になっちゃいけないって感覚
  この時の私には、まだあったんだ。

  今日みたいな日は、
  真面目な日常にたまに混ざる
  不真面目な非日常くらいでちょうどいい。

  でもそれは、私だけじゃなくて、
  
君だってこれが普通じゃダメなんだよ。

  私だけの話じゃない。>>171 ]


  
(179) 2022/10/25(Tue) 16:40:54

【人】 惜別ハツナ



[ 貰ったチョコボール、美味しかったな。>>173
  誰が買っても味は変わらないはずなのに
  そこに、気持ちがこもるだけで、特別に感じる。

  私は君といたいって想いでいっぱいだったから
  君の戸惑いには言葉にされてから
  やっと気づくことになるんだ。  ]

  
(180) 2022/10/25(Tue) 16:41:31

【人】 惜別ハツナ



[ この一幕に唯一不幸せなことがあるとすれば
  君の心を私は理解していなかったこと。>>174

  そして、仮に言葉にされたとして
  よくわからない、ってことなんだ。

  人の価値、なんて関わる人によって違うのに。
  私は、君と関わりたいと思って近づいたのに。

  無価値なわけ、ないのにな。


             
……分からないよ。  ]


  
(181) 2022/10/25(Tue) 16:42:19

【人】 惜別ハツナ


***



[ 君を振り回してる自覚はあった。
  でも、嫌って言われないから嫌じゃないんだと。
  都合のいいようにとらえていたんだよ。


  私といることが幸せだって。
  そう感じてくれてると思いたかったし、
  私は君といる時間が幸せだった。


  幼い頃には、こんな感覚当たり前だったのに。
  いつしか私の手から離れた幸せの時間。   ]


  
(182) 2022/10/25(Tue) 16:45:23

【人】 惜別ハツナ



[ そう、小学校一年生くらいまでは
  仕事で多忙のお父さんはともかく、
  お母さんは家にいるのが当たり前だった。
  
当たり前、だったのに。


  友人の連帯保証人になったせいで、
  借金を返さなければならなくて。
  そのために身を粉にして働いてるのが
  今の私の両親の現状。

  私が顔も知らない人のために
  私が受け取るはずだった温かい時間は、壊れた。 ]


  
(183) 2022/10/25(Tue) 16:46:01

【人】 惜別ハツナ



[ 
私の家、普通じゃないから。

  人恋しいって思うのはきっと仕方ないでしょ?
  泊まってもいい?って両親に聞いてみたって
  お友達と仲良くしてね、ってそれだけ。

  
恋人の家に、とは言ってないけど

  
言ったとして止められたのかすら怪しい。 ]



   
しないよ。放任主義、ってやつなのかな。


   
……私にかまってる時間、ないんだよ。



[ 直球の質問には、そう返して。 ]

  
(184) 2022/10/25(Tue) 16:47:08

【人】 惜別ハツナ



   君だって、…………ううん。
   
なんでも、ない。



[ 普通から離れているのは君だってそう。
  でも、私はそれを聞くのをためらってしまう。

  だって、もし、聞いたことで
  この時間が終わってしまうのなら、……。

  私は聞かなければよかったって思ってしまうから。
  聞かないのは君のためじゃない。
私のため。


              
わがままだな、私は。 ]


 
(185) 2022/10/25(Tue) 16:48:06

【人】 惜別ハツナ



[ ひとりぼっちの二人が寄り添う晩御飯の時間も
  そこから帰るのも、私達の日課になった。

  夜とはいえ別に一人でも大丈夫、って
  言ったことはあったけど
  私だって離れがたいから。
  強く断ることはしなかったんだ。 ]

  
(195) 2022/10/25(Tue) 23:34:02

【人】 惜別ハツナ



[ 静かな夜道。
  街灯と月明かりが、私達を照らしていた。
  昼よりずっと心地いい夜の時間。

  守るように車道側に立ってくれる
  君に優しさに甘えきって、
  その立ち位置が当たり前になってた。 ]


   どうしたの?


[ どこかいつもと違う気配を感じて
  私はほんの少し首をかしげて
  君の言葉の続きを待てば。 ]

  
(196) 2022/10/25(Tue) 23:35:36

【人】 惜別ハツナ




   
[ 欲しかった言葉が聞こえたんだ。 ]



  
(197) 2022/10/25(Tue) 23:36:06

【人】 惜別ハツナ



[ 嬉しかった。
  ほんとうに、嬉しい。


  
だって私……ずっとさびしかったから。


  君がずっといてくれるのなら
  私、きっとどんなことだって耐えられる。

  それくらいに、君との時間が大切で。
  何よりも君が大切だったから。   ]


  
(198) 2022/10/25(Tue) 23:36:52

【人】 惜別ハツナ



[  君の言葉を全部聞いてから
   私も同じ思いを返そうと思っていたのに。 
 
   続く言葉をすべて聞く前に>>189
   無粋な音が、私達の邪魔をする。>>190 ]


  
(199) 2022/10/25(Tue) 23:37:59

【人】 惜別ハツナ



[ つられて振り返れば、
  そこに見えたのは車。
  運転している人は酔っ払ってるのか
  その運転は明らかに普通じゃない。

  こっちへ、向かってきてる……?>>191 ]


  
(200) 2022/10/25(Tue) 23:38:37

【人】 惜別ハツナ



[ 迫ってくる白いライト。

       
ふ、と思考が止まって私は動けない。 ]


  
(201) 2022/10/25(Tue) 23:39:24

【人】 惜別ハツナ



[ 君の行動の意味を理解したのは
  鈍い衝突音が響き渡った後。  ]


  
(202) 2022/10/25(Tue) 23:40:08

【人】 惜別ハツナ



   
あ、……
う、
そ……



[ 目の前に広がる光景に
  私は理解が追い付かない。

          
ううん、理解したくない。 ]


 
(203) 2022/10/25(Tue) 23:41:26

【人】 惜別ハツナ



[ でも、倒れてる君を見た誰かが
  悲鳴を上げたから。
  急に思考がクリアになって
  私はポケットに入れていたスマホで
  慌てて救急車を呼んだ。 ]


  
(204) 2022/10/25(Tue) 23:42:00

【人】 惜別ハツナ



[ 私は君に付き添う事になったけど。
  この時後悔することになるんだ。

  君の家族のことを
  ちゃんと聞いておかなかったことに。 ]


  
(205) 2022/10/25(Tue) 23:43:40

【人】 惜別ハツナ



[ 私と君が運ばれた後に残された、
  突き飛ばされた衝撃で落とした鞄。
  色とりどりのペンに、
  水玉模様のシャーペン。
  陽だまりみたいな色のペンケース。
  鞄に入ってたものが
  ばらばらに地面に散らばっていた。 ]


  
(206) 2022/10/25(Tue) 23:44:36

【人】 惜別ハツナ



[ その中には、君との思い出をつづった交換日記も。
  開いたページには、こんなことが書いてあるんだ。]


  
(207) 2022/10/25(Tue) 23:45:04

【人】 惜別ハツナ




   
綴られた物語が、消えてしまうとも知らずに。



  
(208) 2022/10/25(Tue) 23:46:47