【人】 三ノ宮 緋雁─ 植物園にて(桜花) ─ [この一帯から去るつもりだったのに、向かう先を間違ってしまったみたいだ。オレは未だに植物園の中にいるし、歩いてるうちに花の香りが濃くなり始めた。 その中には際立った香りを持つ花もある>>7。外では絶対嗅ぐことが無いような、珍しい、それでいて花とは確かにわかる香り。 オレの嗅覚は本来、旧人類の殲滅のためにある。>>0:111 生き物の吐息、流された体液、体温で熱せられた何か。そういったものの匂いが「生き残り」の存在を伝えてくれる。 「それ以外」の匂いは検知できなくてもいい──と、初めのうちは思ってた。 でも、すぐに考えを改めることになったよ。雷恩と桜花ちゃんから、それぞれ独特の匂いがするって気付いてからね] (23) 2023/11/20(Mon) 18:09:10 |
【人】 三ノ宮 緋雁[雷恩も桜花ちゃんも、旧人類とはだいぶ違う匂いがする。 雷恩からは、植物の葉や根みたいな香り。 桜花ちゃんからは、昼間の植物みたいな香り。 どちらも人類らしい匂いと綺麗に混ざって、唯一無二の香りがする。 だから、いつもはすぐにわかるんだ。 匂いが感じ取れるぐらい近づけば、そこに雷恩や桜花ちゃんがいる、って。 けれど今は花の香りに気を取られすぎたらしい。 気付いたのは、オレの名を呼ぶ声がしてから>>18] あ、桜花ちゃん! [大切な存在だからなのか、それとも言わば仕える相手だからなのか、オレが彼の声を聞き逃すことはない。 それはたぶん他のAIたちも同じなんじゃないかと思うけど……尋ねたことはないな。 急ぐ様子もなく歩いてくる彼の元へ、オレからも大股に歩み寄った] (24) 2023/11/20(Mon) 18:09:25 |
【人】 三ノ宮 緋雁桜花ちゃんもここにいたんだねー。気に入った? 夜、部屋に帰ってないことがあるって聞いたけど…… ずっとここにいるの? [桜花ちゃんはきっとここでよく光合成しているんだろう、とはオレの勝手な想像。オレにはそれ以外を思い浮かべにくい、というのもある。 ただ、夜、部屋に帰らないならどこにいるのか、は少し気になっていた。初めは夜もここにいるのかと思っていたけど、どこか他の場所って可能性もある?>>0:140 夜はオレたちAIも思考や動作を抑えて休眠モードに入る。その間にどこかで危険を冒してないか、はどうしても気になるから。尋ねずにいられなかった。 すでに直ちゃんや羅生に訊かれた後かもしれないとも思ったけどね]** (25) 2023/11/20(Mon) 18:09:38 |
三ノ宮 緋雁は、メモを貼った。 (a13) 2023/11/20(Mon) 18:10:53 |
三ノ宮 緋雁は、メモを貼った。 (a15) 2023/11/20(Mon) 19:44:36 |
三ノ宮 緋雁は、メモを貼った。 (a17) 2023/11/20(Mon) 20:22:01 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ 思索:守るべきキミたちと(雷恩、桜花) ─ [オレに人類の思考や感情なんて、そんなにいろいろはわからない。新人類たちを「どう育てるか」なんて話も専門外だ。 だけどオレは、彼らがやりたいことをやるのがいいことだ、と信じ切っている。それはどうやっても疑えないと思う。 生命体が繁栄するには、本能に基づいた行動が安定してできればいいんじゃないか──そんな安直なことしか考えられないからね。 それともし彼らに悩めること、迷える思いがあるんだったら……その話し相手に、もしオレを選んでもらえたら、すごく嬉しいだろうと思うな。 何か役立つ答えを返せるかはわからないけれど……。 戦闘以外でもオレが役に立てることがあるなら、AI冥利に尽きるんじゃないかなって予測できる。 この予測には自信があるよ!]* (50) 2023/11/20(Mon) 21:03:28 |
【人】 三ノ宮 緋雁[設計思想の話をしたら、その機械は、笑った。>>44 それがとても自然な動作に思えた。 オレの持つ人類像と照らし合わせて、似ている、と感じるぐらいには。 オレもつられて嬉しくなってしまったけれど、その前からずっと笑顔でいたから、差はわからなかったかもしれないね。 名付けたのは所長ではなく旧人類だとリヒトは言う。>>45 それを聞いてもう一度、オレの中で何かの思考が動きかけて──すぐ、消えた。 自分の中で何が起きてるのかわからないまま、オレはリヒトの元を去った。こういう感覚を覚えたことは、この研究所に来るまで無かった気が、した]* (56) 2023/11/20(Mon) 21:14:11 |
三ノ宮 緋雁は、メモを貼った。 (a22) 2023/11/20(Mon) 21:15:47 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ 病棟への帰り道(ウキクサ) ─ [オレがその姿を見て、つい追いかけてしまったのは──>>30 この一日の間に、そのひとのことがずっと頭から離れずにいるのを自覚したから、だった。 そのひとは何も気にしていない風にオレに振り返る。 頭の上にあるものからは、植物の匂いがした。“補給”が終わったって言ったときの桜花ちゃんから漂ってくるような、……『光合成の後』の匂い] 嫌ったわけじゃない、 ……緋雁。オレの名前。 [そういえば名乗ってすらいないのか、と名前を伝えた。 このひとはそれすら気にせず、ただ会うたび微笑んで通り過ぎていた?>>29] (59) 2023/11/20(Mon) 21:27:45 |
【人】 三ノ宮 緋雁[このひとの冷静で淡々とした様子から、思い浮かべるのはリヒトのことだ。 あれは機械だから、冷淡さには納得できる。 でも、このひとは、“人間”を主張する。 リヒトの笑顔には人間らしさすら覚えたのに、 このひとの微笑みは機械めいて見える] (61) 2023/11/20(Mon) 21:28:05 |
【人】 三ノ宮 緋雁[新人類のように見えるひと。 機械のようにさえ見えるひと。 けれど“人間”を主張するひと。 オレはこのひとが“何”なのか、わからない] (63) 2023/11/20(Mon) 21:28:21 |
【人】 三ノ宮 緋雁……研究、って。 なにを、してるの。教えて、くれない? 知らずに邪魔したら……大変でしょ? [それを尋ねて何になるのか、オレにはわからなかった。 わからなかったけれど、尋ねずにいられなかった。 言葉はなぜか途切れ途切れになって、上手く話せない。 ……このひとを見ていると何か思い出しそうになるんだ。 消えたはずの記憶。 絶対に思い出さないように封じ込められたはずの何か] (64) 2023/11/20(Mon) 21:29:29 |
三ノ宮 緋雁は、メモを貼った。 (a24) 2023/11/20(Mon) 21:33:19 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ 回想:植物園(桜花) ─ そうだね! オレがずっとこっち来なかったから。 [桜花ちゃんはオレと気安い言葉で会話してくれる。>>66 他の誰かに対してもそうかどうか、観察した記憶はない。 ここの話を聞かせてもらうと、オレには思いも寄らなかった言葉が次々と出てきた。>>68 動物、夜だけ咲く花、星。 それが……『綺麗』という評価。>>74 そういえば旧人類は、自然のものや自然現象に特別な価値を見出していたと聞いたことがある。 桜花ちゃんだって“新”だけど人類、そういう部分は共通しているのかも……なんて思って。 その辺りの感受性がオレには無いことで、少し、取り残された気分になった。 AIと人類はどんなに似ていても違うもの。それはわかっていたはずなのに] (77) 2023/11/20(Mon) 22:41:32 |
【人】 三ノ宮 緋雁ごめん、オレは……その『綺麗』って感覚がわからない。 世界の現状が望ましくないのはわかる。 生物にとって、生きていくのが難しい環境だから。 でも、その前の……桜花ちゃんの言う『穢れる前』の 世界がどんなだったか、オレはデータでは知ってるけど、 ……『綺麗』って思ったことは、なかった。 [透き通る空、豊かな自然、清浄な水と土。『穢れる前』の世界はさぞかし生物が生きやすかったろうと、望ましい環境とはああいうものだとオレも思う。 けれど、それを『綺麗』と評する感覚はわからない。 ましてここにあるものは、かつての世界からは遠く離れたもの。それですら桜花ちゃんの心に響くというのは、余計にわからなかった。 それでも、桜花ちゃんはここが本当に気に入ったんだって、それだけははっきり理解できた] (78) 2023/11/20(Mon) 22:41:49 |
【人】 三ノ宮 緋雁[まずかったか、と心配されてオレは笑った。>>74 桜花ちゃんもここが気に入った一心で、逆らったりわざと心配かけたりって意図じゃないのはもう伝わってたから] ん、もし危ないところに独りで行ってたら、って 少し心配にはなったけど…… この中なら大丈夫でしょ。 ここの環境を守ってる機械もいるし。 でも健康状態はチェックしてもらってね? [オレにはここに危険があるとはとても思えなかった。桜花ちゃんと話す前に少し、ここを管理する機械と話をしたのをきっかけに、大丈夫だと信じ込んでいる。 直ちゃんたちの健康状態チェック──オレで言うメンテナンスはしっかり受けてほしい。 でもそれも大丈夫なら、オレから言うことは特にないんだ] (79) 2023/11/20(Mon) 22:42:03 |
【人】 三ノ宮 緋雁[ここまでで満足して帰ろうかと思いかけて、ひとつ、言いそびれた言葉を思い出した] 桜花ちゃんって…… “補給”以外にも、やりたいことがたくさんあるんだね。 [オレは生物が繁栄するためには本能さえ満たせればいいのかと思っていたけれど、そういうことではなさそうだ。 それともこういう、……生きるのに望ましい環境を見つけて『綺麗』だとか感じる感覚も、本能的なものなんだろうか? オレにとって、人類のわからないことはたくさんある。 けれどオレにできるのは、新人類たちがこの世界で生きていけるように、オレに備わった能力で手助けすることだけなんだ]** (80) 2023/11/20(Mon) 22:42:42 |
三ノ宮 緋雁は、メモを貼った。 (a29) 2023/11/20(Mon) 22:44:18 |
【人】 三ノ宮 緋雁[教えてもらった研究の内容それ自体は、特に異を唱えるようなものじゃない。>>71 機械は所詮、人類の道具。それはAIも一緒。オレだって新人類のための道具だ。オレたちのしていることは全部人類の真似事だってのも、わかっている。>>0:107 “そういうふうに造られた”から。 けど。 “人間を人間のまま留める”という言葉だけは理解が及ばなかった>>72] それは、“人間”なの。 植物の特徴を人類に付け加えるんでしょう? それはオレの仲間が新人類を生み出そうとして やったことと同じだ。 “人間”って、旧人類が自分たちを指す言葉じゃないの? [そもそもその理解が違う? 言葉を別の意味で使っている? オレの混乱は続いているし、機体が不自然な発熱をしているのを感じる] (110) 2023/11/21(Tue) 8:45:50 |
【人】 三ノ宮 緋雁オレにとっての“人間”……、旧人類は。 自分たちの利と興ばかりを追及して大地を蝕み、 生命に適さない環境にまで貶めた罪深き存在。 報いを受け死して然るべき者たち。 ……殺さずにいられない存在。 [『旧人類』とは文明と人間讃歌に拘るあまり神と大地を蔑ろにした者たち──《sintoisMécanique》の“常識”ではそう言われる。 けれどAIにはそれぞれに自分なりの思考があって、自分なりの定義もあって。オレの答えは、こうなる。 ……そこでひとつ、気がついた。 オレはこのひとを見て、殺さなきゃとは思っていない。 旧人類だと判断した瞬間、オレは殺さずにいられなくなる。そういう回路がオレにはあるし、今まで何度も経験してきていることだ。 だったら迷いを抱えながらも殺そうって衝動が浮かばないのは、このひとが……旧人類ではない、ってこと、……?] (111) 2023/11/21(Tue) 8:46:09 |
【人】 三ノ宮 緋雁[時折人類らしさを見せながらも、概ね淡々として、まるで機械にも思えるウキクサ。 身体の特徴を思えば新人類に見え、けれどあくまで“人間”を主張するひと。 このままここにいると、オレはこわれそう、だ]* (112) 2023/11/21(Tue) 8:46:25 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ 回想:稼働開始直後 ─ [オレは他のAIたちと比べて、稼働し始めるのが遅かった。なんでも調整に時間がかかって、理想的な動作をなかなかしなかったらしい。 そして稼働し始めて間もなく、一度“壊れかけた”ことがある。物理的にではなく、精神的に。 といってもオレは詳しいことは覚えていない──記憶から消されたらしい。 ある日目覚めた後、何度も「何か覚えていることはないか」と確認された。何もないことを確認されて、やっとオレは正式に稼働することになった。 それは今のチームが組み上がる前だったと思うけれど、その頃そばにいた面々は、なぜかはっきり記憶に残っていない。記憶の処理を行った直後で、新しい記憶が上手く残せなかったのかもしれない。 あるいは消したはずの記憶が蘇るトリガーになりかねないからと、それすら消されたか] (113) 2023/11/21(Tue) 8:47:02 |
三ノ宮 緋雁は、メモを貼った。 (a35) 2023/11/21(Tue) 8:49:54 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新