［　学生である以上超えられない一線がある。

　　生徒と教師。

　　ここにはとても分厚くて超えることを許さない
　　壁が存在していることを誰もが知っている。
　　歌恋にとってもそれは同じ。
　　今彼女の担任をしている萩野への思い。

　　その気持ちを隠すために、付き合っている学生の彼氏と
　　誰も来ないところで不純異性交遊をして、>>1
　　次はいつだろうかと思っていると、授業終わりに
　　担任から冷や汗ものの写真を見せられた。　］

　あ、………わ、わかりました。夕方、行きます。



［　生徒指導だ。>>2
　　そう思った彼女は素直に帰る準備をして、
　　荷物を持って指定されたプレハブへ。
　　先に来たのは彼女のほうだったので、
　　そわっと心がざわつく気持ちで
　　担任を待つことにして、彼が来たら、
　　立ち上がってぺこりと頭を下げた。　　］


　校則違反して、すみませんでした……。
　な、内緒にしてもらえませんか？
　なんでも先生の言うこと聞くので……！


［　最も、彼に処女ではないことを知られたことが
　　彼女にとっては大打撃なので、
　　どうなってもいい、と少し思っていた。　　］*

　　そ、それは……！
　　先生の、お手伝いがしたかったからで……


［　いい子にしていれば教師の彼と何かしらで
　　長時間一緒にいられるという
　　邪な気持ちがあったとは口が裂けても言えない。
　　けれども、手伝いがしたかったと言うのは
　　嘘でもなんでもない。>>10
　　トントン、と机を叩く彼がカッコよく見え、
　　流石は先生、と思ってしまった彼女は
　　何を言われるのだろうと緊張していた。　　］

　　そ、れは………たし、かに……
　　彼に言われたので、了承した、ので……



［　穴があればなんでもいいという感じで
　　腰を振るだけ振って勝手に果てる。
　　それが彼女の彼氏のやり方のようだった。
　　
　　問い詰められていると、彼女はゾクゾクして
　　これが言葉責めなのだろうかと思ってしまった。
　　
　　ぽつりと呟いた言葉に自分でハッとして
　　彼の方を見てみる。聞かれていなければいい。
　　聞かれていては大変問題が大有り。>>11
　　因みに、生徒指導だろうから、反省文を書けと
　　言われるのだろうと彼女はたかをくくっている。　］*

　　そ、うですね………。
　　先生の、いう通りです……。


［　彼が笑みを浮かべると、パッと顔を明るくし、
　　すぐに落ち着いた表情になると、
　　やっぱり指導は指導か、としょげてしまう。
　　嘘偽りなく、あれとこれは話が違う。>>21
　　教師は教師なんだ、と思って耳を傾けた。　］

　　そんなこと！……ありません………。
　　できることなら、私だって、
　　こういうことやるなら、ふかふかのベッドがいい…

　　せ、先生……？


［　彼が近づいてくると当たり前に体がそちらを向く。
　　けれども、ビデオがある元の視線に戻されると
　　背後で質問を始められて少し困惑する。>>22

　　背筋を指でなぞられているような、
　　下着のホックを引っ掛けられているような、
　　そんな不思議な状態に小さく声が漏れ、
　　つい、彼のことを呼んでしまうのだった。　　］

　　そんなの、決まってるじゃないですか。
　　彼氏以外とこんなことしてたら、
　　ただじゃすまないでしょう？


［　鋭い質問に、やっぱりさっきの呟きを聞かれたのではと
　　冷や汗をかいてしまう。けれど、聞いたなら、
　　普通に考えてそちらの指導の方が先に出るのではと
　　考えを巡らせ、彼が聞いてない方に賭けようと思う。

　　好きな人とどんな理由であれ密室に2人だけ。>>23
　　しかも今は背後にいて、何が起きるか分からない。

　　彼女の感情はとてもカオスと化している。とはいえ、
　　2人きりになることを1ミリだけ期待していた彼女は
　　ミントベースの香水を耳の後ろに塗っていたので
　　彼の顔が近づけば、嗅いでもらえるのではないかと
　　こちらもほんの少しだけ淡い期待を抱いている。　］

　　あの、……反省文、ですよね………
　　いつまでに、出せばいいですか？


［　いつまでも彼を拘束するわけにはいかないと
　　自ら確認を取ることに。
　　一応親には学校で勉強見てもらうから、と
　　少し夜が遅くなることは連絡済み。

　　顔が見えない分、声のトーンで
　　彼の様子の判断が必要になりそうだ。　　］*

　　は、はい………でも、もういいんじゃ……！


［　撮られていたビデオの中では身支度を整えて
　　満足そうに出て行った彼氏が映って、
　　彼女といえば少し身支度に時間をかけて
　　下着の位置を整えていた。>>31
　　撮られているとは知らなくて、
　　体を屈ませて胸を整える姿もしっかりと映っている。　］

　　私がそんな生徒に見えますか？
　　浮気してバレるリスクを背負ってまで、
　　他の人に会うなんてしませんよ。


［　口から出まかせとはこのことで。
　　本当は平気で会っているし、
　　1人や2人の話ではない。
　　とはいえ、そんなことを話したら
　　それはそれで問題なのでボロを出さないように
　　自信ありげな声で返答をする。

　　内心は、対応できているかどうか不安で
　　早くこの話題が過ぎ去って欲しいと願っているのだが。　］

　　そ、そうですよ…！指導した後は、反省文で、……！！


［　す、と言いかけたところでずっと触ってこなかった彼が
　　いきなり手を重ねてきて、心臓が高鳴る。>>32
　　どうしていきなり、と理解ができなくて、
　　でも嬉しい気持ちも相まって体の熱が上がっていく。

　　それに、いい身長差だったおかげで、
　　香水も嗅いでもらって指摘をされた。
　　彼女にとってみれば全てご褒美のようなものだが
　　彼からしてみれば生徒指導のタネが増えただけ。　］

　　え、と……それ、はですね…………
　　新しい、制汗剤ですよ……！
　　ほら、最近チョコミント好き増えてるし！


［　苦し紛れの言い訳が通用する人ではないと
　　分かっていながらも、言い訳はするもの。

　　我ながらチョコミントなんてよく出た、と
　　言い訳をしながら自分を褒めてしまうのだが。　］

　　え、それってどう、いうことですか…？！
　　

［　また見ることになる、とは？
　　どういうことなのか本当に理解ができなくて
　　口から本音が出てしまった。
　　まさか、証拠として残されるのかと
　　思考を巡らせるけれども、
　　全くもってもう1度見る理由がわからない。　］


　　バレたのは、先生が気づいたからで……！
　　わ、私そんなに…色んな人と会ってるような、
　　ダメな生徒に見えますか…………？


［　ダメな生徒筆頭だと言えるのだが、
　　彼には悟られないように、駆け引きを続ける。
　　浮気してるくらいまでならいいが、
　　違うところまで思考が回られると、困る。
　　すごく困るので、騙されてほしい。　］

　　えっ、ビデオで確認してやめなさいって
　　指導で終わりじゃないんですか？？


［　それくらいで終わると思っていたので
　　反省文程度だと思っていたのに、
　　彼の口ぶりはそうではないので、
　　どうしたらよいのだろうか。>>39 >>40

　　制汗剤の件はなんとか誤魔化せた、かな？と
　　反応を見て良い感触を覚える。
　　とはいえ、彼は当たり前に大人なので、
　　子供のごまかしくらい見抜いているかもしれない。　］

　　う、っ…………わ、私だって、…！
　　別に、その………

［　清楚系で通ってるとは思わないけれど、
　　いい生徒として存在していたと思っていたから
　　彼の声の変わり具合にやっぱり、と
　　彼のイメージも変わったのか、と胸が痛い。>>43

　　生徒指導でそんなことまでやるのだろうかと、
　　頭の上にハテナが浮かんでしまう。
　　けれども、指導の仕方はそれぞれか、と
　　自分に言い聞かせ、指導が終わるときを待つ。　］

　　そ、そうです、ね……
　　やっぱり、学校は…ダメ、ですね…


［　当たり前に考えて、それはそう案件で
　　指導としては大正解のことを言われる。>>47
　　はぁ、とため息を吐いてしまった。
　　やはり相手が同じ学校だとそうなるのか、
　　はたまたたまたま頭の悪い男を
　　捕まえてしまったのか、悩んでしまう。

　　だからこそ、お金のある大人は
　　そういう意味でも有難い存在だと感じる。　］

　　バレないようにする、ですね…。

　　きをつけ、ます……！


［　気をつけるとは？>>51
　　彼氏からの誘いをまず受けないことだろうか。
　　彼の優しい指導に、こくっと首を縦に振り
　　言いたいことはわかる、と示した。

　　これから起こることは、絶対に誰にもいえない。
　　そうわかるのはもう少ししてからのこと。　］