人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

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【人】 客 葉月

え、クッキー?……いいんですか?ほんとに?

[そんなことがあったあとだから、もらったクッキーはそりゃもう輝いて見えたのを覚えている。
うさぎ型のクッキーを、店の明かりに透かしてしげしげと見つめたりして]

すご、めっちゃ可愛……んん?この顔……何……?

[変な顔のデコレートに首を傾げたりしつつも、それ込みでとても大事な思い出になったのだ]
(100) 2023/03/01(Wed) 20:40:01

【人】 客 葉月

-ちょっと前/入店直後-

[入店を躊躇った俺に声をかけてくれたのは、今日も彼女だった。
いつもと変わらない笑顔に、笑顔を返す]

あはは、バレちゃった。
──いつもありがとね、大咲さん。

[その言葉に色んな意味を込めて、彼女へ。
彼女の顔を見るだけで幾分か浮き立つ気持ちを抱えながら、美味しい料理を楽しみにメニューを開くだろう**]
(101) 2023/03/01(Wed) 20:40:47

【人】 客 葉月

-焦がれるような-

[俺はこの店が好きだ。
美味しいご飯に、ここでしか会えない魅力的なひとたち。

そして悪口が苦手だ。
得意な人なんているのか?って話だけれど、俺のそれは他の人よりもきっと強い。
聞くだけで足がすくむ。冷や汗が垂れてしまう。
(振られたり浮気がバレたときの罵声だけは例外だ。苦手だけれど、そんな姿を見せたら「被害者ヅラすんな」って余計にキレられること請け合いだし)

だから、この店で誰かをあからさまに攻撃なんてしない。
でもだからといって、自分の頭に浮かんでしまうものまで止められはしなくて──逃げ場がないから余計にしんどくなる]
(106) 2023/03/01(Wed) 20:59:08

【人】 客 葉月

(……なんて、言えるわけがない)

[彼に話しかけられるとき>>71、頭の中ではいつも黒いものが渦巻いている。視線や表情でそれがバレていないことを祈りながら、こちらもそれに穏やかな言葉を返すのだ]

こんばんは。……ええ、外までいい匂いがしてました。すごく楽しみです。

[話している中で、彼が楽しげな表情をすることがあったなら。>>71
ほんの少し不機嫌そうに眉を寄せただろう。何が楽しいんだ、俺は全く楽しくなんかないのに。
けれどほんの少しの間、その顔から目を離せなくなる俺がいたかもしれない。

俺は悪口が苦手だ。
そして──美しいものが好きなのだ、どうしようもなく**]
(107) 2023/03/01(Wed) 21:00:21
客 葉月は、メモを貼った。
(a28) 2023/03/01(Wed) 21:03:08

【人】 客 葉月

[嫉妬も羨望も劣等感も、全部俺自身の問題だ。
いくらムカつくからって、それを一方的に相手にぶつけていい道理なんかない]

……春巻きみたいなっていうか、春巻きですよこれ。
イタリアン春巻き、ってさっき黒板に書いてありました。わりと変わり種なのかな?

[パリパリの皮をフォークで刺して一口。
チーズのコクとトマトの酸味、バジルの風味が鼻をくすぐった]
(151) 2023/03/01(Wed) 22:16:39

【人】 客 葉月

ん、……やっぱ美味いな。

[隣にいるのが誰だろうと、この店の料理が美味いことに変わりはない。自然と頬も緩んでしまう。
そして、美味しいものを食べたなら自然と心も満たされるのだ。少なくとも俺にとって、この場所にはそういう力があった。

もっとも、彼の心持ちがいつのまにか変わったことなど俺は知らない>>129
同じ店に通っていても、言葉を交わすことは少ないだろう──彼が話しかけてくれるのなら、無視することはないけれど。

それから時折。
胸の中に薄汚い黒いものを抱えた俺は、だからこそ、自分にないものを求めるかのように、同じ店にいる彼のことを目で追ってしまうのだった**]
(152) 2023/03/01(Wed) 22:17:01
客 葉月は、メモを貼った。
(a34) 2023/03/01(Wed) 22:20:12

【人】 客 葉月

-過去/なりたいものの話-

[ずっと、“男”になりたかった。

……勿論、生物学的な話ではない。それで言うなら生まれた瞬間からずっと男ではあったので。
そうじゃなくて、在り方の話だ。

男だから、泣いてはいけない。
男だから、女の子には優しく。
男だから、強くなれ。懐の広い男になれ。

それは誰かにとってはきっと呪いの言葉で。>>132
けれど俺にとっては──他ならぬ“自分”にどうしても自信が持てず寄る方のない俺にとっては、それはある種分かりやすくて落ち着く指針でもあったのだ]
(208) 2023/03/02(Thu) 0:05:26

【人】 客 葉月

[勿論これは俺にとっての話で、他の男性にまで押し付けようとは全く思わない。
逆に、“女だから、◯◯をするべき”なんて考えも持ち合わせていなかった。
女の子は女の子であるだけで可愛いし尊い。強いて言うなら俺のことを好きになってくれたら嬉しい。それだけ。

……自分の中でこの理想に一番近いのがシャミさんという女性な時点で>>88、まあまあ破綻した理論ではあるのだけれど。

でも俺はそうと知りながら、何度もこの言葉に頼っていた。
──だってどうせ、“俺は葉月佑一だから”なんて理由では頑張れる気がしない
]
(209) 2023/03/02(Thu) 0:06:27

【人】 客 葉月

[だから、あのとき。
常連とは言えど毎日通い詰めているわけではないから、俺はまだあの子の性別を知らなかった]

それ、重くないですか?
……良かったら俺、持ちますよ。

大丈夫です、“俺、男なんで”。こう見えて力はありますから。

[食材の入った重そうなケースを抱えた“彼女”に、俺はそう声をかけたのだ。
──はたしてそのとき、“彼”はどう思ったのだろう**]
(210) 2023/03/02(Thu) 0:07:43
客 葉月は、メモを貼った。
(a43) 2023/03/02(Thu) 0:11:38

【人】 客 葉月

-失敗だったデートの話-

[その日、俺は確信していた]

(今日は……イケる……!)

[隣で楽しげな表情を見せてくれる彼女は、豊満でやわらかな胸を俺の腕に惜しげもなく押し付けてくれている。

連日のLINEもマメに返し続け、
(深夜に叩き起こされ、ひたすら愚痴に共感を求められ続けても「寝てスッキリした方がいい」なんて身もふたもないことは言わなかった)

初回のデートから三回目の今まで、デート代は全奢りし続け、
(初回で手を出すのはNG、好意は伝えても性欲は見せてはいけない)

ついにここまで漕ぎ着けたのだ。

そしてその日のデートも順調だった。
順調だったのだ。

──あいつに会うまでは>>275]
(323) 2023/03/02(Thu) 14:59:45

【人】 客 葉月

「こんにちは!葉月さん!!」

[かけられた声に、一瞬フリーズする。
それは隣の彼女も同じようで、声をかけてきたやつの方をじっと見ていた。

……違うことといえば、]

「……えっ、葉月くんこのかっこいい男の人だあれ?知り合い?」

[彼女の声が、俺に対するものより遥かに甘ったるく、
彼女の目の中に、エフェクトのハートが散っている幻覚が見えたことくらいだ]

(……あー、終わったなあこれ)

[まるで完成間近だったドミノが一気に崩れたみたいだ、そう思った。
いやひょっとしたらそれすら幻覚だったのかもしれない。だってこんなあっさり、魔法は解けてしまったのだから]
(324) 2023/03/02(Thu) 15:00:33

【人】 客 葉月

[栗栖瑛斗。

愛嬌のあるやつだ、と思う。
人を惹きつける魅力があるやつだ、とも。

あのパイを食べていたときだって>>142、俺は内心、
おい何言ってんだゲイザーちゃんが傷ついちゃったらどうすんだよ!!!!
なんて思ったりもしていたけれど、
(そして全然気にしていない彼女に惚れ直したりもした。かわいい)

そのあと空気が悪くなったりしなかったのは、まず第一にゲイザーちゃんの優しさのおかげだというのは大前提として……こいつの人を不快にさせない魅力ってやつのおかげでもあるんだろうとも。

つくづく思う。──世の中には、俺より魅力的な存在なんていくらでもいる]
(325) 2023/03/02(Thu) 15:01:32

【人】 客 葉月

アー、イヤア奇遇ダネ栗栖クン。
……ソレジャ、俺ハコレデ。

[引き攣った笑顔でカタコトの言葉を返して、踵を返す。後ろをついてくる彼女は何処か名残惜しげだ。
彼はそのとき、どうしていただろうか?
言葉を交わすことはあっただろうか]

「どうしたの葉月くん、体調悪い?」
「ね、彼友達なんでしょ?三人で遊べたりしないかな、ほら私も葉月くんの友達のこと気になるし!」
「もしあれなら、葉月くんには私の友達紹介するよ。それならいいでしょ?」

[……結局、その彼女とはそれっきりだった]
(326) 2023/03/02(Thu) 15:02:15

【人】 客 葉月

-失敗のその後/店にて-

[そんなことがあった後日。
店で彼女とのLINEを見返してはため息を吐いていた。ふとドアベルが鳴った方を見るとそこには彼の姿が。

──余談だが、俺のスマホの待受は「ローレライ」だ。

ファンというわけではない。
CDもライブのチケットも買ったことがないのだから、そう名乗るのは烏滸がましいだろう。
ただ、彼女は自分にとって──“頑張れた自分”の象徴のような存在だったから。>>42
7年前、あの引退の瞬間。
ダイエットで挫けそうなとき、彼女のその笑顔にエネルギーをもらっていた。
ダイエット成功の体験は俺の数少ない拠り所で、だから未だにそのままにしている。

LINEアプリを閉じてスマホを仕舞うその一瞬、彼にもそれは見えたかもしれない。

そして、]
(327) 2023/03/02(Thu) 15:02:54

【人】 客 葉月

こんにちは、栗栖クン。
……ちょっとお話、いいかな?

[覚悟を決めてこっちから話しかけたおかげか、この前よりはカタコトじゃない。
表情はにっこりと笑顔。にっこりすぎて何処か後ろに黒いものが渦巻いているようにも見えたかもしれない。

そのままドアを指差す。──「表出ろ」の合図だ。

もし彼が断っていたなら、この話はここで終わりだ。店の中でトラブルなんて絶対起こしたくない。

もし彼が着いてきてくれたなら──店の外、「店長や店員さんたちに迷惑をかけたくない」という制約から解き放たれた俺は、そりゃもう色々とぶちまけていただろう]
(328) 2023/03/02(Thu) 15:03:42

【人】 客 葉月

「女の子連れのときに話しかけるんじゃねえ」
「あとちょっとで付き合えそうだったのにお前のせいで全部パァだわ」
「俺が何のためにここまで頑張ったと思ってんだバーカバーカ」
「オレ、オマエ、キライ」


[それはひょっとしたら、店の中ではあまり見せたことのない顔だったかもしれない。
話し始めたら止まらなくて、最後はなんかもうやっぱりカタコトになっていた気がする。

彼はそんな俺のことを、どんなふうに見ていただろうか**]
(329) 2023/03/02(Thu) 15:05:29

【人】 客 葉月

-ゲイザーちゃんと、この店に対する気持ちの話-

[突然だが、俺には夢がある。

それは、
「いつか本当に好きな人と気持ちが通じて恋人同士になれたら、このお店に連れてくる」
ことだ。

え、連れてきたらいいじゃないかって?分かってないな。
「口説きたい女の子を」じゃないんだ、
「本当に好きになった人を」なんだ。

勿論このお店なら雰囲気も料理のクオリティも女の子を口説くのにはうってつけで、足を踏み入れた瞬間にセンスのある人間だと思われて勝ち確も間違いなしだろう。

でもそうしようとは思えなかった。
つまりそれだけ、俺にとってこの店が落ち着ける場所だってことなんだろう。

だから、このお店の可愛い女の子たちを(働き者の店長含めて)可愛いな……とは思いつつも、結局がっつり口説いたことは今の今までないだろう。
イギリス料理のことをめちゃくちゃ調べたのだって>>40、可愛い子との共通の話題を探すなんてやって当たり前のことだし。

ただ、だからこそ]
(330) 2023/03/02(Thu) 15:35:20

【人】 客 葉月

へえ、お祭の料理なんだ。
……そう言われてみると、なんだか目出度いようにも見えてくるね。

[目の前でスターゲイジーパイについて語るその表情を見ていると>>277、胸にどこか温かいものが湧いてくる。
まるで汚しちゃいけない宝物みたいだ、とも]

いや、すごく美味しいな。びっくりした。
ゲイジーちゃんありがとね、こんな美味しいもの食べさせてくれて。

[自分の美味い、のたった一言でこんなに喜んでくれるなんて。>>278
思わず頬が緩んでしまう。

俺はやっぱりこの店が好きだ。
こんなふうに優しい店員さんのいる、この店が**]
(331) 2023/03/02(Thu) 15:36:14
客 葉月は、メモを貼った。
(a54) 2023/03/02(Thu) 15:45:08

客 葉月は、メモを貼った。
(a55) 2023/03/02(Thu) 15:46:15

【人】 客 葉月

-イケメンと突然の告白-

[暗黙の了解、ってカッコいい。
少なくとも俺はそう思っている。

わざわざ「好きです」から始まるのだけが恋愛じゃない。
たとえばふと視線が絡んだり、話しているときに触れた指がやけに熱かったり。

そういう曖昧な意思表示をやきもきせずに出来るのが大人だ、なんて思っていたりする。
──実際のところ、明確に言葉にして拒絶されるのが怖いだけかもしれないけれど。

そう、だから──そんな直接的な言葉>>346には、慣れていなかったのだ]
(362) 2023/03/02(Thu) 18:28:09

【人】 客 葉月

すっ
……は!?!?

[耳に飛び込んできた言葉が脳に届いて──瞬間、まるで全身が燃えるように熱くなる]

な、ななな何言ってんだお前馬鹿か!?
俺が可愛い女の子にでも見えてんのか!?!?

[青くなっている相手とは裏腹に、俺の顔は今きっと赤くなっているのだろうと思った。

知らない、こんなの知らない。
だって誰にも言われたことがないんだ、そんなの。

怒りも妬みもポップコーンみたいにぱーん!と弾けてどこかに言ってしまった。
今はただ、エンストしそうな脳みそがぷしゅー……と煙を上げている]
(363) 2023/03/02(Thu) 18:28:40

【人】 客 葉月

い、言っとくけどな!そんな言葉で俺を宥めようったって無駄だぞ!
俺はお前のことなんか好きになんねえからな!

[イケメンが何処でも通用するなんて思ったら大間違いだぞ!
……なんて、何処ぞのツンデレヒロインみたいなことを言ってしまった。

未だに夜寝るときにふと思い出しては、枕に顔を埋めて
「ああああああ」
とじたばたすることになる思い出である**]
(364) 2023/03/02(Thu) 18:29:02

【人】 客 葉月

-夜によく見かけるイケメンの話-

[Q.葉月さんってイケメンは全員嫌いなんですか?

A.基本的にはそうです。でも例外もいるよ]

[ライターの仕事は時間拘束も不規則で、ディナーのピークもとうに過ぎたころようやくご飯にありつけることだって少なくない。

だから人がまばらになった夜更け、流れるBGMがしずけさを引き立てるその空間で。
オープンキッチンの向こう側、心地の良いメトロノームのように淡々と動く彼の手つきをなんとはなしに眺めながら食事をしたこともきっとあったはずだ。>>111

取り立てて何か話をしたわけじゃない。
けれど俺は、その時間が嫌いじゃなかった。

一見単純そうに見えてその実複雑な手捌き。
刻んで炒めて茹でて、食材たちが形を変えて美味しい料理になっていく姿はまるで魔法みたいに見えた。

その視線に、彼は気付いていただろうか。
少なくとも、俺は彼のことを知っている。紺色のキャスケットがトレードマークな彼のことを]
(398) 2023/03/02(Thu) 20:21:11

【人】 客 葉月

-イケメンに恥ずかしいところを見られた話-

[それはさておきあの日>>365、俺はめちゃくちゃに動揺していた。
だから脳みそなんてほぼ動いてないようなものだったけれど……時間が経って少し落ち着いてきた頃、思ったのだ]

(あれ待って、さっき
ぱたんって音したよな!?!?

というかさっきは余裕なかったけどあの店員さんいたよな!?!?見られてた!?!?!?!?)

[実際のところ、位置関係とタイミングのおかげで顔は見られていなかった可能性は十二分にあったのだけれど、そのときの俺はそんなこと思いつきもしなかった。

湯だった頭のまま店のドアをばーん!と開け、厨房の方を見遣って彼の姿を見つけたなら]
(400) 2023/03/02(Thu) 20:22:11

【人】 客 葉月

──あのすみません!誤解なんで忘れてください!


[と、そこそこのクソデカ声で言い放っただろう。

この日俺は見事、二人のイケメン相手に自分の見せたくなかったダサい姿を晒す羽目になった。

未だに夜寝るときにふと思い出しては、枕に顔を埋めて
「ああああああ」
とじたばたすることになる思い出その2である]

(もう全部栗栖がわるいバーカバーカ)(八つ当たり)**
(401) 2023/03/02(Thu) 20:23:20

【人】 客 葉月

-思い出の定食屋の話-

[昔の記憶なんて、たいていがゴミみたいなものだ。
青春のどの1ページを切り取っても、這いつくばって泥水を啜っている自分しかない。

土の味、ドブの味、顔に押し付けられた雑巾の味。
……けれどそんな中にもほんの少しだけ、あったかい思い出というやつがあるのだ]

[中学2年生。共働きの母親が寝過ごして弁当を作り損ね、「これでお昼なんとかして」と俺に千円札を握らせて慌ただしく出社していったその日、カツアゲをうけて俺は一文なしになった。
当然昼飯にはありつけず、おまけにいじめっ子たちに軽い暴行を加えられたおかげで服はボロボロ。こんなんじゃたとえお金があったとしてもどこの店にも入れない。

俯きながら早足で歩く俺の元に、ふと届いたのは]
(468) 2023/03/02(Thu) 23:51:04

【人】 客 葉月

……すげえ、いい匂い。

[鼻をくすぐる、美味しそうな料理の香りだった。>>432
見るとそこには定食屋の看板があった。
誘われるようにふらふらと、足が勝手にそちらに向いてしまう。

そうして店の前に来て──我に返った]

(……何やってんだよ俺。お金持ってないからどうせ入れないのに)

[そう思って踵を返そうとして──店の中にいたお婆さんと目があった]
(469) 2023/03/02(Thu) 23:51:37

【人】 客 葉月

(お店の人かな。こっち見てる。そりゃこんなデブが店の前彷徨いてたら見栄え悪いよな。
あ、やばいこっちにくる。今日はもう流石に罵声は聞きたくないな、声かけられる前に離れて──)

[頭の中を悪い予想が駆け巡る。
現実にしたくなくて、慌ててその場を離れようとしたそのとき]

「ご飯、食べてくかい。お代はいらないよ」

[そんな優しい声が、俺の背中にかけられたのだ]
(470) 2023/03/02(Thu) 23:52:10

【人】 客 葉月

[咄嗟に断ろうとしたけれど、
(だって、そんな上手い話があるわけない。こんな俺に無条件で優しくしてくれる人なんているわけないんだから)
鳴り出した腹の虫には抗えず、そのままテーブルについた。

出てきたのは、ほわほわと柔らかな湯気のたつ芋ご飯だった。
その場に彼はいただろうか?>>432

もしそこにいたとして、芋ご飯がどういう日に出るのかなんて知る由もないから、その日の彼がどんな気持ちを抱えていたのかなんて俺は知らない。
ただ、出してもらったそのご飯はとても美味しくて──気付けば泣き出してしまったことを覚えている。
泣き顔を晒す俺のことを彼女は笑いも気味悪がりもせず、ただ側にいてくれた。

それ以来、俺はあの定食屋にちょくちょく行くようになった。
店主の彼女はいつも笑顔で出迎えてくれたけれど、孫の彼はどうだっただろう?話す機会はあっただろうか]
(471) 2023/03/02(Thu) 23:52:50

【人】 客 葉月

[それも昔の話だ。
ダイエットをして、イメチェンして、限界まで垢抜けて。
昔の俺を知る人間が見ても、誰もあの“ブタ月”>>97だとは分からなくなるまで見た目が変わってから、自然と足は遠のくようになった。
薄情かもしれない。あの定食屋はこの店と同じくらい、俺に居場所を与えてくれていたのに。
けれど俺は変わりたかった。昔の俺を知る人間のいない場所に行きたかったのだ。

だから俺はまだ、あの定食屋がなくなったことを知らない。

そして、]
(472) 2023/03/02(Thu) 23:53:27

【人】 客 葉月

-現在-

……大河くん?

[パスタを完食しコーヒーを味わい、デザートまでしっかりいただいてさあ帰るぞと席を立ちかけたところで。
軽やかに鳴り響いたドアベルの向こう、見覚えのある姿が見えて、思わずぽろりと声がこぼれてしまった。

呟きが相手に届いたかは分からない。
手を伸ばしかけて──気付く]

(俺だって、分かるわけないよな)

[ほんとは聞きたいことがたくさんあった。
「元気?」とか「今何してるの?」とか、
──「おばあさんは元気?」とか。

けれど声をかける勇気は持てずに、そのまま立ち上がる]

すみません、お会計お願いします。

[店員さんにそう声をかけて、支払いを済ませて。
レジ横のフルーツキャンディ>>249をひとつ頂いて、何もなければそのまま店を後にしようか**]
(473) 2023/03/02(Thu) 23:54:20
客 葉月は、メモを貼った。
(a71) 2023/03/03(Fri) 0:01:02