人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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視点:


【人】 在原 治人

 
[外へ出てからは、慌ただしく過ごした。

 本当は少しの期間も
 手放したくはなかったけれど、
 貴方は大企業の代表で、忙しい身の上だ。

 俺は俺で、旅行らしい旅行などしたことがなく
 パスポートを申請するところから
 やらなければならなくて
 最短で7日間+移動を含む1日
 逢えないことが確定してしまった。


   
(…………淋しい)



 もう二度と、
 こんな想いはしたくないから
 手も目も掛けてやらなきゃいけなくて
 足枷になり得る甲虫たちは
 躊躇なく、全て引き取ってもらうことにした。]
 
(18) 2020/10/09(Fri) 11:28:40

【人】 在原 治人

 
[一般的に買取りは
 幼虫は2齢のみ、成虫はA品のみ等と
 条件が付くことが多いのだが、

 AlberTだと名乗れば
 わざわざ定休日に店長自ら出向いてくれて
 卵に至るまで全て、諸手を上げて買い取ってくれた。

 大きさ、艶、角やアゴの形の美しさ
 青みが強く出た人気のスーパーブルー、稀少な亜種など
 超優良血統ばかり。

 手塩にかけて育てた彼らを
 どうして手放すことにしたんですか?と
 不思議そうに訊ねられ、]



   外国に行くんです
   長期になるかもしれなくて、それで…



[要領の得ない答えを返せば、
 ついにワイルド個体を自らの手で
 捕まえに行くことにしたのか?と食いつかれた。]
 
(19) 2020/10/09(Fri) 11:30:53

【人】 在原 治人

 


   いや、 あの…
   クワカブじゃなくて、 ひと、なんです



[彼の、屈託のない笑顔や
 綺麗な微笑みを
 思い浮かべながら否定をすれば
 自分でも気づかぬうちに表情に出てしまっていたのだろう。
 
 おめでとうございます、と
 何故か買取り金額に
 色まで付けてもらってしまった。

 店頭に並べば、1頭で
 軽自動車が買えてしまう7桁を超える雄も居たから、
 しばらく、自力でも
 あちらに滞在できる程度の金額になったのは
 とても有り難かった。]
 
(20) 2020/10/09(Fri) 11:33:32

【人】 在原 治人

 
[スーツケースと衣類も買い終え、
 時期的に少し早いが
 年に1度の定期検診のついでに
 主治医にもドイツへ行くこと
 長期になるかもしれないことを報告すれば、

 あっちで何か異変があった時に
 頼れる医師への
 紹介状も書いてくれて

 着々と準備だけは進んでいく。]
 
(34) 2020/10/10(Sat) 8:38:54

【人】 在原 治人

 

[だけど、時間は 遅々として進まない。]

 
(35) 2020/10/10(Sat) 8:39:50

【人】 在原 治人

 
[持て余した時間は
 ネットの情報を漁ったから、
 逢いたくて逢いたくて仕方がない貴方の
 写真や動画を保存したフォルダーが
 ひたすらに膨れていった。

 世界中の人が憧れる
 このひとに、俺は触れたのだ。
 剰え、針で────…


 手当ての時の、痛みを堪えた息遣い>>3:*27
 服を身に着けていく時の少し照れたような表情>>3:*28
 もう少し…と眠ったふりをして堪能した
 ぬくもり、匂い、それから重み。>>3:*30


 あのチャペルでの24時間を
 切なさと共に、脳内に蘇らせていると

 なんだか堪らなくなって
 それで…

 
初めて誰かを想って、シた。
]*
 
(36) 2020/10/10(Sat) 8:45:43

【人】 在原 治人

 
[当日は気が急いて
 めちゃくちゃ早く空港に着いたから
 迷子になっても平気だった。]



   すみません
   これに乗りたいのですが…
   なんか、どこに行ったらいいか分からなくて…



[貴方が手配してくれたチケットを見せたら>>3:38
 待ち時間はこちらで…と案内された
 ラウンジが凄くて驚いたし

 飛行機の中も快適すぎて
 食べ物なんか
 喉を通らないだろうと思っていたのに
 見た目も美しい料理に、つい口を付けてみたら
 するすると腹に納まってしまった。

 貴方が、俺を大切にしてくれているのが
 行き届きすぎてる
 サービスからも伝わってきて

 今、まさに向かっているところだというのに
 早く逢いたくなって、困った。]
 
(37) 2020/10/10(Sat) 11:08:18

【人】 在原 治人

 


  ”Holiday”、…”3 months”、…”Friend's house”



[自身の希望と、
 言葉にしづらい関係性を
 納得いかないままに片言の単語に載せて
 入国審査をやり過ごすと
 かなりの早足で、出口を目指す。

 ネットの情報によれば
 もう空港には到着しているらしい。>>3:37
 サングラスなんかしていたって
 その素晴らしく長い脚は隠し切れていない。]
 
(38) 2020/10/10(Sat) 11:10:07

【人】 在原 治人

 
[扉をくぐった瞬間に、名前が呼ばれ
 はっ!と顔をそちらに向ければ
 切望して止まなかった姿が飛び込んできたから
 スーツケースを置き去りにして、駆け寄った。

 いつから来てくれていたのかまでは
 知らなかったけれど、
 待ち侘びていてくれたのだろうと
 表情の変化から伝わって>>3:37



   アクスル…!



[嬉しくて、浮かれて
 自分より長身の彼を抱きしめたくなった。

 人目がある手前
 どうにか押し留まったけれど、
 抑え付けた分、余計に欲は膨れて。]
 
(39) 2020/10/10(Sat) 11:11:17

【人】 在原 治人

 
[気遣ってくれる言葉に>>3:37
 元気だった
(でも、淋しかった)

 言葉もなく曖昧に頷き、
 空腹かどうかの質問には首を横に振る。>>3:38

 そんなことよりも、俺は────]



   
早く、人目のないところへ行きたい


           
……貴方に、触れたい




[ひそめた声で
 至極ストレートに欲を吐露して
 貴方のプライベートが保たれる空間へ
 今すぐ連れて行って欲しいのだと強請った。]*
 
(40) 2020/10/10(Sat) 11:16:09

【人】 在原 治人

 
[春を知るのが
 些か遅すぎた元虫狂いな魔法使い。

 募る気持ちを
 ただ愚直にぶつけてしまえば
 貴方の瞳が匂い立つような色気を帯びる。>>-107

 煽られて、熱が燻ってしまう。 が、]



   …… ん、 わかった



[貴方の言いつけなら>>42
 必死に、我慢しようと思う。]
 
(65) 2020/10/12(Mon) 6:52:20

【人】 在原 治人

 
[繋ぎたい手は目の前にあるけれど
 今はぐっと堪えて、

 楽しそうな笑いでやっと思い出した”その子”の>>43
 体温のない取っ手を握り
 歩調をぴたりと合わせて歩き出す。

 少しでも距離を縮めるために
 貴方と反対側で
 ごろごろと音を響かせて。]
 
(66) 2020/10/12(Mon) 6:53:16

【人】 在原 治人

 
[運転手に恭しく出迎えられて、車に乗り込んだ。
 走り出しも滑らかで
 乗り心地は驚くほど良い。
 エンジン音のしない静かな車内では
 手袋を脱ぐ音すら聞こえそうだった。>>44

 袖の少し内側、
 見え隠れする黒革に気がついて
 一気に体温が上がる。


   
(なんか… 
俺のモノ
、って感じがする…)



 枷との境目の肌を指先でなぞり
 掠れた小声で「…うれしい」と伝えてから
 ぎゅっと手を握った。

 空調は最適なのに
 熱くて、暑い。]
 
(67) 2020/10/12(Mon) 6:54:14

【人】 在原 治人

 
[貴方の吐いた息を
 そのまま吸えてしまう距離。

 気を抜けば燃え盛ってしまいそうな欲を
 誤魔化すように、]



   あ、そういえば
   飛行機 すごかった…!



[シートが、食事が、サービスが…
 空の旅の感想を音にした。

 世界中を飛び回る
 この美しいひとにとっては日常で
 俺にとっては大冒険の時間を、
 はじめてのおつかいを
 達成したばかりの子どもみたいに語る。

 高揚や興奮
────欲情

 懸命にすり替えて
 62分の距離を、どうにかやりすごした。]
 
(68) 2020/10/12(Mon) 6:55:19

【人】 在原 治人

 
[そうやって辿り着いた
 ”Friend's house”の規模と形状は
 あまりにも規格外で、またもや度肝を抜かれた。>>45

 ネットで検索している時に
 彼のことを王子に見立てて書かれた
 夢小説なるものも目にしたが……]



   ここが、アクスルの家、 いや城、か‥‥



[世界が違うとは、まさにこのことで。
 はー…っと呆けていると、
 自分からは離す気のない繋いだままの手が引かれた。>>46

 貴方の居るところになら
 どこまでだって共に。

 向かう先に、
 驚きの連続の今日を
 あっさり塗り替えてしまう衝撃が
 待っているとも知らないまま、寄り添って──…]**
 
(69) 2020/10/12(Mon) 6:56:44