【人】 兄 エーリク (そもそも本を粗雑に扱う時点で説教ものだよ) [父上と母上なら。うっかり本に垂らされた薬やインク、 下手すれば衝撃や魔力の一つや二つで 思わぬ被害が出る可能性があることも知ってるはずなのに。 幾ら兄妹の共同研究本だからって、油断しないで欲しいな。] (52) 2020/05/18(Mon) 20:45:56 |
【人】 兄 エーリク[そんなことを思ってたら扉のノック音が3回響く] 『坊ちゃまー?俺です、ジョバンニです。 セレン様からのお手紙が来てたんで 届けに来ましたー。』 ありがとう、今扉を開けるよ。 [基本扉にはカミラのイタズラ防止対策で鍵を掛けているので 解錠術式で扉を開ければ、ジョバンニは薄桃色の封筒を こちらに一枚手渡してくれた。] (54) 2020/05/18(Mon) 20:46:32 |
【人】 兄 エーリク 『坊ちゃま、ついでで悪いんですけど ちょいと海辺の町まで転送して貰えます?』 いいよ、買い物? 『ええ、今のうちにアサリ買っとけば 夕飯には白ワイン蒸しに出来ますからねえ。』 [いいね、と相槌を打てばどうやら父上のリクエストらしい。 あれはパンと合わせても美味しいし、 両親は白ワインと組み合わせが相当好みなようだ。 帰還用の簡易術式を組み込んだブレスレットを手渡し ジョバンニの出発を見送り、独りごちる。] (55) 2020/05/18(Mon) 20:46:49 |
【人】 兄 エーリク ……後で、パンも買ってこようか。 [夕飯時を狙って買い物に出れば焼きたてを狙える。 アサリの白ワイン蒸しなら焼きたてのパンと合わせた方が 断然香ばしくて美味しいから。 届いた薄物色の封筒に目を細め、 封蝋をゆっくりと開封していく。 そういえば彼女も白ワイン蒸しは 大の好物であったことを思い出しながら。]** (56) 2020/05/18(Mon) 20:47:04 |
【人】 兄 エーリク─不穏な風 闇は馬車を追う─ 満月、か。 [時刻はとうに深夜といってもいい頃合い。 紫の本を手に訪れたのは屋敷からほど近い森の開けた土地。 カミラの言葉を検証するため、両親に許可を得て。] (闇の魔術は誤解と偏見ばかりだからな) [本来であれば属性の一つに過ぎないのだが 強大な術式が多いことと、扱える人物が少ないが故 危険な魔術と見做されることも少なくない。 最も、母上が父上を贄にされかけブチ切れた事件も その誤解を助長させてはいるのだが。] (192) 2020/05/19(Tue) 21:56:23 |
【人】 兄 エーリク ん? [ガラガラと何かが近くを通る音……馬車だ。 獣道の方へ向かう馬車にしては何だか豪華だな? 紋章や商会証は無いけど、いかにも訳ありという風貌だ。] (あれは…………!?) [後方から走ってきた別の馬車。 まるで、前の馬車を追いかけるかのような。 しかも……馭者はリヤル商会のアルフォンスさんじゃ無いか!] (193) 2020/05/19(Tue) 21:56:46 |
【人】 兄 エーリク アルフォンスさん! [魔術により咄嗟に身体強化を施した僕は ただならぬ様子のアルフォンスさんに気付き 馬車と並走して声を掛ける。 他に馬車を護衛する顔見知りの人達が 皆一様に驚くような視線には気付かない。 端から見れば馬車と全速力で平行する人間が 如何に不自然かなどこの時は皆目見当つかぬもまま。] 何ですって!? [だがアルフォンスさんが教えてくれたのは予想外のことだった。 夜分に何者かが侵入し、セレン嬢を誘拐したのだと!] (194) 2020/05/19(Tue) 21:57:06 |
【人】 兄 エーリク じゃあ、あの馬車にはセレン嬢が……? [縁談の話は聞いていた。中には不穏な話もあった。 だが──こうも強行な手に取られたことは初めてらしい。 ふと、前の馬車とこの馬車の距離を見やる。 まずい、このままじゃ逃げ切られる。] ──────ッ! [より馬車が距離を離したことに気付き 先に気配遮断を掛け、次に身体強化強化を最大限に上げて ・・・ 一気に馬車2台分の間合いを跳んだ。] (195) 2020/05/19(Tue) 21:57:21 |
【人】 兄 エーリク (────よし……。) [少々荒技過ぎて不安だったが、 前の馬車の天井に無事飛び移れたようだ。 透視で馬車を覗けば暗殺者らしき男が一人と 手足を縛られ、口を塞がれぐったりするセレン嬢の姿が見える。] (196) 2020/05/19(Tue) 21:57:38 |
【人】 兄 エーリク[何故 誰が 一体 何の目的で それ以前に沸き起こったのは、怒りだった。 ────嗚呼、愛した者に危害を加えた者を 決して許さない母上の血を…… 確かに僕は、引いてたようだ!] (197) 2020/05/19(Tue) 21:58:11 |
【人】 兄 エーリク[セレン嬢を馬車から一刻も早く救い出したい。 けれど、後ろのアルフォンスさん達と僕だけでは 救出に些か不安がある。] (……嫌な予感しかしないけど) [あの家族が騒動に絡んだらどうなるか、 その大変さと混沌は18年の人生で身を以て知っている。 けれど、今は他に頼れる人が一人もいないから。] (198) 2020/05/19(Tue) 21:58:28 |
【人】 兄 エーリク[揺れる馬車の上で何とか体制を取りながら 紫の本を天井に置き、ページを広げた。 転写の術式を施せば脳内に思い描いたことが 紙面に一字一句そのまま転写される。 普段であれば、遠くにいてもテレパシーのような手段で 人に聞かれず会話出来る『念話』があるけれど カミラへ頼み事を伝えるには、念話だけじゃ不十分だ。] 『ジョバンニ、遅くにごめん。緊急事態だ。』 [家にいるジョバンニに念話で呼びかけ、 事情を説明し彼の元へ本を転送させて貰った。 彼なら確実にカミラを起こして本を届けてくれるだろう。 両親への根回しも察してくれた辺り、本当に優秀で助かる。] (199) 2020/05/19(Tue) 21:58:47 |
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