人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


到着:X『教皇』 カルクドラ

【人】 X『教皇』 カルクドラ

── 祈祷室 ──

[ 洋館敷地内の南西に位置する小部屋にて
 神に祈りを捧げることから、男の一日は始まる。

 元々倉庫として使われていたこの部屋は
 聖職者への未練を断ち切れないまま、
 洋館に来た少年の願いにより
 祈祷室として改造した経緯がある。

 それから七年。
 祈祷室は開放され、本来の目的以外にも
 茶や菓子を片手に、気軽に話や悩みを語らう
 談話室や休憩室として利用されるようにもなった。
 客が部屋を訪れた際には、部屋の主である男が
 穏やかな笑みと共に迎え入れていた。]
 
(21) 2022/12/10(Sat) 22:45:29

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 最近の洋館内は浮足立っている。
 『愚者』の証持ちであり、最年少である
 少女アリスの誕生日>>@0が近付いているからである。

 数か月程前だっただろうか。
 幽閉され育った幼い少女に楽しみ、喜んで欲しい、と
 盛大に祝うべく、パーティーの計画が立ち上がった。

 祈祷室でも、時には極秘の打合せを行い
 他の場所で極秘の打合せがあった際には
 気付かれぬよう、彼女を預かっていたこともある。]
 
(22) 2022/12/10(Sat) 22:48:40

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 洋館を訪れる者の中には、自らの意思で来る者だけでなく
 彼女のように幽閉されたり、虐待を受けていたり
 親に捨てられた者も存在する。

 酷い仕打ちを受けてきた者達を思えば、
 教会関係者故に、深い理解と知識を持ち
 証持ちとして生まれながらも、両親の愛を享受し
 自らの意思で洋館に行く決断を選べた男は
 恵まれていたのだろう、と心底思う。


 男が館に来て早七年。
 不安定で苛立ちを隠さなかった不安定な少年は
 落ち着き払った青年へと成長した。

 悩める者が居れば、立ち止まり話を聞き
 助けを求める者が居れば、手を差し伸べる。]
 
(23) 2022/12/10(Sat) 22:52:53

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 夢破れた聖職者ごっこ、ただの自己満足だと
 揶揄されれば否定しない。

 どうせ普通の人間として生きることは叶わぬのだから
 少しくらい自分の思うままに在っても良いだろう、と。]

 
(24) 2022/12/10(Sat) 22:54:03

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
 
  困ったな、茶葉が切れそうだ。

  ……間に合うかな。


[ 数分後の来客予定を控え、茶と菓子の準備をしていると
 茶葉の在庫が少なかったことに気付いた。

 以前客が訪れた時、桃をベースにハーブをブレンドした
 紅茶の味を褒められ、男自身もお気に入りであることから
 「美味しいでしょう? どうぞ」と
 上機嫌に、幾分かお裾分けしたことを思い出した。

 茶葉や菓子は、買い出し担当の職員に
 こまめに補充してもらっている。
 偶に珍しい種類の茶や菓子が運ばれることがあれば
 それは担当職員の気まぐれとレア発掘の賜物。

 ついでに菓子の補充も行うべく
 職員の居住スペースまで、駆け足で向かうことにした。]
 
(25) 2022/12/10(Sat) 22:59:20

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
 

 
「 すぐに戻ります。少々お待ち下さい 」



[ 一応、早い目に到着した時のことを想定し
 不在時のお知らせを、扉に貼り付けることも忘れずに。]**
 
(26) 2022/12/10(Sat) 23:00:50
X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。
(a4) 2022/12/10(Sat) 23:12:33

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ カルクドラ・ヨッド・クリフ。

 『教皇』の証持ちは聖職者の一族に宿ることが多く
 南地域スティド教会司教の息子であった少年もまた
 例に漏れない家系出身だった。

 幼い頃から立派な聖職者になるべく邁進し、
 齢十の頃から三年間、宗教総本山の在る西地域への
 留学を経て立派に成長し、聖職者への輝かしい道を
 丁重に敷き詰め、関係者やは皆、少年の成長を
 心待ちにしていた。


 
少年本人と、両親以外は。



 二十三年前、南地域にて生を享けた
 赤子の心臓付近の胸元には、見落とす位に小さい
 薄い斑点のような痣が存在していた。
 両親は、初めて痣を発見した際に
 不吉な感覚を覚えるも、必死に払い除けようとする。

 
気のせいであって欲しい、間違いであって欲しい、と。

 
 しかし、幼子の成長と共に痣の面積は増え鮮明に色付き
 五つになる頃には、両親は我が子が
 “証持ち”であることを確信する。]
 
(108) 2022/12/11(Sun) 14:15:27

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 痣は咎の証であり、世間から迫害されることも少なく無い。
 生家である教会には過去、証持ちが生まれた際の
 先祖の日記が現存していたが、記録によれば

 或る時代には
捨てられ
、消息は不明のまま
 また或る時代には、
不自然な病死
を遂げていた。  

 苦渋の決断の末、過去の事例と同様
 両親は少年を手放そうと決心した。

 ──────その時。]
  


  
  ぼく、すてられちゃうの?
  なにか、わるいこと、した?

  ……ごめん、なさい。

 

[ 気難しい表情の両親の元に、涙を浮かべた少年が訪れた。
 晩婚の末漸く授かった、跡継ぎにして最愛の一人息子が。

 両親は少年を抱き締め、子供のように大粒の涙を流し
 この時から少年と共に、苦難の道を歩むことを決意した。]
 
(109) 2022/12/11(Sun) 14:16:10

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 心臓部付近に刻まれた証は、歳月と共に成長し
 齢十の頃には、黄金色の波紋型の痣は
 一目で判別可能なまでに成長していた。

 同時に、少年が絶望に打ちひしがれ、
 荒れ始めた頃でもある。

 この頃には、少年自身も既に痣の色、柄、出自、
 教育により、自らの運命を悟っていた。*]
 
(110) 2022/12/11(Sun) 14:17:29

【人】 X『教皇』 カルクドラ

[
 
   ─ X 教皇 ─   



  人々を分け隔てなく愛し
  救いの手を差し伸べた者

  絵に描いたような聖人であり
  その人望と慈悲深き愛から 
  “ 慈愛の聖者 ”と呼ばれていた 

  しかし本人は奢ること無く
  その肩書を「重い」と好まず
  別の名デセスパールで呼ぶように、と周知していた
 


  
 
※注釈


 ( “慈愛の聖者”の記録は
    途中の一部記録が紛失している。
    一説を描かれた文書は現存するが、
    信憑性が薄く、創作論を唱える派閥も存在する。 )

 
]

 
(114) 2022/12/11(Sun) 15:05:34

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[

   箱庭崩壊時の慈愛の聖者の末路としては
   以下のように記されている




  
 『死神』を自らの手で
 
憎悪を込め

 
幾度と、念入りに殺害する


  
   その後は自らの運命を嘆き、憎み
   世界、全ての存在の
破滅を願い

   
獄中で呪詛を吐き、発狂し果てた





*]

 
(115) 2022/12/11(Sun) 15:07:17

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 職員からいつもの茶葉と
 南東土産の黄色い熱帯果樹を幾つか受け取り
 紙袋を抱え戻ると、遠目からユグの姿が見えた。>>73]


  ごめん、補充に行って遅くなったよ。
  南東地域のお土産も貰ったから、これも食べようか。


[ 紙袋から覗く珍しい黄色の果物を見せ、穏やかに微笑む。
 彼は北東部出身のはず。
 過去に訪れたことが無ければ、
 この黄色い果物も珍しく映るだろう。]
 
(116) 2022/12/11(Sun) 15:07:35

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ ユグを室内に招き入れ、いつもの紅茶>>25を入れ
 熱帯果樹を器用に切り分け、皿に盛り差し出た。

 同時に、古びた革表紙の本と
 比較的新しい、図入りの本二冊を机に置く。]


  前頼まれていた本だけど、これはどうかな?
  後、頼まれたリストには無いけれど
  学生時代に勉強した内容で、面白かったんだ。


[ ユグに頼まれていた古びた革表紙の本を一冊。
 もう一冊の図入りの本は、特に頼まれていなかったが
 異国の宗教史の本。
 時間があればどうぞ、とおまけ感覚で一緒に添えた。]
 
(117) 2022/12/11(Sun) 15:08:10

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 彼が初めて館に来たのは四年前、
 骸骨のようにひどく痩せた姿だったものだから
 「新たな生活には慣れたか、困ったことは無いか」と
 幾度か声を掛けていた。>>70 
 
 それから間もない頃、話の流れで
 男が教会、聖職者の家系出身であることを告げ
 話が弾み、話し込んだ記憶がある。]   
 

  んっ、甘……、おいし……。
  もう一つ食べないか?


[ 土産の南東土産の果物は見た目以上に甘く、
 弾けるような瑞々しさに、思わず声も漏れてしまう。
 彼がまだ口を付けていないようなら薦め、
 一方男は二切れ目三切れ目へと次々に手を伸ばす。]
 
(118) 2022/12/11(Sun) 15:08:25

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ ──さて。

 男は昔から、聖職者の真似事のようなものを行っている。
 新たに館に人が訪れれば、まず声を掛けに足を運ぶ。
 彼らが馴染めるよう、不安を振り払うべく。

 その中でも、三年前に男が迎え入れた友と
 彼──ユグは特に気に掛け、幾度か声を掛けていた。


 
ユグはあの男死神が連れてきたから。

 

 
 あの男の柔和で人の良さそうな笑みに、
 落ち着きを覚える者も居るだろう。

 警戒することなんて、本来あるはずが無いのに。
 ────それでも。
 ]  

 
(119) 2022/12/11(Sun) 15:09:00

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
 
[ 魂に刻まれた記憶が、心が。
 幾多の螺旋が複雑に絡み合い、縺れが解けぬまま


 気付けば自然と距離を取っていた。**]

 
 
(120) 2022/12/11(Sun) 15:09:47
X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。
(a19) 2022/12/11(Sun) 15:19:00

X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。
(a43) 2022/12/12(Mon) 1:40:48

X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。
(a44) 2022/12/12(Mon) 1:45:31

【人】 X『教皇』 カルクドラ

── 祈祷室・ユグと ──


  いいよ、気にしないで。
  これ、職員さんの所に補充に行った時
  新しい紅茶の葉があると聞いて貰ってきたんだ。
  味見して、今度感想聞かせてね。


[ 南東地域の黄色い果実の追加を出し、
 柑橘系味の紅茶の茶葉が入った小袋を横に置く。

 柑橘と言えば、彼が洋館に来て間もない頃
 皮ごと齧ったのを見て、慌てて引き離した記憶がある>>167
 皮を剥いて見せ、中の薄い皮はそのまま食べると教え
 彼の様子をじっと見守っていた。

 その後、「一度僕の部屋においでよ」と誘った>>168
 食べ難い柑橘とは違う、そのまま食べられる
 クッキーや焼菓子を渡した。
 焼けた小麦の香り、甘いバターや砂糖の味らを
 彼はどう感じただろうか。

 「世の中には美味しいものが溢れているんだよ」と
 新作や珍しいものがあれば、彼に頼むことが増えていった。]
 
(324) 2022/12/12(Mon) 19:23:05

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
  本の返却は急がなくてもいいからね。
  時間がある時にでもゆっくり読んで。


[ 彼が初めて洋館に来た頃は、
 生きていくだけで精一杯だっただろう。
 だからこそ、様々なことを知って貰いたく
 
どうせこの生活から抜け出すことは出来ないから

 楽しさを感じる時間を、少しでも多く持って欲しかった。]
 
(325) 2022/12/12(Mon) 19:23:33

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 彼の様子を笑顔で眺めていた時
 唐突に上がる名>>169に数秒、動きが止まる。]


  ……そうだね。きっと、喜んでくれると思うよ。


[ 反応したのは『先生』という単語。
 彼が先生と呼ぶのは──死神タナトス
 タナトスがユグ迎えに行き、様々なことを教え、
 名実共に先生であることは当然知っている。
 読み書きさえろくに出来ずにいたユグが>>170
 今や喜んで本を読むようになったのも、彼の力が大きい。]

  
  じゃあ、これをどうぞ。
  残り一つしかないから、どちらかに渡すか
  それとも、半分こにして二人に渡す?
  二人に渡すなら、今の間に切っておくよ。


[ 紙袋の中の残り一つの果物を、彼の正面に置く。
 男とタナトスの関係はこの場では関係ない。
 ユグの優しい心を尊重したいのが事実だ。]
 
(326) 2022/12/12(Mon) 19:25:57

【人】 X『教皇』 カルクドラ


[ 過去『死神』と『教皇』が対立しがちだったことは
 経典に記されている事実であり
 ユグ──『吊された男』も
 二人の関係を知らない訳では無いだろう。]



  ( 今世──今を生きる僕たちには
    何の関係もない。

    経典の『教皇』デセスパールカルクドラは別人だ。
  


  
だのに

 
 
心を振り回される現実が
 


     
      、、 )


*


 
(327) 2022/12/12(Mon) 19:28:27

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 持たせた果実は、皮が残ったままの一つか。
 皮が剥かれた二つに切り分けられた状態か。
 ユグからアリスの誕生パーティーの話題が出ると>>239]


  チェレスタ達が歌を歌うらしいから、
  僕はオルガンを弾く予定だよ。


[ >>42チェレスタからの提案には
「伴奏が必要ならば」と、名乗り出ていた。
 幼い頃から教会のオルガンと共に過ごしていたので
 歌より役に立てる気だろう、と。

 洋館に来てからは、気が向いたら音楽室に立ち寄り
 鍵盤楽器に触れる程度だが、未だ指は動くようなので
 複雑な曲でなければ大丈夫、と。
 今回歌以外の募集がなければ
 別途、独奏で演奏するつもりでもいる。]
 
(328) 2022/12/12(Mon) 19:34:54

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 

  邪魔……?


[ もう一つの疑問、正しくは不安が漏れれば
 再び笑顔は消え、ユグの目を見る。]

 
   まさかそんな……大丈夫だよ。

  ……もしかして、何か心当たりでも?


[ 一応、確認を問い掛ける。

 パーティー前の楽しい空気の中、
 人の良い彼が、不安を煽るためだけに態々言うと思えない。
 何か良くない出来事があったのだろうか。**]
 
(329) 2022/12/12(Mon) 19:36:11

【人】 X『教皇』 カルクドラ

── 回想:クリスタベル ──

[ 彼女、彼──クリスタベルが館に来たのは五年前。
 男が館に来て二年が経過した頃だった。
 予想だにしなかった自己紹介には>>27困惑を隠せずにいた。
 その時は失礼ながら全身をくまなく見させて貰い
 線の細さ、体つきは女性のものと思われたが。]


  二人で一つ……? う、うん、とりあえずよろしくね。


[ 一つの体に二つの魂が入っているのだろうか。
 それとも、一つの魂が分裂しているのか、不安定なのか。
 瞬時に判断するにはあまりにも難しく
 この時は定型文の挨拶しか返せずにいたが
 後日、「お茶での飲みながらお話しない?」と
 
まるでナンパのような流れで

 改めて詳細を聞くことにした>>230]
 
(341) 2022/12/12(Mon) 19:56:03

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ もし、神が何故完璧につくってくれなかったのかと
 彼彼女の問いを聞くことができたならば。]


 「完璧になるための道を与えられたのかもしれないね。
  人生は長いから、簡単にゴールまでたどり着けない。
  平坦な道が続いた結果いずれ飽き、
  興味本位で横に反れ、戻れなくなってしまうかもだから
  目標を定められたのでは。」
 

[ と答えていただろう。
 もし厳しい、と感じているならば
「神は乗り越えられる試練しか用意しない」と付け加えて。]

 
(342) 2022/12/12(Mon) 19:56:18

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 神は全てを許すのだろうか、との問いがあらば]


「もちろん。許すも許さないも無いよ。
 君が許されると思えたなら、その段階で許されている。
 許されないと思っているなら、いつか許されると信じて。」


[ 回答があまりにも的外れで綺麗事で
 所詮“聖職者ごっこ”でしかない、と
 一蹴されるかもしれない。

 聖職者ごっこなのは紛れも無い事実である。
 それでも、君のことを理解をしたかった。
 悩める君に寄り添いたかったのが一番、という
 思いが伝われば良いのだが。**]

 
(343) 2022/12/12(Mon) 19:56:29
X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。
(a57) 2022/12/12(Mon) 20:01:30

【人】 X『教皇』 カルクドラ

── 回想:『月』に至る ──

[ 今から三年前。
 担当職員より、とある証持ちについての資料を渡された。

 資料を渡された段階で察していた。
 この証持ちを迎えに行け、ということだろう。
 資料を捲ってみると、彼の境遇が細かく記されていた。
 
心が締め付けられるようなことも。
]


  お邪魔します。
  私は政府の使いであるクリフと申します。
  御子息殿をお迎えに参りました。

  エーリク殿、ご家族殿に面会をご希望いたします。
 

[ 交渉に必須の柔らかな笑顔に穏やかな語り口で、
 単刀直入に用件を伝える。
 不在ならば、笑顔のまま何時間でも待つことにしよう。]
 
(610) 2022/12/13(Tue) 21:15:31

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[『月』の証持ち・エーリクは
 『教皇』の魂を持つ男と対峙した際
 どのような表情を浮かべただろうか。
 男には、魂が潤うような懐かしさと
 月光が降り注いだような、安らぎが降り注いだ。



 
 ──君の居る場所はここでは無い、僕達の居る場所だ。



 すぐに口を突いて溢れ出そうな言葉も
 手を引き、連れ出したくなる感情も抑え取り繕う。
 
 やがて、縋るように歩み寄って来た少年の手を握り
 改めて感じたことは
 
今にも崩れ落ちそうな、硝子のような儚さと繊細さ。


 
 ── この壊れそうな少年を、守らなければいけない。

 

 かつては身なりも良かったであろう彼の家族と
 どのような会話を交わしただろうか。
 我が子を頼むと泣かれたか、政府の犬と疎まれたか、
 それとも食い扶持が減ると歓喜されたか。
 
 どのような対応であれ、少年を今まで育ててくれたことに
 感謝を告げ、「御子息は我々が守ります」と
 真摯な表情で告げたことには変わらない。]
 
(611) 2022/12/13(Tue) 21:16:27

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 陽が落ち始めた橙の空の下、共に洋館へと向かう最中。
 同行の職員と別れ、二人きりになってから声を掛ける。]

 
  改めまして宜しく、エーリク。
  僕はカルクドラ。 君の味方で、仲間で、友人だ。

  辛いこと、苦しいこと……たくさんあったと思う。
  最初の間は慣れなくて戸惑うかもだけど、
  何でも頼って欲しい。


  君には幸せになって欲しいから。
   

[ 負の感情程、心に刻まれやすいとは言うが、
 正の感情も、同等に刻まれて欲しいもの。
 少しでも思いが届いてくれれば良いのだが。]
 
(612) 2022/12/13(Tue) 21:16:45

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ しかし、男の期待とは裏腹に
 洋館で暮らし始めた彼は自室からあまり出て来ず、
 出てきたとしても陰のある表情のことが多く
 時には抜け出すこともあった>>220

 戻って来れば、どこに行ってたのかと優しく問い掛け
 楽しかったか、と様子を聞く。 
 肯定が返って来れば良かったと微笑み
 微妙な返事があれば、残念だったねと相打ちを打つ。

 抜け出した時にも、「良く戻ってきたね」と
 咎めることは決してしなかった。]
 
(613) 2022/12/13(Tue) 21:17:03