人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

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視点:


涼風は、相手の手を優しく握り返す。
(a25) 2021/08/16(Mon) 18:46:32

涼風は、ふらりゆらりと歩き出す。からん、ころん。下駄が鳴る。からん、ころん。それは遠くへ。
(a26) 2021/08/16(Mon) 18:47:36

百千鳥は、その手を握って、喧騒に背を向けた。
(a27) 2021/08/16(Mon) 18:56:02

百千鳥は、ずっと前から、全ては夢だと知っていた。
(a28) 2021/08/16(Mon) 18:56:16

百千鳥は、見ないふりをしていただけ。
(a29) 2021/08/16(Mon) 18:57:31

涼風は、ただ寄り添う。寄り添って、二人でそっと抜け出して。
(a30) 2021/08/16(Mon) 19:00:10

涼風は、ようやくここが夢だと気づいた。それでも、何も言わずに貴方と並んで歩く。
(a31) 2021/08/16(Mon) 19:01:08


「いつかの未来。
 やがて今≠ノなる日。

 そこになって、楽しくなくなって、
 そこでやっと後悔したら遅いんですよ」

本当にそうだろうか?
編笠晶も、竹村茜も、一ノ瀬卯波も、
そうあることを望んでいるのだろうか。

聞こえてきた言葉に、
面と面を向かって言うでもなく、
遠くを見ながら、声を発している。

「俺は一度諦めた。でも後悔は絶対にしない。
 夢が叶わなくても、
 それは夢を持っちゃいけない理由になりませんから」

風を受けて色をつけた写真を覗き、
四人が枠に収まってることにうんと頷く。

何度も皆を撮りに行く。
そして、何度でもみんなと遊びたい。

「うかうかしてると、
 今度は俺が皆を置いていっちゃいますよ」

そう言って、花火のあがる方へ一歩踏み出し、
嬉しそうに振り返って、笑い続けるのだ。

時は先へ。

飴の食べ切った棒を捨て、
金魚とヨーヨーは暫く預かってもらい、

写真の詰まったカーディガンと、
祭りの淡い光で良く映える紺色の浴衣、
どこか怪し気な狐面を斜めに被って。

待ちに待った盆踊りへ、向かう。
十年前と何も変わらない懐かしい民謡が、
あまりにも懐かしすぎて笑ってしまったりして。

そういえば、失敗しないように、
こっそり練習したりもしたっけと思い出して。

首から揺れるカメラを片手で持ち、
その上から軽く手を叩いて、空へ向ける。
踊るのは久しぶりなのに、
身体が覚えているのもなんだかうれしかった。

「…置いてかれるのはやだなあ」

わかっている。
夢の中にいつまでもいられないこと。
これが現実逃避だということ。

竹村茜は知っていた。

「みんなで結婚出来たらいいね、ほんと。
 そうじゃなくっても、また違うところのお祭りとか…ううん、何もなくたって集まりたい」

 約束をした僕たち

「格好いいって言われたくて頑張ってきたのに。
 慰められちゃった、あーあ……」

ありがとう、小さな言葉で呟いて。
涼しげなあなたの髪にすり寄った。
まるで恋人のような仕草は青い夏の中では絆を確かめ合う行為だ。

「約束、しよう。涼風。
 夢も将来も、これから一緒に。
 ――あの頃みたいにいっぱい話そうね」

やっと会えたのだ、奇跡のようなこの時間。
夢を、やりたいことを後悔をしないように。
誰かが与えたチャンスだったんだ。
今だけは不思議な時間に浸りたい。
そんな気持ちで感じた温もりは、涙が出そうになるほどあったかくて。
独り立ちなんて、暫く出来そうにないって、答えを先に知ってしまった気分だった。

涼風。涼風くん。夕凪達とも遊んでよ。
射撃でもいいよ、それとも何か食べたいものでもある?
今度は三人で、ううん、もっと多いかも。
僕ら双子はみんなを連れ回しちゃうからね。
大勢誘って。また。
もっと笑える思い出を語り合おう。これからもずっと。

>>編笠

「さみ……しー……なー」

 大事な友達と再会できたのに。
 夕凪に楽しい夏を与えると決めたのに。
 やっぱり隣に誰かがいないと寂しいんだ。
 何故か心の何処かでもうすぐ終わってしまいそうな気がする。

 "あの狼の子"が寂しがっているのがわかる。
 自分と似たような感じがした、あの子。
 大事な誰かに隣に居て欲しかったあの子。

 突然傍にいなくなる寂しさや辛さを、
 思い出してしまったのが運のツキだ。
 夢ならば都合よくずっと夢のように過ごしていたかったな。

 なんだか心まで女の子になってしまうのかもしれない。
 だけど、いまこのままで聞きたいことがある。

 聞いておかないと。

「よっし。編笠を探そう」

 たとえ、この夢が終わったって。
 伝えたいことは変わらないけれど。
 動かなければ始まらないよね。

【人】 少年 編笠

>>+50 夕凪
膝までを、川の水につけて。
夕凪と、ここで初めて会った場所で空を眺めている。

まるで一秒前にはここにいなかったような、そんな心地があった。
髪の毛が少しだけ濡れていて、犬のように頭を振ると、
そのわずかな水滴が水面に輝きを零す。
裾を絞ると川の冷たい水がぼたぼたと元の流れに戻っていく。

「……夕凪の姉さん」

声を掛けると、彼女はそこにいる。
探し始めたらすぐに自分が見つかるのと同じで。
出会いたい場所に自分が存在して、出会いたい場所で出会える。

夢とは、そういうものだから。

「何か用かい」
(75) 2021/08/16(Mon) 20:14:31

【人】 さよなら 御山洗

>>72 >>73 >>74 宵闇

「……ひどいやつだな、お前は……」

喉の奥からほとんどつっかえて出てこないような涙声が、ようやく震えながら音を成す。
なぜかだなんて。克明に思い出さずに済んだなら、この想いを風化できたからだ。
どうしてかだなんて。そんな気持ちを抱いたところで叶うわけが無いのを理解してるからだ。

目の前の彼が思うよりもずっと不届でみっともない願いを抱えて、
唄うような声もはしゃいでる声もとぼけたような声も、
長い前髪から覗く目もろくに体を作れるものを食べてないような細さも、
全部どうしようもなくこの手に掻き抱いてしまいたくて、そんなのは、お前には向けるべきじゃない。
"友達"だと言うのなら、こんな不自然な気持ちは最初から持つべきじゃなかったからだ。
抑えられないくらい好きな自分が、夢に見るくらいに好きな自分が、
自分では制御できない怪物になったようで、自分から思い出を守れないのが、恐ろしかったからだ。

宵闇の思いと御山洗の想いは全く違っていて、それはどちらも両立することは出来ない。

「俺は……」

首を横に振る。同じ思いを、抱けなかった。
ここにいたら、綺麗なまま額に入れてとっておきたかった大事なことを壊してしまう。
此処には居られない。いてはいけない。思い出に触れないまま、しまっておきたいと願う。
帰ってよかったと思う気持ちより、帰ってこなければよかったと後悔する愚か者は、
永劫の花園にはいられない――帰りたくないなどと、思えない。
このままでいることにも、ここままでいられないことにも、何もかも耐えられなかった。

(76) 2021/08/16(Mon) 20:14:32

【人】 さよなら 御山洗

>>72 >>73 >>74 宵闇

遠ざかる足音を聞いている。
そのうちに、力が抜けてずるずると落ちていくように壁に背を凭れて崩れ落ちた。
声を抑える。息を止める。言うことを聞いてくれない瞼を指で押さえて。
出ていく宵闇に、すすり泣く声が聴こえていないようにと、蹲って祈った。
蝉の声が遠く遠くに聴こえる。
(77) 2021/08/16(Mon) 20:14:40
 編笠

「うん、探してた。どう? 浴衣似合っているかな。
 みんなに褒めてもらったから聞かなくても返事はわかってるけれど」

話しかけてくれたのは、暗い顔をした魚を見つけてくれたのはあなただったのに。
今の印象はなんだか黙ってばっかりの人だ。
本当にその口が開くのはいつなのか。
いつまでも待てる気分なのは確かだけれど。

「編笠くん、ここに来て、ここで話してくれたこと。
 ――何処まで本気にしていい?

 夕凪は、夜凪が居ないとすぐに落ち込む寂しがり屋さんで。
 夜凪は、夕凪のことになるとすぐに考え過ぎるお節介屋。

 まだ、夕凪たちのことが好きで。さ。
 代わりになってくれるっていってくれるかな。
 ううん、代わりとかじゃなくって。
 居て欲しいなって頼んだら、隣に来てくれる?」

「…誰も置いてきゃしないって。な。」

不安がるアカネにぽんぽんと頭に軽く手を置く。
こういうの、ガラじゃないって?
うっせー、ほっとけ(笑)

「…卯波には昨日言ったけどさ、今生の別れじゃないんだし
望めば会えるよ、俺は。まぁ受験やら大学で忙しくなるし、
アキラに至ってはどうなるかわからんけど…。」

でも、と続ける。

「俺は何処にも行かないし、俺たちはずっと友達だ。
8年くらいしか村には居なかったけど、
今の俺を作ってるのはその8年間だし
その中でお前たちと会えて良かったって思ってるよ。
…ありがとな。」

最後の花火が咲いて散る。
きっと俺はこの花火を忘れないのだろう。
例え、これが泡沫の夢だとしても。

あ、たまやーっていうの忘れた。

【人】 少年 編笠

>>+51 夕凪
「ああ、似合ってる。
 祭りの最中にばったり会ったら、
 思わず恋に落ちちまいそうなくらいには」

それは掛け値なしの本音だ。嘘偽りはない。
前髪から水が滴る。虚ろな魚のような目を夕凪に向けた。

「……………。
 夕凪の姉さん。
 
 多分な。
 もしここじゃなけりゃ。
 もし今じゃなけりゃ。
 もし俺が俺じゃなけりゃ。多分任せとけって言ってたと思う。
 初恋の残滓だって、火を付ければそれなりに燃えるはずだからな」
(78) 2021/08/16(Mon) 20:40:29

【人】 少年 編笠

>>78 夕凪
視界の中の風景は、過去を移す。
憧れであり、淡い思いを抱いていた相手の姿が、
憧れであり、追いかけていた背中である誰かが、
今の夕凪に重なる。

「でも、ごめん。
 俺はここで、嘘を吐くことに決めて。
 だから、その嘘に今縛られてんだ。

 ……ここにきて。
 俺のことを好きって言ってくれたやつがいるんだ。
 でも俺は、応えられなかった。
 答えすら与えてやれなかった」

それはもう実感としてあるかもしれない。
この世界が、誰かの思いで紡がれていることを。

「"夢"が"夢の中"である限り。
 俺にとっては、それは"夢のような言葉"なんだよ。
 黙ってようと、思ったんだけどな……」

そしてそれを自覚した今。
この夢の時間が綻び始めていることにも気づいている。
(79) 2021/08/16(Mon) 20:42:14

【置】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 
 ここが都合の良い夢だなんてわかっていた。

 慈姑が姿を消した時に、あの人は夢に還ったのだと思った。
 姿を消しては現れる夕凪や卯波を見て、
 そういうものなのだと思った。
 夢の中で何の根拠も無く、けれど確信じみてそう思うように。

 居なくなった人も確かにここに居て、
 決してどこかへ消えてしまったわけではない。
 会おうと思えば会いに行けて、一緒に遊ぶ事だってできる。

 今はここに居ない人も、きっと見えないだけでここに居て
 ここで待っていればいつか、
 せめてその面影に触れる事は叶うと思っていた。

 皆に会いたいと願いながら亡くなった姉が寂しくないように。

 あの頃のままのみんなと一緒に、
 あの頃のままの村を保って、待っていてあげたかった。
 それは決して叶わないという現実に見ないふりをして。

 夢を見せるなら、最後まで騙していてくれたらよかったのに。
 
(L17) 2021/08/16(Mon) 20:46:45
公開: 2021/08/16(Mon) 20:50:00
「ふふふ、みんながついてきてくれたら、
 置いてくこともないですかね〜?」

なんて、意地悪なことも言ってみたり。

「みんなが忙しかったら俺が会いに行きます。
 幸い、漸く進路が決まったところで、
 全然時間がありますからね。

 俺もみんなと会えてよかった。
 この田舎で生まれて本当に、よかった」

自分らしくあれるのは、
この田舎の人たちの前だから。
性別とか、そういうしがらみから離れられる。

最後に咲いた花火も、四角形のなかに切り取った。

【置】 さよなら 御山洗

「――……ああ」

バカだ、と。やってしまったな、と思った。
今まで自分が大事にしてきたものは、この手で壊してしまった。
今までひた隠しにしてきたものは、この手で暴いてしまった。
思い出は浅ましい思い出塗りつぶされて、曇ってよく見えない。
これが、自分の望んでいた"夢"なんだろうか。
もしもそうなら、とんでもなく悍しい悪夢だ。
それでも俺は、翔のことが。

「……本当に、バカだ……」
(L18) 2021/08/16(Mon) 20:53:30
公開: 2021/08/16(Mon) 20:55:00
涼風は、百千鳥の手を握った。
(a32) 2021/08/16(Mon) 20:55:32

盆の暮れに、盆踊りをする。

御山洗は、恐れていた。怯えていた。今は、後悔ばかりが焼き付いている。
(a33) 2021/08/16(Mon) 20:56:40

田舎を楽しむための行事が、田舎を終わらせることに繋がることに気付いている。

それでも、この田舎のことを愛していた。それだけだ。

花守は、諦めて、諦めなかった。
(a34) 2021/08/16(Mon) 20:59:00

添木は、”遊び”を終わりにする。
(a35) 2021/08/16(Mon) 20:59:10


  編笠

「そっか、……わかった。
 じゃあ、――いまは夕凪と編笠の夢で、一夏の思い出

 難しいことを考えないで」

あなたの思い出と、夢と、夕凪が重なる。
ゆっくりとその頬に手を触れて、優しく撫でた。

「答えられなかったのは、どうしてかなって考えていた。
 はじまりすら与えられなかったのはなんでかなって考えた。
 それは、――なにも物語が紡がれていないから。
 君も夕凪も、黙ったまんまだ――……ねえ、一つだけお願い」

  編笠

「夢から覚めたら、―――本当の気持ち教えてね。
 だって君の物語は今からこれから紡がれていくんだから。

 だけど、"僕は聞いてしまった。"
 このことに関して僕から夕凪に伝えることは多分、一生ないよ」

今伝わっているだろうか、目の前に居るのは。
あなたのことがお気に入りの、ただのお節介の少年だ。

花守は、ウソをホントにする、きっと。いつか。
(a36) 2021/08/16(Mon) 20:59:57