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【人】 ]]T『世界』 ヴェルト[ 半年前、『愚者』であるアリスが見つかり、 洋館には21人が揃っていた。 その頃には、7年前に消えた『世界』は、 もうどこかで死んでいるのだろう、というのが 大方の見解になっていた。 洋館育ちが、街へ行くと言っただけの軽装で、 そう生きていられるとも思われなかったことと、 それから――“まだ世界は崩壊していないのだから”、 あれが生きているはずがない、というもの。 …… 皆、そう思いたかったのだ。 ] (2) 2022/12/14(Wed) 0:03:44 |
【人】 ]]T『世界』 ヴェルト[ 俄に洋館は騒がしくなっただろう。 「証持ち」を許容する洋館の職員や、世話係であっても、 この未曾有の事態に、平然としていられる人間は、 多くはなかった。 それでも、表向き冷静を装える幾人かによって、 「証持ち」たちに声が掛かる。 「証持ちたちを此処へと集めてほしい」 そう、『世界』の彼が言ったからだ。 そして証持ちたちは今、 洋館の玄関ホールへと集められていた。 ] (3) 2022/12/14(Wed) 0:04:43 |
【人】 ]]T『世界』 ヴェルト[ 7年前までの彼を知る者なら分かるだろう、 彼が『世界』の証持ちその人であることを。 彼を知らない者にとっては、 それは初めて見る顔であるはずだ。 ] (4) 2022/12/14(Wed) 0:05:18 |
【人】 ]]T『世界』 ヴェルト[ そんなことは有り得ないはずなのに、 強い感情に支配されて、 それは真実で現実であるのだと、 理解してしまうでしょう。 このひとは、『箱庭の神』そのひとであると。 ] (7) 2022/12/14(Wed) 0:08:35 |
【人】 ]]T『世界』 ヴェルト[ その強い感情に、喜怒哀楽、 何が混じっているかは、人それぞれでしょうが。 ] “ 会いたかったよ、皆 ” “ わたしの愛しき子ら ” [ あなたたちがどんな状態であろうと、 神は嬉しそうに語りかけてくるでしょう。 神は本当に『箱庭の子ら』を愛しているのです 神は本当は『箱庭の子ら』を愛していたのです。 ] (8) 2022/12/14(Wed) 0:10:20 |
【人】 ]]T『世界』 ヴェルト“ さあ今度こそ、皆で幸せな世界を作ろう ” “ こんな世界は、壊してしまおう ” [ 事も無げに、神は言いました。 誰のことも咎めることも出来ず、戒めることも出来ず、 崩壊してしまった箱庭を、 神はずっとずっと、愛していました。 そして『箱庭の子ら』が揃った今この時、 神は箱庭の再生と、今の世界の崩壊を願うのでした。 ] (9) 2022/12/14(Wed) 0:11:52 |
【人】 ]]T『世界』 ヴェルト“ ……けれど、もしも皆がこの世界が必要だというのなら ” “ ……愛する子らの頼みだ、壊すのは止めにしよう ” [ 神にとって、 世界はふたつも要りませんし、 愛する子らを痛め付けるこんな世界など、 崩壊させるに値するものなのですが。 それでも神は、あなたたちに道を与えました。 ] (10) 2022/12/14(Wed) 0:12:53 |
【人】 『箱庭の神』 ヴェルト“ 選びなさい、わたしの愛しき子ら ” “ 世界を壊し、箱庭の再生を望むか ” “ それともこの世界を愛し、生きることを望むか ” [ 神の示した期限は――明日。 それは人間にとっては、あまりに短いものでした。 しかしあなたたちは 一蹴することは出来なかったでしょう。 少なくともあなたたちは、 考えざるを得なくなってしまったでしょう。 ――あなたたちの意思とは、関係なく。 ] (11) 2022/12/14(Wed) 0:14:25 |
【人】 『箱庭の神』 ヴェルト[ 自らの伝えたいことを伝えると、 『世界』の姿をした神は、 外へと去っていきます。 洋館のあちこちで、 彼の姿を見掛けることは出来るでしょう。 言葉を交わすことはできるかもしれません。 しかし神が聞きたいのは選択だけです。 何も言葉をくれないかもしれません。 更に言えば――『世界』の証持ちの面影は、 ]そこには見えることはないでしょう。 (12) 2022/12/14(Wed) 0:15:05 |
【人】 『箱庭の神』 ヴェルト[ やがて洋館へも聞こえてくるだろう。 世界各地で起こる、天変地異の報が。 今、本当に、世界は崩壊しようとしているのだ。 ] (13) 2022/12/14(Wed) 0:19:52 |
(a0) 2022/12/14(Wed) 0:24:23 |
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