【人】 学生 涼風 眩い日差しを集めて固めて、それから振り撒いたような輝きが広がる夏の海。 同じ色をした髪が潮風に連れられて大きく広がるのも気にせずに砂を踏みしめる。ぎゅ、ぎゅ、とサンダルを履いた足が柔らかく沈み、砂が吸い込んでいた熱気が肌をくすぐった。 しばらく歩いて、むき出しの岩が連なる場所に出た。よじ登って座れば足元で波が何度も岩にぶつかっている様子が視界に映る。 そうっと真白の足を差し込めば、たちまち肌が纏っていた熱気が波に攫われていく。両脚を軽く前後に揺らし、踊る波と戯れる。ぱしゃんぱしゃんと水を跳ね上げる軽い音が心地いい。 都会では海を見る機会などなかった。そもそもプールさえあまり楽しんでいない。それを埋め合わせるかのように、少年は水遊びを堪能する。 (75) 2021/08/14(Sat) 0:32:10 |
【人】 学生 涼風>>+19 卯波 説明を貰ったカメラをまじまじと見つめる。 「編笠くんと?それは素敵だね。ふふ、お互いの名前が書いてあるんだ」 掲げられたカメラを見て柔らかく目を細める。こちらに『晶』と書かれているのなら、きっと彼の持っているカメラには『卯波』と書かれているのだろう。 全て読み取ることはできないが、どれだけ親しい関係なのかほんの少し垣間見て微笑ましくなった。 「ああでも、インスタントカメラだと撮るのって難しいんじゃない?カメラについて詳しくないから、私はよく分からないけれど。 てっきり思い出のカメラを一緒に連れてきているけど、撮るのはデジタルカメラのほうだと思ってた」 だって確か、防水ではなくても昨日の川遊びでも同じポラロイドカメラを首から下げていたような気がしたが、どうだっただろうか? なにか心変わりがあったのだろうか、なんとなく感じて首を傾げた。 (84) 2021/08/14(Sat) 2:25:24 |
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