人狼物語 三日月国


151 【身内】狂花監獄BarreNwort3【R18G】

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「……。……俺かァ。愛されちまったな、アリガトー♥」

帽子をロビーのテーブルの上に置き、茶化すように言いながら立ち上がる。皆を迎えるつもりかそれとは全く別の意図か、少し駆け足で処刑室へと向かう。

レヴァティ
「せっかくてめェに入れないでやったのによ〜、恩知らずな奴だな」

処刑されるのにめちゃくちゃ偉そう!

「ンじゃまァ宣言させてもらおうか?」

皆が処刑室に集まった頃、中央に堂々と立ちはっきりと述べる。

「囚人番号S-459、ミズガネ。特殊死亡条件なし、能力なし。要はサンドバッグだな」

ちょっとした冗談も言いながら、上品な所作で恭しく頭を下げる。

「犯罪を犯したり犯罪者を鎮圧したりしている皆々様の明晰な頭脳と類まれな才能の数々で――素晴らしい処刑にしていただけることを期待する」

早く終わるのならそれに越したことはない。この口上を聞いて苦痛に溢れた無礼講らしい処刑が行われるか、望んだ通りにはさせまいと味気なくつまらない処刑が行われるか、知る由もない。

二度目の死も苦痛の少ないもので済んでくれるのだろうか。

メモを貼った。

「ふぁぁ………あー……ねみぃ」
ヤバいロビーに行かずに自室でごろごろしていたもの。

「んー……」
机の上に置いてある袋を手にして歩き出した。
若干ふらつきながら。

キエ
「……。アンタの歌を聞きゃァ少しは気楽になるかね」

「ああ、歌ってくれ。アンタが歌いたい間だけでいい」

最期まで歌い続けられるのなら最期まででも。

静かだ。処刑室に響く歌を聴く姿勢。

キエが離れる前と離れた後で、明確な違いがある。

男の処刑に対する態度が
常の振る舞いのそれになる


すなわち、一切の無理のない気楽に。キエが歌い出してからは更に、先程までの見栄や建前、虚勢などなかったかのように楽しそうに笑う。

「あァ、悪ィなシャト。元々の弱さばかりはどうにもな。だから他の皆と話して一番シャトにとって楽しいところでざくっとやってくれや」

脱落を理由に行かない事もできる、けれど。
自主参加した看守として、きちんと見届け、必要ならば武器を振わなければと。

少々遅れてしまったからと駆け足で処刑室へ向かう。
ああ、今夜も歌が聞こえる。

「…………俺ぁ、ケモっ子がやりたいようにやりゃあいいぜ」
コツコツと靴音を鳴らし壁に寄る。

歌による高揚感で暴れだしたくなる気持ちを抑え。
変わらぬ振る舞いでそのように。


勿論暴れ足りないのだが、あまり本調子ではない。
必要であれば手を出すが……そうでなければ動くつもりがないようだ。

レヴァティ
「お、いいぜ。死ぬまで時間がかかるほうが楽しい処刑になンだろ?」

近づいてきたあなたに笑い、回避をすることもなくそれらの粒を一身に受ける。肌に植えられる毒草が衣服や体表にたくさんの蛾を纏わせ、毒が身を蝕めば蝕むほどに笑い声が大きくなる。

「あッ、が、は、アハ、あはは!痛ェ!すご、やべ、うわ痛ッ、
い゛、ッア、は!!


楽しくなってしまうのだ。とても、とても。痛くてたまらないのに笑いばかりが込み上げる。

「い、っだァ、あは、頑張らなくちゃ、な、ァ!」


自分のような無能力者に物々しい武器が用いられそうになることも。可愛らしく元気に応援されていることも。痛くてたまらないのに笑ってしまうのも。

何もかもが滑稽で、更に笑う。
生理的な涙ばかりは仕方ない。

メレフ
「ははッ、あ、っぐァ……!」


戦闘経験のない人間に咄嗟に回避する力などない。ましてやそれが自分の苦痛すら愉悦に感じてしまっている人間であればなおのことだ。
風の刃はいっそ美しさすら感じるほどに囚人の足を大きく裂き、それによって大きく揺れた肉体に合わせて髪が揺れる。

転倒して床に叩きつけられ己の流した血で髪を汚そうとも、血の海に溺れるにはまだ早い。
ひどく緩慢な動作ながら体を起こし、どうにか立ち上がろうとする。

「あ、はは、痛ェ!腹蹴られるより……ずっと、ずっと痛ェよ、メレフ看守!」

レヴァティ
「疑うなよ、ッはは、てめ、い゛ッ、てめェの能力、だろうが!」


楽しんでろよ。と発せられたかは定かではない。
しかし確かな苦痛に身体を震わせながら、確かに男は笑っている。

シャト
「あは、そ、ッ、そうだよなァ!本当、おかしくて、ひ、いっだ、痛ッ……ぐ、てさ、はは、アハハ!タノシー、よなァ!!」


ともに笑う。ぱたぱた飛ぶことも手を動かすこともできないけれど。
死に向かいながらも、楽しくて、
楽しくて!

キエの歌は、一度箍が外れれば壊れてしまいそうで。
だから、とても静かに。ただ静かに、ここに居る。

男が暴れると、あの歌が聴こえづらくなってしまうので。

それはあまり好ましくない。……今は。

「…、…早く楽にしてやりたいんですけどね」

まだそれには早いのだろうから。
けれど己の役目も果たさねばならない。

だから、無抵抗な子を選びたくなかった。
選ばれて欲しくなかった。


「…ごめん、ミズガネ。その腕、貰いますよ」

きちんと貴方の声が聞こえるように。歌を拒んでしていた耳栓を外せば、ハルバードを手に。
貴方の片腕を狙って思い切り斬りつけようとするだろう。

バラニ
「いーって、ェ、持って、けェ……っだ、持ってけ、よ!」

笑い狂っていると呼んで差し支えない男が叫ぶ。
腕を引こうとする躊躇いが生じていても
あなたの振るったハルバードはあなたの狙い通りに男の片腕を傷付けることが叶うだろう。

「……ッが、あ、ッあは、や、痛ェ、ふ、ふふ……!」


あなたを呼びはせず、されど、唇は動かした。

ニア
「未練なんざ、とっくに!置いて来てンだよ、あは、っァ――」


あなたに楽し気に語り掛けていたから。当然会話が続くと思っていたから。抵抗を示すこともなく攻撃を受け、それが喉であることに一拍遅れて目を丸くする。

「……――、ッ……、――!」


身体を痛みか笑いか、もしくはその両方で震わせている。
声もなく、ただただ滑稽に。

喉を押さえるための手なんて、もう片方しか残ってない。

ルヘナ
身体を震わせ片手をだらんと垂らしまともに立ち上がれもしない男の腹を突き刺すことなど、赤子を寝かせるよりも極めて容易だったことだろう。
背を丸めたところで逃れられるわけもなく、そういう玩具であるかのように男は咳き込みながら血を吐く。

「――、……――、……!」


あなたがレイピアで貫き留めないのであれば男の身体は床に転がることになるだろう。
大きく揺れた身体に反して唇はずっと、ずっと笑みの形で、

血に塗れてもなお"たのしい"をかたどった。

シャト
滑稽な動きでやってきた愉快なあなたから与えられる可愛らしいじゃれつきの度にびくりびくりと強張る身は何によるものなのか、処刑対象自身も最早分かっていない。
窮鼠猫を嚙むとはよく言ったものだが、あいにくとこの鼠はとうに窮地の範疇を超え死に瀕している。

「、ッ……、――……!」

開いて、閉じて。動いている口は猫を噛もうとする鼠のそれに見えるだろうか。
いや、きっと。それもおかしくて、楽しくて、たまらないだろう。

蛾のような毒草を纏って、滑稽に踊ってしまいましょうか。
裂けた血塗れの足は赤いブーツを履いているかのよう。
余計な腕は見えにくいように垂らしてしまえば解決です。
喉元のチョーカーの可愛らしさにもう声も出ません。

踊り疲れて、お腹もいっぱいになって、
猫との戯れもまた楽しいひとときとなりました。

それから、それから――?

全てが終わる前に処刑室を後にする。高揚感という酔いに身を揺らしながら。

アマノ
近づいてきたあなたを唇を動かすことしかできない男が見上げる。
見上げると言っても視線の動きがそう見えるというだけで、事実、もう殆ど何も見えていない。

それでも、瞳を細めて肩の力を抜いて瞳を閉じた。

「――……」

か細い吐息を吐き出したのはきっと、銃声が聞こえる直前のこと。
重めの銃の一撃で処刑対象の頭部がどうなるかなど火を見るよりも明らかだろう。
誰の予測からも外れることなく、その銃がその距離で撃たれた際に想定される通り、派手な銃声とともに一つの命が散った。

もう笑うこともない。苦しむこともない。泣くことも、恐れることもない。

"素晴らしい処刑"により死亡した。

「………お疲れ様です」

誰に言うでもないような、全員に向けているような。
曖昧にそう零してさっきまで生きていたその人を見つめていた。

「メレフ、仕事が早いですね…俺もぼうっとしてちゃダメだな」

既に申請が済んでることに気が付けば呟いて。出しっぱなしだったハルバードをキューブへとしまい込んだ。

抱きとめている様子をすこし見守ってから、処刑室を後にした。

ふんふんと鼻歌交じりにロビーへやってきたかとおもうと、オトモにブールド・ネージュvilを注文してから端末を弄りだした。

「今日も平和ですね〜、」なんて呟いて呑気にしている。

まだ死んでいるのでふわふわ時空でバニラアイスvilを振る。フルーツタルトがなんだって?

バニラアイスは生きている時に来てほしかった。ふわふわ。

二度目の死を経て、三度目の生を始める。

ロビーに向かおうとするが無事辿り着けるのだろうか。

メモを貼った。

メモを貼った。

キエ
「ンあ?あァ、おはようキエ。
 おかげさまで五体満足だ、ほらこの通りなァ」

ロビーに向かう歩みからそのまま自然とあなたのほうへ。
廊下の仕掛けがあったとしてもまだ引っ掛かりも視認もしないあたりだろうか。


「今の気遣いもだが、処刑ン時の歌も助かったわ。死ぬ直前までは聴こえてた、最後まで聴けなくて悪ィ」

最期までは聴いていたけれど。

キエ
「な。身体だけ見りゃァ死んだとは思えねェ。悪い夢だったのかと疑……いはできねェけどよ」

視線に気付くと身を捩ったりなんだりで自分の身体を見せやすく。
さりげない誘導にも気付いてか気付かずか乗って軽く移動。


「なんだか不思議な感覚だったなアレ。フツーにきついのにテンション上がるし面白ェってなってさァ。久々にあんな笑ったわ、あの肉体のままだったら顎か腹か筋肉痛になってたかもしれねェ。どんな曲だったんだ?能力がどうこうじゃなくて」

ペキペキが聞こえていない。当然ながら反応もない。

キエ
「……。だよなァ。ンだよ、心配してたのか?」

衣服に隠れている部分も多いがどこか痛むのを庇っている様子もない。喉だって一閃が嘘のように動いているし、頭も揺蕩うような髪に覆われた形のいい輪郭を崩していない。

「あの笑い、狂ってるように見えたんだろうな。
 へェ、民謡……くるくるってこうか?それともこう?」

手からどれくらい読み取れるかは分からないがくるくるしてみる。目が回る系統のくるくる度合いな場合は目が回るし41点くらいの出来。

蘇生装置の中でゆっくりと眼を開ける。

「ああ、」やっぱり、目覚めてしまう。

キエ
「知ってるよ。……。ドーモ」

明確な否定がないので自分の都合のいいように受け取った。
その後はあなたの
ダメ出し
指導に従ってその場でくるくる、くるくる。先程の点数に36点加算されるほどの上手さにはなったが、目が回っている中でくるくるしたからもう駄目。

「……。……あァー……悪ィ、調子乗った……ちょっと休みに行くわ……」

あなたが止めないのなら多分ロビーのほうに行こうとする。
デロデ廊下のほうだね。

77点だ。

キエ
「知らねェ国の文化は知りてェからさァ……ダンス指導はまた落ち着いたらってことでー……あ、メシも食いたいし休んでから……」

見るからにふらふらな男が壁伝いにロビーに向かい始めた。
視界がぐわんぐわん回っているため透明のドロドロとか絵の具とか
もうぜんぜんわかんない。

当然のように透明のドロドロを踏みバランスを崩す。

「み゛ッ……?!」


変な声を出しつつ、踏み止まろうとした結果逆につんのめりつつその場でしりもちをつく。痛ェ!

「いっでェ!!!!」


なんとか頭から突っ込む事態は免れたがそれでも痛いものは痛い!手前で転んだからまだドロドロだけで済んだだろうか。それでもべっちょべちょだし未だに目はぐるぐるしているから壁にしがみついてないと倒れそう。

「ンだよこれ!オイ誰だこれ設置した奴てめェ表出ろ!!!」


表(船外)出れないし出たら死ぬよ。

しりもちをついた状態で壁に寄りかかって轟沈してうだうだ言っている。

 




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