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【人】 オルテイシア[間近に近づけば、表情がよく見える。 触れ合った吐息は、甘く余韻を残して、彼が囁いた言葉に目を細めた。 その言葉から連想させられるものは、もう少しずつ形になり始めている。] おじいちゃんとおばあちゃんになっても、 またここに来て、デートしましょうね。 [もう一度、唇を掠めた。 観覧車の中は二人だけだし、きっと周囲も見ていない。 触れるだけのキスを長く交わして、 額をこつりとぶつけあって、笑いあった。] (0) 2021/11/13(Sat) 0:39:15 |
【人】 オルテイシア[上ってくる間は対面するように座っていたけれど。 観覧車が降りてくる間は、隣り合うようにして座って景色を眺めた。 途中、少し強く吹いた風に観覧車が揺れて、不安にぎゅっと彼の服を掴んだ。 丸い観覧車は、横の揺れには弱いものの、落ちることはなくゆっくりゆっくりと下降していく。 外からは見えない場所で、手はずっと繋がったまま。 次第に近づいてくる景色を名残惜しく感じた。 観覧車というものは、乗ってみればあっという間に時間が過ぎていく。 一台前のカップルたちが降りていくのを尻目に、] また、来ましょうね。 [と、隣に並んだ彼と約束をする。 観覧車のジンクスは、きっと此処へ訪れる度に更新され続けていくだろう。**] (1) 2021/11/13(Sat) 0:39:51 |
【人】 イウダそうだな。 [「末永く」を更新する約束を結ぶ為に。 何度かキスを交わす内に地上が段々近づいてくる。 額を触れ合わせて笑いながら、紫亜の身体を引っ張った。 今度は卯田の位置が前向きになる。 彼女をその横に座らせて、隣り合わせで同じ景色を見た。] おぉっ? [風で揺れると思わず声が出て、しがみつく紫亜の肩を抱いて咄嗟に護る。 実際には勿論落ちることはなかったが、肩を抱いたその手は彼女との接触を断つことはなく、背を滑って掌に落ち着いた。] (2) 2021/11/13(Sat) 19:50:10 |
【人】 イウダ[あと数メートルで今度は自分たちが降りる番。] じーさんばーさんになる前にも、な? [観覧車の定員は4名とある。 子ども二人までなら家族で乗れるなと気の早いことを言いながら、先に降りて彼女の降車をエスコートした。] (3) 2021/11/13(Sat) 19:50:29 |
【人】 イウダ[さて、ゆっくり見て回ったが、まだ眠るには早い時間だ。 夕食も取ったし、お互いトイレを済ませたら当初の予定通り夜の海辺にドライブに出かけようと車に戻る。 空調をつけるとほわりと暖かい。 外が寒かったのを一層意識して、身震いした。] 穴場なんかな〜。 さっきのイルミネーションに負けないくらい綺麗なのに、外に出てる人少ないな? [車はまばらに幾つか止まっているが、砂浜まで出ている人影は少ない。 車からでも十分工業地帯の夜景は楽しめるので、わざわざ寒い外に出たくないのかもしれない・] 暗いからこれだけ離れてたら他の車の中まで見えないしな? [それとも、卯田と同じことを考えているのだろうか。 シートベルトを外し、助手席の紫亜の頬に触れる。 観覧車の中でしたよりも深く、唇を重ね合わせた。*] (4) 2021/11/13(Sat) 19:50:42 |
【人】 オルテイシア[向かい合い上った先に誓いのキスを立てて、 降りてくる時は二人で同じ方向を見る。 まるでこれからを思わせるような象徴的な観覧車も、 今を楽しんでいる二人は気づかないだろう。 多少の揺れにも支え合えるように、 自然と手に取った掌の温かさが互いに馴染むまで。 ゴンドラはゆっくりと下っていく。] ……はい。 [遠い将来よりも前に、感じた近い未来の約束。 家族が増えても、また此処へ。 その時はまた、グレーパールのネックレスを付けて。] (5) 2021/11/13(Sat) 20:46:13 |
【人】 オルテイシア[長く楽しんだ自然公園を後にして、車に乗り込み海へと向かう。 山間の冷たさとは違った海風の強さはまた冷え込むから。 車の中の空調の効いた場所がありがたい。 海が見えると同時に、対岸に見える工場地帯の夜景が見えてきて、わぁ……と感嘆の声を上げた。] 本当、こんなに綺麗なのに。 人は少なそうですね? みんな車の中から見てるんでしょうか? 車の中からだと温かいですしね。 [車は等間隔を開けるように、ぱらぱらと海沿いに向かって停車しているが、夜の海に人影は疎らだ。 フロントガラスから見える夜景を眺めながら、彼の言葉に頷きを返す。] ……ぅ、ン……、 [陰りが落ちて、彼の気配を間近に感じれば唇が合わさる。 薄暗闇の中、二人の影が重なって、唇が離れれば甘い吐息が零れ落ちた。*] (6) 2021/11/13(Sat) 20:46:52 |
【人】 イウダ[日差しは既にないのに、助手席の日よけカーテンを閉める。 万が一、近くを通り過ぎる人がいたとして、彼女のとろんとした顔が見られてしまわないように。*] (7) 2021/11/13(Sat) 21:00:34 |
【人】 イウダ――数日後―― [夜のドライブデートをしたイルミネーション旅行の日、「続き」>>*2は勿論ホテルでこれでもかと言う程愛し合った。 自分が絶倫だと思ったことはないが、紫亜とするようになって1回では終わらない夜がままあって、精力がついた気がする。 体力の方も加齢に抗ってついてきたのか、最近は連勤でも疲れを持ち越さなくなった。 私生活が彼女のおかげで整っているからというのが大きい。 旅行後はまた休んだ分連勤だったが欠勤してしまうこともなく通し勤務を続けられた。] 紫亜、12月なんだけど、やっぱり特別メニューの仕込みもあって時間が取れそうにないんだごめんな。 だから、俺らの「クリスマスディナー」、次の週末に一緒に作らないか? 朝の内に出かけてプレゼント買って、昼食って買い物してから。 どう? [提案したのは12月のシフトが出てから。 当日は紫亜の買ったケーキを一緒に食べるくらいしか出来ないが、折角の初めてのクリスマスだから、日程は別でもクリスマスらしいことをしたかった。] (8) 2021/11/14(Sun) 22:49:06 |
【人】 イウダ当日食うのとは違う感じのケーキが良いよな。 ブッシュドノエルとか……クロカンブッシュとか…… 「こんなケーキ作りたい」ってのはある? ディナーで食いたいメニューも一緒に考えよう。 [店で出すのと同じものは流石に作れないし、料理人である以上自分の「最高」を家庭の為に取り置きは出来ない。 だが彼女の好みや意見を取り入れることによって、「二人にとっての最高」を目指したかった。 彼女はどんなクリスマスが希望だろう。 勿論クリスマスっぽいメニューに拘らなくても、彼女が好きなものが一緒に作れたらそれで良い。*] (9) 2021/11/14(Sun) 22:49:20 |
【人】 オルテイシア―― 冬籠り ―― [楽しかった旅行はあっという間に過ぎ去り、彼が施してくれた赤い花が肌から薄れていく頃。 再び仕事と日常に追われる日々が戻ってきていた。 休みを斡旋してくれた理英先輩には、お礼に林檎を使用したパイのお土産を渡した。 合コンで連絡先をゲットした彼とは、順調にいっているらしい。 「良かったですね」とつい自分のことのように喜んでしまう。 彼は旅行で休んだ分、連勤が続いていて帰りも遅い。 久しぶりに寄った夜のSASANKAで、美味しいご飯のご相伴に預かった帰り道。 彼の口から出たクリスマスの予定の多忙さに、眉尻を下げたけれど、続く提案にぱっと表情を明るくした。] クリスマスディナー? ……素敵。一緒に作ってもいいんですか? 一日デートできるんです? 嬉しいです。 [ぎゅっと繋いだ手を握り締めて、はしゃいだ声を上げてしまう。 世間とは日程が少しズレるが、週末なかなか休みが取れない彼とゆっくり過ごせるのならこれ以上嬉しいことはない。] (10) 2021/11/14(Sun) 23:20:11 |
【人】 オルテイシアクリスマスの当日は、 基依さんが好きなショートケーキにしようと思っていて。 ブッシュドノエルとも、迷ってるんですけど。 ……私もいちご好きですし。 クロカンブッシュは食べたことないですね……? 食べてみたいかも。 メニューは何がいいでしょう? 温かいものが食べたいな。 クリスマスといえば、ターキーとか? でも二人だと余しちゃいそうですよね。 うーん、鶏肉を使った何か、とか……。 [興奮冷めやらず、手を揺らしながらおしゃべりが止まらない。 今日のようにSASANKAで久しぶりに食べる食事も、特別感があって好きだけれど、自宅で「私のため」だけに振る舞われる料理を覚えて以来、随分と欲張りになってきたと思う。 特別な日に、特別な料理を二人で。 それも一緒に作れるのだと思うと嬉しさも一入だ。] 初めてのクリスマス、楽しみですね。 [隣を見上げて、嬉しそうに笑った。*] (11) 2021/11/14(Sun) 23:20:36 |
【人】 イウダ二人のクリスマスだから、二人で作りたいよ俺は。 勿論、誕生日とかは俺が作るけど。 デートもディナーも欲張るから、早起きしなきゃな〜。 [最近は寒くて、ただでさえ朝に弱い卯田は紫亜を見送れない日もしばしばある。 その日だけはしっかり起きねばと、ぎゅっとされた手に此方からもぎゅっと力をこめる。 繋いだ手を自分のポケットに入れるのはイルミネーション旅行以来の癖だ。 より寒さが深まった今は、カイロを入れてより温めている。 クリスマスの先取りの提案は二つ返事でOKが返る。 「よっしゃ」と卯田も弾んだ声を出した。] (12) 2021/11/14(Sun) 23:42:58 |
【人】 イウダクロカンブッシュはフランスのウェディングケーキに使われるものだけど、 小さいシュークリームを積み上げていく形がツリーみたいだから、クリスマスでも人気だよ。 どうしても高さが出るからケーキ屋には売ってないよな〜。 [土台にシューを飴でつけていくのも共同作業に出来て良いかもしれない。 決まり、と、スマホにメモを残した。 二人で食べるものだし、余り高さは出せないが、見た目も豪華だしオリジナリティが出せる良い選択だ。] 鶏肉だと色々出来るよな。 クリーム煮でも、トマト煮でも。 グラタン、ドリア、シンプルにローストチキンって手もある。 唐揚げはクロカンブッシュと丸っこい見た目が被るからちょっと避けたいけど、紫亜が食いたいならやるよ。 [メイン以外でも、鶏ハムにして野菜を巻いたら前菜になるし、万能な食材だ。 こうやってメニューの提案をしながら彼女の好みを探す、その過程が楽しくて、いつもより早口になってしまうことには無自覚だった。*] (13) 2021/11/14(Sun) 23:43:12 |
【人】 オルテイシア[二人ということを意識してくれることに眦が緩む。 握り返された手がそのことを伝えるように。] 一緒に作れるの、嬉しいです。 めいっぱい助手しますねっ。 プレゼントも考えなくちゃ。 何がいいかなぁ……。 [空いた手を口元に当てて、ううんと唸り声を上げた。 欲しいものは本人に聞くのが一番だけど、サプライズのことを考えれば何も知らないままで居てもらいたくもある。 彼のことを思って考えている時間も好きだから、今回は聞かないままにした。 ポケットの中でカイロに温められた彼の手が心地良い。 ぽす、と腕に頭を凭せ掛けて、今の時期しか楽しめない距離を楽しんだ。] (14) 2021/11/15(Mon) 0:09:53 |
【人】 オルテイシア前に見かけた時は飴細工がキラキラして綺麗でした。 自宅で作れるのかと思うとわくわくします。 シュークリームをたくさん食べられるのも楽しそう。 クリスマスツリーに見立ててるんですね。 [少し先の楽しみを想像してくすくすと笑う。 自宅で作る分、高さは少し小ぶりになってしまうだろうが、なかなか作れないものだから特別感がすごい。 自分なら考えつかなかった案が出てくるあたり、さすがだなあと見惚れてしまった。] トマト煮いいですね。 あーん、でもローストチキンも気になります。 それも当日のお楽しみにしちゃダメですか? [なんて、まるでクイズのように摩り替えて笑った。 寒い帰路を身体を温め合いながら歩く。 週末への話題は尽きることなく、家に着くまでリクエストと笑い声が続いた。*] (15) 2021/11/15(Mon) 0:10:06 |
【人】 イウダ紫亜がメインで作っても良いんだぞ? 食いたいものを「持ち寄る」っていうのも楽しいだろうしな。 オーブンは1つしかないから、作るものによってはキッチンが渋滞しそうだけど。 [場合によっては作り置きや総菜も考慮していた方が良い。 二人で作ることに夢中になって、食べるのが極端に遅くなっては彼女の美容に良くないから。 腕に甘える仕草が可愛い。 道端でなければ抱き締めてしまっただろう。] 結婚式で作られる時は、高さを積めば積むほど祝福が得られるって聞いたな。 ツリーに見立てるなら生地に抹茶を混ぜて緑にするのもアリだな〜。 [飴がけは豪華に見えるからやってみても良いかもしれない。 高さや中に入れるクリームのことなどは麦に相談することにしようと頭の中で計画する。] (16) 2021/11/15(Mon) 18:07:54 |
【人】 イウダ当日?! まあトマトは買っといて、ローストチキンの気分だったらラタトゥイユにしてもカプレーゼに回しても良いか……。 店ならどっちも作ってちょっとずつ楽しめるんだけどな、家だと俺らで全部食わないといけないし。 [楽しそうな彼女につられて笑う。 それからは、サラダはリース型にしよう、とか。 野菜のジュレ寄せも食べたい、とか。 キッシュを焼こうと思ったらオーブンが足りない、とか。 料理の話をしていたら、あっという間に家に着いていた。*] (17) 2021/11/15(Mon) 18:08:06 |
【人】 イウダ――そして週末―― [ちゃんと目覚ましで起きる。 体調も問題ない。 さあ、今日をクリスマスにしよう。] おはよう紫亜。 今日はディナーでがっつり食うから、俺は朝は軽くバナナヨーグルトにするけど、紫亜はどうする? フルグラもパンもまだあるし、ご飯にするなら冷凍から出すよ。 [朝はとりあえず部屋着のまま。 旅行で思いがけず入ったショップの系列店で購入したのだが、これが中々暖かくて着心地が良い。 出掛ける前にはスーツに着替える予定だ。 だって今日は「特別な一日」だから。**] (18) 2021/11/15(Mon) 18:08:18 |
【人】 オルテイシア私がメイン……? んん〜、でも基依さんのお料理食べたいし……、 あっ、でも「持ち寄る」っていうのはいいですね。 なにか一品かぁ……。 [その発想はなかった。 彼は率先して作ってくれるし、それが一番美味しいと思っていたから。 美味しいものを食べてもらいたいという思いはある。 けれど、いつもそれ以上に美味しいものを作ってくれるし、作っている姿を見るのが好きだから、結局はメインを任せることにして、一品は自分でも考えてみることにした。 あまり難しいものは作れないから簡単なものになるだろうけれど、前菜ぐらいなら任されたい。 自身の中の小さな引き出しから考えるのもまた楽しい。] (19) 2021/11/15(Mon) 20:00:06 |
【人】 オルテイシアへえ……、素敵ですね。 二人分だから、高さは出せないですけど、 クリスマス・ツリーらしさは出しましょう。 抹茶の生地なら、苺とも相性良さそうです。 緑と赤で、それっぽくなるかも? [思いつきで案を出してみるが、実際に形にするのは難しいかもしれない。そこは本職の料理人の知恵を借りることにしよう。] ラタトゥイユもカプレーゼも好きです。 うーん、どっちがいいでしょう。 作りすぎちゃって食べれなくなるのは本末転倒だし、 基依さんのお料理は食べたいですし……。 [食いしん坊の悩みは尽きない。 野菜のジュレ寄せも、サラダも、キッシュも。 次々に浮かぶアイディアに頭を悩ませる。 贅沢な悩みは尽きずに、帰るまで続いた。*] (20) 2021/11/15(Mon) 20:00:43 |
【人】 オルテイシア―― 迎えた週末 ―― [その日はゆっくりとした朝だった。 隣で目覚ましを止める音がして、ぐずるように寝返りを打つ。 目覚ましが鳴れば起きられるが、朝が強いという訳でもない。] ……ン、…… [身体を起こした後もしばらく頭が回り出すまでは、ぼうっと虚空を眺めて、ようやく大きな伸びをした。] ……おはよう、ございます。 私はグラノーラにしますね。 [寝間着のままリビングへ顔を出せば、声をかけられてふにゃりと笑って眠たげな声を出す。 お互い寝間着姿で始まる朝は久々の休日が重なった珍しい日。 冷蔵庫に向かって牛乳を取り出せば、眠気もようやく覚めてきた。 朝ご飯を食べたら、いつもより少しオシャレして出かける予定だ。 それだけで「何でもない日」が「二人だけの特別な日」に変わっていく。*] (21) 2021/11/15(Mon) 20:01:44 |
【人】 イウダ前の日とかに準備出来るならしといて貰って、当日サプライズっていうのも楽しいよきっと。 お互いそれで同じの用意しててもまた良い思い出になるんじゃないかな。 [息をするのと同じくらい当たり前な料理という行為だが、自分が全部やりたいという訳ではないし、自分の味以外を美味しく食べられない舌はしていない。 二人で住むようになって、一緒に料理をする機会も彼女が作ったものを口にする機会もあって。 紫亜が「作りたくない」と言うのなら無理強いをする気はないが、「彼女の手料理」という響きが好きな自分を隠したくはなかった。 前菜を何か一品。 彼女は何を用意してくれるのだろう。楽しみだ。] シュー生地は軽くて小さいから、苺はそのままだとくっつかないかな。 飴がけした上からフリーズドライの苺フレークかけようか。 [クリスマスツリーぽさを追求するなら、飴がけに点在する赤い粒は電飾めいていてきっと可愛らしく仕上がるだろう。 シュー生地は緑色と、それから――] (22) 2021/11/15(Mon) 20:37:59 |
【人】 イウダ[ラタトゥイユは保存がきくから食べきれなかったら持ち越しで、カプレーゼも食べきれなければ翌日一緒にスープで煮込んでしまえば良い。 二人のディナーは特別だけど、翌日の「残り物ご飯」だって、二人で食べれば特別になる。 提案はどれも当日の時間と気分次第ということになったが、作られなかったメニューはきっと別の日に作ることになるだろう。] (23) 2021/11/15(Mon) 20:38:10 |
【人】 イウダ――当日―― [寝惚け眼で起きて来た寝間着姿の彼女を見て、ぐっとなってしまう。 もう数か月一緒に暮らして何度も朝を迎えているのに不思議だ。 思わずベッドに戻りたくなる気持ちをぐっと堪えて、グラノーラ用にカフェオレボウルを出した。 自分の分のヨーグルトは、使いかけの容器にそのままバナナを手で折って入れてはちみつをかける。 本番は夜なので、朝は極力労力を惜しみたい横着だが、紫亜が気になるようならちゃんと皿に移す。 どうにも自分のことに関する「見た目」を軽視してしまう癖が抜けない。] 洗い物と洗濯は俺やっとくから、目一杯可愛くなってきて。 [自身はスーツになるとはいえ、遠出ではないので髪も自分で少しワックスをつけて整える程度にしようと思っている。 化粧もあるし、彼女にしっかり準備の時間をあげたいので、朝の家事は喜んで請け負って。 それが終わったらダークグレーのスーツにごく薄い紫色のボタンダウンのシャツを合わせた。 ネクタイは勿論彼女に以前プレゼントしてもらったうさぎが並ぶグレーのネクタイだ。 持ち物と財布の中身を確認して、彼女の仕上がりを待つ。*] (24) 2021/11/15(Mon) 20:38:23 |
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