203 三月うさぎの不思議なテーブル
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[ 欲しがられるまま。
脚本を与えられ、演じるように吐く台詞、
仕草ではない。
剥き出しの、心ひとつの受け渡しは
水の跳ねる音と共に行われた。
瞬き、いくつか分の時を経て、
もう一度、君の瞳に自分が映る。
そこに写ったのは、ただ幸せそうに笑う男が一人。
少し遅れて、やってきた苦味は
癖になってしまいそうな、味がした。 ]
[ これからきっと、積み重なっていく宝物達。
その二つ目は、すぐに君の宝箱にも入るだろう。 ]
そう甘やかすと、毎度、ドライブデートになるかも
しれないよ。
でもそうだな、連休取れたらいこうか温泉。
[ 一度だけじゃないと君が言う。
甘えたいタイプ、という割に、そう
甘やかすような事を言うから。
新品のヘルメットが、替え時を迎えるくらい
これから何度も、活躍してもらうとしよう。 ]
[きちんと言葉にしてくれるところ、本当に大好きなんだけれど。
焦らしている自覚があるならこれ以上煽らないで!
と悲鳴のような声を上げつつも、キスだけで止まれた自分はそろそろ表彰されても良いと思う。
寂しげな吐息を食べたら、一晩中甘
さに苛まれる羽目になった。*]
[ 行き道と同じく、すれ違うライダーに
挨拶をする、親指を立てられたら、同じように
返して。
行きにも眺めた桜を、
行きとは少し変わった気持ちで、眺めた。
夏にはあの辺り、確かひまわりが咲く。
秋には色付いた赤が、あった。
それも一緒に、見れたら良いとか
行きには"
きっと
"の遠い夢だったものが
帰りには"つぎの"という近い現実となる。 ]
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