人狼物語 三日月国


151 【身内】狂花監獄BarreNwort3【R18G】

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 サルガス
「……………なんかさァ〜〜……
メチャクチャガキ相手みてェな……

不満そうに文句を言いかけたが、壁を見始めたので黙った。
積極的につっかかるほどの元気がないとも言う。

「……暇なんかァ……?」

小声でコメントしつつ。

 メレフ
 ヴェルク

風音の聞こえない攻撃。
刃はメレフの手元からやって来ると思っていたから、不意をつかれる。
振り降ろした爪がヴェルクの腕を裂くのと同時、獣の身体にも幾つもの赤い線が奔ることになるのだろう。

それでも宙にいる今が好機と。
投げられた剣を爪で叩き落し、拳銃は避けずにそのまま追撃を狙う。
とにかく爆弾がヤな獣は、視界を潰すか残った片腕も潰すか、どちらかに成功すれば標的を次へ移すだろう。

ニア()にちらりと興味を見せたが、目の前の標的を優先した。

 レヴァティ
「聞こえてる」

聞こえているらしい。
子供扱いをしているのは間違いではないので否定はしない。
まあ子供扱いは誰に対してもやるのだが。


「私は監視が仕事だからな。備えの役割もある。
 全員が戦場に出払ってしまうと……壊滅した時が大変だろう?」

要は、臨機応変に動ける“駒”は常に確保した方がいいという話。
この単純説明で君に伝わるかどうかはわからないが。

 サルガス
「うぇっ」
そうそう、看守ってこういうヤツ多いよな!ちっちぇー声で言ってんのに聞けるやつ!
などと思っているが、普段は単純に声が大きいからだ。

「わ、わかった……かいめつな、かいめつ。マズいよな。備え偉ァ〜」
もちろんこの納得は適当な相槌である。

シャトに視界を潰された。

 レヴァティ
徐に視線を君へと戻し……首を傾げた。
本当にわかった? と言いたげな表情をしてるかも。
自分は対話相手には向いていないだろうか、とも思いつつ。


「ほら、その……一ヶ所、同じ場所に花を植えていたとして。
 それが燃えたら、全部燃えてなくなってしまうだろう?
 なくなったら、種もできなくて新しい芽が出なくなる」

「だから、少しだけ別の安全な場所に植える……
みたいな……?」


急に植物に例え始めた。しかもそんなに上手くもない。

 サルガス
(?)


「分かるって、なんか、いっぱい植えたりちょっと植えたりしてんのを見てるってことだろ……?燃えるから……?」
今の話とさっきの話をつなぎ合わせ、わかってる感を出す試み。
失敗に終わっている。

レヴァティは生徒向きではなかった。一度園児を体験したほうがいい。

シャト
ダンッ!
と足が壁に着くと同時に思考を巡らせる。

誰かが己を巻き込む事も構わず、獣を狙ってくれればと考えたが。
…どうやら誰もいないらしいと、残念そうに笑う。

流石に、この状態から爆弾をもうひとつ作り出すのは困難だ。

ま、ただでくれてやる気もねぇけど

更に(1)1d3発撃ち込み、拳銃を投げ捨てた。
深い傷口からはかなりの量の血が零れているが、それでも無理やりに動かして。


強く、壁を蹴る。
振るわれる爪へと飛び込むように。

袖に隠した爆弾を取り出し、傷を負った手で握りしめながら。
軽い火傷のみでは済まない火力。かなり痛い。


以下は君が攻撃を優先した場合に起こり得るもの。
また、その手を狙うようであればその前に獣へと投げつけ爆破する。


痛み分けだ

爪が両目を抉るように振るわれるのと同時に。
──
BOMB!!!


男の手は今の爆発により使い物にはならず。
抉られた視界……目元からは止めどなく血が流れていく。
体勢を立て直そうにも、上手くいくはずもなく。

"あー……また、落ちてんな……"

呑気に防衛戦を思い出して、爆風に煽られながら地面に強くを打ち付けた。
流石に死ぬかもしれない。…とそれも大した緊張感もなく、思考した。

 レヴァティ
頭を抑えた。


「僕がわるかった……ごめん……僕がわるいね、今のは……ごめん……」


そしてなんか
思い詰め始めた。

実はサルガスはそこまで口巧者ではないのだ。自覚もある。
子供扱いでなく園児扱いをした方が……いいのか……?

ヴェルク

――つかまえた!……ッ!


爪を振るうその刹那、見失っていた爆弾がその手に握られているのを目にする。
深追いし過ぎた、と後悔しても遅い。
足場が無ければ軌道を変えられないのは此方も一緒。だから、
振り抜く


「あ゛ぁ゛ッ……!」


やわらかく食い込む手応えに満足する間もなく、苦悶の声が溢れる。
メレフの風刃による創傷、バラニの弾創が爆風の衝撃で抉られるように口を開く。

ボタ、ぽた……
と滴り落ちる血の雫とほぼ同時に、それでも何とか姿勢を整えて着地しようとして。


ルヘナ

銃声。反応は間に合わず、胴を撃ち貫かれる。

――ルヘナ、やっぱり、まつの、てんさい!
狂乱に呑まれきらない意識が、遠くで賞賛の声を上げている。


ぐら、と姿勢が崩れかけるけど。まだ、止まらない。

――
きたい!


血を流す程に、痛みに苦しむ程、本能が
足掻け!
と叫ぶ。

一呼吸に満たない間、充血した眼が次に沈めるべきはどこかと、見定めるべく人々を睥睨する。

シャト
『痛み分けだ』

獣の爪が振るわれる刹那、男の視線は歌と。
それから扉の向こうへと。

それは直ぐに戻されるが、その頃には爪が柔い皮膚を食い込み。
抉り、裂き。男の目元に
赤い線
を残す。

「………………ッ、」
同時に。己の爆弾による影響で指も、手のひらも消し飛んだ。
故に、仮に立ち上がれたとして能力を使うことは不可能と言える。


視界は
真っ暗
だ。
は止めどなく流れ、傷口が熱を持つ。

傾く体が爆風に押され、壁にぶつかり背を打って。
僅かな呻きとともに今度は床へと胸を打ち付ける。

「……は、ッ……………。ぁ、……はは、……げほッ」
ここが今。何処に近くて、誰に近いのか分かりもしない。

まだ動く手を動かし、ゆっくりと身を起こす。
がボタボタと流れ、服を濡らし床を濡らしている。


「……。…流石に、きついな」
探るように壁(がありそうな方)へ手を伸ばし、足を動かそうとしたところで。
痛みには鈍いからか、何処が痛いのかも上手く認識出来ない。


──
ゴンッ。
己の血に滑り、また床に伏した。

這いずり壁際を目指す。しぶとく生きている。

壁際に寄れた

壁越しにヴェルクが落ちていくのを
た。
扉へと視線を向けたのも、認識した。


「…… …… …… ……」

自分はどうするのが正解だ?
監視役
 
抑止力
 
処刑
 ルールの範囲内 
手出し無用

シャト・フィーの意思
 抗う 
 
本能

最後まで自由にさせてあげたい
 最後まで、自由に……?


想起するは。
“さいごは、みんなで、ボクをとめてね”

この言葉で。


「……、やっぱり、僕も行かないと、駄目だ……」


壁から離れ、甲高い音を立てながら駆け出す。
それと同時、キューブから
狙撃銃
を取り出して。
そのまま、鎮魂歌が響く処刑室獣の縄張りの中へ飛び込む。

滑り込むように扉を潜り。
被害が拡大しないであろう場所を“見抜き”位置に着く。

その後は
カツン!
 と。
本能のままに動く獣を挑発するようにヒールの音を響かせて。
ほら、僕の足音だ。
貴方が食べたがっていた、僕の!

壁に触れ、ひとつ息を吐き出してから壁に背をつける。

己の吐息が気持ち悪い程に耳に残る。
歌も、銃の音も。誰かが動く音も、声も──よく聞こえた。


男は今、己の状態を把握出来ない。
が顔を濡らすから、乱暴に拭い。

それでも直ぐにまた、顔は
真っ赤
に濡れて。
考えた結果、上着を脱いで目元を強く押さえる。

体が熱い。…寒い。死ぬのは別に、怖くない。
ただ、戦えないヤツらは大丈夫だろうかと考えて。


そのままズルズルと体は傾き、倒れるように床に転がった。

サルガス

高らかな音を聴けば、反射、そちらへ顔を向ける。
視線の先、こちらを
ているのは。

――食べたいヒト!!!


飢えた獣は、お預け食らった馳走を前に跳びつこうと駆け寄る。
まだ拘束が解かれる前、貴方に遊んで貰った時みたいに。

その速度はあの時とはくらべものにならず、その手の狙撃銃を構える前に有効射程より内側へ潜ってしまおうと全速で。
爛々と光る相貌に
食欲<
だけを映して。
たのしい
の色は今はなく。


――
食べたくない
って掻き消えそうな小さな声。


うたが、きこえる。


 シャト・フィー
歌声:認識完了
 
ぐにゃりと
が歪む。

反射:認識完了
 
こちらを見た。

狙い:認識完了
 
こちらに食いついた。

方向:認識完了
 
こちらに駆けてくる。

軌道:認識完了
 
射程位置オーバー。


「…… ……、っ」

サルガスは狙撃銃を――
構えない。


狙撃銃を持っていない片手、左手袋の指先を噛み、引き抜く。
露わになる肌、
左腕エサ
を貴方へと差し出して。

「ほら、おいで……僕と遊ぼう、シャト・フィー」

跳びつかれる? 食らいつかれる? 望むところだ。
あの時のように足を踏ん張って、絶対に受け止めてやろうと。
その声を
で認識しても尚、動くつもりはない。


歌が、聞こえても。

僕は
変わらない
よ。

サルガス

獣は床を踏み切り、弾丸より疾く貴方へ跳び込むだろう。
剥き出しの白い肌、欲望の儘に食らいつく。

広がる甘い血の匂い、肉を断つ悦び、骨にガリと歯が当たれば心地好い。
やっぱりヒトの肉が一番美味しい。


だけど、温かい血潮が喉に流れ込み胃を満たすと同時に、このおなかは空っぽじゃないことを思い出してしまって。


うたが、きこえる。


飢餓ではなくて、これは、
さみしい
。貴方が名前を教えてくれた。


悼むうた。ボク以外のシャトボクたちのための。
ボクが食べちゃった、みんなのための。


美味しい! ぜんぶ、
食べ尽くしたい!!

あなたを平らげたら、きっとまた、
さみしい


過剰な血流で毛細血管が破れる。
目から、
が頬へ流れる。

 シャト・フィー
「う゛ぁ……、ァ゛…… ……ッ!!」


声にならない呻きを漏らす。
ぶちりと食いちぎられる肌、溢れる血が床を、服を汚していく。

寂しい
が眼に流れ込む。


逃がさないように、貴方の身体を引き寄せようと。
朦朧とする中、
狙撃銃
を持ったままの右腕を貴方の身体に回し。
銃口を、貴方の身体の側面に向けて。

やっぱり僕だけ
寂しい
から逃れるなんて、できないから。


「このまま食われてやるつもりはない!」


――高出力砲撃!!


己の身体ごと巻き込む形で貴方に強力な電撃を
撃ち込む。

耐電装備と言えど受けれる電圧に上限はある、そも食いつかれている腕は無防備な状態だ、サルガスにも相応のダメージが入る。

人間を殺せてしまう通常弾は入っていない。
常人が受ければ、暫くは痺れて動けなくなるくらいの威力だ。
貴方にこれがどれくらい効くのかわからないが。


を食いちぎられようと、
電撃
に身を焼かれようと。
貴方が己に食いついている限りは、逃がさぬように抱え続ける。
他の執行人に、止めるなら今だと伝わるだろうか。

止めるならば、己の身ごと斬り裂いてくれて構わないと。

 サルガス
「……違うのォ……?」

すごい、苦悩してる……
何やらサルガスが言おうとしたこととズレた理解をしたとわかったので、つまりなに……?と考え直そうとしていたところ。
離れていったので、サルガス園は閉園です。


それで、サルガスがとても急いで向かったように見えたので。
「……なんかやばい?」

気になって扉へ近づいた。
覗くほど勇気はないけど、大きな音が鳴ればわかりそうなところ。

離れる前に ちゃんと考え直そうとするのは偉いな、と思ったりしたかもしれない。

見えないけど聞こえてる。…だから、緩く笑った。

今の俺には出来ないから聞いているだけだが。

ただの声が一番、一番。心に響いた。

 サルガス

回された腕に懐くように、もっと深く食らおうと擦り寄って。

そして、
電撃
に穿たれる。

ッァアあああ亜阿鴉逅!!!!


吼声のような悲鳴があがる。
負傷による痛みは狂乱で麻痺していたとしても、直接神経を奔る苦痛までは無視出来ない。

筋肉が言うことを聞かなくて、滅茶苦茶に藻掻こうにも思ったほどの力が出なくて。

やっぱりたべれなかった!


それでも尚も足掻こうとする。抗おうとする。
だって、

――生きなきゃ!


呼吸と心臓が止まったとしても。そういうことじゃない。

――ボクたちはつよかったって。


価値の証明。存在への欲求。
生存本能に勝る
衝動

いつしか、瞳から狂乱の色は消えていて、それでも確かな意思を以て、がむしゃらに貴方の腕の中で暴れる。

――ボクは、存在いきたいんだ!!!


本能じゃなくて、意思が、心が叫ぶ。

あと少しだとしても、最後まで抗うから。
だから、
ててほしいな。

藻掻く程に
が抜けていくのを感じる。だけど、足掻くのをやめない。

  シャト・フィー
「……ぐ、……う゛、……ぅ゛あ゛……、ッ」


血が引いていく心地。くらくら眩暈がする。

強い
電撃
で意識が再覚醒する。腕の力は強まっていく。

そうして映り込む
色彩
に。

きっとこれで、良かったんだって、安心してしまって。


「ふふ、…… ……」


貴方の
意思
が流れ込む。小さく口元が緩む。
力の入らない腕で、抗う貴方を何とか抑え込もうとする。
この力も、もう長くは持たないだろうか。


それでも。

貴方と僕はまだ――此処に在る!!!!


これが僕の答えだ。

貴方の意思を、最後までこの腕で受け止めよう。
貴方の姿を、最期まで
届けよう。


途切れる歌と強い
を。
生きる衝動と証明に暴れる
を。
それを受け止めようとする同僚の
覚悟
を。
出口周辺で、己の目と耳に焼き付けて。

「―――、」

……今が好機と判断。
獣の周囲の空気を圧縮。
もしかすると、同僚にも被害を被らせてしまうかもしれないが。それでも止めることを優先する。


そのまま刃を、一撃、二撃。狙うはその胴、今度こそ逃がさない様にと斬りつける。
……ちら、と。周囲に目を向ける。後は――

 メレフ

空気の動く気配を感じたとしても、閉じ込められて逃れようもない。
ひとつ、ふたつ、血の花が咲く。
身を捩じる姿は、己が身を捕えるうでを庇うような素振りにも見えたかもしれない。


命の残量の底が近くなる。
もうきっと、誰も何もしなくても、幕引きは覆らない。

 ニア

だけど、だけど、呼ぶ
を聴く。
願望わがままを聞き届け、命令おくりだしてくれた声を聴く。

しぶとく身を捩る。
呼ばれたから、いいなりに駆け付けようとするのではなく。
己の意志で、応えようと。
を、
を、最期まで。
ボスと慕う貴方に噛みついてでも、示そうと。



だから、どうか、往かせてほしい。
送って、
届けてほしい。
ちゃんと、そこにる貴方に、この存在の証左を、判じてほしい。

 
くらり、眩暈に飲まれる前に風の刃を身に受ける。
抵抗の動きを抑えきれない。それ故か傷は浅く済んでいて。

それが庇う動きだと認識できた。
抗う
意思
がまだあると認識できた。

ならば、貴方の意思を立証するために。


「…… ……いって、らっしゃい、
……シャト・フィー」


その意思の赴く先を
送り、
届けようと手を放し――


――
ぐしゃり
音を立てその場に頽れた。


それでもまだ。
を閉じきることはしない。

赤を撒き散らしながら、駆ける。

チャクラムを(3)1d3くらった。

ニア

く、軌跡を描いて駆ける。

涸れる時が近い。猶予なんて無い。
だから、その前に。
ひたむきに直線に、燃え尽きる直前の全てを使って駆けた。

ひとつ、ふたつ、みっつ。
円月輪をその身で受けて。

足元を薙ぐような三日月型の刃を、最低限の跳躍で越えて。

弧を描く剣を、噛み砕いて。

そして、差し出された右腕に
らいつく。

――のどがかわいた。


を補うように、ごく、ごく、と喉を鳴らして。

止まった。

遊び、駆け抜け、食らい、そして、眠る。

シャト・フィーの意思を見届け――

眼を閉じ、死の眠りに就いた。

「…ッ、直ぐに呼びますから…待っててくださいね…」

同僚の元へ駆け寄れば、もう聞こえて無いとしてもそう声を掛け、…辺りを見渡して必要な分の蘇生装置と治療ユニットを申請する。

「………お疲れ様、」

零した言葉は獣の子へも向けて。
薄らと目を潤ませて到着を待っているだろう。

「……死者は何人だ?対象のU-926シャト・フィーF-651ヴェルク、それに……サルガス看守。
 治療が必要なのは、爆風を受けていたM-606ルヘナ、……N-121ニアは必要か?
 合計蘇生三体、怪我二体。N-121は自分で行くとの事だから、申請は4つか。」

 ニア
「本当ならあいつに任せておきたい所だが、生憎奴は死んでいるからな。
 代わりと言っては何だが、俺が受けもとう」

シャト・フィーの、獣の亡骸に一言だけ呟いた。

「――俺は、止められたか?」

「終わってるゥ……?」

室内の騒ぎが止むと、本当〜〜〜に細ォくドアを開けて中を覗く……

治療ユニットが通る邪魔すぎるところ。

音が止んだ。…正確には、獣の走る足掻く音が。

「…………サルガス」
彼は今、生きているのだろうか。

痛む
体を起こそうと、床に手を添えようとして。
──嫌な音がした。…そうか。こっちは今、無いんだった。

不自由な体にため息が零れた。

「……望むものは、"
"れたのかよ……………」
彼と獣の関係性は知らない。

けれど、聞こえていたから。
聞いていたから、
あの思いを。


無駄でなければいいと、願う。

ヴェルクに頼む機械を間違える程度に焦っていたのかもしれない。

 




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