人狼物語 三日月国


174 完全RP村【crush apple〜誰の林檎が砕けたの?】

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[ゲルニカ。タイトルだけは、どこかで聞いたような絵。

その人々のもがき苦しむ姿、それがとても、見ていて辛い。

今みたいだ、の声にそちらを向くと、少し絵に近寄って、絵を見上げて目を閉じる津崎さんの姿が見えた。

今、みたい。確かに、そうなのかもしれない。

傷つけられて、もがく彼の姿。
それはこの絵に描かれた人たちと何ら変わりはないのかもしれない。

そんな思いで、目を閉じた彼を見て居ると、ふとこっちをみた。

気のせいか、と。]

…びっくりした。

[一緒にいるのに、気づいているのかと思った。]

【人】 3年生 黒崎 柚樹


―― スタッフルーム ――


 せめて、気を失っている夢の中では、
 苦しくないと良いですね。

[元々顔色が良いとは言えない人だけれど。

常より数段顔色を悪くしている松本さんをベッドに移し、室内の適当な椅子に腰掛ける。]

 ………………。

 あの。小泉さんの、パン屋さんの話。

[突然に長閑な話題を持ち出した私に、小泉さんはどんな顔になっていたんだろう。]
(60) 2022/09/12(Mon) 10:25:14

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 バスの中では言えなかったんですが……。

 可愛い、猫ちゃんのパン。
 買ってみたいな、って、思ってて。

 あれ、可愛かった……です。

[何ということもない会話。
けれどこんな事1つ伝えるのにも、"ここ"に来る前の私は躊躇していた。

そんな事すら、誰かに踏み込むのが怖くった。
"可愛い"が好きな自分を曝け出すのはもっと嫌だった。

漸く言えるようになったのに、小泉さんが焼いたそれを口にするという願いは叶わないかもしれないということは、考えたくなかった。*]
(61) 2022/09/12(Mon) 10:25:40
3年生 黒崎 柚樹は、メモを貼った。
(a23) 2022/09/12(Mon) 10:27:02

黒崎 柚樹は、?スマホ……誰の?ああ松本さんの……
(a25) 2022/09/12(Mon) 11:33:12

黒崎 柚樹は、……津崎から?(出ていいのかな、これ……)
(a26) 2022/09/12(Mon) 11:33:42

【人】 3年生 黒崎 柚樹

>>65

 ────津崎?

 黒崎だけど。

[担架で運んでいる間、松本さんのスマホが服から滑り落ちたから、スタッフルームに移動してからはベッドの脇にそれを置いていた。

着信を知らせる音 >>65 の出元をちらりと見やれば、津崎から。
ここでは"ここに居る以外の誰か"からかかって来ることないのだから、躊躇なくその応答ボタンをタップしていた。]

 松本さん……ね。
 自分で自分のお腹をナイフで刺して、倒れた。

 今、スタッフルームにいるよ。*
(70) 2022/09/12(Mon) 11:46:27
メモを貼った。

【人】 3年生 黒崎 柚樹

>>72

 うん。来てくれると嬉しい。

[きっと松本さんも、津崎の顔、見たいはず。
というか津崎、叱ってあげてよ、松本さんを。*]
(73) 2022/09/12(Mon) 11:54:45

[電話を取ったから、少し聞くのは忍びなくて、少しだけ離れたら、駆け出していった。

一瞬、びっくりして足が止まるけど。

今度は、その背中を追いかけた。

誰かのために走っているんだろう、そこに私がいてはいけないのかもしれないけれど。
それは、その場所についたとき考えればいい。

今は、ただ、津崎さんの背中を追いかけた。]

──夢──

[「起きたら」と希望的な未来ばかりを話してきたし、「死んでいたら」の話題は敢えて避けて話していた。
この夢の中にいた時から目を覚ましてからもずっと。

徹っちんと話す時は特にそうで。
それが虚勢と優しさだとは気づいて無視していた。
曖昧な「誰か」が死んだって確定した未来は、まだその確率が低いうちはそう思っていられたものがどんどん答えに近づくにつれてそんな希望を口にするのも難しくなるのだとわかってはいたのに。

自分の死の確率が上がっていく中で、徹っちんはじゅじゅに「忘れて幸せになってほしい」と言った。
それが相手の幸せだと思うから、そう考える奴なのは知ってる。

だけど、もしその信じたくない未来が確定してもじゅじゅに徹っちんのことを忘れてほしくない。

徹っちんの願いを無視してそんな風に思ってしまうのはオレの我儘だから、口には出せないけれど。

心配そうに寄り添う様子を見て、余裕なんてなかったと吐かれる弱音を聞いて、これ以上避け続けられそうにない可能性の想定に苦しくなった。]

[松本さんがぐったりと、スタッフルームのベッドの上に寝ている。
その様子を見て、そうだ、次は彼が目覚めるんだ、と何故かは分からないけど、今、このタイミングで実感した。

今こうして眠っている経緯は分からない、分からないけど。

そのぐったりとした様子を見て。

目覚めたくなかったんだと、ただ、そう思った。]

【人】 3年生 黒崎 柚樹

>>76

[そう、そういえば、スタッフルームのテーブルには津崎のスコッシュが、不思議な感じに置かれていた。

まるで陳列するように、財布とか絵はがきとか、あと、どう見ても女の子向けのハンカチ、とか >>4:207

なんでこんな風に並べてあるのかな、と思ってはいた。さほど気には留めなかったけど。]

 傷は、見てるうちにどんどん塞がった。
 今は出血してない……けど。

 でも、回数が……もう、どれだけ、って。

[シャツ見ればわかるよ、と、かけていた毛布をちらりと捲れば、ずたずたになって血濡れた──香りだけは芳醇な林檎という忌々しい──シャツが覗けると思う。*]
(78) 2022/09/12(Mon) 12:20:15
[徹っちんと先輩が話している間は、その会話を聞いていた。
どちらかが死んでしまっていることが決まっている二人。
胸中が穏やかなんてわけないと思っていたし。

ただ、先輩は。
呼ばれることを恐れている側だった。
やたら冷静なことに違和感はあったけど、だからって死にたいと思っているなんて。
何も知らないのは先輩がうまく隠してたからなんだろうけど。
そのことを知る人はいたんだろうか。
なんとなく、いない気がした。
先輩は周りのことばかり気にかけていたから。

先輩と会話を終えてからどこかへ歩き出す徹っちんの後は追わず、じゅじゅが寄り添って歩いていくのを見送る。

観たいと言われてオレが嫌な顔した、あの絵。
名もない人の目で見た景色を閉じ込めた作品。
此処にいるうちに一緒に観ればよかったなって何故か思い出していた。
ここから去る前、一緒に観に行くかと少し考えはしたんだけど。
あの時泣いてしまったら、絵のせいだとしても、なんか、最後の別れみたいになりそうで嫌だったんだった。]

[それから、慟哭がどこかから聞こえて。
先輩が駆け出して、その後を追った。

蹲るまつもっちゃんと、悲痛な声をかけているくっきーがいて。
先輩が取り乱す声を聞いて、漸く、ああ、死のうとしたのかって理解する。

オムライス作る人になるから食いにこいよっ言ってたこと。
生きてたら、矛盾抱えてても生きるってミサミサに言ってたのを思い出して。
だけど、どうして、とは思わなかった。

「みんなに幸せになってほしい」ってまつもっちゃんの願いは、この人が生きることと同時には成り立たないってわかっていたから。

徹っちんや先輩の二人だけ残して還るなんてきっとしたくなかったに違いないから。

スタッフルームに運ばれて、深く眠っているようなまつもっちゃんの顔を見つめる。

生きててよかったって思うのに、それを喜んで良い気がしなくて。

二人で話をしたいと徹っちんが言ったら、なんだかその場にはいてはいけない気がしたから、オレはその場からは立ち去るだろうけど。]

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[小泉さんも、顔色が悪かった。 >>79]

 ……はい。

[厨房に籠もる、の声に小さく頷いて、重い足取りで去って行く小泉さんを見送って。]

 ────わかった。

[津崎の声 >>82 に、私も腰を上げた。

同じタイミングで上衣を着替えた2人。

新しい傷はないのに出血が止まらない津崎。
自ら腹を裂こうとまでした松本さん。

きっと2人にしか通じない"何か"があるのは、解ってたから。]

 松本さんをよろしくね。

[それだけ言って、私もスタッフルームを出たのだった。**]
(83) 2022/09/12(Mon) 12:44:45

 …じゅじゅは、二人のこと、見ていて、見守ってて良いんじゃないかな。

[見守っててほしい、とは押し付けてしまうみたいで言えないけど。
二人が屋上に行ってた時、真っ先に心配したじゅじゅなら、まつもっちゃんに言いたいことがあると言って伝えられていたはずの彼女ならって思ったから、そう声をかけた。]*



…そうかな、津崎さんが二人にしてほしいって言うなら、二人きりにするべきなんだと思うんだけど。

多分ね、聞いてはいけないことだと思う。
津崎さんがそういう風にいうのって、私、あんまり聞いたことがないから。

津崎さんの松本さんを想う言葉は、多分、松本さんだけのものだから。
私は、そこを覗き見して、それを奪ってはいけない。

でもね、ありがとう、トラくん。
私が津崎さんの側に居たがるって思ってくれたんだよね。多分。

話が終わったら、また私、一緒に居ようと思う。

[何を話すのか、気にならないわけではないけれども。
わざわざ二人にしてくれ、なんていうのなら、それは大切な意味のあることで。

私は、スタッフルームの外に出て、そこで話が終わるのを待っていた。]



 …そっか、そうだな。
 二人にしかわからない話もあるだろうから。

 悪い、余計な気を回した。
 話が終わったらまたそばにいてやって。

[確かに、じゅじゅと徹っちんの会話はオレも聞かなかったし、気になることでも聞くべきじゃないと思うことはある。
徹っちんが倒れていた屋上で、あの後二人が何を話していたかは知らないけれど、二人にしておこうと思ったことを思い出して。

スタッフルームから出れば、外で待つ様子のじゅじゅを残してその場を離れた。]**

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[私が松本さんについて知っている、性格以外のことといえば、1学年下だけど5歳上なこと。
死にたがりなこと。
何らかの理由でスマホの文字情報のやりとりが難しいこと。

そのくらい。

同性愛者である事は知らなかったけれど、知ったところで、「ああ、そうなんだ」という納得しか覚えなかっただろうと思う。

ほとんど言葉も交わしていないうちから私が女であると看破して、だからと言って誰に何を言うでもなく、態度を変えることもなく、ただ"どう呼べば良いか"という意味合いだけを乗せて、"黒崎ちゃん"と呼んで来た人。 >>0:75

こんななりの私に、"女の子が好きな同性愛者なんでしょ?"なんていう偏見を押しつけたりはしてこない、優しい人。

人のこと、応援したり励ましたりばかりで、俺はそういうの要らねぇのよとへらりと笑うばかりの人。

沢山のものをくれた松本さんに私も何か返したいのに、全然、ちっとも、返せていない。*]
(85) 2022/09/12(Mon) 13:38:33
【現実・病室にて】
[スタッフルームの外で、話が終わるのをじっと待っていると、突然視界が真っ暗になって、そこから徐々に意識が覚醒して、目が覚める。

横にはスケッチブックと筆記用具を持ってきてくれたお母さんがいる。
時間を見ると、まだ前回から数時間も経っていない。

トラくんにお見舞いを渡すだけでなく、わざわざ欲しいと言ったものを買ってきてくれたようだった。]

ありがとう、お母さん。
でも、あんまり怪我は酷くないから、そんなに頻繁に来なくても大丈夫だよ。
親戚の人たちにも、大丈夫って伝えておくね。

[そう言っても中々離れないお母さんに、大丈夫だと重ねて言って、病室から出ていく姿を見送る。
心から心配してくれているのが分かる、でも、本当に大丈夫だから。

私は、スケッチブックを開いた。
お見舞いに置かれていたフルーツの入った籠、その中の林檎。
見たくない気持ちはあったけれど、恐る恐る見て、そしてスケッチをする。

絵画の中の女性を、私を想ってくれた女性を考えながら筆を進めた。]

【人】 3年生 黒崎 柚樹


―― 特別展 展示室 ――


[多分一人になりたいのだろう小泉さんがいるレストラン周りに行くのは避け、何とはなしに足を向けたのは、松本さんが倒れていた特別展の展示室。

10個の林檎頭の絵が並ぶ、あの陰惨な部屋。]

 ………………。

[むせかえるような林檎の香、私たちと同じ服を着た林檎頭の肖像たち。砕けた頭の4つが誰を指しているのかなんて、一目瞭然だった。]

 ………………。

 ……?…………っ。、

[先刻、松本さんを介抱している時に、粘つくような視線を感じた気がしていた。
出元はおそらく、"私の絵"。

睨むように見つめていたら、その絵がじわりと動く気がした。]
(88) 2022/09/12(Mon) 14:29:00

【人】 3年生 黒崎 柚樹


代わってあげようか?


…………な、に……。

"あの人"の隣に居て、
"恥ずかしくない私"に
代わってあげようか?
(90) 2022/09/12(Mon) 14:29:27

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[自分の声のような。
でも違うような。

自覚よりいくらか高く、甘く舌っ足らずな風な声が絵の中の自分から聞こえ、気付けば己の絵の様相は一変していた。

それは確かに自分……なのだろうけど。

いかにも華奢で女性的な、首から肩の線。
シンプル極まりない黒いシャツは黒いブラウスに。
白パーカーはふわふわとしたカーディガンに。
肩にまで落ちている黒髪は、艶やかに緩くふわりと柔らかな弧を描いていた。

砕けた林檎に隠れた唇は、きっと私のものより数段赤く艶やかなのに違いないと、見えてもいないのに確信する。]
(91) 2022/09/12(Mon) 14:30:11

【人】 3年生 黒崎 柚樹


────そんなの、いらない。

いらなくないでしょう?
欲しいでしょう?

"これ"だったら、どこに出ても
少しも恥ずかしくない、
恋人同士になれるんだよ?

さぁ──手を、伸ばして。
(92) 2022/09/12(Mon) 14:30:48

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[その台詞、寸分違わぬものを投げかけられた人がいた >>2:184 事を、私は知らない。

工藤さんが"偽物"と入れ替わっていた事は知っていても、細かな事は何も聞いてはいなかった。
聞いていたら、そも、絵の声に耳を傾けたりはしていなかったと思うけど。

一歩踏み出し、絵に近付いて。

手を差し出したら、その手首を掴まれた。

艶やかなネイルが光る、私よりも数段細く白い指に。

そして私はそのまま引きずりこまれ────]
(93) 2022/09/12(Mon) 14:31:21

【人】 3年生 黒崎 柚樹


[────などということは、なく。

ふ、と笑う私の手は、絵の中の、崩れた林檎頭に伸びていく。

うん、頑張って引きずりこもうとしているね。
掴まれた手首に長く伸びた爪が食い込む感覚が走る。

けど、そんな貧弱な力で引っ張られて、私が動くわけ、ないじゃない。]

 要らないって言ったでしょう。
 余計なお世話。

 武藤が好きになってくれたのは、私であって、
 あんたにせものじゃない。

[掴んだ、崩れた林檎頭。
ぐ、と力を込めたら、更に崩れてぐずぐずになっていく。

ぎいいいい、と、悲鳴とも不協和音ともつかない音が絵から溢れてきて。]
(94) 2022/09/12(Mon) 14:32:34

【人】 3年生 黒崎 柚樹


 …………ね、どんな顔してるの。
 見せてよ。

[凶暴な衝動に駆られるまま、更に握り潰して芯まで全部砕いてやろうとしたのだけど────直後、弾き飛ばされるように私の腕は絵の外側に抜け出ていた。

眼前には、最初に見たままの、パーカーにTシャツ姿の、砕けた林檎の私の肖像。]

 …………なんだ、根性無し。

[そう告げ背を向け歩き出したら、砕けた林檎にせものの私へはもう振り返らない。**]
(95) 2022/09/12(Mon) 14:34:53
──現実・病院──

[寝たり起きたり繰り返している合間、少し前にじゅじゅのかーちゃんが来た。
お返しにともらったチョコレート菓子の箱はどう考えても梅しばの10倍以上の値段の代物だったので面食らったけれど。
三人一緒にいるのが良いと夢の中で言われたことを思い出せば、一人で食うには勿体なさそうなそれをありがたく受け取っておいた。

足の怪我のためか本人は会いには来られないらしい。
じゃあこっちから行こうかと思ったけど、おそらく歓迎されていないことは雰囲気から察せられたのでやめておく。

いかにも箱入り娘って感じだもんな、という感想が浮かぶ。
うちはといえば親が必要な日用品とか着替え持ってきた以外は、
まるで健康体なバカ息子の心配をして損したと呆れて帰ったきりなのもあり。
病室覗いた時も、売ってるの見たことあるけど買う機会まずないシリーズの果物バスケットとかあったし。
病弱な娘とはその辺の扱いは家族間でも違いそうだ。]

[それに自分の容姿を鑑みれば、親には悪い虫を警戒されるのも無理のないことだろう。
撤っちんも大概歓迎されないだろうなと頭の片隅で考えて。
こんな状況下でなければ、海外行くならついでに攫っちゃえば良いのになんてまた無責任なことを言えただろうけど。

まあでもその程度の訝し気な視線はどうってことはなかった。

戻ってこられない一人の価値を知っていて、その人を大事に思っている相手から不公平だと恨まれることを考えたら、余程。
その一人がどちらであってもその価値を知ってる故に、受け止めなければいけないことなんだろうとは、まだ覚悟ができていない。]**

+27
[筆を徐々に進めて、絵の中の林檎も少しずつ形になっていく。

線は綺麗じゃないし、陰影も上手く捉えられているとは思えない。でも、私は描いた。

やがて、一枚のスケッチが出来上がる。
がむしゃらに描いただけの、少し歪な林檎。
中学やら高校やらの美術の評定は悪くなかったけど、お世辞にも上手いとはいえないその絵。

それでも私は、その絵を捨てなかった。

私が彼女を想って描いた絵。
どんなに下手でも、そこには彼女の思い出と私の想いが詰まっているのだから。

もう一度描きたくなるまでは、これでいい。

そのスケッチを枕元に置いて、事故に遭ったとき持っていた鞄の中からカモイレイの絵葉書を出して、それもスケッチブックに添える。目が覚めたら一番に見えるように。

私を想ってくれた人たちのことを、一番に想えるように。]


[私が選んだのは津崎さんだった。
津崎さんを選ぶために、私は絵画の女性を、工藤さんを犠牲にした。
だから私は津崎さんに好きということが伝えられたのだと思っている。
彼女からもらった勇気や機会を全て生かせたわけではないけれど。

一番に想えるように、といっても、好意を受けたどちらも一番なんてことは言わない。
これは、私が生きてほしいと願う人と、私の背中を命を懸けて押してくれた人の欠片。

選んだ、選ばないの差はあったけれど、この二つは私にとって凄く大切なものだから。
だから、側に置いておきたい。受けた想いを。

その想いを抱いて生きていきたい。]

[それから先に目覚めたトラくん以外の人たちのことを考えた。

トラくんは歩き回っていたけど、みこさんや香坂さんは大丈夫なのだろうか。
命に別状がないだけで、自分のように骨折していたりするのかもしれない。

あまり痛い思いをしていなければいいけど、なんて思いながら、私はお見舞いに行くか悩んでいた。
入れ替わり立ち替わりで、私の様子を見に来てくれる優しい親族。

その人たちの目を盗んで、果たして動けるだろうか。

とりあえず、生還したはずの人たちに怪我の様子を聞いてみる。
大事はない、なんていっても、やっぱり気になったから。]

メモを貼った。

 




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