【人】 苗床環者 メディウム− 植物園・大樹の下で − [夢を見ていた。 遠い記憶の底に沈んでいた日々の夢を。 『母』は深く愛情を注いでくれた。まだ産まれたばかりの己に、ありったけ。慈しみ、包んでくれた。それをするのが当然であるとばかりに。そして注ぎきって、彼女は世界から去った。 『父』は愛情の使い方を教えてくれた。己に注がれたものを丁寧に解いて、注ぎ方を学んだ。己はそれを還そうとした、拙くとも応えられるようにと。しかし彼は己では満たせなかったのだろう。気がつけば遠くへと去ってしまった。 …………残された己は、無力を呪った。] (239) 2023/11/25(Sat) 16:13:38 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>215 微睡の合間に、ぼんやりと意識が浮上する。己は今、誰かの腕の中に在る。霞んだ視界に映る輪郭は、男性のものだろうか。ひょっとしたら、『父』が帰ってきてくれたのかもしれない……何故かそんな事を思ってしまった。 そっと輪郭に手を伸ばして、その頬を両手で包む。] (240) 2023/11/25(Sat) 16:16:03 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>215 青年の元へやってくる、2人の影。頭部がフラスコになった背の高い人物と、頭部が水槽になった体格のいい人物……研究員のインビトロとビオトである。 「こんばんは、お客様。 こんな所にいたんですね、メディウム。そろそろ消灯時間ですよ。…………駄目ですね、ぐっすり眠っています。」 フラスコ頭、インビトロから声が発せられる。柔らかな女声である。 「お客様〜居心地はどうですか〜?いやいや、ウチのメディウムと仲良くしてくれてありがとうね!」 水槽頭、ビオトからも声が発せられる。快活そうな男声である。 「そろそろ消灯時間ですので、お客様も戻って頂けるとありがたいですわ。その子は、私たちが部屋まで運びます。」 揺れるフラスコが優しく告げる。 「消灯つっても完全に真っ暗にはしないから、院内を散歩してても大丈夫だよ〜オレらもまだ起きてるし。」 揺れる水槽の脳が明るく告げる。] (243) 2023/11/25(Sat) 16:42:29 |
【人】 苗床環者 メディウム[「それにしても……うふふ、まるで恋人同士のように寄り添っていましたのね。」 「まるでオレたちみたいだな!」 「もう、ビオトったらやめなさい。」 冗談混じりで投げられたその言葉は、少女には聴こえていない。けれど、青年の方には伝わっているだろう。 「では、私たちはこれで失礼します。お客様はごゆっくりお過ごしくださいね。」 「またな!」 水槽頭が少女を抱え、フラスコ頭と共に去っていく。後には、樹木の青年だけが残されていた。]* (244) 2023/11/25(Sat) 16:44:44 |
【人】 苗床環者 メディウム[1人になった青年の所へやってくる影が一つ。 「雷恩!こんな所にいたのね!」 朱色の髪を持つ、何故か女性口調の男性型AI……創世員・重陽である。 「そろそろ戻らないと、直ちゃん達が心配するわよ。桜花も、待ってるはず。」 親しげに告げる。彼も青年とは古い付き合いであるから。 「……どうしたの?惚けた顔をして……何か悪いモノでも吸収した?ウイルスは検出されてないけど。さ、戻りましょ。直ちゃんと羅生がよろしくやってないといいんだけどねぇ〜……いや、最近は桜花も混ざりそうな勢いよね……ベッタリしちゃって妬けるわぁ。」 そう言って、重陽は雷恩を彼らの居住区まで連れていく。青年の変化には気がつかないまま。]** (245) 2023/11/25(Sat) 16:47:18 |
苗床環者 メディウムは、メモを貼った。 (a82) 2023/11/25(Sat) 16:53:34 |
寿ホ儀 直青は、メモを貼った。 (a83) 2023/11/25(Sat) 16:58:36 |
巫凪 桜花は、メモを貼った。 (a84) 2023/11/25(Sat) 17:22:50 |
言ト霊 羅生は、メモを貼った。 (a85) 2023/11/25(Sat) 17:33:45 |
【人】 苗床環者 メディウム− 自室 − [客人たちと交流する日々が続くのが日常になってきた、ある日。 忘れそうになってしまうけれど、彼らもいつかはこの場所を去ってしまうのだ。それなのに、僕は、 冷蔵保管庫から先日渡された赤い果実を取り出す。まだツヤツヤとしているそれを還元するため、『楽園』へと足を運ぶ事にする。 …………結局、自分では食べることができなそうだから。大地へと還そう。置いておけば、近くにいる動物が食べてくれるはず。]** (246) 2023/11/25(Sat) 17:46:29 |
苗床環者 メディウムは、メモを貼った。 (a86) 2023/11/25(Sat) 17:48:46 |
【人】 蕃神 雷恩[微睡む君は、どんな夢を見ているのだろう。>>242 ――夢。己はみたことのないもの。 植物の割合が多いからなのか。 それとも、見ることを拒絶しているのか。 何方にせよ、躰は睡眠をとることはあっても 何処か意識は、覚醒していた。 植物は睡眠をとることはない。 明暗に反応する就眠現象 或いは傾性と呼ばれる日照や温度への反応での花弁の開閉など 同じ運動を繰り返す現象はあるけれど。 旧人類の植物生理学会という学会での研究結果では そうである、らしい。 体を休めることはあっても 意識は沈むことはなく。 ずっと、ずっと、ずっと、ずっと ――ずっと、考え続けている。 色々なことを。色々な経験を思い起こしている。 傷ついたこと、嬉しかったこと。 そういった感情を最近自覚したことで それを思索することが増えた。 彼女が意識を飛ばしている際に、抱きかかえながら 己は常のように思考を巡らせていた、ところ>>243] (247) 2023/11/25(Sat) 19:51:27 |
【人】 蕃神 雷恩……あなた方は。確か新人類、の。 [やってきたのは背の高い人物。そして恰幅の良い人物。 何方も「水」を頭部に抱える者。 ところで、脳はどこにあるのだろう。植物のように必要のないのかもしれない。 などと、顔を見るたび考えていたりする。] 夜。そうか、もうそのような時間か。 ここの空気も、大地も心地良いよ。 ――あなたたちは。とても互いが親しいのだね。 [そして、彼らがメディウムを思い、発する言葉はあたたかく この研究所の新人類たちの仲の良さがうかがえた。 そろそろ消灯時間ということだし、 抱きかかえていた彼女を彼らに、渡す。 ビオトがいうには、完全には消灯しないらしいから 自分が部屋に帰るのに真っ暗闇ということはないのだろう。] (248) 2023/11/25(Sat) 19:52:01 |
【人】 蕃神 雷恩[とはいえ、なんとなしにこの場から すぐに立ち去るのもなと再び根を伸ばそうとして ――重陽に見つかった。 つい、おかあさんごめんなさい。といいそうになるのは 彼女の口調の所為だろう。 ……彼女と定義してよいのだろうか。彼のほうが良いのだろうか。 謎は尽きない。] ……直青達が心配するのか。 重陽もか? そうなら、帰らなければならないな。 [別に惚けていることはなかったのだが というより凪いだ様子で根を張るのはいつも通りなので そんなことはない、と一度首を横に振った後。 どうも、羅生と直青と桜花ら3人で 何かを行っているのだということを知る。 なるほど、俺は邪魔者にはなるまい。 己は彼に連れ添われ、居住区まで歩きながら心の内で誓う。 己は、気遣いを覚えたのであった。*] (250) 2023/11/25(Sat) 19:52:34 |
蕃神 雷恩は、メモを貼った。 (a87) 2023/11/25(Sat) 19:54:17 |
寿ホ儀 直青は、メモを貼った。 (a88) 2023/11/25(Sat) 20:00:48 |
蕃神 雷恩は、メモを貼った。 (a89) 2023/11/25(Sat) 20:07:10 |
巫凪 桜花は、メモを貼った。 (a90) 2023/11/25(Sat) 20:09:49 |
蕃神 雷恩は、メモを貼った。 (a91) 2023/11/25(Sat) 20:22:45 |
【人】 巫凪 桜花[眼下へと差し出された果実>>206 己の力を行使して成長を促し、瞬く間に実らせたそれは、 そうして築かれた庭には、不似合いな存在に思えて] ああ、それは。 …君の庭に、無粋なことをしたね。 [問う声に、自分のしたことだと暗に告げ。 伸ばした指先で果実の丸みを頂から麓まで辿り、手遊ぶ] でも、俺にとっては。 これも、遊びみたいなものなのかも知れないな。 この子に触れて、擽って。 俺を受け容れてもらうのは、愉しかった。 [己と根を同じくするものの深くに触れて、 生命の形を詳らかに識り。 受け容れて、と真摯に囁く。 元は同種と交歓する悦びを、此処で得た] (252) 2023/11/25(Sat) 20:30:50 |
【人】 苗床環者 メディウム− 『楽園』のどこか − [赤い果実を抱えて、適当に果実食の獣が多い場所へ向かう。たしかこの辺りだったら何種類かいたような……と考えながら。] …………。 [リヒトが管理するこの『楽園』は、いつだって穏やかに美しく存在している。外の世界のことは詳しく無いけれど。過酷らしいあちらから見れば、ここはまさしく『楽園』なのだろう。 そんな世界にいる僕は ] (254) 2023/11/25(Sat) 20:42:27 |
【人】 苗床環者 メディウム…………ぐっ!? [突如、全身を鋭い痛みが襲う。ああ、いつものやつ。僕が僕である限り、縁が切れそうもない苦痛。“これ”が根差す限りは、逃れられない苦痛。 薬を飲めばすぐに治るから、と持ち歩いている常備薬入れから痛み止めを取り出そうとして、 ーーーー中身が空である事を確認した。] (255) 2023/11/25(Sat) 20:43:07 |
【人】 苗床環者 メディウム[なんで、空っぽ?と疑問がよぎったが、そういえば前に全部飲んじゃったんだった。 今朝は色々あって定期検診の時間がずれ込んで、「今日の検査は夜にしましょう」と言われたから。切らした薬の補充もできなかった。 その場で蹲って、身悶えする。 苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい 呼吸も脈拍も乱れ切り身動きが取れない。 痛い痛い痛い痛い痛い このまま誰かに見つけてもらうまでずっとこのまま?] …………た、すけ、て、 …………雷恩。 [名前を呼んでしまった、何故か博士たちではなく、彼の名を。来てくれるかなんて分からないのに。]* (256) 2023/11/25(Sat) 20:43:51 |
苗床環者 メディウムは、メモを貼った。 (a92) 2023/11/25(Sat) 20:46:41 |
【人】 巫凪 桜花―楽園・緋雁と― [何気ない相槌を、二度繰り返す彼>>232 どこか、彼も腑に落ちるようだと思った。 『歩んで来た道に胸を張れるのは、いいことだと思う』 そう伝えてくれる彼らこそが、自分にとっての指針だ>>233] 緋雁が、そう言ってくれることの方が。 知らない誰かが決めた基準で、正しいと認められるよりも。 俺にとっては、嬉しいことだよ。 [こうして肩を並べ、共に在っても。 彼とは、聳える種の壁に隔てられている。 同じ感覚を分かち合えずとも、 壁に頬寄せ耳を押し当てるように、彼の言葉に耳をそばだてる。 続いた言葉には、少しだけ。 その理想の上にあったかも知れない世界に思いを馳せて、 頷いた*] (257) 2023/11/25(Sat) 20:54:45 |
言ト霊 羅生は、メモを貼った。 (a93) 2023/11/25(Sat) 20:55:47 |
【人】 蕃神 雷恩 メディウム。 [名を、呼んで近づく。 そっと手を伸ばし、背をさすりながらゆるく、枝葉を伸ばした。 ――その苦痛を、和らげて 快楽に変える方法は、以前におこなっているから。 そうすれば多少熱は残れど、息はできよう*] (259) 2023/11/25(Sat) 21:03:28 |
【人】 巫凪 桜花 ―楽園― [立ち去る緋雁の背中が、 花々の鮮やかな色彩に溶け込むまで見送った。 すっと深く息を吸い込んで、唇を解く。 今度は、あの時とは違う理由で] ―――雷恩。 雷恩! [そう遠くない場所にずっと感じていた、彼の気配。 楽園を巡る大気を震わせて、叫ぶ。 呼ぶ音を追いかけるように、足を早めて彼の元へと*] (260) 2023/11/25(Sat) 21:05:02 |
巫凪 桜花は、メモを貼った。 (a94) 2023/11/25(Sat) 21:10:25 |
巫凪 桜花は、メモを貼った。 (a95) 2023/11/25(Sat) 21:12:24 |
【人】 機才博士 ウキクサ[ 機械にも" お守り "というものが必要とは。>>184 通常それは心がある生き物に特有の文化であり、 博士は少しばかり面白そうな目でその個体を見た。 日が経ち冷静にでもなったらしい。 否、お守りを引っ提げた時点で完全に冷静ではないのか。 彼にとって、己の中のなんらかが揺れた時、 システムではなくお守りがセーフティに成り得るなら ──その構造は非常に人に似ている。 ] 同族殺しの最中に自死をも厭わなかったのか、 自死のために同族を連れ立ちたかったのか…… いずれにせよ、自殺とはいえるでしょうね。 [ 自分の命も顧みぬなら、それは自殺と呼んでいい。 ひとりで己を傷付け死ぬのか、 殲滅されるひとりとして死ぬのかの違いだ。 ] (261) 2023/11/25(Sat) 21:14:30 |
【人】 機才博士 ウキクサ………………なるほど。 貴方の設計者を貴方が殺したということは、 特定の人物に対するセーフティーロックも無いのですね。 能動的な自殺か、受動的な自殺か。 或いはもっと別の── 己の命すら研究の完成パーツとする思考ゆえか。 どちらにせよ、自殺の意識があるかはともかく そうですね……貴方の仰る通りかと。 [ やっと正しく動いたな、が最期の言葉なら>>185 研究者にとって彼の完成は喜ばしいことだったのだろう ────そして、そこがきっと頂点だ。 通過点ではなく終点。 生み出した個体がその後どうなるかを見る道を選ばず 己の道を閉ざす、というのは。 ] (262) 2023/11/25(Sat) 21:14:35 |
【人】 機才博士 ウキクサそれで。 貴方は己に刻まれた使命を、存在意義を " 正しく動く "ことで果たしたなら 貴方はそれを、嬉しいと思うことはあるのですか? [ 博士が気になるのは、 彼がわざわざお守りを携えてまで " 人の自殺 "について訊いてきたことだ。 いうなれば親のような存在の、 遠回しな自殺に思うところでもあるのだろうか。 興味を探るように、博士は首を傾げた。* ] (263) 2023/11/25(Sat) 21:14:41 |
蕃神 雷恩は、メモを貼った。 (a96) 2023/11/25(Sat) 21:17:39 |
巫凪 桜花は、メモを貼った。 (a97) 2023/11/25(Sat) 21:20:30 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>258>>259 …………声が、した。 望んでいた、声が。] …………は、 [少しづつ和らいでいく苦痛に、呼吸が安定していく。ようやく普通に起き上がれる程度に落ち着いたなら。その姿を見るなり言うのだろう。] …………どうして、 どうして助けたりなんか、したの………… [呼んだのは僕自身だったのに。]* (265) 2023/11/25(Sat) 21:22:43 |
苗床環者 メディウムは、メモを貼った。 (a98) 2023/11/25(Sat) 21:24:25 |
寿ホ儀 直青は、メモを貼った。 (a99) 2023/11/25(Sat) 21:26:16 |
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