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【人】 部隊長 シュゼット[……まあ、でも。ずっと黙ってるのもと思ったし 指摘された彼女の反応も見たくって。 動けないまま、笑いながら言ってあげる。] あのね。ルーク。 顔を隠してるところ、悪いんだけど。 ……尻尾。凄い、嬉しそう。 [僕に意地悪したくなるルークの気持ちが なんだかようやく、わかった気がする。] (268) 2020/05/30(Sat) 16:03:12 |
【人】 部隊長 シュゼット[戦場となっている外からは、 まだ戦いの音が聞こえていたけれど。 戦況は悪くはなっていないようだった。 一応、襟元に無線はついているが、僕のは近距離用だ。 第一攻撃部隊達の通信はここでは拾うことが出来ず、 心配ではあったから…… 外の機獣の攻撃音が少なくなってきてるのを兎耳が拾えば 窓の方を見上げて、安堵した。] ほんとは、僕が。 ルークを医務室まで運んで、って できればよかったんだけど 動けそうになくて……こればかりは、ごめん。 [>>201的確に、ペンギンに指示を出すルーク。 救急キットも、義足も到着したとして ここから医務室へ、僕はどうやって運ばれるのだろう。 そのときは、ルークは運ぶ役にはならないで 白い尻尾を揺らしながら医務室へと先導して歩き。 その後ろを大勢のペンギン達が担架替わりになり、 ペンギンの上に担がれて運ばれる ……なんていうのを想像してしまって。 もしそうなったらこれから暫くは、僕もルークも 部隊の子達からネタにされそうだなあなんて思い。 少し、笑う。] (269) 2020/05/30(Sat) 16:06:15 |
【人】 部隊長 シュゼット[……段々と、瞼が重くなってくる。 さっきまでいた、水底での深い眠りではなく。 また起きたら僕は僕のまま目覚めることが出来る、 普通で、それが僕にとっては大切な、眠りだ。 ―――さっき目覚めてからは、もう。 ここ最近ずっと僕に付きまとっていた、 起床後の頭痛はさっぱり無くなっていた。 だから、今度も大丈夫。 もう、妙な夢も見ないし頭痛もしないだろう。 そんな確信からくる安心でうとうととしていれば。 頭が持ち上げられ、柔らかくて温かなものが差し込まれる。] 綿菓子みたいにふわふわで、あったかい。 ……すぐ、寝ちゃいそうだ。 [頭を包み込む柔らかさは酷く心地よい。 ほんとは、もう少しルークと話していたかった。 でも、もう体力は限界のようだったし、 久々の、記憶の夢を見ない眠りへの誘いが ルークの尻尾枕だというのは、とても嬉しかったから。 このまま寝てしまえたらさぞ気持ちいいだろうと。 そう思いながらも……寝落ちる際に、最後。 尻尾枕をしてくれる前に話してくれたこと。 その時は、僕は頷いて聞くだけだったけれど。 少し、僕からも話しておきたくて。>>203] (271) 2020/05/30(Sat) 16:12:00 |
【人】 部隊長 シュゼット 僕は……正直、駄目だと思った。 でも。深い水の中……夢のような場所で 僕が全てを忘れそうになった時に ルークの手の温度が、伝わって来たんだ。 君が、僕に話しかけてくれた全てが、 ……ううん。今だけじゃない。 これまでに、言ってくれた、してくれた全てが 僕を、今この場所に引き戻してくれた。 今。一緒にいられるのが。 僕も、幸せなんだ。 だから、これからも―――僕と、一緒に。 [一緒に居て欲しいと。 口はそう言いかけた形のまま、 ふわふわの枕に抗えず、僕は眠りへと落ちた。 寝顔は夢やこれからへの不安などなく、安らかに。] (272) 2020/05/30(Sat) 16:12:45 |
【人】 部隊長 シュゼット― 医務室 ― [僕が次に目を覚ましたのは医務室だった。 ……とはいえ、ここはいつもの医務室ではない。 今回の一斉攻撃を乗り切れたのは喜ばしいが、 この戦いはいつも以上の負傷者を産んだ。 基地の医務室一つでは賄えず、 空き部屋に簡易ベッドを追加でこしらえて、 臨時の医務室を何部屋も作ったようで。 今、僕は、そのうちの一つに入れられている。 ……と。いう説明を、そこにいた軍医に聞いた。が。 目覚めてから僕はもうそれどころではない。 話される内容なんて、全然頭に入らなくて。 ある程度体が動くようになっているのをいいことに 軍医が僕のベッドから離れた瞬間、 ばふんっ!と、布団を頭から被って丸まった。] (273) 2020/05/30(Sat) 16:13:24 |
【人】 部隊長 シュゼット (――――ッ!!! ぼ、ぼ、僕は、なんてことを…!! えっ、夢じゃない?夢じゃないよな?? だって、ルークと、その、あんな、 いやいや、嫌なんてこと全くなくて、 嬉しいんだけど!!!!! そうなれたらいいなって! 思ってたりも、したけど!!! で、でも!!心の準備が!!!! ) (274) 2020/05/30(Sat) 16:13:48 |
【人】 部隊長 シュゼット[起きた瞬間から、ルークを助けてから、 彼女の尻尾を枕にして寝てしまうまでのことを 何回も何回も思い出してしまって。 触れあった唇の感触とか! 想いが通じ合ったのはいいけど、 あんなストレートな言葉で言ってしまったとか! 髪や尻尾だけじゃなく、顔を真っ赤っかにした兎は 顔を隠すので必死だったらしく。 ……布団で隠せているのは、 まるまった兎の、おなかから上の部分だけ。 ベッドの下の方から見ればズボンも靴下も丸見えで。 丸くて赤い尻尾がふわふわと見えて、揺れていた。]* (275) 2020/05/30(Sat) 16:15:03 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――僕が、布団の中で丸まってる間。 僕と同じように負傷して手当を受けている兵士たちの 話し声が、ベッド同士をカーテンで仕切った、 僕の隣のベッドの方から聞こえてくる。 第一攻撃隊の隊長が、基地内部に侵入した蛇型を 義手の光線の一撃で仕留めたことを 人伝いの噂で聞いて、興奮気味に語る声がする。 >>284僕が医務室に運ばれて来た状況は噂になっていて ペンギン達を手懐けることがピンチを打開する秘訣だとか あのペンギン型端末達と仲良くなるためには、 彼らが喜ぶ甘いお菓子を献上しなければならないだとか。 ペンギンと仲良くなる方法を一番よく知っているのは 軍医の、あの"葬儀屋"なのだとか。 ] (やっぱりペンギンに僕は運ばれたのか……) [基地内のペンギンの扱いが良くなりそうなのは 喜ばしい事態ではあるのだけども。 これは後で、僕の部隊の子達に捕まった暁には、 相当な質問攻めにあうことになるかもしれない。 色々覚悟しておかないと、と。内心ため息。 葬儀屋とまだ呼び続ける声には文句も返したくなったが 葬儀屋の治療は思っていたより悪くなかった、 と、話が続いて。今は許すことにした。] (297) 2020/05/31(Sun) 2:52:31 |
【人】 部隊長 シュゼット[やってきた機獣の全てを倒せたのは本当らしく、 死傷者ゼロ……とはいかなかったが、 僕の部隊の兵士含め、被害は最小限に抑えられたらしい。 そのことに安心したのもつかの間。 >>252もうひとつ、噂が聞こえてきて 布団の中に埋もれた耳がぴくりと動く。] (……"交渉"か。 総司令も流石に、防戦一方のままでいいとは 考えることはない……か。) [>>251機密として扱われている話もまだあるようで 地下世界の住民たちが元々地上世界の人によって 作られた存在であることまでは、 この医務室では聞こえてこなかった。 ……でも。 この世界に来る前のいくつかの記憶は 本当に忘れてしまったまま思い出せてないけれど。 地上の人達の目的と。 地下世界の、耳と尻尾を持つ種族については 少しだけ、話を聞いたことがあった。] (298) 2020/05/31(Sun) 2:53:55 |
【人】 部隊長 シュゼット[もう住めなくなってしまった地上世界の代わりに、 地上の人達は、地下へと進出することを決めたらしい。 広大な地下空洞は、人が移り住める程には広く、 地下でしか育たない植物や動物なども既に生息していた。 しかし、大気の状態や、日光がない環境から。 地上の人達が適応できる環境ではなかった。 ……そこで。 環境の変化に強く生きられるような種族を、 かつて、地上に多く生息していた動物達をモデルに、 自分たちの遺伝子を掛け合わせて、作ったのだという。 大地の開拓は彼らが作った生物たちに任せて。 地下の空気の浄化と状況の観測は、 僕たちが『太陽』と呼ぶ、地下天井に浮かんでいる 太陽光の役目を持つ機器が行った。 それは、地上程の空間の浄化は行えないが、 地上よりも空気の量が少ない地下なら時間をかければ 地上の人間が住めるぐらいまで大気の状態を変えられるような 機能が備わっていた。] (299) 2020/05/31(Sun) 3:02:13 |
【人】 部隊長 シュゼット[自分たちが住むのに良い環境になったから 最初に地下に放った生物達は用済みになった。 だが、組み込んでおいた、ナノマシンは不発に終わる。 ……そこで、作られたのが僕だった。 地下への攻撃の際まで使える状況だったなら 攻撃にも参加できるよう戦闘力を高く持たせた、最新型。 でも、戦闘能力以外の、環境適応力などは、 地下世界の生物達と同じに作ったらしい。 ……まず、僕には。 そのナノマシンの投与と、作用実験が行われた。 ―――結果は、今の状況を見てわかる通りだ。 地上の人類によって作られた僕達新人類は、 製作者たちが思っていたよりも、丈夫だった。 僕には、ナノマシンを含めた、 毒のようなものは一切効かなかった。 これは地上人のだれも予測できなかった事態だったようで 地下世界を攻撃するのに反対の人達も居たらしく、 もう少し世界を調査するべきだという意見に押され。 とりあえず、今後の方針が固まるまでの短い間。 どんなに汚染された環境でも生きられる僕が 世界の各地点を調査することになったんだ。 あらゆる場所を見ることが出来たわけじゃなかったから もう少し調べられたならという後悔が……今はある。] (300) 2020/05/31(Sun) 3:05:33 |
【人】 部隊長 シュゼット[後悔と言えば、僕が作った人達が言っていた、 地下の人達は言葉も通じない"敵"だと、 そっちにもっと疑問を持てたなら…… もっと、地下と地上の状況は変わったのだろうか。] (301) 2020/05/31(Sun) 3:05:49 |
【人】 部隊長 シュゼット[『岩盤の上の世界も一枚岩ではない』のは確かだ。>>252 それならば。交渉に向いているのは、 上の世界も下の世界も知っている、僕が良いんじゃないか? 僕は交渉事なんて向いてないと思っているし、 緊張と不安でまた穴に潜りたくなっちゃうと思うけど。 でも…………] ……ひゃあっ! [僕は考え事に集中していて、 近づいてくる気配に全く気付いていなかった。 >>287もぞもぞと足元から這い上がってくる感触が 足から背中までをぞわりとかけ上がってきて、 裏返ったような声が出る。 なんだなんだと顔のあたりにひっついてきた もふもふの何かの方を見てみれば。 それはもう嬉しそうな眼差しで、 僕の方を見るペンギンと目が合って。 ぱち、と。瞬き。 ―――その瞬間。 ルークの声がして、一気に布団が剥がされた。] (302) 2020/05/31(Sun) 3:06:48 |
【人】 部隊長 シュゼット[折角落ち着いてきたって言うのに、 ルークの顔がこんなに近くにあるんだ。 また一気に顔が赤くなるのも当然というもの。] わぁっ!!! る、る、ルーク…!!! あー、ええっと、体は、 例によって、右腕がまた動かないけど、 この感じ、いつもと同じだから大丈夫……! 抵抗は、し、しないけど、 その、苦いのは…… [何を聞きたがってるのかはすぐわかってしまい、 ううう、と小さく唸って。しどろもどろ。 ちらちらとルークを見ても、見逃して貰える筈も無い。 よく見ると、ルークも少し顔が赤い気がする。 言わないのも彼女に悪い気もしたし。 ……言っておかないとな、と。 僕も思ってはいた。から。 ] (303) 2020/05/31(Sun) 3:09:51 |
【人】 部隊長 シュゼット あー、えっと、 ……もう少し、屈んでくれれば……言う、よ。 [ごにょごにょと、そうお願いすれば。 ルークは少し頭の位置を下げてくれるだろうか。 彼女の耳がよく見えるようになったなら。 (もしフードを被っていたら、優しく外して) ふわふわのそれを、左手で撫で。 まだ赤みを残した顔のまま、 真っ白な耳毛に唇が触れるほど近づいて、言うんだ。] (304) 2020/05/31(Sun) 3:10:32 |
【人】 部隊長 シュゼット[ルークとの会話が落ち着いた頃に。 さっき聞いた噂が気になって、彼女に聞くだろう。] そういえば……総司令が、 地上との"交渉"役を、基地の人員から選ぶ、って そんな噂を聞いたけど……本当? [隣のベッドの方を見て、兎耳を揺らして首を傾げ。 言ってしまおうかどうか、どうしようと。 悩みながら、お腹のあたりに居るままのペンギンを もふもふと撫でる。] もし本当なら…………そうだ。 ……ルーク。タブレット、見てくれた? [そういえば、戦いの前に、 地上に行くことを考えているという相談を書いて、 タブレットを渡していたことを思い出す。 >>288さっきまで近くにいるルークのことばかりで、 心臓はどきどきしっぱなしで他のことには気が回らず。 枕元にタブレットが置いてあることも、 僕はまだ気づいていない。 まさか、もう、とっくに読み終えられていて。 返事まで書かれている物がここにあるなんて。 あの戦闘から数日経っていることもまだ知らない僕は、 予想もしちゃいなかった。]** (305) 2020/05/31(Sun) 3:14:01 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――さて。話が"地上との交渉"に及べば、 ベッドに上体を起こした体制のまま、 少し背筋を伸ばして、真剣に聞く。 ……しかし、その間も。 僕の布団とお腹に挟まった位置に居座ったペンギンは いつの間にやら装備させてもらったのやら、 身に着けたポシェットからとりだしたお菓子を 僕に、おやつを渡そうと、きらきらした目で渡してくる。 結局この子のつぶらな瞳に耐え切れず、根負けして。 おやつを食べながら話を聞くことになっただろう。 (おやつには誰が入れたのか苺味の飴も入っていて それを見つけた僕は久しぶりの好物に、 ペンギンに負けないぐらい、目を輝かせてしまった)] (354) 2020/05/31(Sun) 20:27:48 |
【人】 部隊長 シュゼット[>>335ルークからの答えは予想通りだったけど こうして言葉にされると現実味を帯びてくる。 でも、と。眉を下げる。] 地上に誰かを送り込む、と聞いているけど、 ……どうやって? [大きな問題は、地上へ行く方法だった。 指令室ではもうその話にもなっているのだろうか。 ルークもそこまで知っているかはわからないけれど どうしてもそれが疑問で、口に出してしまった。 >>336そうしていると、ルークから手渡されるものがある。] これは……あぁ。壊れなかったんだ。 なんだか、そんなに時間は経ってないのに 懐かしいな。 [開けてもいいか、と。そんな意を込めて >>337ルークを見れば、開けるよう促される。 しかし当の僕はというと、 うげぇ、と顔を歪ませて枕の方へ後ずさり。 ……そのまま、すぐに開ける運びとならなかったのは、 あまりに嫌いすぎてタブレットのパスワードにしてしまった 僕がいつも戦闘後に飲まされている、最高に良く効く栄養剤 AME015が……目の前にあったからだ。] (355) 2020/05/31(Sun) 20:29:21 |
【人】 部隊長 シュゼット う。……そんな、なんでもないように……。 し、しかも、水なしで……!? わかっ、た。飲みながら、読む……! [本当はなるべく飲みたくない苦い薬だけど 早く体力を戻さないとという意見ももっともだ。 それに、ルークも飲んだんだ、僕も覚悟を決めないと。 耳はぷるぷると震えながら顔の方向に巻きあがる。 薬と水を受け取ると、それを一気に飲み込んだ。 飲んだ瞬間、久しぶりの薬の苦みが僕を襲ってきて、 きゅっと瞑った目尻に、じわりと涙が浮かぶ。 今僕の顔は大体、(>x<)こんな感じだろう。] (356) 2020/05/31(Sun) 20:29:51 |
【人】 部隊長 シュゼット[ペンギンが、薬を飲んだ僕の袖をぐいぐい引っ張る。 今僕は苦さに耐えていてそれどころじゃないんだ。 それを伝えるため、目を薄く開けると、 漂ってくるのは甘い香り。 その子が僕へと差し出しているのは、 赤い色をした飲み物が入ったコップ。 受け取って……一口。] わぁ……! [すぐに苦いのが無くなるとまではいかないけど 爽やかな甘さは、疲弊した体を癒すようでもあって。 何よりも、僕の大好きな苺味だ。 苦い味はまだあるはずなのに、 もうどこかにいってしまったような気になってくる。 あまりの美味しさに、目を見開いて、瞬き一つ。 こくこくと、もう少し。……美味しい。] (357) 2020/05/31(Sun) 20:30:13 |
【人】 部隊長 シュゼット[薬を持ってきたのは、ルークだ。 コップを一度置いて。] これ、作ってくれたのはルーク? 味見は、またこの子かな。 これなら僕、苦い薬でも頑張って飲めそうだ。 どうしてもこの味ばかりは、 何度飲んでも慣れなくて、嫌だったから。 [苦笑しながら、お礼を言った。 僕も何か作れないかなあ、と思ったけど。 料理も細かい作業も苦手な僕が作るよりは、 また、美味しいものが手に入ったら、 彼女に、プレゼントしようと思った。 感情と、同じように。 人よりも味覚が欠けてしまったルークが また、美味しいと思ってくれる日が来ますように。 その手助けになりたいと、心から思うから。] (358) 2020/05/31(Sun) 20:30:29 |
【人】 部隊長 シュゼット― ????? ― [―――これは、地下に住む住民が、 地上から送り出された機獣達の総攻撃に遭ってから、 幾らかの時が経った後の話。] (369) 2020/05/31(Sun) 21:03:20 |
【人】 部隊長 シュゼット[地下にあった地上への転送装置の再稼働に成功し、 地下から地上へ、兎の青年と、狐の女性と。 あとはなぜか……飛べないペンギン端末なんかも含めて。 他何名かの交渉隊が、送られた。 そうして、僕達の交渉の結果、 地下と地上は休戦の条約を結ぶこととなる。 休戦からそのまま戦が終わる条件は、一つ。 『地上の人々が生活できそうな場所を探す』ことだった。] (370) 2020/05/31(Sun) 21:03:58 |
【人】 部隊長 シュゼット― 地上のどこかで ― [各地点の写真やら研究メモやら 地上に来てから色んなものが増えたタブレット。 僕は木陰に腰かけ、今日の分を綴っていく。 近くにルークが居れば、何を書いているか見えるようにして 尻尾が揺れれば、口元を緩ませ。 左手を伸ばして、そっと撫でた。] (371) 2020/05/31(Sun) 21:04:43 |
【人】 部隊長 シュゼット[僕は、信じているんだ。 記憶を一度無くして取り戻した僕のように。 感情を無くして、取り戻したルークのように。 地上の人々が住めなくなってしまった世界も 住める場所があって、また住めるようになるかもしれない。 飛ぶことができなくなってしまったペンギンだって きっと、飛べる日がくることだってあるだろう。 そうして。 取り戻したいものといえば、もう一つ。] ルーク。これはね、 苺みたいに甘いんだけど、苺ほど酸っぱくなくて。 水分が多いだろう。それにも甘味があるんだ。 [ルークがリンゴを食べたのを見たなら、 僕は、自分の分をひと齧りして。味を教える。 僕の近くでペンギンも一緒になってリンゴを齧り、 身振り手振りで、「おいしいよ〜!」と言いたげだ。 もし、"美味しい"という言葉がいつかルークから聞けたなら 僕はそれはもう、尻尾を揺らして喜ぶに違いない。 きっといつかその時がくると楽しみに。 何か美味しいものをルークに食べさせたときは どんな味か、なるべく詳しく教えてあげるんだ。 せめて、味がわからなくても。想像ぐらいはできるように。] (372) 2020/05/31(Sun) 21:15:45 |
【人】 部隊長 シュゼット[僕は立ち上がり、手を伸ばして。 ルークが立つ手助けをする。 一休みが終わったら、また二人と一匹で、 この一度滅んだ世界を旅するのだ。 何があっても、最後まで一緒に。 絶対に離れることはなく。] (373) 2020/05/31(Sun) 21:19:37 |
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