人狼物語 三日月国


150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】

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【人】 絶対専制君主制 コゴマ

>>a29 >>14 >>15 叶・深和
端末に入ったメッセージへは、『すぐに行く』とだけ返して。
そのほかにも舞い込むものをちらりと見て、己の軽率を多少恥じたりはした。

連絡を受けて二人のほうへとやってきたのは、
伊縫を見つけるよりかは前のことだったろう。焦燥はあれど、落ち着いていて。
まだその手も穢れのないまま。この男は平然と清廉のままであれるのだ。

誰某れに見つからないようにと抑えた足音も、指定された地点に近づく頃には平時のもの。
だから貴方がたを警戒させはしても、驚かせはしなかった、そう思う。

「……おまたせしました。こちらに居たんですね。
 探しましたよ、貴方が戻らないようなので、……なんて。
 会議室を空けていた僕が言えることではないのでしょうがね」

人の姿を見れば若干肩の力は抜け、変わらない姿を見れば安堵を覚え。
尖らせたパイプは握ったままだが、多少の心の許しはある様子で、歩み寄る。
(22) 2022/06/06(Mon) 7:58:06
コゴマは、>>a32 >>a34 ふたつの連絡を見て溜息を付いた。仕方ない。最初に勝手な真似をしたのは己だ。
(a41) 2022/06/06(Mon) 8:02:15

コゴマは、それぞれに『早く戻ってこい』と返す。ホワイトボードに刻まれたのと同じ。只の勝手な、個人的な願いだ。
(a42) 2022/06/06(Mon) 8:02:57

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+10
顔を覗き込んだ時、醜く傷つけられた面に青年は鼻白み、僅かに身を引いた。
それで貴方が傷ついたとして、どれだけ青年が気にしたかはわからない。
所詮は己の抱いた感情しか想像しえない、献身とは誰より掛け離れた人間だ。
幾許もそれを抱いていたなら、結木の体だってあの場に放置はしなかったはずだ。

「……誰にやられた」

何に、とは言わなかった。最早隣人を疑うことにためらいはない。
声を伴って返ってくることのないだろう問いかけをして、癒着した皮膚に触れる。
或いは、そう、見たこともないような痛ましさのために同情したのだろうか?
喩え医学の心得があったとしても、助からないだろうことがわかるだけだ。
普通の人間の体であれば、の話だ。

「よく生きてるな。
 ……だが会議室に戻るのは、無理……だな……」

アクセントが違えば嫌悪とも取られそうな言葉が平然と舌に乗る。
そういう男だった。言葉ほどには他人を嫌うほど、興味を持たないだけだ。
今までそう生きていた生き物は、今ある惨状をどうすべきか、わからなくなっていた。
(L18) 2022/06/06(Mon) 8:31:52
公開: 2022/06/06(Mon) 8:30:00

【人】 トラジディ フカワ

>>15 >>22 叶 古後

「……あ、古後さん……」

一人きりの足音に気づいて視線を向けたら、
メッセージで呼び出した相手が目に入って安堵。
喉から抜けるのは、なんだか疲弊、摩耗しているような声色だ。

「ええ、気分が優れなくて出たところに、
 偶然会って……ちょうど今、会議室に戻るところで。

 この状況では一人より二人、二人よりできれば三人、
 付近にいらっしゃればご一緒できれば、と。
 来ていただけたようで何よりです」

理由も理由だからパイプなんて持ってきてない。
どうにもまだ危機管理意識が足りてないなと、
内心でいつものように卑下しながら、其方へ近づく。

──古後が来た方とは真反対。
   何かが駆けるような足音も、近づいてきているような。
(23) 2022/06/06(Mon) 8:33:33

【人】 絶対専制君主制 コゴマ

>>23 深和
「ああ言った手前散開しては、意味がありませんね」

言葉の意味は自戒であって、他者に言ったわけではない、きっと。
或いは少しは、自身以外も含んだかもしれないが。
さりとて投げ捨てるような言葉は、そうは受け取られないかもしれない、そういうものだ。

「篝屋や三十三も、状況を見てそれぞれ出掛けてしまったようで。
 桜小路もおそらくは。状況的に今は会議室には誰も居ないのではないでしょうかね。
 ……まあ。引き籠もっていたからとて脱出できるわけじゃないから、仕方ない話ですが」

いつか助けが来るだろう、なんて楽観的で保守的な動きのままではどうにもならない。
急く心を落ち着かせる術を持たないのだから統率できないのは道理だ。
帰りましょう、と深和と叶に声を掛け、廊下を引き返しかけて足の向きを変える。

そうして話していた矢先だ。耳をくすぐる微かな音に、表情を引き締める。
暗闇の中を睨みつけるようにしながら、貴方を後ろに下げんと腕を引っ張ろうとした。

「……なにか来る」
(24) 2022/06/06(Mon) 9:09:15

【人】 声無きを聞け マユミ

>>21 ナオアキ

パイプの行く末も、砕けた骨の先も見ませんでした。
今少女の頭を支配しているのは3つの感情だけです。
1つは「痛い」1つは「逃げなきゃ」1つは「変わりたい」。

能力の代償が酷く全身を痛めつけています。
水がかかった肩や腕がしゅうしゅうと音を立てて、
そこを覆っていた和装を溶かしてしまうと、
その下には
檸檬色
葡萄色
の結晶……
あなたがあげた
飴が鱗状にその肩や腕を覆っていました。

そして溶かされた様子を見て、思ったのです。
普通では逃げ切れないかも、と。だから痛みに逆らいました。
痛みに逆らって、速く逃げようとしました。    
ぱき

そして細胞は、それに応えたのです。

ばきぼきと音がします。
袴の裾を破って、また骨の集合体が飛び出しました。
骨はZを描くような形をしていて、少女の足よりも大きく長く。
同じような形の骨が肩の結晶を破って生えてきます。
自重に耐えられず蹲り、四つん這いになったその姿。

それは、少女の知る限り最も速く、
再現がしやすい生き物の形をしていました。
昔、神社の手伝いをしていた時によく見ていた形を。

少女は犬となって、駆けていきました。
その骨から鳴る騒がしい足音も、
やがて遠ざかって消える事でしょう。
(25) 2022/06/06(Mon) 11:21:51
マユミは、必死で逃げた後。各位の端末に『奈尾発見 危険 接近×』と送信しました。
(a43) 2022/06/06(Mon) 11:24:00

【人】 跼蹐 カナイ

>>22 >>23 >>24 深和 古後

近付く"それ"が何であるかは足音で凡そ判別が付いた。
だから特別向かってくる足音に警戒もせず、
武器など初めから持っていない手は所在なさげなまま。
いつも通り──そう、至っていつも通りにそろりと視線を向けた。

「弓日向さんと……えっと、あの、神陰間さんと。
 すぐ戻るはずだったんですけど、随分話し込んでしまって…」

そうしてどうにも言い訳じみてしまうような言葉は述べれど、
声色に嘘の色は無く、本気で心底申し訳ないと思っているようで。
おずおずと二人の表情を見遣り、すみません、と眉尻を下げた。

「…理由があったなら仕方ない……です、よね…?
 きっと…僕がすぐに戻らなかった事も、皆さんが
 ばらばらに行動してしまった原因、の一つのはずで…
 ……古後さんにもご心配をお掛けしてすみません…」

まさか自分が心配されていると驕るわけではないけれど、
自分がすぐに戻れば現状はもう少しましだったのではないか。
そのように思って、不安を煽った事にもう一度謝罪を述べた。
それから、掛けられた声に一つ頷いて、その背を追おうとして。

「────う、」

近付く足音にその動きを止めた。
聞き慣れない足音。これは見知った人間ではないか、それとも。
何か切迫した事態でなければ立てるはずのない足音だ。
殆ど反射的に片手を白衣のポケットに差し入れ、指先が硬い何かを引っ掛けた。
(26) 2022/06/06(Mon) 11:51:05

【置】 声無きを聞け マユミ

逃げて、逃げて、逃げて、逃げて、逃げた先で。
少女は思うのです。まだ死ねない、と。
死ぬわけにはいかない、と。
約束を守らなくては、と。
やるべきことを、と。

そして、それらをするには――
変わらなきゃ
、と。



ぱき      ぱきき            ぽき
    ばき         べき
 ぼき     みしっ         ばぎ



音を立てて、変わっていきます。
生き残る防御の意志と、願いの攻撃の意志が合わさって、
身体を覆うように育っていきました。
(L19) 2022/06/06(Mon) 11:55:11
公開: 2022/06/06(Mon) 11:55:00
マユミは、タブレットを叩いています。『おねがいします』とだけ、約束した人に文字が送られました。
(a44) 2022/06/06(Mon) 11:56:29



果たして、青年は傷付いただろうか。
ひどいものを見せてごめんな、隠さなきゃな。
俺が集めたシーツならちょっとくらい破いて貰ってもいいよな、なんて。
自分が好き勝手やった結果についた傷なのだから、怖がるのも勝手だろう。見せないようにするのもまた。

そんな言葉を返したであろう口は薄く開き、浅い呼吸を繰り返すのみだ。
夢もない無防備な眠りを昏昏と晒し続けている。

青年に触れた指先が、すこしあたたかく感じたかもしれない。
それは無意識に漏れ出した残滓。
敵対者に向けるものとは違うやわらかなもの。
少しだけあなたに触れて、明確な意思ともならずにすぐに霧散した。


意識を取り戻すまで着いているにしても、
このまま青年を置いていくにしても。
誰かが、何かが通りすがらないとは限らない。
どちらを選ぼうともあなたを責める人間はいないだろう。

カナイは、きっとその文字列を見た時、悲しかったのだと思う。
(a45) 2022/06/06(Mon) 12:12:58

カナイは、それでも約束を違えません。
(a46) 2022/06/06(Mon) 12:13:08

【人】 トラジディ フカワ


>>24 >>26 古後 叶

「知り合って間もない人たちが、
 最初から最後まで問題なく、スムーズになんて、
 それは土台無理な話じゃありませんか」

自分に対する言い訳でもあり、
二人に対する気遣いでもあり。
どことなく皮肉げに言ってのけて。

「……全て上手くいくんだったら、
 もとより、こんな事態にはなっていないはず──」

遠くの方を見つめて、ひりついた空気に気付かず。
腕を引かれてやっと「え?」だの呆けた声をあげる始末。

ようやく足音を認識したのか、
焦った様子でその長身の背後へと転がり込み──

『───────────!!!!』


息吐く間もなく
どろどろと崩れた人か獣か
が、
深和とそれを庇う形になった古後に向かって両手を振り上げ、
明確な殺意の下襲いかかってくる!
(27) 2022/06/06(Mon) 12:14:10
マユミは、声無く吼えました。
(a47) 2022/06/06(Mon) 12:28:57

ナオアキは、神陰間を逃がしてしまった後、ネズミを撃った。そして再び銃声を響かせた。
(a48) 2022/06/06(Mon) 13:09:04

【人】 絶対専制君主制 コゴマ

>>26 >>27 叶・深和
「謝って事態が解決するわけではないのですから、構いませんよ。
 別段僕が何かしらの不利を被ったわけではないのですからね。
 ただまあ、そうだな。会議室は今、がら空きのようです。態勢は整えませんと。
 結木をどうするかも考えていない。まだ伊縫も奈尾も、見つかっていないわけですから――」

悠長に話してられる時間は短いものだった。
弾かれるように二人よりも前に出て、大足を踏みしめ姿勢を低くした。
此処に来てどれだけ異形を目の当たりにしたか、初めての遭遇だったかもしれない。
知っている。貴方の袖が濡れていたこと。理由は知らずとも。
そんなことさえ意識の外に置いてしまって、青年は立ち竦んだように見えた貴方を睨みつけた。
視線が通ったのは一瞬。人が自分の言うことを聞くと思っている傲慢なものの目だ。
驕り高ぶったそれは、貴方がたを庇って暗がりの方へとより一歩踏み込んでいく。

「叶も下がれ、足を止めるな!!」

恐れも知らずに踏み込んだ足は、支えも不確かな獣の足を踏み躙った。
ばきりと薄い骨の砕ける音と、勢いを殺しきれなかった腕が袖を引き裂いて、
その下の肉までも傷つけた音とが、鈍く高く交差する。
勇壮か無謀か、さておき振り抜いた腕とパイプは重心を縫い止めた獣の体を確かに横薙ぎにした。
尤もそれがどれだけの痛手を負わせられたかは、不明だ。
得体のしれない立ち姿を確かめ、ぞっとしたように唇を引き結びながら、膝で打ち上げ距離を取る。

「――早く行け!」

貴方がたを背中に庇い、貴方がたに背を向けて。
目の前にあるものから守ろうとすることに少しの躊躇いもない。
会議室は目前。そこまで至らせる訳にはいかないと、頼りない武器を握り締める。
(28) 2022/06/06(Mon) 15:37:10

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+14
「……辛い目にあったのなら、苦しい思いをしたのなら。
 そんなものは全て、忘れ去ってしまうのがいい。
 そんなものは全て、天国に持っていく必要のないものだ」

答えの返らない言葉を投げかける。次第にそれは、自己だけの言葉に傾倒していく。
独り言めいて語りかけるそれは、貴方を見つめて言っているものなのかさえ、わからない。
誰かに重ねているのか、そうあってほしいと願っているのか、それ以外のなにかか。
他者の意見を尊重しない独り善がりの人間の言葉など、対話がなければそんなもの。

焙ったように熱い指は、どうすることも出来ないまま、濡れた前髪を整えた。
浴びせられた液体や血潮の混じるそれは、衛生的とはいえない状態だったろう。
死にゆく人間に掛ける言葉など、頭に浮かべたこともない、それが普通だ。
ステレオサウンドの頭ごなしが、前髪の隙から見える表情に問いかけている。

「もし、お前が望むのなら。そんなものは全部、捨てておけ。
 誰でもなく僕が赦す。全ての労苦、全ての辛苦。それは忘れ去っていいものだ。

 受け入れろ。伊縫、お前の喰らった苦しみは、お前が抱くべきものじゃない」

もし、貴方の操る感覚的なそれが、ほんのわずかでも意思を伝えるというのなら。
生きたいという残響が、その指に触れたなら。
貴方はその全てを、
忘れることが出来る。
(L20) 2022/06/06(Mon) 15:57:34
公開: 2022/06/06(Mon) 16:00:00
絶対専制君主制 コゴマは、メモを貼った。
(a49) 2022/06/06(Mon) 16:14:41

【人】 絶対専制君主制 コゴマ

Manasseh マナセ

1.「忘却」または「忘れさせる」という意味の名前:
 For God……hath made me for-get all my toil, and all my father's house.
 神は、私の全ての労苦と、父の家のすべてのことを忘れさせてくださった。(『創世記』41,51).
 イスラエルがヨセフの長男(マナセ)の頭に左手を置き、次男(エフライム)の頭に右手を置いたので、弟のほうが大いなる神の祝福を得ることになった(『創世記』48)。

2.マナセを象徴する宝石はアメジストまたは瑪瑙である。アメジストはギリシアでは、ワイン・ストーンにあたり、この石には酔い(酔いによる「忘却」)を防ぐ力があるとされた。

3. マナセ族:十二宮では天秤宮を支配し、植物ではぶどうの木またはシュロ、色では赤、白、黒、動物では一角獣に対応する。
(29) 2022/06/06(Mon) 16:15:43

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+14 伊縫
/*
あの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜大変不器用な言い方しか出来なくて申し訳ないんですけど〜〜〜〜〜
能力行使していいですか? 質問があったら多種多様な方法でどうぞ……お願いします……
(L21) 2022/06/06(Mon) 16:19:13
公開: 2022/06/06(Mon) 16:20:00
カジヤマは、その銃弾を掠らせた
(a50) 2022/06/06(Mon) 16:20:39

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>L21
/*
運営がゲロの許可出してくれた 助かる 輪廻龍です。
(L22) 2022/06/06(Mon) 16:30:03
公開: 2022/06/06(Mon) 16:30:00

【人】 跼蹐 カナイ

>>27 >>28 深和 古後

斯くして姿を現したものの姿に ひゅ、と小さく喉が鳴った。
忽ちに感情の全てをどっと耐え難い恐怖が支配して、
その中であっても鋭く向けられた視線と怒号にもほど近い一喝は
確かな強制力を持って脳が知覚し、それを認識するに至った。

「ふ、深和さん──」

それに従って、混乱のさなかに手を伸ばす。
一歩、二歩、じりじりと後退りながら。
その数歩先から、骨の砕ける音と、肉を打ち付ける湿った音が。
どこか非現実的な事のように遠く聞こえていた。

恐らくはきっと、叶はあなた達よりは会議室に近い側に居て
その両足は竦みかけこそすれ、確かに床を踏みしめている。

だから手を取ればすぐにでも逃げ出せる。
あなたの手を引いて、彼を置き去りにして。
(30) 2022/06/06(Mon) 16:35:59
ナオアキは、言った。「人間は生きている間、身体の中で宝石を育てているの」
(a51) 2022/06/06(Mon) 17:36:33



届いているのかいないのか。
あなたの放った言葉は暗い廊下にぽつりと落ちた。
紡がれた言葉たちは決して無為にはならず、そこに確かに降り積もる。

ぴく、と青年の指先が震えた。
普通の『にんげん』なら助からない傷だ。
人体に元来備わっている自己再生能力を遥かに超えた出血、臓器の損傷。
それらを愛すべき隣人に与えられたという事実。

その痛みすら全て忘れて、もう一度生きる・・・ことができるなら— —それは、それはなんて。

指先が再び熱を帯びる。
あなたの言葉へ応えるための、意思を紡ぐ。



それは、なんて寂しい・・・ことだろう。

「そんなに寂しいこと言ってくれるなよ、泣いちゃうだろ」

「忘れろ、なんて言うなよ。
せっかく愛施が助けてくれようとしてるのに、その原因をなかったことにしちゃうなんて」

「それに、俺が抱いてやらなきゃあ、この痛みも苦しみもどこにいっちゃうのさ。
代わりに背負うなんて言ったら怒るからな」

「痛いのも、辛いのも、全部連れていって生きたいんだ」

それは、なんとも自分勝手な宣言だった。
今にも止まりそうな呼吸をしているくせに、全身を汗で濡らしているくせに、塞がった片目からはくっきりと涙の筋が浮かんでいるくせに。
青年は、生きることを諦めてはいない。
踏み躙られた事実はそのままに。
今は閉じられたふたつの瞳は爛々と
を宿し、全てのものを焼き尽くさんとするばかりに燃えている。

本当に、自分勝手だ。


/*
というわけでお返事となります。
能力の使用は問題ありません!が、傷をまったくまるっとなかったことにする、ということは伊縫がヤダがります。
具体的には傷跡がぱっと見でわかるくらいには残る感じになるでしょうか?いい感じのがあればなんでも……(貪欲)

【置】 声無きを聞け マユミ

シュウシュウ、蛇が鳴くように。
溶解液が肩の結晶を溶かします。
鱗のように生えたそれらにも、しかし隙間はあるのです。
ほんの僅かな液体がその隙間から流れ込んで、
そして皮膚を灼く度に、少女はぎりと歯を軋ませます。

灼けていく傍から、新たな結晶が生えてきます。
皮膚を突き破るその痛みは、想像を絶するものでしょう。
失ったはずの骨の翼がまたメキメキと生え、
逃げる道中で砕けていった、犬の手足のような骨も
やはりまた新たに生えています。
骨の重みは自分の体重をゆうに超えるでしょう。
(L23) 2022/06/06(Mon) 19:19:39
公開: 2022/06/06(Mon) 19:10:00

【置】 声無きを聞け マユミ

それでも、少女は二足で立ちました。
自分のものより長い、逆関節染みた足で。
みしみしと、外付けの骨と繋がった肩や腰が軋みます。
身じろぎする度、凄まじい痛みが襲ってきました。
ですが、それでも。

(みうしなうものか)

その瞳の意志は、飲まれていませんでした。
約束の為に――少女は、運命に辛うじて抗います。
それが既に神によって確定された運命なのだとしても。

なぜならこれが、少女がかつて夢想した、
自分の名前の使い方だからです。

かみいま ゆみひこ

神陰間弓日向は、この神の居ない地で、反逆をします。
今こそ、この名で以て、自らを奮います。つまり、

 
かみいま      ゆみひこ

神の居ぬ間に、弓を引こう、と。

そうして静かに、少女はその時を、待つのでした。
約束が果たされる、その時を。
(L24) 2022/06/06(Mon) 19:23:37
公開: 2022/06/06(Mon) 19:25:00

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+17
/*
了解です! 先んじて処理的な話だけ改めてさせていただきます。
まず蘇生については行わせていただきますのでその方向にてご了承下さい。

蘇生の仕方についてなのですが、チラと運営様に確認した時点での話では、
脳から死んだ/死ぬほどの損害が与えられた という情報を消すことによって、
死ぬほどだった(システム上の死)を除去するような形になります。
その上で痛みや傷をそのままにする場合、蘇生(システム上)された瞬間、
痛覚等も生前(システム上)の健常さを取り戻すため、爆痛になるかもしれません。

"普通であれば死に至るほどだった"という事実だけを体と頭が忘れる形になると、
齟齬なく蘇生することができるのかな……と。
うまく説明できている気がしないのでいい感じに解釈していただきつつ、
細々質問がありましたら引き続きお受けいたしますので、お気軽にどうぞ……!
(L25) 2022/06/06(Mon) 19:28:26
公開: 2022/06/06(Mon) 19:30:00

【人】 トラジディ フカワ

>>28 >>30 古後 叶

「古後さ───ッ!」

尻もちをついた体制から、
まるで夢か映画みたいな光景を低い視線から見ている。
目の前で血が弾け、骨が砕ける音までもがすぐそばで、
それを現実のものだと認識した時には、叶の方を向きかけて。

『─── またそうやって頼ってばかりなんですか?』
『まだ耳を塞いでいるつもりなんですか』

『貴方は無関係なんかじゃない』
『けれど責任と罪は、決して痛みばかりではない』


その奥に、微かな黄色い光を垣間見る。
言おうとしたことはその声のなかに搔き消えて、
次に視線を動かせば獣は深手を負いつつももう一度こちらへ襲い掛かろうとしている所だ。
何かを迷っている場合ではない。ないんだ。

「あ、あ、───……!」

自分が招いた結果を、
人に拭わせてばかりでは、
それこそ───やがて自分の首を絞めることになる。
(31) 2022/06/06(Mon) 19:42:17

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+15 >>+16 伊縫
「……そうか」

釈然としないような、腑に落ちないような。
相容れない溝を挟んで立つような隔絶を感じながら。
これほど近くにあっても、本質的に交わることは、ないのだろう。
薄雲色の一角獣が、目を閉じた乙女を運ぶが如く、過ぎ去ったものへの悲哀だけがある。

「お前は強い。強い人間らしい。
 お前のことは何も知らないけれど、きっとそうなんだろうさ」

他者とどんなやり取りがあり、何をうちに秘めているのかさえ知れず。
自分勝手なことばかりを言うのは、果たしてどちらのほうだったろう。
薄靄に隠れた遠くの景色を見るように目を細めて、爛れた顔に指を触れた。

「忘れることは寂しいことじゃない。神から与えられた恩恵だ、慈愛だ。
 人は何もかもを頭のうちに収めておくことに耐えられないから、忘れるんだ。
 だが、それでも。お前が抱えたままに在るというのなら、僕はそれを奪うことは出来ない。
 お前から剥ぎ取るのは、ただ一つだけだ。
 お前がそれで、いいっていったんだから」

ひどく、ひどく残念そうな面持ちをしながら。落胆を確かにしながら。
穢れのない生き物の頭は下がり、腹部の傷を押さえる腕をどけて。
人の精神の零れ落ちる隙間に介入するように、赤く開いた傷へと口づけた。
それを貴方が望むのならば。
化学の理解を超えて活性化した力は、人間という生き物を形作る情報へと介入を始める。
辛苦をそのままに、痛事を神経の上に置き去りにして。
ただ、"死"というひとつきりを、脳の中から吸い上げる。
それが、成ったならば。貴方は耐え難い痛みを感じながらも、指先まで血の漲るのを感じるだろう。
細胞は息を吹き返し、危険信号を体中に走らせ。生きている、と、貴方自身に訴えるのだ。
(L26) 2022/06/06(Mon) 19:56:14
公開: 2022/06/06(Mon) 19:30:00

【人】 トラジディ フカワ

>>28 >>30 古後 叶

「う、う゛ぅ、う〜〜〜〜ッ!!」

頭を抑えながら低く呻いて、
隈の濃い眼は力強く獣を睨み付ける。

どうして?何故?なんで?
相手にも、自分にも問いかけるような一片の迷い。
きっとその答えは全てが終わってからじゃないと分からない。

『さ
   わ 
るなああああああああああ゛ああああ゛!!!』


目を見開き、蹲り、唾液が零れる。
割れそうな頭を無理やり手で押さえつけるみたいに。

そうじゃないと、自分の能力の使い方に耐えられない。
脳に直接刻むような命令を聞いた獣は吠え苦しんで。

けれど勢いを止めず、がむしゃらな低い姿勢で正面、
会議室のある方向へと突っ込もうとしている───!!
(32) 2022/06/06(Mon) 19:58:01
カジヤマは、言っていた。「"生ゴミ"が言うことはよくわかりませんかねェ?」
(a52) 2022/06/06(Mon) 19:58:15

【人】 絶対専制君主制 コゴマ

>>30 >>31 >>32 深和 叶
貴方がたが逃げ去ろうと決めるまでの短い時間のうち、どれほど足止めが出来たか。
おそらくは叶がそうと決めて深和の腕をとりかけた時、
青年もまた考慮すべき材料が減ることに少しの安堵と、油断があったのだろう。

「っ、糞、」

振り抜いたパイプを引き戻したその隙だ。
獣は横をすり抜け、己よりも深和に腕を振り上げることを優先したのだろう。
追い越されることを止められなかった、それに焦燥を覚えながら。
反転、捻った体は獣を追いかけ、半ば突撃するような形でその背中を追う。
深和の雄叫びに呼応したか、どうか。追うものもそれこそ、獣のように。
青年はその体すべてをぶつけるように、溶け崩れた命の残骸へと、全体重と勢いを乗せた。

青年は尖ったパイプを人獣の心臓に突き刺し、歪んだ切っ先でぐるりと抉った。
果たして血の流れによって動き生きるものであるか、というのは定かではないが、
深々と体を縫い止めたそれは、生死はどうあれ動きを止めるには貢献したと思いたい。

「貴様の相手はっ、僕だ!」

血を浴びて、溶けた肉に体を食い込ませながら。
すんでのところで動きを止められたか、一撃が誰かに当たったかはわからない。
それでも、それ以上は進ませないという意思は確かにあった。
(33) 2022/06/06(Mon) 20:08:33
ナオアキは、おしゃべりがすき。
(a53) 2022/06/06(Mon) 20:41:07

【人】 跼蹐 カナイ

>>31 >>32 >>33 深和 古後

伸ばした手は空を切る。

その先に居る人はその場に跼り、
それを好機と捉えたのか生物として破綻した異形が迫り、
振り上げられた腕を阻止すべく、
大柄な青年が猛然と"それ"に突進し、
杭を打ち、声を張り上げる。

あっという間の出来事を、呆然と見ていた。

そうして一瞬の間隙が生まれ、止まった思考は恐怖を思い出す。

真に恐ろしいものから逃れるには、殺すしかない。


この場で最も恐ろしいものは────
(34) 2022/06/06(Mon) 20:46:26
カナイは、確かにその声を聞いた。
(a54) 2022/06/06(Mon) 20:46:42

【人】 跼蹐 カナイ

>>31 >>32 >>33 深和 古後

はたして、意を決し視線は再び間近の現実を直視する。
前方にある大きな背の間近、真に恐ろしいものを見る。
今はただ恐ろしいものへの恐怖ばかりが研ぎ澄まされて、──

あれを殺すには、"破片これ"では足りない。

「────こ、古後さんっ」

──ぴしり、微かな音がした。


「伏せて、っ早く!!!」


必死だったから、それはきっとばかみたいな力だったに違いない。
殆ど引き摺り倒すように動けそうにない深和を咄嗟に引き寄せて、
同時に切羽詰まった声が異様な空気を裂いた、その直後。
(35) 2022/06/06(Mon) 20:47:23

【人】 跼蹐 カナイ

>>31 >>32 >>33 深和 古後

──ぱん、とも、がしゃん、ともつかないような。

とうに生物としての正常な形を失ったものの真横。
そこから耳を劈くような、甲高く、凄まじい破壊音がして。
それと同時に、鋭利な破片が無数の凶器となって降り注いだ。

部屋の中から廊下を、廊下から部屋の中を窺える程度の窓。
特別大きくはない、けれど破片よりもずっと大きな板ガラス。
それが唐突に、独りでに、爆発でもしたのかと紛うほど、
瞬間的に内側からとんでもない圧力を掛けられたように。
そのように、あっという間に膨張し、破裂した。

警告したという事実の示す通り、狙いは深和でも古後でもない。
刃の雨の大部分を浴びる事になったのは、異形のはずだ。
(36) 2022/06/06(Mon) 20:48:42


「……ごめんな」

あなたはやっぱり優しいのだ。
青年はそう思った。
訴えを全て捨て去って好き勝手することだってできたのだ。
『意思』を尊重し、問い掛け、全てを理解することができなくとも。
あなたはそうしてくれた。

青年は弱い人間だ。
一つさえ取りこぼすことを自分に許せなくて、全てを失って、何かを抱きしめたくともからっぽの腕の中を独り抱えているだけの人間だった。
これはきっと強がりで、青年が自分自身に恰好をつけているに過ぎないのかもしれない。それでも。

「……ははっ、じゃあ神様の慈愛、断っちゃった……?
怒んないでよ、愛施。
俺から奪ったこと、忘れないで……」

やっぱり嘘。
耐えられないのなら、忘れてもいいよ。
俺がその分覚えてるから、いいよ。


腕はだらりと抵抗せずに落ち、傷はそこにある。
望み通りの口付けを受け入れて、そうして、
頭の中が全部痛みで塗りつぶされた。

跼蹐 カナイは、メモを貼った。
(a55) 2022/06/06(Mon) 20:50:45

「あ"、あ"っ"、お"ぇ"ッ……ぐ、う"〜〜……
か"っ、ぎ……ぉ"……」


涙がぼたぼた垂れる。
両の目が開く。

痛い。

 




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