人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


卯波! 今日がお前の命日だ!

 
 あまり手の入っていない、雑木林の中を分け入って少し。
 今はもう、誰も参る事の無い、寂れた神社。

 昔もお婆ちゃんっ子やお爺ちゃんっ子でもなければ
 この場所の存在は殆ど誰も知らなくて。
 だからここは、今も昔も二人だけの秘密基地だった。

「みんなは来てくれるかなあ」

 月日に埋もれる事も無く、今も形を保ったままの石畳を踏んで
 一人ぼっちの王様は、ここじゃなくてもいいやと笑う。

「来ないってことは、
 他にもっといい場所があるってことだものね」

「ひとりじめなんてずるいから、それなら探しに行こうかな」

「だってみんなの秘密基地は、一つだけじゃつまらない!」
 

誰もいない家で一人眠ることになった、そして、再び川辺には訪れなかった。

村で見かけられなくなった。どこに泊まったかも誰もわからない。

 あまり手の入っていない、雑木林の中を分け入って少し。
 誰も来なくなってしまった、秘密基地。
 月日に埋もれる事も無く、今も形を保ったままの石畳を踏んで。

 違和感に気づいた、もしかしたら自分だけ。



「―――なれなかった」



 聖なる乙女のような君になりきる事が出来なかった。
 自分は誰も導くことが出来ない子供のまま。
 なりきれなかった自分は何か大切なことを忘れている気がする。
 どうしてここにいるんだろう、何を忘れているんだろう。
 夕凪がここにいたい理由は――――。

 遊びたいか ら ?


『強く思い出さなきゃ。
 ”この田舎”に縋る以外にすることがあるはずって、伝えるんだ』



「あそびましょう、狼さん。
 なんだか向こうに狸さんもいるみたい。
 面白いな、ずっといたい気分になってくる」


あなたの言葉を聞きましょう。
あなたの楽しいことをしましょう?
あなたと一緒に過ごしましょう。
それが、夕凪にとって幸せなことになるはずだから。

みんなの秘密基地は、やっぱり賑やかじゃないと寂しいから。

  百千鳥

夕凪はいくら探して見つからなかった。
だけどあなたが誰かに声をかけている内にひょっこり顔を出す。
自然の香りを纏わせながら、夕凪は楽しそうに笑いかけただろう。

「モモチくん海に行きたいんだって?
 夕凪が運転しようか、昨日ぐっすり寝たから今日は元気なんだ。
 やりたいことがあったら、何でも用意してあげる!」

 
「──ようこそ!」

一人ぼっちの王様は、待ちわびたとばかりに来訪者を出迎えた。

「いいよ、いいよ、一緒にいつまでも遊んでいよう。」

迷夢の中に、甘い肯定を投げ掛けて

「遊び相手だって、遊び場だって、いくらでもあるんだから」

「みんなもきっと、みんなの居るこの村が好きなはず」

どこまでも、幼気な夢を謳う。

「ずうっとここに居たいはず!」

きっと、皆がそうなのだと信じて疑う事も無く。

「だからみんなでずっと、遊んでいよう?」
 

卯波の撮った写真は、現像もしていないのに、家に散らばっていた。

愛用のデジタルカメラと、『晶』と書かれたインスタントカメラを置いて、何処かへ行ってしまった。

寂れた神社の縁側に座って、
ふらふらと足を揺らしている。

「二番目。おまけ。
 ついてくるもの。
 枠の外だけの子。
 
 あははァ……何も変わってないんだ」

心からの対抗心を向けて、
心からの嫉妬を向けて、
そうして受け取った感情は、

『あなたも大切だけど、
 他にも大切な人がいる』

という残酷な言葉だった。

連れてきてもらった子の肯定が心に染み渡る。
田舎の外に対する想いが消えて、田舎の中の気持ちだけになる。

周りの景色の綺麗さが、ひたすら毒となって、
自分の身体を蝕む──そんな、思いだ。

 百千鳥

「いいよー、任せておいて。
 歩きでも行けると思うけど、持ち物は車が楽だからさ。
 眠くなっちゃった人も運びやすくなるからね。

 やりたいこと? 夕凪はスイカ割りもしたいし、泳ぐのもしたいな〜。
 あとはー」

 あたりを見渡して、頬に指を当てながら子供のように何かを考える。

「みんなを巻き込めたら何でも!」

例えばビーチフラッグ。
例えば本格的砂のお城建築など。
他の貝殻集めや女の子らしい提案は夕凪からは出てこないようだった。

「……カメラ、何処か行っちゃった」

唯一の取り柄であった、
思い出を四角に切り取ることすらできない。

劣等感に押しつぶされそうだ。

「……」

微笑む。
いつか自分がカメラに映るために練習した笑顔は、
自分の心を覆い隠す殻となって顔に張り付く。

それでも、抑えきれない涙を、
指先で拭って──ふと、手を見つめる。

また頭がちくりと痛む。
言いようのない違和感だけが、そこにある。

自分の華奢な指先と、青年らしいしっかりとした指が、交互にチラつくのを見た。

メモを貼った。

メモを貼った。

境内からでて、自分の家へとまっすぐ進む。手入れのされてない雑木林を、まっすぐ。

結局カメラを持っていないと落ち着かない。

 
秘密基地は、みんなの国。

一人きりの王様は、ある時不意に、二人の迷い子に呼び掛けた。

「ねえ、みんな!」

みんなは誰と遊びたい?


「アタシ達、きっと二人が連れて来てほしい人を連れて来るよ」

「一番に遊びたい人を呼んで、それからいろんな事をして遊ぼう」

「──いつまでも!」
 

/*
という事で墓下のお二人に次回襲撃先のアンケートなのじゃ!

とは言っても妾、黙狼どのの襲撃先は本当に自由にしてほしいと思っておるからの
だから絶対に連れて来る事ができるとは言えないのじゃけど、
妾一人で決めてしまうのも勿体無いから是非お聞かせ願いたいのじゃ!

あくまでも参考にしたい程度のものじゃから
ロール的にはこの人が居てくれたら嬉しいな、くらいで
あまり気負わず答えてくれると嬉しいなのじゃ!
いずれはみなを連れて来たいの……のじゃ……のののじゃ…

昨日向かった川辺に夕凪は一人で座っていた。
描き途中だったページに描きたされていくのは皆の姿。

「写真じゃ、ないし」

どこか気に入らなかったのかそのページを破ると一人一人の姿を書き始める。

編笠、青嵐、涼風、髪置……卯波、茜、百千鳥。

「みんな見た目変わったね、またしっかり顔を見たくなっちゃった。正確にかけないと悔しいし、……みんな忙しいかなあ。
 ゆっくり羽を伸ばすだけじゃなくて、ずっとここにいればいいのにな」

夏の空に独り言を飛ばして夕凪は、あなた達を探しに行った。
誰かと会いたかった、スイカをくださいなと八百屋のおばさんとお話をして、誰かと会いたかった、スコップやバケツを色んなところから借りて、誰かと会いたかった、少し大きめの車を借りて、忙しないはずなのに疲れを見せずに楽しそうにしていた。

海に行く準備をしながら村を歩き回っている。


「晶兄、来てたんだ」

見てもないのに、そんなことを言う。

「……デジタルカメラもいいけど。
 今はこっちじゃないとダメかな」

首に下げるためのホルダーを外して、
インスタントカメラの方に引っ掛けて、結ぶ。
そうして、思い出により近づいた卯波は。

ほんの僅かに、背と髪が伸びた。
子供が、成長でもするように。
相変わらず中性的な雰囲気はそのままに。

「──ふふ」

頭の痛みが、少しだけ楽になった。

メモを貼った。

メモを貼った。

 
 寂れた社に背を向けて、
 下草に埋もれかけた階段を下りて行く。

 
みんなを呼びに行かなければ。


 次は誰を迎えに行こう、そう考えて
 みんなは誰と遊びたい?そんな問いの答えを思い返す。

 編笠。

 青嵐。

 涼風。

 髪置。

 鬼走。
 
 その内の一人は、何れ来るだろう。
 そんな漠然とした確信があった。

 そして、その内の一人は──
 

【人】 学生 涼風

【三日目 丑三つ時】

 目が覚めた。
 草木も眠る丑三つ時。生きる全てが眠りについて夢を見て、傍にある時計の針を進める音だけが部屋を満たしている。
 秒針が進む音が今だけどうしてか怖くてたまらない。

 暑さで少し乱れた寝巻き代わりの浴衣の襟や裾を整えて、広がる黒に慣れた目で辺りを見回す。眠れないのなら、眠くなるまで何かしていればいいかもしれない。

「……そうだ。呼子さんへ出す連絡、絵葉書にしたら楽しいかな。
 こっちの村に着いたよって連絡は電話で簡単にして、楽しい話はモモと一緒に葉書に書こう」

 ふと連絡を取り合っていた同い年の友人を思い出す。帰省の話になった時、小さな弟分を泊めたいと申し出たのは自分だ。
 無事に到着した連絡くらいは済ませたほうが姉もきっと安心する筈。ただちょっと趣向を凝らして、帰省する前の連絡方法とは違うものを──。

「……。……?」

 文机に伸ばした手がぽすりと自分の膝の上に落ちた。

 何か、引っかかる。何故だろう?
(21) 2021/08/13(Fri) 3:42:44
 
本当は、二人がここに居るの、知ってるよね?


 根拠なんて何処にも無いけれど、やはり確信じみたものがある。
 たとえば、夢の中で、無根拠にそうなのだと思うように。

 にんまりと笑って、一人呟いた。

「いじわるしないで遊びに来てあげればいいのに。
 それとももしかして、恥ずかしがりやなのかなあ?」

「まあ、どっちでもいいか。
 そうだなあ、アタシが呼ぶのはあの人にしようかな。
 だって誘わないと来てくれなそうだもん」

 脳裏に浮かぶのは、いつも寡黙でどこか顰めっ面の大人の人。
 それでも優しいあの人は、自分達が待っていると言えば
 きっと、この場所にも来てくれるだろう。
 

涼風 二日目 川

「成長した俺の写真……か。ふふ、期待に応えられるかな。
 何か遊びに行くでもなければ暫くは暇だから、大丈夫です」

言葉の一つ一つが、
ちくちくと胸の内を刺していく。

気遣うような笑みに返した、満面の笑みの下はもう既に陰りが満ちていること、何も明かせない自分の内側を偽って接していること。
全部仕方のないことだと、わかってるけど。

約束を、ひとまずは快諾して。

「いつかはもっといい写真を撮れるようになって、みんなが近くにいなくても俺の写真が届くようにします。

 例え未来がバラバラだとしても……みんなの人生に関われたら、いいな」

写真を見てもらって褒められるのは嬉しい。
だから、写真を見せることは、楽しい。
今は、それだけしか考えないようにした。

その後に何が起こるか、露ほども知らずに。

【人】 学生 涼風



【三日目 丑四つ時】

 気を取り直して葉書を探す。泊まりに来てくれている百千鳥を起こさないように、極力音を立てないよう浴衣の端をそっと持ち上げて押し入れへ。
 そっと押入れの戸を滑らせれば、かすかな埃と古くなった紙の匂いが鼻をくすぐった。

 使わなくなった葉書を探す。用箪笥を開ける。小学生の頃のテスト用紙が出てきた。日舞のお稽古に使う扇子も見つかった。夕凪や夜凪に貸したすり減ったクレヨンもあるし、呼子鳥や百千鳥と一緒に触った幼児用のヘアゴムも姿を現した。髪置について行く時に持っていった虫かごの破片も取ってある。捨てられなかったのだろう。

 押入れにしまった物を出しては思い出に浸っていたものの。途中で我に返って時計を見た。長針がそれなりに進んでいる。脱線しすぎだ。

「……あれ」

 慌てて用箪笥の別の引き出しを開ければ、いくつもの古びたノートが飛び出した。
 恐る恐る指先でめくれば、色褪せた紙の上に鉛筆で描いた世界が載っていた。

 これはたしか、星を授業で習った時。森に囲まれた学校で、皆でお泊まりしながら星を見上げたら楽しいなと思って作った物語。

 こちらはたしか、テレビで豪華客船を知った時。見た事のない煌びやかな世界に憧れて、大きな船で遊ぶ旅人の物語。

 まだ無邪気に夢を見ていた頃の欠片が、手の中に納まっている。

【→】
(25) 2021/08/13(Fri) 3:55:50
 青嵐

「……青嵐くん! 駄菓子屋で何のよう?
 夕凪が驕ってあげようか」

海に向かう前、村のあちこちを歩き回っていた夕凪は駄菓子屋で見つけた背中に声をかけた。
にこりと、楽しそうに顔を出して冷凍庫を見る。

しかし現れ方は、まるで幽霊のように。
さっきまで姿が見えなかったの突然出てきたかのようだった。


「驕るついでに、訪ねたいこともあるんだけどいいかな」

【人】 学生 涼風

>>25

 いくつも物語を書いてきた。小さな子供の見る世界なんてとても狭かったから、周りの人間がモデルとなることもしばしばあった。

 コートを着た冷静沈着な警察官が、昔からいる老婆と話を進めて不思議な事件を解決して行く話。

 都会に憧れる村娘が、村を飛び出して都会を巡り、素敵な男性と出会う話。

 大人しい青年が動物たちのために森の中でレストランを開く話。

 金髪の青年と黒髪の青年が喧嘩をしながらも世界に音楽の魔法を届ける話。

 ピアスが似合う金髪の青年が夜の街を駆けて悪い奴をやっつける話。

 嘘つきな女の子が病気の子供のために優しい嘘と魔法をかけてあげる話。

 わんぱくな男の子二人と元気な女の子の三人組が、小さい体ながらも大冒険する話。

 無邪気な少年が小さくなって、森の中で虫たちと友達になりながら沢山遊ぶ話。

 元気な姉と弟が、移動する服屋さんを開いてみんなをおしゃれにしていく話。

 写真好きの少年が、触れた写真の中に飛び込んで色んな世界を見て回る話。

 双子の姉弟が、色の無い世界をクレヨンで彩って救って行く話。

【→】
(26) 2021/08/13(Fri) 4:43:13

【人】 学生 涼風

>>26

 モデルとなった人物の中にはきちんと話した事のない人もいる。母や父、祖母から噂を聞いていたり、遠巻きにこっそり見ていたり。
 百千鳥のように誰にでも無邪気に声をかけてみたかったが、幼い自分にその勇気はなかったようだ。

「……」

 無邪気に好きな世界を空想していたあの頃。
 忘れていた思い出が泡のように揺らめいては弾けて消えていく。

 振り切るように頭を左右に振った。
 都会に出て、色んなことがあって、決めたはずだ。夢を見るのは諦めようと。
 諦めようと──

W……ここにいる間だけとかでもいいのよ。W


「…………」

 ここにいる間だけなら、夢を見ていられる?

 ここにずっといられたら、ずっとずっと……いつまでも夢をみていられる?


【→】
(27) 2021/08/13(Fri) 4:45:31
メモを貼った。

メモを貼った。

【人】 学生 涼風

>>27

「……私はいったい何を」

 ため息を吐き出す。ずっといられる筈がない。眠る間に見る夢はいつか必ず終わるもの。胸に抱く夢は諦めるか叶えるか、二つに一つの終着点にたどり着くもの。
 少年はそう考える。そう結論付けてしまった。
何のために?誰のために?


 友人へ送る葉書を探すのはまた今度にしよう。夜だからこんなに色んなことを考えてしまうんだ。
 自分に言い聞かせ、数冊のノートを綺麗に揃えようと重ねて文机にトンと置く。その時だった。

 ノートの端から、何かが見える。
 おもむろに摘んだそれは……

「…………ぁ」

……夕凪と夜凪に描いてもらった物語の挿絵だった。
 自分が物語を書いて、二人に絵をつけてもらう。そうして遊んでいた。

「………………」

 引き出しの中にしまわれたあの頃の記憶。
 挿絵の描かれた紙を握りしめ、少年は暫くそのままだった。

 かち、こち。かち、こち。
 時計の針だけが、ずっと響き続けている。
 時計の針は、決して止まることなどない。

(28) 2021/08/13(Fri) 5:01:39
 青嵐

「驚かせちゃった? 今海に行く準備しててね。
 村中歩き回ってんの。
 青嵐くんバイトしてるんだ、えらいね〜。
 夕凪たちは大学生になってからだったよ」

それじゃあお言葉に甘えて。チョコミントを。
昔はイチゴ味があれば飛びつく子供だった夕凪。
チョコミントを好きな夜凪は少し珍しかったのを覚えていてもおかしくはない、たまにゆずってやりながら二人でそれぞれの味を分け合っていた。
きっと今も弟のことを思い出しているのだろう。

「難しいことじゃないよ、
 青嵐の、好きなこのタイプを知りたい、なって」

年上のお姉さんから繰り出されるあまりに突拍子も無い質問。
照れた様子も不思議と無く純粋に気になっているように思える。


「〜♪」

都会の一昔前のヒットソングを口遊んで、
インスタントカメラをあちこちに向けている。

川でたくさん遊んだのに、
身体は疲れ知らずで、するする歩ける。
……この辺りこんなナマコ多かったっけ。

「流石にコレ撮っても仕方がないですよねえ」

まだまだ被写体探しは続く。

今尚唄っている彼を、許しはしない。

【人】 学生 涼風

 三日目。蝉の声と共に夏の日差しが勢いづき始める頃。少年はきりりと冷やした麦茶を水筒に入れ、塩飴の袋や細々としたものを小さな鞄に詰め込んで家を出た。

 写真好きなあの子はどこにいるだろうか。百千鳥が色んな人に海へ行こうと誘う姿を見ていた。もしかしたらあの子も声をかけられているかもしれない。

「海で遊んで、疲れたら海の家で写真を見る……というのも楽しそうだね」

 想像して思わずくすりと笑みをこぼした。期待を胸に抱いてちょっとだけ足取りが軽くなってしまうのは、きっと仕方のない事だ。
(40) 2021/08/13(Fri) 16:27:55
学生 涼風は、メモを貼った。
(a22) 2021/08/13(Fri) 17:02:28

 青嵐

「一緒に行こうよ、いっぱい遊ぼ? 時間が無くても強制連行。
 趣味のためにお金稼いでたなんて、結構しっかりしてたんだ」

後ほど車もでるし、徒歩でもいけることを伝えて。
スイカ割りやいろんな事をしようと提案をした。
多分無理にでもつれて行かれる気はするだろう。

やんちゃなまま変わらず大きくなっていたと思っていたのに。
お金も大学のこもしっかり考えている話を聞いて、心の中で子供扱いしていたことを謝罪をした。

それにしても
青嵐は可愛いなあ。

ここにきてからみんなが愛おしくなってばかりだ。

「そうだよ、彼女にしたいタイプ。
 あんまりこういうのは……・夕凪には聞かせたくないことかな?」

この窓どうやって使えばいいかわからない ぽんぽこいっとけばいい?

ぽんぽこぽーーん

秘密基地にいるともだちと、内緒話をした。
元気がなさそうだからどうしたの、って。
寂しかったのは、夕凪たちだけじゃなかった事を知った。
なんだか、ここのみんながもっともっと好きになった気がする。

頭打ったのかと心配されてしまった。

「……頭を? わかんないや。
 痛いところはないから気にしないで」

一瞬、視界が揺らいだような気がした。すぐに戻った。


「無茶はしないでね。
 みんな
や夕凪
にとってこの夏が楽しいものにしようね」

夕凪は、この田舎の夏を楽しんでいる。
何もおかしくない、おかしくない、そうだ、なにもおかしいところなんてない。

「傍で撮ってよ、車の準備をしたら呼ぶからね。一緒に行こう?」

みんなもたくさん誘って、と、海で遊ぶ約束をした。
海に行くまでのちょっと、二人だけの時間だった。