人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

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【人】      千



 どこぞの酔狂な金持ちの寄付によって、
 ここ数年の内に建て替えられたというこの建物は

 規模と需要に反した、真新しく清潔な内装が目を引く
 まさしく金の無駄遣いであると、
 望んで働いているわけではない一般庶民には思えてならないが

 無駄に大きな窓から差し込む月の光に関しては、
 巡回中いつも有り難く感じていた。

 夜の資料館は不気味に思えてならない。

 今の時代を生きる存在は自分一人きり、
 犇めく過去が黙して暗がりからこちらを見ている。
 そこには独特の居心地の悪さがあった。

 中にはきな臭く鬱蒼としたものも収められていて、
 そんなものを置いているからいつでも客足が少ないのではと
 思えてならないが、当然口を出せる立場でもない。
(104) 2021/07/02(Fri) 23:06:11

【人】      千



 一人分の靴音だけが、反響し静かな空間に響く
 丁度この先にあるコーナーが、きな臭い展示物のある場所だった。

 不気味であっても、怖いと感じているわけじゃない。

 自分は既に親に結婚を急かされる年齢の男で、
 真夜中に展示物が動き出し警備員を巻き込み騒動を起こすのは
 映画やゲームの話でしかないのだから。


 何も起きやしない。いつもと変わらず時間が過ぎ、帰宅する。


 その筈なのに────

 あるわけがない風の流れを、温い空気の中確かに感じた。
(105) 2021/07/02(Fri) 23:06:25
「なあ、今でも覚えているのかい?」

「……当然だ。
 この名の一つ一つ、決して忘れられやしない」

【人】      紅鉄坊




 男が二人、何かを話している。
 息を殺し足音を潜め近づき、様子を覗っているが
 その内容が聞き取れる位置に来ても、意味がよく分からない。

 こんな寂れた資料館なんかに、強盗が入ったというのか。
 どれ程建物が新しく見えても、金があるわけがないだろう。

 大昔は山ばかりだったという、過疎化の進んだ田舎町だが
 夜遅くだって、いくらでもコンビニやガソリンスタンドがあるのに。

 自分から見て正面に開け放たれた窓、左右に展示物が置かれている
 差し込む光により、それを眺める男達の輪郭が浮かび上がる。

 一人は黒い短髪の大柄な男、青緑色の上着越しにも筋肉が分かる。
 もう一人は脱色したのか白い髪の小柄な男で、やけに着込んでいた。
(106) 2021/07/02(Fri) 23:07:44

【人】      紅鉄坊



 侵入経路は明確だが、窓に鍵を忘れていたのだろうか。
 今までそんなことは一度も無かったし、
 警報装置が起動していないのも奇妙だ。

 だが、凶器の類は見当たらない。
 懐にあるとしても、こちらは直ぐに然るべき場所へ連絡が出来る。
 何が目的かは未だ検討も付かないが、
 その現代社会を舐めた行いをすぐ後悔することになるだろう。

 踏み込み、彼らを手持ちのライトで照らしながら叫ぶように言った。
(107) 2021/07/02(Fri) 23:07:57

【人】      紅鉄坊

「────ここで何をしている!」
(108) 2021/07/02(Fri) 23:08:10

【人】      紅鉄坊




 驚いたように両者の身体が反応し、こちらへと振り返った。

 そして、そして──……これはなんだ?
 続ける言葉も思考も足も、何もかもが停止してしまう。

 自分は休憩室の机に突っ伏して、居眠りでもしているのか?
 そう思ってしまう程、信じられないことだった。
(109) 2021/07/02(Fri) 23:08:22

【人】 異形 紅鉄坊

「ッ、すまない。私たちは怪しい者ではない。ただ、その……」
(110) 2021/07/02(Fri) 23:08:47

【人】 異形 紅鉄坊



 男達が一瞬で、まるで普通の人と思えない姿に変わったなどと。
 奇特なコスプレイヤーという言い訳すら出来ないじゃないか!

 勇敢な警備員ぶろうとしていた筈が、腰を抜かして座り込む。

 大柄な──より異形が強い方が何か弁明する言葉など、
 耳にも入らないどころか、必死に距離を取ろうとしてしまう。

 その時、小柄で白い方が動いた。
 一歩、一歩。この状況など意に介さないような軽い足取り
 目前まで近づいて、屈んでこちらを紅い片目が凝視した。

 男達はどちらも片方しか目が開いていなくて、
 紅色をしていることも同じらしい。

 補い合うように左右対称のそれの意味を考えてしまったのは、
 恐ろしさでついに後退ることも出来なくなった現実逃避なのか。
(111) 2021/07/02(Fri) 23:09:03

【人】      千


「いーや、怪しくはあるだろうこの状況
 でも俺達はただ、里帰りしているだけだぜ。
                 だが、ああ……あんた」
(112) 2021/07/02(Fri) 23:10:03

【人】      千




 歪む笑みを浮かべる口から、牙が覗いた。
(113) 2021/07/02(Fri) 23:11:18

【人】 異形 千



「視えるんだなァ?可哀想になァ?
        はは……、────
ひひひひっ!
(114) 2021/07/02(Fri) 23:11:37

【人】      千




 不気味な笑いを耳にしながら、意識が遠のいていく。
(115) 2021/07/02(Fri) 23:12:02

【人】      千

 

 




 
(116) 2021/07/02(Fri) 23:12:48

【人】      千



 どうやら気絶していたらしい。

 すっかり静けさを取り戻している空間。
 不審者も恐ろしい異形も、何処にもいない。

 ふらつきながら窓に近づき、外を見下ろしても

 その先、資料館の傍らで咲き誇る純白の梔子が見えて、
 芳しい香りが風に乗り届くばかりだった。

 湿度の高い夜、あれはよく香るから────
(117) 2021/07/02(Fri) 23:13:10

【置】      千




 彼らが見ていたのは、透明なケースに収められた石版。

 かつて山の中に存在した、文化の発展も届かない閉鎖的な村は

 災害や疫病を人々を呪う鬼の所業とし、
 鎮める為に花嫁と称して贄を出していたという。
 それも恐ろしい程長い年月、定期的に。

 生け贄とされた村娘たちの名前が、
 何者かにより代々記録されていたという品が、それだ。

 科学が人間の妄想を払い切れなかった時代
 数多の血を流させてしまった、悍ましい集団妄想。

 その筈だ。そうであるべきだ。それ以外には可能性は無い

 だが、これでは
(L0) 2021/07/02(Fri) 23:13:49
公開: 2021/07/02(Fri) 23:15:00

【人】 吸血鬼 千




 まるで、本当に────
(118) 2021/07/02(Fri) 23:14:26

【人】 鬼 紅鉄坊




 ────鬼がいたみたいじゃないか。*
(119) 2021/07/02(Fri) 23:15:06

【人】 龍之介

 
[不思議そうにしていれば
 お咎めを受けた。
 どうやら周知のことだったらしい。>>68

 村の覡たちが
 うっかり伝え忘れていたのか、
 今、教えていただいたばかりの事実を]



   こころを、よせ……?   
っっ!!




[繰り返すように呟いた瞬間、
 言葉と意味が結びついて
 頬が、耳が、全身が、ぼっと熱を持つ。

 先ほどまで
 死にそうに見えるほど青褪めていたというのに
 首筋まで茜色に染め、

 これ以上ない血色の良さになっていた。]
 
(120) 2021/07/02(Fri) 23:29:57

【人】 龍之介

 
[体を火照らせながら
 連ねてくださるお声に傾注すれば、
 もうひとつ驚きの
 嬉しすぎる事実を教えられ>>68


 その上、
 貴女の形のよい唇が
 自分の名を紡いでくださる。

 一音一音を味わうように声にしてくださるその顔が、

 雨上がりに架かる七色の橋のように
 美しくて、可憐で。>>-131



    ‥‥‥‥



[声を取り戻したばかりだというのに
 言葉を失ってしまった。]
 
(121) 2021/07/02(Fri) 23:30:01

【人】 龍之介

 
[それにしても

 腕に息づくこの”龍”が
 みくまり様の、もうひとつのお姿だったなんて…、
 

 そう分かってから見つめると、   
 なんだか
愛おしさ

 込み上げてきて
    

 思わず、手のひらで
 そっと優しく撫でてしまっていた。]**
 
(122) 2021/07/02(Fri) 23:30:18

【人】 水分神

 
[動揺で要らぬことを口走ったが
 人々からどこまでのことを知られているかを知らぬ
 妾目線での話。

 周知のことではないやも知れぬ。>>120

 妾が猛烈に感じているのは羞恥。]
 
(123) 2021/07/03(Sat) 0:52:45

【人】 水分神

 
[然し其れも、
 龍之介が無事であることを噛み締めれば
 何処かへ行ってしまう。]
 
(124) 2021/07/03(Sat) 0:52:53

【人】 水分神

 
[腕の龍を大事そうに撫ぜるのが見えれば>>122


   (あっ、、あーー、あーーーー)


[感覚が繋がっている訳ではないが。
 妾自身が
愛でられている
ようで
 みょーにどきどきそわそわするのじゃぁ……。]
 
(125) 2021/07/03(Sat) 0:53:43

【人】 水分神

 
[態とらしく咳払いをすれば
 表情をきりりと引き締めて立ち上がる。]


    ……、……

    疲れておるじゃろうから今宵とは言わぬが……
    覚悟が決まれば、閨に来るが良い

    其処で妾の夫に相応しいかとくと見極めてやろう


[抱擁した時に着物が汚れた。
 身を清めてから部屋に戻るとしようか。]
 
(126) 2021/07/03(Sat) 0:54:00

【人】 水分神

 
[────言うたものの。
 夫婦が閨で何をするかは良う知らぬ。
 何をどう見極めるとか、考えておらんかった。**]
 
(127) 2021/07/03(Sat) 0:54:40

【人】   天狗

―― 後日譚 ――
[天狗の加護を受けていた村の一つが「無くなった」という話は
偶然その村を訪れた行商人から周囲の集落に伝わった
何事かと駆け付け調べては見たが、そこにあるのは焼け跡のみで
居た筈の住人の姿は「どこにも」無かった
ただ一人、娘が彷徨っているのを保護したが、答えられる状態ではなく
よほど恐ろしい思いをしたのだろうと人々は噂をした

だが、誰一人として、それが天狗の仕業だとは口にしなかった
それは、口にすれば災いが及ぶなどという話ではなく
「山神様がそのようなことはしないだろう」と皆が思ったからだった
山神様は山裾の村々を護り、その「礼」にと娘を嫁に送り出す
それはもう、ずっと昔からのことで、そもそもそれが何故かなど
村人はほとんど覚えてはいなかったので]
(128) 2021/07/03(Sat) 2:30:06

【人】   天狗

[それから少したって、天狗は保護している村全てに使いを送る
そのようなことは滅多になかったから村人は驚き
そうして、先の村が滅んだ一件を思い出す
もしや、この先に良からぬことが起きるのではないかと

不安げな人々に向かって、使いは天狗の声で「安心せぇ」と笑って見せた
使いは「影」であり、それを通して話しているのだと前置きしてから
此度の要件を語りだす

……「もう、嫁はいらぬ」と]
(129) 2021/07/03(Sat) 2:31:04

【人】   天狗

 もう嫁はいらぬ
 此度、ワシは長きにわたり共にある「眷属」を得た
 これまで、大切な娘を送り出してくれたことに感謝する
 そして、悲しい思いをさせただろう、すまんかった

[村人はざわめき、そうして泣き出す者もいた
天狗が去ってしまうのではないかと、そう気に掛けるものもいた、が]

 安心せぇ、ワシはこれからもこの地を護る
 嫁を取らぬようになるだけじゃ

 じゃがの、一つ気がかりなことがある……
 皆も知っとるじゃろ、先日「無くなった」村の件じゃ

[村人たちがはっとして使いを、天狗を見る]
(130) 2021/07/03(Sat) 2:32:11