人狼物語 三日月国


132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】

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視点:


メモを貼った。

もう下手くそな笑顔を見せる事は無い。

その顔は傷付けられて、見る影もないけれど。

目も口もただ閉じられて、笑みの形でこそ、ないけれど。

きっと、だからこそ表情は穏やかなものだった。


──合議が終わってから。
眠って、とびきり優しい夢を見て、目を覚まして。

ぐしゃぐしゃの紙束が占領するベッドの中で
スマホ端末を確認して、誰かからのメッセージを見ればひとつ頷く。


「行こう、」

遅い話を、蒸し返す為に。

エノを探している。

フカワは、皆の前に姿を表さない。マップの虚無を転々としている。
(a16) 2022/03/06(Sun) 22:47:20

フカワは、広場に行って、誰かの真似をして穴を掘ったり。
(a17) 2022/03/06(Sun) 22:49:18

瞳から濁りが隠れ切った後、手帳で何かを調べた。

鉄の匂いが抜け切らない唇に指を当てながら思考する。……数が足りない。

長い時間どこかで過ごした後、寮を出た。けれど、思い当たる節は無かった。

 寮を出てすぐ、見慣れぬ建物の方を見た。水族館だ。
 合議を終えて裁判場を出た時点でなんとなく見えていたが、見慣れないものは慣れるまで異様に目を奪われるというもの。

「……」

 眉一つ動かさずそちらへと足を運んだ。返ってこない連絡の代わりを探しに。

>>水族館

 さりさりと床を踏みしめる足音。顔を上げれば透明な壁一枚隔てた先に紛い物の海中が広がっている。

 照明が落とされた薄暗い建物の中、向こう側の水の中がまるで逃げ道のように輝いていて。けれどあの煌めく世界もまた人の手によって作られ管理された箱庭であることを知っている。

「どこに行っても、何かが誰かに管理されているばかりだな」

 何の気無しに呟いた。
 ふと少年に頼まれて作り出した空を泳ぐ鯨を思い出す。アレはまだ泳いでいるんだろうか。

>>水族館

 水族館は過去に一度も行ったことがなかった。小学校の修学旅行は体調を崩して行けなかったし、中学や高校の旅行などにはそもそもスケジュールに組まれていなかった。

 魚たちの為に作られた薄暗い空間が続く景色も、鮮やかなブルーライトの中で泳ぐ生き物たちの様子も、こうして見るのは初めてで。

「……」

 それでも、心が動くことなど決してなく。
 一度に色んな種類の魚が観察できて便利だな程度の感想だけを胸中に落として先へと進んだ。

「それとも、■■■■で何か変わったりしました?」
「……なんて。さすがに■■で変わるとか、
 そんな胡散臭い話はないですよねえ」


 誰かに言われた言葉が響いて消える。変わった訳では無い筈だが。昔は知らない景色を見るだけで楽しかった筈なのに。

 無意識のうちに左胸を押さえてしまう。手を当てたところで服の下、肉の中にあるそれが何か声を上げてくれることなどないのに。

 死者は貴方の中で生き続けるなど、いったい何処の誰が言い始めたのだか。

 反吐が出る。……ああ、これは、恐らくW不愉快Wだ。

フカワは、60の力でブランコを押した。
(a23) 2022/03/07(Mon) 13:45:50

>>水族館

 見て回る途中でポスターが目に入った。
 Wバックヤード見学ツアーW。
 ……。ここは怒られない。怒る人がいない。つまりバックヤードも入り放題。

 悪いことに気付いた青年はツアーに申し込まず正々堂々関係者以外立ち入り禁止と書かれた扉を開けてあちこち不法侵入し始めた。

 来場した人間を楽しむ為の空間と違い、関係者にとって必要なものを詰め込み見てくれは二の次にした場所は他のエリアよりも少し眺める時間が長かった。

「……む」

 一つだけからっぽの水槽がある。
 否、中身はある。紫と赤の花。清掃員の帽子と黒いエプロン。

 誰かが生きて、生きようとした事の、名残。
 その終わりに寄り添ったものの、名残。
 それを汲み取る事のできる、最後の痕跡。
 
人が人らしく生きたように
思える最期のメッセージ。

 梯子を作り出し、それを使って落ちないように水槽の中へ。
 表に咲いた血は一度に流れ出たにしては少々不自然で、二回にわたって血を流したと考えるほうが自然だろうか。また、争った形跡らしきものも無い。まるで抵抗なんてする気がなかったように。

 思いを馳せる。何があったのか、名残から組み立てていく……
 ……が、足りない。自分では補えそうなパーツが作れなかった。何が起きたかまでは穴だらけの推測はできても、"何を思っていたか"までは分からない。それもその筈だ。他人のことなど、今まで碌に興味を持たなかったし、今も殆どそうだから。とある一人を除いて。

>>水族館

 端末でいくつか操作を済ませる。とある人が水族館を一人で徘徊した後、裁判所にも向かわず外を出歩いている形跡が発見された。

 返ってこない連絡。置き去りにされた帽子。表示されない現在地。
 ……名残が教えてくれるものは。即ち。

「……そうか」

 それだけを呟いて、更に端末を操作する。
 モップ、水の入ったバケツ、それからオキシドールの入ったハンドスプレー。

 清掃員が教えてくれたものをなぞるように取り出していく。

「カミクズさんは恐らく死んだのか」

 最後に紙袋を取り出して、それに帽子と血のついたエプロンをしまった。

>>水族館

 このまま放置してもよかった。
 ただ、まだ彼が投票権を持っていた頃。立候補した際自分の事は話さないでほしいと語っていたのを思い出す。それは帰ってからの話ではあったが。

 それに。
「誰かがそこに居た事を、踏み躙られないように。
 それが、その人の望まない形に歪められてしまわないように。
 ちゃんと…綺麗にする必要もあるんですよね」


 そうも話していたから。ここに踏み躙るような者がいるか話は別だが、そう考えているのなら。歪まないうちに綺麗にしてやるべきかもしれないと判断する。

 このまま放置してもよかった。
 ただ、彼には世話になったから。それくらいの義理を果たしても、きっとバチは当たるまい。

殺害現場を荒らした。名残を全て片付けていく。

水槽の中を綺麗にしていく。そこで何を起こして何を思ったか正確に知れるのは、当事者二人だけ。

>>水族館

 どれくらい時間が過ぎたのか定かではないが。
 暫くして水槽の中は文字通りからっぽになった。橋の上から生きていた名残も死の欠片も、何もかも無くなってしまった空間を見下ろす。

「……」

 お世話になりましたくらい言うべきだっただろうか。
 とはいえもう清掃員はどこにもいないのだから此処で言っても仕方がない。無意味なものだと青年は切り捨てた。

 帽子やエプロンを詰めた紙袋をかさりと揺らしながら、手帳型の端末に何かを書き込む。

「水槽いっぱいの水と、それから……」

 書き終えて満足したのか、それを最後に青年は水族館から立ち去った。


 程なくして、からっぽだった水槽は水で満たされ始める。誰かの生きた名残は、人が人らしくいた痕跡は、水の底に沈められる。


 ──その場に残されたのは、生きた名残を塗りつぶしていくのは、水槽という狭い箱庭の中で泳ぐ二匹のクラゲだった。

紙袋を手にして水族館を出た。

残された言葉を聞く事は無い。

残された言葉を聞かれていたら困る。だからW今W言った。

返信漏れがないか確認中。

少し脚を気にしながら寮の廊下を歩く。

傍聴席から送受信した、いくつかのメッセージを読み返して。
そういえばあの人は上手くいったのかなあ、と思い出した。
呼び出したマップを眺めて、アイコンの数を指折り数えていく。…また一つ減っていた。

二つ減っていないってことは、多分、概ね計画通りできたのかな。
運良く殺せたのか、それとも、運悪く殺せたのかはわからないけど。

(感想はちょっと聞きたいかも)
(それぐらいはいいよな?)

………同じ人殺しでも、やっぱり自分と違うことを感じるんだろう。
だから難しいんだ、理解者作りって。

誰かと会う約束をする前に手を洗った。ちゃんと、教わったことを実行する。

ハッピーバースデー ディア……

それが最後まで歌われることは、なかった。

フカワは、『本当に参考にしないでくださいね』と繰り返した。
(a29) 2022/03/07(Mon) 17:34:21

きっと君の事が好きだと思う。

今や名残ばかりの亡霊は、甘い誘いを投げ掛けて。

触れられなくとも、手を伸ばそうとする。

フカワは、根拠もなく、多分、飛んでくると思っている。
(a33) 2022/03/07(Mon) 20:13:49

【人】 不運 フカワ

>>6 ナツメ

『体調が悪いので欠席します』

学校の出欠確認のようなメッセージを返した。
(7) 2022/03/07(Mon) 20:17:54
フカワは、つかれている、気がする。
(a34) 2022/03/07(Mon) 20:18:47

「じゃあ、同じものをくれてやる。」